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2008年12月31日 (水)

セグロセキレイ

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 今年やってきたことに白黒つける、というわけでもありませんが、今年の記事の締めくくりは白黒のはっきりしたセグロセキレイにしたいと思います。

 写真は堺市のフォレストガーデンにいたセグロセキレイです。 セグロセキレイは水辺の環境に依存していて、畑など乾いた場所での採食行動はあまり見られないのですが、この日は貸農園の畝の間を歩き回っていました。

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 セグロセキレイは、比較的河川の中流域などを好む傾向があり、河川の下流域など比較的低地を好む傾向のあるハクセキレイや、渓流沿いなどに好んで住むキセキレイとは概ね住み分けています。
 しかし、最近はハクセキレイの分布が北から南へと広がってきて、さらにハクセキレイは河川を遠く離れて畑などでも活動し、個体数が増加しています。 そのハクセキレイに押されるように、セグロセキレイの分布が縮小しているようです(「日本野鳥の会」の1980年全国調査)。

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 この写真は500mmのレフレックスレンズを使って撮りました。 このレンズはずっと昔にフィルム式の一眼レフで使っていたものです。
 もちろん昔のレンズですので、手振れ補正は無く、ピントもマニュアルでしか合わせられないのですが、デジカメの撮像素子の感度が上がってシャッタースピードを速くできるようになり、手持ち撮影でもブレる事が少なくなりました。
 小さくて軽くていいのですが、今回のような写真では、リング状のボケがゴチャゴチャしすぎます。
 でも、これも年末のあわただしい中、全てがまぁるく納まるように、ということで・・・

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2008年12月28日 (日)

ナンキンキノカワガ

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 ナンキンキノカワガです。 12月20日の散歩で見つけました。
 苔むしたメタセコイアの幹にいたので分かりましたが、これがケヤキの幹などにいたら、見落としていたかもしれません。
 キノカワガの仲間は、木の皮に似ているところからの名前で、この仲間はコブガ科に分類されます。 コブガ科は、前翅に鱗粉隆起を持っています。 上の写真では光が斜めから当たっていますので、前翅に凹凸がある様子がよく分かります。
 コブガ科はヤガ科やヒトリガ科に近縁の小型種の科で、単眼を持っていません。

 擬態によほど自信があるのか、触っても動こうともしませんでした。 細い枝を体と幹の間に差し込み、無理に引き離そうとしても、前脚のツメをしっかりと樹皮にひっかけて抵抗しました。
 そんなことをしているうちに、隠していた触角を出し、少し別の場所に移動しました。 そこをフラッシュを使って影を消して撮影したのが下の写真です。
 これはメスで、オスはメスに比べると黒っぽい色をしています。 一般的にガの触角は、メスが出すフェロモンを受け取るためにオスで発達しているのですが、ナンキンキノカワガの場合はオスもメスもそんなに違わないようです。

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 ナンキンキノカワガの成虫は6月以降に出現し、成虫で越冬、翌春再び活動するものと推定されているのですが、私の見た個体は羽化してそんなに時間が経っていないように見えました。
 このガの名前の「ナンキン」は、ナンキンハゼの名前からきているのでしょう。 幼虫はトウダイグサ科のシラキやナンキンハゼなどの葉を食べて育ちます。 ナンキンハゼの葉を食い尽くすこともあるようです。
 マユにはおもしろい性質があるとの事です。サナギのお尻の先端に固い突起があり、一方この部分が当たるマユの内面には筋状の突起があって、威嚇が必要な場合には、この両者をすり合わせて音を立てるそうです。

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2008年12月24日 (水)

