ツクシガモ
ツクシガモはユーラシア大陸の温帯部に広く分布し、ほとんどの個体群は季節の変化に応じて渡りを行います。 東アジアでは、中央アジアで繁殖し、冬になると中国南部などに渡ります。
日本には冬鳥として、主に有明海などの九州北部に渡来していました。 「筑紫鴨」の和名もここから来ています。 ところが諫早湾の干拓で干潟が消滅したことが原因かもしれないのですが、最近は瀬戸内海や大阪湾など、各地で見られるようになってきています。 越冬地では主に潮が引いた干潟で採餌し、海岸や海面で休息します。
大阪南港野鳥園(下の)では、1年前には数羽が飛来しているだけでしたが、今年は100羽を超えるツクシガモが飛来しています(私が観察に出かけた1月25日現在の状況)。 午前中はワシタカ類の活動が盛んなためか、小さな群れに分散してあちこちに出かけていて、野鳥園には数羽しか残っていないのですが、午後になると南港の野鳥園に次々と戻ってきます。
ツクシガモは大型のカモで、下の写真では主にオナガガモとツクシガモが写っていますが、オナガガモよりも体重は重そうです。
1枚目の写真のツクシガモはメスで、ツクシガモはカモ類としては珍しく雌雄ほぼ同色ですが、繁殖期にはオスの額にはくちばしと一続きになったこぶが目立ってきます(こちら)。
大阪南港野鳥園のある付近は、古くは住吉浦と呼ばれ、万葉の昔からシギ・チドリなどの渡り鳥にとっての渡りの重要な拠点として知られてきました。 大都市近郊の遠浅の海岸がどんどん埋め立てられて干潟が消失していくなかで、干潟や湿地の保護や回復が訴えられ、埋立地の一角を人工的に干潟にしたのが、現在の大阪南港野鳥園です。
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コメント
水面を鏡にして、
ナルシスト(自己陶酔型)みたい・・・・・
くちばしがきれいな赤色。
投稿: わんちゃん | 2009年1月27日 (火) 21時13分
> 水面を鏡にして
視線はもっと先、それに足は動いています(=ブレています)。
お化粧よりも食いけです。
投稿: そよかぜ | 2009年1月28日 (水) 07時06分
ホンマやぁ・・・・(笑いと共に)
投稿: わんちゃん | 2009年1月28日 (水) 19時10分
拡大すると、なかなかいい表情をしているでしょ。
でも、ツクシガモを笑いのネタにできるのは、かなりゼイタクな話なんですよ。見ることのできる場所は限定されていて、多くの人たちにとっては、見る機会の少ない美しいカモですから。
投稿: そよかぜ | 2009年1月28日 (水) 22時52分
それは、それは失礼しました。
あまりにも、そよかぜさんのツクシガモの行動観察がピッタリだったから…
投稿: わんちゃん | 2009年1月29日 (木) 16時41分
こんばんは♪
そうなんですか有明海に来てたんですか
諫早湾の干潟があった頃はたくさんの渡り鳥を見ることができました
その頃は双眼鏡を持ってなくてツクシガモ見たことありません
人は無くなってから気づくんですね、いろいろ。
諫早湾に行くと寂しくなるので近寄らないようにしてます
投稿: エフ | 2009年1月29日 (木) 23時00分
> 人は無くなってから気づくんですね、いろいろ。
ある時はあたりまえ、失って気づく大切さ・・・ 同感です
> 諫早湾に行くと寂しくなるので近寄らないようにしてます
この気持ちもよ~く分かります。
諫早湾は観光資源としても十分活用できた場所だったと思います。
投稿: そよかぜ | 2009年1月29日 (木) 23時53分
白・黒・栗色の配色が美しく、
嘴が赤い
お見事な一枚目
近日リンクお願いです
投稿: わんちゃん | 2011年2月22日 (火) 18時04分
うツクシィカモへのリンク、了解です。
投稿: そよかぜ | 2011年2月22日 (火) 22時47分