キレンジャク
3月4日の記事にしたヒレンジャクとそっくりなキレンジャクです。 漢字で書くと黄連雀、尾の先端が黄色です。
でも、よく似ていても、ヒレンジャクとキレンジャクがよく混群を作っているとしても、ヒレンジャクとキレンジャクは別種です。 両者をよく見比べると、違いは尾の先端の色だけではありません。 翼の模様の様子も、かなり違います。 上の写真のように、キレンジャクでは、翼の前方に白い大きな模様があり、赤い矢印の部分から後方に続く白い模様は、写真のキレンジャクが幼鳥だからで、成鳥ではこの部分は黄色です。
赤い矢印で示した部分に小さな赤い点が見えます。 羽をたたんだ状態ではあまり目立たないのですが、この部分に他の鳥にはあまり見られない、おもしろいものが隠れています。
イギリスで保護された野生動物を載せている Weirfield というウェブサイトがあります。 そこにキレンジャクが羽を広げた写真が載せられています。 写真は著作権法で保護されていますのでリンクさせるだけにしておきますが、上の写真の赤い矢印で示した部分が、とても変わったものだということが理解できると思います。
この赤い蝋(ろう)状の突起物は羽軸の先端と外弁の一部が変化したものとみられていますが、このためキレンジャクは英語では Waxwing と呼ばれています。
大阪付近で見るのはヒレンジャクであることが多く、キレンジャクはあまり見かけません。 でも、東日本ではキレンジャクが多く、世界的に見てもキレンジャクの方が多くいます。
キレンジャクは北半球の寒帯で広く繁殖しています。 冬は南下しますが、どの程度南下するかは、その年の木の実の量に影響され、年毎に異なるようです。
キレンジャクもヤドリギの実は好物ですが、この日はヤブランの実を食べにきていました。
食べ終わって舌なめずり。 チラッと見えた舌にも赤い色がついていました(したの写真)。
※ 鳥の味覚について、コメント欄に少し書いておきました。
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コメント
一枚目は幼鳥、キレンジャクの?
>写真のヒレンジャクが幼鳥だからで、
良く見るとやっぱり子供っぽい顔つきで・・
ヤブランの実をお口の中で転がして
噛み砕いて食べてましたか?
それともゴックンそのマンマのみこんでましたか?
珍しいショットにビックリ!!
投稿: わんちゃん | 2009年3月 7日 (土) 10時47分
> 一枚目は幼鳥、キレンジャクの?
早速訂正しておきました。ありがとう。
> ヤブランの実をお口の中で転がして
> 噛み砕いて食べてましたか?
> それともゴックンそのマンマのみこんでましたか?
鳥には歯がありませんし、時間的にもゴックンです。
では、実の柔らかさは嘴ではさんだときに分かるとしても、味はどこで分かるのか。
鳥の口では、口蓋や喉の基部などに味覚細胞の存在が知られていますが、鳥の舌には、私たち人間の味覚の中心となっている「味蕾(みらい)」が少ししかありません。
では鳥は味に鈍感かというと、行動で見る限り、鳥は果実の種類や状態にかなりこだわりを持っているようです。
念のために「鳥 味覚」で検索したら、焼き鳥屋さんがズラーっと出てきました。
投稿: そよかぜ | 2009年3月 8日 (日) 08時22分