ホテイアオイの脅威

 下の写真の池は、約1年前の今年の1月3日に記事にした池です。 その時の写真でも、ホテイアオイの丸い浮き袋などが写っていますが、このホテイアオイが冬の寒さに耐え、一部が生き残ったようです。
 そのホテイアオイが夏の間に増殖を続け、秋には池の水面を完全に覆ってしまい、水鳥たちの泳ぐ場所がなくなってしまいました。
 ホテイアオイは1シーズンで1,000~1,500倍に増殖するといわれています。 このすごい増殖力のため、ホテイアオイは日本以外でもあちこちで害をもたらしています。 IUCN(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources : 国際自然保護連合)が選んだ「世界の外来侵入種ワースト100」の中にも、浮水植物としては唯一ホテイアオイが選ばれています。
 これから寒くなれば、ホテイアオイは枯れて水没していくのですが、水鳥たちが泳ぐこともできない状況が続く中で待ってはおれないと、この池でも近所の人がボランティアでホテイアオイを陸に揚げておられました。 どうにか確保できた水面で、バンやヒドリガモが泳いでいます(下の写真)。

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 下は積み上げられたホテイアオイです。 ホテイアオイは極めて多量の水分を含有するため、焼却も難しく運搬もたいへんで、このホテイアオイはどのように処分されるのか・・・

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 ホテイアオイも、このすごい増殖力をうまく利用すれば、有用植物になるはずです。 増殖時には水中の窒素成分などをどんどん吸収しますから、そのホテイアオイを陸に揚げて植物体をうまく利用することができれば、水質浄化にも役立ちます。 しかし、その利用方法が見つかっていないのが現状です。

※ ホテイアオイの花の様子などについてはこちらで記事にしています。

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2008年12月19日 (金)

鴨撃ち

 林のあちこちに点在している池に鴨が来ている。 その鴨を撃ちに早朝から出かける。 愛犬のハヤテ(犬種はポインター)は、においをかぎつけたようで、頭を低くして前を凝視し、静かに進む。
 池の縁まで3m位の所で、ハヤテはピタッと止まる。 尾をピンと伸ばし、全身は緊張感に包まれ、ピクリとも動かない。 どうやら鴨も私たちに気づき、やりすごそうと、池の縁に生える草の茂みにもぐり込み、息をひそめているようである。
 獲物はハヤテの凝視している先にいる。 私は静かに散弾銃を構え、「行け!」と声をあげる。 ハヤテは突進し、鴨は驚いて飛び立つ。
 ダーン・・・ 静かな山間に散弾銃の音がこだまする。

 上は、道で出会ったハンター(下の写真)に聞いた話を元にして作った話です。 持っておられる銃の射程距離は、約30m。 今は愛犬が亡くなり、一人で歩き、視認できる鴨を狙っておられるようです。 鳥も少なくなったが主目的は健康維持との事で、カメラ片手に歩く私と共通する部分があり、方法は全く違いますが自然を楽しむところにも共通点が感じられ、話が弾みました。

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 散弾も見せていただきました。 これは鳥用で、イノシシ等を撃つ時のものは、同じ大きさの所に9つの鉛弾が入っているとの事です。

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 ところで、鳥猟犬種としてはセッターとポインターがよく知られています。 セッターが獲物を見つけるとセッティング(伏せて知らせる)するのに対し、ポインターは、最初に書いたように、獲物を発見するとその前方に立ち止まり、姿勢を低くして鼻先を獲物の方向に突き出して凝視し、ポイントする事からポインターと名付けられたとのことです。 銃の飾りには、鳥猟に参加しているポインターの絵が書かれていました。

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2008年12月15日 (月)

