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2009年3月30日 (月)

ソメイヨシノのヒヨドリ

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 3月29日、大阪府堺市の私の家の周辺ではソメイヨシノはほぼ3部咲きといったところでしょうか。 そのサクラの花を待ちかねたように、花の蜜の大好きなヒヨドリがやってきて、熱心に蜜を吸っていました。 細いクチバシは花の中に差し入れるのに適した形のようです。
 クチバシの中央より先が黄色くなっていますが、これは蜜でぬれたクチバシに花粉がベッタリとくっついているためで、クチバシ本来の色ではありません。 また喉のあたりが黄色みを帯びていますが、これも花粉の色。 どれだけ熱心に花の蜜を吸い続けているのか・・・
 ソメイヨシノの花には蜜が少ないと言われていますが、長時間ヒヨドリを引き付けておくことのできる程度には蜜を出しているようです。

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 ヒヨドリ本来の色は、頭部は灰色、胴体は灰褐色で、翼や尾羽は褐色が強くなり、頬には赤みを帯びた褐色の部分があります。 また下から見上げると、下尾筒にうろこ模様があります。

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 ヒヨドリは大阪付近ではいつでもどこでも見ることのできる鳥といったイメージです。 でも、私の子供の頃は、町では冬にしか見ることのできない鳥でした。 それが都会の環境に順応し、大阪付近では年中見ることができる鳥になっています。
 しかし北海道では夏鳥ですし、今でも春と秋には大量の個体が群れで渡りをします。 一ノ谷の戦いで源義経が通った「ひよどり越え」の地名も、そこが春と秋にヒヨドリの群が通った場所だったところからだと聞いたことがあります。
 ヒヨドリの食事は、繁殖期には昆虫類も食べますが、非繁殖期は、果実や花の蜜など、植物に頼っています。 そのために農作物を食い荒らすことも多く、煩瑣な手続きを経ないで駆除できるよう、狩猟鳥にしていされています。 追い払われた経験を持つヒヨドリは人と一定の距離を保ち、なかなか近づけません。
 一方で人に非常によく慣れたヒヨドリもいます。 写真のヒヨドリも私がカメラを構えているのを意に介さずに花から花へと移動し、最も近づいた時にはカメラとの距離は1mほどでした。 ちなみにこの記事の写真は、全て200mmのレンズで撮ったものです。

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2009年3月28日 (土)

ヤマナラシ

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 ヤマナラシの花が一面に咲いていました(3月21日堺市岩室にて撮影)。
 ヤマナラシの学名は Populus sieboldii、つまりポプラの仲間です。 ポプラの仲間は長く扁平な葉柄を持っていて、少しの風で葉が揺れて、葉と葉がこすれて音を出します。 「山鳴らし」の和名もこのようなところから来ているのでしょうが、葉は花の後から出てくるので、今は見ることができません。

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 ヤマナラシは雌雄異株。 常識的には雌花より雄花の方が数が多く、これだけ咲いているのは雄株だろうと思って花を見ると、なんとこれが雌株の花! ヤマナラシは成長が早く寿命の短いパイオニアプランツで、種子の数は多いのは分かるのですが、日当たりがいいとこれだけの雌花をつけるとは驚きです。

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2009年3月26日 (木)

ツクシ

 ツクシはよく知られているように、シダ植物のスギナの胞子茎(または胞子穂、胞子体)です。 スギナの栄養茎(スギナ)と胞子茎(ツクシ)は、全く別の植物のようですが、地下茎でつながっている同じ植物で、“光合成担当部門”と“生殖担当部門”に分かれているだけです。

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 上の写真は昨年の4月5日に撮ったものです。 一面のツクシ、筆舌につくし難し!?
 この場所は1年間休耕田であった所を、秋に火を入れたようです。 条件がそろうと、ツクシもこんなに出るものなのですね。 でも、採って料理に使うには少し時期が遅いようです。
 上の場所はその後、田として使われました。 そして今年はどうなっているのか、気になって3月21日に見に行ってみました。 ツクシの量は8割程度に減っていましたが、ちゃんと出ていました。 ツクシ摘みの適期には少し遅いようでしたが、いくらか摘んできました(下の写真)。

