ウソというこの鳥の名前は、すぐ「嘘」という漢字と結び付けられて、何が嘘なのだ!? ということになるのですが、ウソの漢字は「鷽」(鶯とはちがいます)ですし、名前の由来は、古語の「嘯(うそぶ)く」(=口笛を吹く)から来ているようで、「フィー、フィー」という鳴き声が口笛のように聞こえるからということです。
たしかにウソの声は遠くまで良く聞こえます。 姿はみつからないのに声だけ聞こえることもよくあります。
ちなみに、この声は年中聞くことができ、メスもこのように鳴きますので、さえずりではありません。
太宰府天満宮などでは、菅原道真の紋所が梅で、その梅によくやって来ていたウソを、「鷽」の漢字が「學」の字に似ていることから、学問の神様である天神様の使いとみなし、ウソをデフォルメした木彫りの人形「木鷽」が土産として売られています。
太宰府天満宮 私が16年前に写した写真です
この木鷽を用いた「鷽かえ」という神事も行われています。 1月初旬の夜、参詣者が暗闇の中で互いに手にした木鷽を次々と替えあい、底面に書いてある数字や言葉が当たり番号である木鷽を最終的に持っていた人は金の鷽がいただけるというものです。 人が知らずしらずにつく嘘を、木鷽を替えあうことで天神様の誠に変えていただくのだと言われています。(やっぱり「嘘」?)
ウソは本州中部以北で繁殖し、冬は暖地に移動しますし、冬鳥としても渡来してきます。 嘴は太く短く、頭と翼の大部分、それに尾は黒く、背中は灰青色です。
下の写真、左がオスで右はメスです。 雄の頬から喉は淡桃色ですが、雌にはこの淡桃色の部分がありませんので、オスは照鷽(てりうそ)、メスは雨鷽(あめうそ)とも呼ばれています。
細かく書くと、ここに載せたのはアカウソです。 ウソは、ウソ、アカウソ、ベニバラウソの3亜種に分けられます。 亜種ウソのオスは、喉は赤いのですが、胸の赤味はありません。 なお、ベニバラウソは冬鳥として稀に渡来し、胸から腹までが赤味を帯び、下腹は白色です。
本日の漢字
左よりウソ、ウグイス、「学」の旧字
最近のコメント