ブログ「そよ風に乗って」のお知らせ

 石垣島・西表島で、いろんな植物や虫たちを撮ってきました。 最初はこのブログに載せるつもりでいたのですが、このブログは「身近なところにもこんなにいろんな植物や動物がいて、観察すると楽しい発見がある」ということを記事にしています。 最近は植物園や金剛山などで撮った写真なども載せていますが、これもらの場所も、自宅から1~2時間程度で行ける距離です。
 あまり多様な内容をこのブログに詰め込みたくはありませんが、せっかく撮ってきた石垣や西表の写真も載せたい・・・ ということで、このブログは今までのような内容を維持していくことにして、新しくブログを立ち上げることにしました。
 新しいブログ「そよ風に乗って」は、旅先での植物や動物などの記録を中心とします。 ですから、日常的な更新はせずに、旅行をした場合に集中的に載せる、この「そよ風のなかで」の“分室”的な位置づけとし、記事のスタイルは同じようにしたいと思っています。 でも、もしかしたら、“心の旅”的な記事も入れるかも。
 「そよ風のなかで」と「そよ風に乗って」の関係についてですが、私の今の生活の時間配分からして、1日に1つの記事を載せるのが限度です。 ですから、一方に記事があると他方はお休みということにしたいと思います。 そして、これからしばらくは、「そよ風に乗って」の記事が多くなることでしょう。

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2008年12月14日 (日)

クヌギの根元

 河内長野市の清水付近を歩きました。 細く続く道に沿ってクヌギが並んでいます。 でも、このクヌギ、どの木も根元が異常に膨らんでいるように見えます(下の写真)。

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 下の写真では、奥のクヌギは上と同じように根元が膨らんでいるように見えますし、手前のクヌギは、膨らんだ部分から2本の幹が出ています。 クヌギの本来の樹形は、株立ちになることはありません。

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 なぜこのような姿になったのでしょうか。 じつはこのような姿にしたのは人の営みなのです。
 炭が大切な燃料だった頃、クヌギは炭の材料にたくさん使われました。 また、シイタケの榾木(ほだぎ)や薪としても、クヌギはよく使われました。
 クヌギは萌芽力の強い木です。 地上部を少し残して伐採すると、その残された部分から新しい枝が伸びてきます。 この枝は、根がしっかりしていますから、たいへん早く成長します。
 クヌギの幹を利用する側からすれば、ドングリから育てるよりも早く利用できる太さに育ってくれる方がありがたいわけですから、地上部を少し残して切る事を繰り返します。 つまり、上の写真の根元の太い部分は、切らずに残されてきた部分で、それより細い幹は、残された部分から伸びた枝が育った部分ということになります。 残された部分の右にも左にも枝が出て、両方が育てば2枚目の写真のようになります。
 下の写真のクヌギは、3本の株立ちのように見えますが、注意してよく見ると、やはり切られた痕があり、元の幹の痕は腐って洞になり、そこに腐葉土が溜まって、草が生えています。

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 鹿の多い北摂(大阪府の北部)では、クヌギを切る高さを、そこから伸びる新しい枝に鹿の口が届かないように、高くします。 この残す地上部を、新しく枝が伸びる土台になる部分という意味で台場または台木とよび、台場を持ったクヌギの木を「台場くぬぎ」と呼んでいます。 長年利用されてきた台場くぬぎは、台場の部分がたいへん太くなり、おもしろい姿を見せてくれます。
 大阪市立自然史博物館には、北摂から運び込んだ本物の台場くぬぎの展示があります。

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2008年12月13日 (土)

樹皮下の越冬

 木は、幹が太くなるにつれ、樹皮のすぐ下で新しい樹皮が作られ、表面にあった古い樹皮は“はちきれて”裂け目ができ、順次剥がれ落ちていきます。 裂け目のでき方などは木の種類によって異なりますが、ケヤキの場合は、うろこ状に剥がれてきます。
 このケヤキの樹皮の“うろこ”の裏は、虫たちの良い越冬場所になっています。 11日に記事にしたクロハナカメムシなどもこの“うろこ”の裏で越冬するのですが、樹皮を剥いでいくと、越冬中のさまざまな虫たちが現れます。

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 下はガのサナギです。 剥ぎ取った樹皮にくっついています。

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 下はゴキブリの一種。 屋内で見かけるゴキブリの種類は限られていますが、多くの種類の家に入り込まないゴキブリがいます。