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 このツクシの袴を取って、塩水で茹で、冷水にさらして酢と砂糖で味付けし、ワカメと混ぜてゴマを少々振りかけたのが下の写真、なかなかおいしい春の味覚です。

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 ツクシは花粉症にも効くようで、'06年2月6日の朝日新聞で紹介されているようです。 こちらのサイトには、そのことや、ツクシのさまざまな料理法が紹介されています。

 気持ちのいい春の散歩と味の報告でした。
 最後に、その近くで撮った観賞用の写真を1枚載せておきます。 写真のタイトルは「萌」とでもしましょうか。
(写真はすべてクリックで拡大します。元に戻るには拡大した写真の右上の×をクリックしてください。)

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2009年3月24日 (火)

セキショウ

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 近くの公園のせせらぎにセキショウが植えてあり、そのセキショウに花穂がつきはじめていました(上の写真の白っぽく写っている部分)。
 セキショウは日本や中国に分布する常緑多年生草本です。 根茎はよく発達し、そこから伸びる細い根が岩などにからみついて生長します。
 セキショウの名前は、ショウブ(ハナショウブではなく、サトイモ科のショウブです)に似て、岩にくっついて育つところからだと言われています。
 セキショウは、ショウブより小型で、ショウブの葉にある中央の葉脈(ようみゃく)がありません。 ちなみに、ショウブの花穂は、もっと太く短いものです。
 端午の節句にショウブ湯をたてる習慣がありますが、本来はセキショウの葉を用いていたようです。 葉を煮出した汁を浴槽に入れると、足腰の冷え、筋肉痛、関節痛、打ち身、ねんざ等に効果があるようです。 それがいつの頃からか葉の大きなショウブを使うようになってきたようです。
 秋に根茎を掘り取り、乾燥させたものが生薬の「石菖(せきしょう)」で、健忘症などによく効くとして、ホワイトリカーに漬けるなどして用いられています。
 下は花穂の拡大です。 1つの花の花被片は6枚、オシベも6本のはずですが、伸びてくるのに時間差があるようで、1枚目の写真では多くの花でオシベが3本見えていて、よく見ると花被片に隠れているオシベもあります。 2枚目の写真ではオシベが4~5本見えている花が多いのですが、これは1枚目と同じ花穂の一部です。

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2009年3月22日 (日)

イソシギ

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 イソシギは季節によって南北に移動するようですが、近畿地方などでは年中見ることができます。 つまり夏に見るイソシギは北から来た個体で、冬に見るイソシギは南から来た個体のようです。
 「イソシギ」は「磯にいるシギ」でしょうが、磯で見かけることは少なく、むしろ河原の礫(れき)や砂泥の場所でよく見かけます。 写真のイソシギは三重県の河口の砂泥地で撮ったものです。
 特に冬季のシギは互いによく似ていて識別が困難で、イソシギも前回の冬羽のハマシギとも似ていますが、イソシギの足は黄褐色で、白い眉斑と褐色の過眼線があり、白いアイリングがくっきりしています。

 「いそしぎ」といえば、映画(原題は「The Sandpiper」)とアカデミー主題歌賞を受賞した曲(原題は「The Shadow Of Your Smile」)がよく知られていて、私も好きなので、Youtubeにリンクを張っておきます。

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2009年3月20日 (金)

ハマシギ

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 ハマシギはユーラシア大陸と北米大陸の北極海沿岸で繁殖する小型のシギで、日本へは旅鳥または冬鳥として飛来し、海岸や河口の干潟、砂浜などで群でいるのが観察できます。 写真は三重県の干潟で撮ったものです。

