ナンキンキノカワガ
ナンキンキノカワガです。 12月20日の散歩で見つけました。
苔むしたメタセコイアの幹にいたので分かりましたが、これがケヤキの幹などにいたら、見落としていたかもしれません。
キノカワガの仲間は、木の皮に似ているところからの名前で、この仲間はコブガ科に分類されます。 コブガ科は、前翅に鱗粉隆起を持っています。 上の写真では光が斜めから当たっていますので、前翅に凹凸がある様子がよく分かります。
コブガ科はヤガ科やヒトリガ科に近縁の小型種の科で、単眼を持っていません。
擬態によほど自信があるのか、触っても動こうともしませんでした。 細い枝を体と幹の間に差し込み、無理に引き離そうとしても、前脚のツメをしっかりと樹皮にひっかけて抵抗しました。
そんなことをしているうちに、隠していた触角を出し、少し別の場所に移動しました。 そこをフラッシュを使って影を消して撮影したのが下の写真です。
これはメスで、オスはメスに比べると黒っぽい色をしています。 一般的にガの触角は、メスが出すフェロモンを受け取るためにオスで発達しているのですが、ナンキンキノカワガの場合はオスもメスもそんなに違わないようです。
ナンキンキノカワガの成虫は6月以降に出現し、成虫で越冬、翌春再び活動するものと推定されているのですが、私の見た個体は羽化してそんなに時間が経っていないように見えました。
このガの名前の「ナンキン」は、ナンキンハゼの名前からきているのでしょう。 幼虫はトウダイグサ科のシラキやナンキンハゼなどの葉を食べて育ちます。 ナンキンハゼの葉を食い尽くすこともあるようです。
マユにはおもしろい性質があるとの事です。サナギのお尻の先端に固い突起があり、一方この部分が当たるマユの内面には筋状の突起があって、威嚇が必要な場合には、この両者をすり合わせて音を立てるそうです。
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コメント
ナンキンとはナンキンハゼのことだったのですね、近くのショッピングセンターへの途中にナンキンハゼの並木があります。ナンキンキノカワガが育っていたんですね。虫ちゃんとのコミュニケーション楽しんではりますね。
投稿: わんちゃん | 2008年12月28日 (日) 10時06分
> 虫ちゃんとのコミュニケーション楽しんではりますね。
今回はかなりいじめたようで・・・
今まで出会ったガの中でも1・2を争うほどのしぶといしがみつき方でしたね。
投稿: そよかぜ | 2008年12月28日 (日) 19時40分