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 どんな虫が現れるのか、わくわくしながら樹皮を剥いでいくのはたいへん楽しいのですが、越冬中の虫たちの“布団”を剥いで寒風にさらすのは心苦しい面もあり、ほどほどで止めることにしました。

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2008年12月12日 (金)

寄ってたかって

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 カメムシの話が続きます。 ヨコヅナサシガメの終齢幼虫が、寄ってたかって、カメムシの体液を吸っていました。 犠牲になっているのは、ウシカメムシあたりでしょうか、ヨコヅナサシガメの体がじゃまをして、はっきりと分かりません。
 撮影場所は、昨日の写真と同じ河内長野市の寺ヶ池公園です。 写真の舞台になっている木はケヤキではありませんか、昨日載せたクロハナカメムシのいたケヤキにもヨコヅナサシガメがいました。 年々ヨコヅナサシガメが増えてきているような気がします。

【関連記事】
ヨコヅナサシガメの幼虫の集団越冬('08.1.9.)
ヨコヅナサシガメの脱皮始まる('07.4.22.)
ヨコヅナサシガメ続々と成虫に('07.4.29.)

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2008年12月11日 (木)

クロハナカメムシ

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 11月29日(記事にするのが遅れてしまいました)、小春日和のケヤキの幹でクロハナカメムシがたくさん、元気に走り回っていました。 体の大きさのわりには動きの速いこと、カメムシらしからぬ速さです。 あちこちで交尾しているものもいました。

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 以前、アカアシカスミカメケブカカスミカメなど、カスミカメムシ科の昆虫たちをこのブログに載せましたが、ハナカメムシ科の昆虫は、昆虫食性で、カスミカメムシ科の虫たちよりもさらに小さなカメムシの仲間です。 クロハナカメムシの体長は4mmほどですが、これでもハナカメムシ科の昆虫としては大きい方です。

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 ハナカメムシはケヤキの太い幹などでよく見られ、夏に羽化し、成虫のままケヤキの樹皮の下などで越冬します。

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2008年12月10日 (水)

ケヤキの紅葉

 しばらくは撮影日から半月ほど遅れた記事が続きますが、ご容赦を・・・

 街路樹や公園などに落葉樹を植えると、秋には落葉のために苦情が出ることがあるようですが、季節の変化を楽しむにはやはり落葉樹がいいようで、ケヤキも、樹姿が美しいこともあって、植えられることが多くなりました。
 ケヤキはケヤキの紅葉は、それぞれの木の“個性”や夏の天候などで、さまざまに変化します。 ケヤキの自生地は川の側などの水分条件の良い場所で、乾燥すると葉が茶色くなって落ちてしまうのですが、夏に水分不足にならなかった場所では、黄色っぽいもの、赤味の強いもの、褐色のものなど、さまざまな葉の色で私たちを楽しませてくれます。

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 ケヤキは寿命が長く、大きな木では樹高が30mを超えることもあります。 「けやけし」とは「目立つ」という意味の形容詞で、ケヤキの名前も「けやけき木」に由来すると思われます。 ただし、ケヤキは材も美しいので、目立つのは木の姿なのか材なのかは分かりませんが・・・。
 万葉の時代には「槻(つき)」と呼ばれていました。 大阪府の北部にある高槻市には室町時代の頃に高さ20丈もある槻があり、遠くからでもよく目立っていたことが「高槻」の由来になったと伝えられています。
 そんなケヤキに比べれば下のケヤキなどは、まだまだ小さなケヤキです。

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 上の写真は河内長野市の「寺ヶ池公園」のケヤキですが、明日から3回シリーズで、この公園のケヤキの幹にいた虫たちを紹介します。

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2008年12月 4日 (木)