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 ハマシギは、クチバシが少し下に曲がっていて首が短いことや脚が黒いことなどが特徴です。 でも、シギの仲間には似たものが多く、特に冬羽はあまり特徴が無くて識別が難しいのですが、ハマシギはもう少しすると腹部が黒い夏羽に変わり、分かりやすくなります。

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    シギだって みんないっしょに千鳥足

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2009年3月18日 (水)

ウミアイサ

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 三重県の海で見たウミアイサです。 上はメス。 河口部の水路に入ってきてくれたので、近くで撮れました。
 オスは近づいてくれなかったので、下の写真が限度。 荒い波をものともせずに、潜水を繰り返していました。

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 ウミアイサの繁殖地はユーラシア大陸と北アメリカ大陸の高緯度地方の、海岸からあまり遠くない森林地帯の湖沼などです。
 冬季は両大陸の中緯度地方の海岸に移動します。 日本にも冬鳥としてほぼ全国で見ることができますが、淡水域でみかけることはほとんどありません。
 年中群れで生活し、非繁殖期には数百羽の群れになることもあるようです。

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2009年3月16日 (月)

スズガモ

 スズガモは、冬鳥として日本に飛来する海ガモ類のなかでは、最も個体数の多い種でしょう。 世界的にも北半球に広く分布しています。 でも、ほとんどは海に大群でいて、湖沼などに来ることは、あまり無いようです。
 オスは頭から胸が黒く、頭には緑色光沢があります。 背は白地に細い黒の波状斑がり、上尾筒と下尾筒は黒い色をしています。
 メスはは全身が褐色で、クチバシの基部に大きな白斑があります。
 写真は三重県の海で撮ったものです。
(写真はすべてクリックすると拡大します。 元に戻る時は、写真の右上の×印をクリックしてください)

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 スズガモの名前の由来は、飛ぶときの羽音が金属質で鈴の音に似ていることからと言われているのですが、近くでは飛んでくれませんでした。

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2009年3月14日 (土)

ミヤコドリ

 古今和歌集などに登場する「都鳥」はユリカモメのことだと考える人が多いのですが、今回はミヤコドリ科のミヤコドリです。
 ミヤコドリは北方ユーラシア大陸のあちこちで繁殖し、冬は南下してあちこちの海岸で越冬します。
 日本にはほぼ全国の海岸に、稀な旅鳥または冬鳥として飛来しています。 そんななかで、千葉県、神奈川県、福岡県、三重県などには、毎年越冬している場所があります。
 そのうちのひとつ、三重県に行ってきました。

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 着いた時はミヤコドリはお昼寝中。 ほとんど動きがなく、こちらもたいくつして場所を移動しました。
 ※ コメント欄に、鳥の休む姿勢について書いています。
 他の鳥を観察し、戻ってみると様子は一変していました。 干潟で盛んに餌をつついています。 二枚貝やカになどを上手に食べていました。
 お昼寝は、潮が引いて干潟が現れるのを、ひたすら待っていた姿だったようです。 干潟への移動時には集団で飛ぶ姿を撮れたのに・・・と悔やんでも、後の祭りです。

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 下は満腹して食後の水浴びでしょうか。

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shine

 私のブログは、現在2本立てで、身近な自然をこの「そよ風のなかで」で扱い、旅行時などで見た動植物などを「そよ風に乗って」で記事にしています。 三重県へは2月1日に旅行し、当初は「そよ風に乗って」に載せるつもりだったのですが、こちらは石垣島・西表島のシリーズがもう少し続きそうなので、日帰り旅行のことでもあるし、と、三重県への鳥見旅行シリーズはこちらに載せることにしました。

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2009年3月12日 (木)

