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2009年1月23日 (金)

オシドリ

Osidori090112_1

 これまで何度かこのブログに載せたニサンザイ古墳のオシドリです。 この日は堀の中央まで出ていましたのでこれだけ大きく写せましたが、オシドリはよく木の陰に入ってしまいます。
 じつはオシドリは他のカモに比較して、木との結びつきが強いカモなんです。 まず、ドングリが大好物です。 また繁殖地では、多くのカモが地面に巣を作るのに対し、木のうろに巣を作ります。
 他のカモとの違いは、上のような生態的な面だけでなく、オシドリの特にオスは形態的にもかなり違って見えます。 その理由は、鮮やかな色彩や、頭の後ろに伸びる冠羽や首にある長い茶色の羽も挙げられますが、何といってもオスの体の後ろに立っているオレンジ色の羽でしょう。
 この羽は「銀杏(イチョウ)羽」と呼ばれていて、三列風切の内側の一枚が大きく、それを立てているのです。 でも、いつも立てているとは限りません。 上の写真の手前左側のオシドリは銀杏羽をきれいに立てていますが、右の個体は寝かし気味、そして下の手前の個体は完全に倒しています。

Osidori090112_2

 このような特徴を持っているため、オシドリは昔から注目されていたのか、日本画などにもよく描かれてきました。
 日本画に描かれているオシドリはほとんどの場合、オスとメスが同時に描かれており、仲のいい夫婦のことを「おしどり夫婦」などと言います。 これは日本でのオシドリの繁殖記録は、四国を除く北海道から沖縄まであり、多くのカモが北の国で繁殖するのに対し、繁殖期に目にする機会が多かったからでしょう。
 でも、衝撃の事実、オシドリの夫婦はそんなに仲がいいことは無いのです。 まず、繁殖期ごとに別の相手と結ばれます。 だからこそ、今の時期から、オスはメスにモテるためにきれいに着飾り、銀杏羽をせいいっぱい持ち上げていなくてはならないのです。 そして結ばれた後は、オスは家庭を顧みず、巣作りも子育てもメスだけで行います。
 なお、2枚目の写真の手前から2番目の個体がメスですが、非繁殖期になると、嘴のピンクは残るものの、オスの羽色もメスそっくりになってしまいます。

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コメント

「何もそこまで暴露しなくても~」って
オシドリの旦那に言われそう・・・・

思いもよらない事実を知って、ビックリしました。

投稿: わんちゃん | 2009年1月23日 (金) 21時14分

オシドリに学ぶ人生哲学-
高級品を身につけてチャラチャラしている男性には誠実さが無いということでしょうね。
(高級品を買う金の無い者のひがみ?)

投稿: そよかぜ | 2009年1月23日 (金) 22時41分

>高級品を身につけてチャラチャラしている男性には誠実さが無いということでしょうね。

それを見破る女性の目が肥えてないと、そういう男性って世にはびこるんじゃないでしょうか?
すると、オシドリのメスは何事も納得ずく?

投稿: わんちゃん | 2009年1月24日 (土) 20時44分

これほど周囲にオスがたくさんいて銀杏羽を立てているのに、悠然と泳いでいるところを見ると、そうかもしれませんね。

投稿: そよかぜ | 2009年1月24日 (土) 23時04分

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