ヒイラギ

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 ヒイラギの花が咲いていました。 キンモクセイなどと同じモクセイ科の植物で、花のつくりもよく似ています。
 クリスマスが近づくとヒイラギの苗木が売られたりしていますが、クリスマスに使うヒイラギは本来まったく別の植物のヒイラギモチなどであることは昨年書きました。
 クリスマスには関係なくても、日本でもヒイラギは昔から魔除けによく使われていました。 特に家の表鬼門(北東)にはヒイラギが植えられていました。 葉の鋭いトゲで鬼が侵入して来れないのでしょうか。
 しかし木が老化したり、古い枝では、この葉の鋭いトゲは無くなり、全縁の葉になってしまいます。 下の写真では、左の葉には鋭いトゲがありますが、右上の葉は全縁です。

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 人間も歳をとると、ヒイラギのように円くなりたいものです。

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9日まで休みます

 12月9日まで大阪を離れますので、この間、ブログを休みます。

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    里の秋(河内長野市清水)

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2008年12月 3日 (水)

柿の実を狙う鳥たち

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10月28日に、柿の実に集まる虫たちのいくつかを記事にしましたが、柿の木にはいろんな鳥たちも実を狙ってやってきます。 上はゴイサギにハシボソガラス、そして下はメジロです。
 柿の実は、果実自体が私たちにとっても美味しいだけでなく、いろんな虫や鳥たちを長期にわたって集めてくれ、楽しませてくれます。

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2008年12月 2日 (火)

ベニバナボロギク

 ベニバナボロギクの頭花には、舌状花は無く、筒状花のみで構成されていて、周辺から中央部へと咲き進み、雄性期から雌性期へと変化します。 下の写真では、全体が紅色一色で分かりにくいのですが、周辺部は雌性期で二又の柱頭が見られ、その内側に花粉を出している雄性期の小花がサークル状に配列しており、中心部はまだツボミです。

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 上のような状態のあと、全体が雌性期になります。 このときメシベはかなり高くまで伸びますので、下の写真の一番上の頭花では、小花の花弁とメシベとが2段になって写っています。

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 下はその拡大。 二又に分かれた柱頭は、外側が濃い紅色で内側(花粉を受け止める側)は色が薄くなっています。 カールした柱頭がこれだけ揃うと、なかなかおもしろい絵になります。

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 ベニバナボロギクは、最初は1950年に福岡県でみつかり、現在では関東以西に広がっているアフリカ原産の帰化植物です。
 帰化植物の多くは、日本本来の自然環境とは異なった、新しい環境、人工的な環境で増える場合が多いのですが、このベニバナボロギクは森林の伐採跡地などにたくさん生えているのをよく見ます。
 伐採も人工的に行うものではありますが、森林域に侵入する帰化植物は珍しいものです。 日本の在来種で、このような伐採直後に生育する1年生草本はほとんど無く、うまく生育場所を見つけたようです。
 ただし、ここに載せた写真は全て、堺市の林の縁や果樹園等で撮ったものです。 キク科には食用になる植物が多いのですが、このベニバナボロギクも、シュンギクに似た香りがあり、食用になります。

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2008年12月 1日 (月)

チカラシバ

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 子供の頃から親しんだ草でした。 穂を下から指でしごくと、小穂が指の間に集められるので、それをイガのついたクリに見立てました。 また、そのようにして小穂を取り去って軸だけになったものを、鞭として手の甲をたたきあったものです。
 さらに、悪質なものになると、穂をちぎって、穂の下側を上にしてズボンの裾から入れると、動くたびに穂がズボンの中を上へ上へと登っていきます。

 チカラシバの種子散布の方法は、フック状のものも無く、粘液も無いのですが、ひっつき虫としてです。 長く弾力のある剛毛が動物の毛や私たちの衣類に絡みつきます。
 種子の周囲に長い剛毛がある様子は、一見11月26日に記事にしたケチヂミザサなどと同じように見えます。 しかし、ケチヂミザサの場合は種子を包み込んでいる頴の先が伸びたノギであったのに対し、チカラシバの剛毛は、小穂の付け根部分から出ていて、総苞毛とも呼ばれています。

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