ソウシチョウ

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 ソウシチョウの本来の分布は、インド北部、中国南部、ベトナム北部、ミャンマー北部のあたりですが、現在では日本やハワイなどでも見ることができます。
 ソウシチョウは雑食性で扱いやすく、日中国交正常化に伴い、中国大陸からたくさん輸入してペットショップで販売されていましたが、販路やエサ代に困って遺棄(放鳥)した販売業者があったようです。 そのソウシチョウが日本の冬の寒さにも耐え、各地で繁殖も確認されていますが、筑波山、六甲山系、九重山系では特によく見られるということです。 写真のソウシチョウは箕面で撮ったものですが、堺市の鉢ヶ峯にもいるようです。
 外来生物の多くは、自然の生態系には入り込めず、人が変えた人工的な環境で見られることが多いのですが、ソウシチョウが野外で見られる場所は、自然のよく残っている林です。 ですから、今後ソウシチョウが生息域を拡大することで、天然自然林の生態系が大きく変化することが懸念されるため、ソウシチョウは特定外来生物に指定されています。
 したがって、外来生物法により、ソウシチョウの鑑賞目的での新規飼育は禁止されていますが、フンを採取してウグイスのフンとして売り出している場合があり、その場合は生業を継続するのに必要ということで、届出を出せば認められているようです。

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 ソウシチョウ(相思鳥)の名前は、つがいのオスとメスを分けてしまうと、お互いに鳴き交わしをするところからだと言われています。
 メスの体色はオスのそれより幾分薄くなりますが、基本的には体色に雌雄の別はありまません。 成鳥では赤い嘴は、幼鳥では黒い色をしています。

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2009年3月10日 (火)

アオバト

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 アオバトは全体的にオリーブ色の美しいハトで、本州、四国、九州では1年中いて、繁殖もしています。 北海道では夏鳥、南西諸島では冬鳥です。 世界的には珍しいハトで、繁殖が確認されているのは日本だけということです。
 広葉樹林や針広混交林を好むハトで、春には金剛山などでもよく「アーオ アオ オーア」などと鳴く声を聞くことができます。 また、限定的ですが、神奈川県の大磯の海岸などでは海水を飲みに来ていて、海岸が生活の場であるような行動をしています。
 そのアオバトも冬には餌を求めて公園などにも来ています。 上と下の写真は大阪の服部緑地で2月21日に撮ったものですが、金網の向こう側で近づけず(もっとも近づけばすぐに飛び立つでしょうが・・)、何か大きな実を食べているようですが、確認できません。

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 下は12月19日に堺市の大泉緑地で撮ったものです。 オスは上の写真のように羽の基部が暗赤色ですが、メスは下のように、その部分もオリーブ色です。
 下のアオバトは首の下がへこんでいるように見えます。 じつはこの部分に大きな傷があります。 オオタカが大泉緑地で狩をしていた頃で、オオタカに襲われたのかもしれません。 傷の部分を写した写真もあるのですが、残酷なので載せるのは止めます。

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2009年3月 8日 (日)

ノハラツグミ

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 ノハラツグミは、北部ヨーロッパからバイカル湖付近にかけてで繁殖し、冬期はヨーロッパ中南部~イランなどにまで南下します。 ロシア西部やドイツ北部などでは、1年中見ることができ、これらの地域では、市街地の公園などでもよく見ることができるとのことです(Wikipediaを参考にしました)。 しかし日本では、稀にしか見ることができず、今までに数回しか記録されていません。
 そのノハラツグミが京都府宇治市の木幡町に来ているというので、撮りに行ってきました(2月28日撮影)。 すごい人でした・・・。
 2月の中旬からこの場所に来て、気に入ったのか、ずっと居続けているようです。

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2009年3月 7日 (土)

