ソメイヨシノのヒヨドリ
3月29日、大阪府堺市の私の家の周辺ではソメイヨシノはほぼ3部咲きといったところでしょうか。 そのサクラの花を待ちかねたように、花の蜜の大好きなヒヨドリがやってきて、熱心に蜜を吸っていました。 細いクチバシは花の中に差し入れるのに適した形のようです。
クチバシの中央より先が黄色くなっていますが、これは蜜でぬれたクチバシに花粉がベッタリとくっついているためで、クチバシ本来の色ではありません。 また喉のあたりが黄色みを帯びていますが、これも花粉の色。 どれだけ熱心に花の蜜を吸い続けているのか・・・
ソメイヨシノの花には蜜が少ないと言われていますが、長時間ヒヨドリを引き付けておくことのできる程度には蜜を出しているようです。
ヒヨドリ本来の色は、頭部は灰色、胴体は灰褐色で、翼や尾羽は褐色が強くなり、頬には赤みを帯びた褐色の部分があります。 また下から見上げると、下尾筒にうろこ模様があります。
ヒヨドリは大阪付近ではいつでもどこでも見ることのできる鳥といったイメージです。 でも、私の子供の頃は、町では冬にしか見ることのできない鳥でした。 それが都会の環境に順応し、大阪付近では年中見ることができる鳥になっています。
しかし北海道では夏鳥ですし、今でも春と秋には大量の個体が群れで渡りをします。 一ノ谷の戦いで源義経が通った「ひよどり越え」の地名も、そこが春と秋にヒヨドリの群が通った場所だったところからだと聞いたことがあります。
ヒヨドリの食事は、繁殖期には昆虫類も食べますが、非繁殖期は、果実や花の蜜など、植物に頼っています。 そのために農作物を食い荒らすことも多く、煩瑣な手続きを経ないで駆除できるよう、狩猟鳥にしていされています。 追い払われた経験を持つヒヨドリは人と一定の距離を保ち、なかなか近づけません。
一方で人に非常によく慣れたヒヨドリもいます。 写真のヒヨドリも私がカメラを構えているのを意に介さずに花から花へと移動し、最も近づいた時にはカメラとの距離は1mほどでした。 ちなみにこの記事の写真は、全て200mmのレンズで撮ったものです。
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