ベニバナボロギク
ベニバナボロギクの頭花には、舌状花は無く、筒状花のみで構成されていて、周辺から中央部へと咲き進み、雄性期から雌性期へと変化します。 下の写真では、全体が紅色一色で分かりにくいのですが、周辺部は雌性期で二又の柱頭が見られ、その内側に花粉を出している雄性期の小花がサークル状に配列しており、中心部はまだツボミです。
上のような状態のあと、全体が雌性期になります。 このときメシベはかなり高くまで伸びますので、下の写真の一番上の頭花では、小花の花弁とメシベとが2段になって写っています。
下はその拡大。 二又に分かれた柱頭は、外側が濃い紅色で内側(花粉を受け止める側)は色が薄くなっています。 カールした柱頭がこれだけ揃うと、なかなかおもしろい絵になります。
ベニバナボロギクは、最初は1950年に福岡県でみつかり、現在では関東以西に広がっているアフリカ原産の帰化植物です。
帰化植物の多くは、日本本来の自然環境とは異なった、新しい環境、人工的な環境で増える場合が多いのですが、このベニバナボロギクは森林の伐採跡地などにたくさん生えているのをよく見ます。
伐採も人工的に行うものではありますが、森林域に侵入する帰化植物は珍しいものです。 日本の在来種で、このような伐採直後に生育する1年生草本はほとんど無く、うまく生育場所を見つけたようです。
ただし、ここに載せた写真は全て、堺市の林の縁や果樹園等で撮ったものです。 キク科には食用になる植物が多いのですが、このベニバナボロギクも、シュンギクに似た香りがあり、食用になります。
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コメント
私もたしか、ベニバナボロギク撮ったよな・
と、思い出して繰ってみましたら、ありました、今年の8月17日に上狛の里山をウロウロした時に・・・・
何も思わんと撮ってましたが、
詳しく見ましたら、カールが見えました。
投稿: わんちゃん | 2008年12月 2日 (火) 21時46分
3年ぐらい前はぽつりぽつりと見る程度で可憐な花だと思っていましたが、この頃はそよかぜさんおっしゃる伐採跡地や道路沿いなどで群生している姿によく出くわします。
しばし怒濤の勢いでわっと増えて、次には在来種とのせめぎ合いを経て、やがて日本の風土に馴染んで行く・・セイタカアワダチソウのような経過を辿るのでしょうか・・?
食べられるのですね~。
投稿: ひとえ | 2008年12月 2日 (火) 22時01分
わんちゃんの写真は掲示板に入れていただいたのですね。カールがよく分かる時期ですね。
花粉を出している期間がほんとうに短いように思います。それが不思議です。
ひとえさん、根拠はありませんが、セイタカアワダチソウのような増え方はしないような気がしています。
園芸植物以外で花が12月まで咲くというのも珍しいですね。
投稿: そよかぜ | 2008年12月 3日 (水) 00時01分