キレンジャク

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 3月4日の記事にしたヒレンジャクとそっくりなキレンジャクです。 漢字で書くと黄連雀、尾の先端が黄色です。
 でも、よく似ていても、ヒレンジャクとキレンジャクがよく混群を作っているとしても、ヒレンジャクとキレンジャクは別種です。 両者をよく見比べると、違いは尾の先端の色だけではありません。 翼の模様の様子も、かなり違います。 上の写真のように、キレンジャクでは、翼の前方に白い大きな模様があり、赤い矢印の部分から後方に続く白い模様は、写真のキレンジャクが幼鳥だからで、成鳥ではこの部分は黄色です。
 赤い矢印で示した部分に小さな赤い点が見えます。 羽をたたんだ状態ではあまり目立たないのですが、この部分に他の鳥にはあまり見られない、おもしろいものが隠れています。 
 イギリスで保護された野生動物を載せている Weirfield というウェブサイトがあります。 そこにキレンジャクが羽を広げた写真が載せられています。 写真は著作権法で保護されていますのでリンクさせるだけにしておきますが、上の写真の赤い矢印で示した部分が、とても変わったものだということが理解できると思います。
 この赤い蝋(ろう)状の突起物は羽軸の先端と外弁の一部が変化したものとみられていますが、このためキレンジャクは英語では Waxwing と呼ばれています。

 大阪付近で見るのはヒレンジャクであることが多く、キレンジャクはあまり見かけません。 でも、東日本ではキレンジャクが多く、世界的に見てもキレンジャクの方が多くいます。
 キレンジャクは北半球の寒帯で広く繁殖しています。 冬は南下しますが、どの程度南下するかは、その年の木の実の量に影響され、年毎に異なるようです。

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 キレンジャクもヤドリギの実は好物ですが、この日はヤブランの実を食べにきていました。

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 食べ終わって舌なめずり。 チラッと見えた舌にも赤い色がついていました(したの写真)。
※ 鳥の味覚について、コメント欄に少し書いておきました。

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2009年3月 4日 (水)

ヒレンジャク

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 前回の記事で、ヤドリギの実を食べていたヒレンジャクです。
 ヒレンジャクはシベリア東部~中国北東部で繁殖し、サハリン、朝鮮半島、日本、中国南部、台湾などで越冬しますが、越冬地への飛来数は、年による変動が激しいようです。。
 オスとメスはほぼ同色ですが、オスは次列風切の先端が赤く、初列風切先端に白色部があるのに対し、メスでは初列風切先端の外弁にだけ白斑があります。
 下は背中側を写したものです。

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 「ヒレンジャク」の名前は「緋色の連雀」で、「連雀」は集団で行動するところからでしょう。 緋色は、体のあちこちに緋色の部分があるのですが、キレンジャクとの区別点となる尾の先端の赤い部分に注目されたようです。
 ヒレンジャクの漢名は「十二紅」ですが、やはり尾羽に注目されていて、12枚ある尾羽の先端が赤いことによります。
 下は飛び立つ瞬間で、尾羽を広げていますので、12枚あることも確認できます。

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2009年3月 2日 (月)

ヤドリギ ②

(「ヤドリギ ①」からの続きです)
 ヤドリギは半寄生植物で、他の木から養分を奪うとともに、高い光合成に有利な場所で自身も光合成を行うというと、ずるい生き方をしているようですが、ヤドリギにも“悩み”はあります。 それは、他の木の上に種子がくっつかなくてはならないことです。
 他の木の上に種子を運んでもらうには、鳥に頼らなければならないのですが、それでも他の木の上で、鳥がヤドリギの種子が入った糞をしてくれるのは確率的には低いことです。 また、ヤドリギの種子がうまく枝にくっついたとしても、その枝が細すぎると、他の枝の成長のために落枝したり、ヤドリギの成長に耐え切れずに落枝してしまう可能性もあります。 ですから、ヤドリギはたくさんの果実を作ります。
 果実は淡黄色で、葉の色とそんなに変わらず、目立ちにくいのですが、たくさんの果実をつけて鳥の“常連さん”に餌のある場所を覚えてもらって何度も通ってもらうためには、“一見(いちげん)さん”を呼び寄せる派手な“広告”は不要なのでしょう。
 下はヤドリギを望遠で写したもので、あちこち淡黄色で丸い果実が写っています(写真はクリックで拡大します)。 写真には果実を食べに来たヒレンジャクという鳥も写っています。 じつはこのヤドリギには、この1週間ほどたくさんのヒレンジャクが通い詰めているのですが、まだまだたくさんの果実が残っています。

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 ヤドリギが他の木の上で生育するための問題点その2です。 鳥がヤドリギの種子を含んだ糞を木の上でしてくれても、その種子が木の上にくっつかなくては意味がありません。 また、ヤドリギの種子から根が出てその根を木の枝に食い込ませるためには時間がかかります。 その間、ヤドリギの種子は、ずっと同じ場所にくっついていなければなりません。
 下の写真はヒレンジャクが糞をしているところです。 ヤドリギの果実では、種子の周囲をヌルヌル・ベタベタした粘液の層が取り囲んでいる(注)のですが、この粘液がほとんど消化されないで、そのまま排出されているようです。 種子も消化されずにそのまま出てきているようです。

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 鳥から排出されたヤドリギの種子は、この粘液によって、木の枝にくっつくことができます。 そしてこの粘液は、時間とともに乾燥し、ヤドリギの種子を木の枝に密着させ、固定させるのです。

(注):3月7日追記
 ヤドリギの果実の果肉は、次の3つの部分に区別できそうです。 つまり、① 枝などにくっついてぶらさがるのに役立つ部分(Viscin組織)、② 種子が枝にくっつくのに役立つ、種子の周囲にある粘着質部分、③ 通常の果肉部分(食べた鳥の栄養分となる部分) です。 なかなかさんのHPの「ヤドリギの果実」には、そのあたりのことが、よく分かる写真とともに、詳しく書かれています。

【関連項目】
 ヤナギバルイラソウの種子の周囲の粘液物質

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2009年3月 1日 (日)

ヤドリギ ①

 昨年('08年)は源氏物語千年紀ということで、様々な記念イベントが催されました。 その源氏物語ゆかりの地で「源氏物語ミュージアム」などのある宇治に行って来ました。
 ミュージアムから宇治十帖モニュメントを見ながら朝霧橋を渡り「中の島」を経て橘橋から平等院と宇治川との間にある「あじろぎの道」などを散策。 宇治川には、キンクロハジロ、ホシハジロ、マガモ、カルガモやカワウなど、岸にはシメやハクセキレイなどの姿が見られました。 そして、この付近の木には、たくさんのヤドリギもくっついていました(下の写真)。

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 上の写真はソメイヨシノについたヤドリギですが、ケヤキなどにもたくさんついていました。
 ヤドリギは万葉の古名では「ほよ」。 生命力の強い木とされ、挿頭にすると長寿になると伝えられていたようです。

   あしひきの 山の木末の ほよ取りて かざしつらくは 千年寿くとぞ
                                   (万葉集巻18-4136)

 たしかに冬に葉を落とした落葉樹の、ヤドリギのついている部分だけが青々と茂る様子は、生命力がその部分だけに集中した印象を与えます。

※ 「源氏物語」五十四帖のうちの第49帖も「宿木(やどりぎ)」ですが、こちらの宿木は、他の木にくっついてよじのぼるツタの異名と、「宿りき(かつて宿った)」の掛詞からきています。

 ヤドリギは半寄生植物で、樹上に付いた種子から出た根が枝に入り込み、寄生している木から養分を吸収するとともに、自身も葉を広げて光合成を行い、成長するにつれて枝をあらゆる方向に伸ばし、球形に繁茂します。
 「ヤドリギ」の名前は、上記のように「他の木に宿る」という意味の他に、古代の人にとっては、「神の宿る木」としての意味もあったようです。 落葉した林の中で葉を落とさないところがある、これはきっとあの球形の葉のかたまりの中に神様がおられて、自分の姿を隠すためにそこだけ葉を落とさないようにしておられるからに違いない、と、考えたのでしょう。 新酒ができたときに吊るす杉玉も、本来はヤドリギであったものが、ヤドリギは乾燥すると葉がポロポロと落ちてしまうので、常緑の針葉樹で代用したのだと聞いたことがあります。

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ヤドリギ ② に続く)

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