岩湧山頂の茅場
(上の写真はクリックして画面を広げていただくと、1024×680でご覧いただけます)
なんだか風に揺れる銀波を見たくなって、岩湧山に登ってきました。 岩湧山は大阪府の南部、和泉山脈が大阪府側に枝が出たように突き出しているところにあります。
自宅から麓の岩湧寺まで車で半時間、そこから山頂まで1時間半かけてキョロキョロしながらのゆっくりした登山です。
岩湧山の山頂付近約8haは一面のススキで、茅(カヤ)場になっています。 ススキの間には、ハバヤマボクチ、センブリ、リンドウ、アキノキリンソウ、マルバハギ、シラヤマギクなどの植物の姿も見えます。
茅葺の民家が急速に減り、茅の需要が減って茅場が放置され、次々と無くなっているなかで、岩湧山の茅場は山麓の滝畑地区の人々の努力で守り続けられており、地元の名刹・光滝寺の屋根葺き替えなどに使われているようです。
山頂付近で育つカヤは、茎の中の空洞が少なく、葺き替え作業で変形せずに強いということです。
「茅(カヤ)」という言葉は、ススキの別名としても使われますし、チガヤなどいろんなイネ科植物の総称としても使われます。
茅葺屋根も、用いる材料によって、藁葺(わらぶき)屋根、草葺屋根などと区別して言う場合もあります。
※ ススキの小穂の様子はこちらでどうぞ。
※ 岩湧山の茅場に関して、このブログには次のような内容も載せています。
9月初旬のススキの穂の出る頃の様子
山焼きで元気になったオオナンバンギセル
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コメント
大事に育てられているんですね。可愛いお花も咲いてるようで良いとこですね。「ほな、ちょこっと見に行ってこよか…」の気軽な距離感がいいなぁ~
投稿: わんちゃん | 2008年11月 7日 (金) 16時48分
我が家を少し出たところの真南に見えます
確か毎年山焼きをするのだそうですね
いつか山火事だと騒いでいた人がおられましたが
投稿: tumumasi | 2008年11月 7日 (金) 22時08分
わんちゃんへ
岩湧山も滝畑からや岩湧寺からなど、たくさんのコースがあり、少し歩くには適した山です。
珍しい植物がたくさんある山では無いのですが、今日から2~3回、岩湧山で撮ったものを紹介するつもりです。
tumumasiさんへ
2枚目の写真の右端にリフトが少し写っていますが、これができて刈り取ったススキを下に下ろすのは少し楽になったようですが、茅場の維持管理も大変なようです。
投稿: そよかぜ | 2008年11月 8日 (土) 00時36分
岩湧山、好きな山です。光を浴びて風に靡く一面の薄は、感動的で少しもの哀しい感がありますね。
一昨年薄の中を歩いた時に、顔を覗かせていた色鮮やかなリンドウが印象的でした。
紀見峠から天見のルートしか歩いたことがなく、色々歩いてみたいです。
投稿: ひとえ | 2008年11月 8日 (土) 08時44分
おはようございます♪
おーー、一面のススキヶ原!
1時間半のきょろきょろでいろんな楽しい発見がありましたか?
枯れ色の中で見つけた花たちはとっても綺麗で味わい深いのはなぜでしょう
こんな風景を見ると鼻の奥がつーーんとしてきます
投稿: エフ | 2008年11月 8日 (土) 10時43分
ひとえさん、紀見峠や天見からのコースは、電車だけを利用するならこのコースしか無いでしょうが、いちばん歩く距離の長いコースです。
岩湧寺周辺もお勧めですよ。
岩湧山の名前の由来となったとされる大きな岩のそびえる様子だけでも一見の価値があると思います。
エフさん、登りの1時間半のキョロキョロ+山頂で1時間のキョロキョロ+違ったコースの下りの1時間半のキョロキョロですから、いろいろ写真も撮れました。紅葉もきれいでしたよ。
投稿: そよかぜ | 2008年11月 9日 (日) 01時19分
そよ風さん、その長~いコースを歩きました。だから岩湧寺ももちろん訪れました。
ただ大きな岩・・見たような見なかったような・・岩湧山の由来今初めて知ったような訳で。もったいないことをしました。
今度行く時はしっかり確かめます。秋海棠の季節に行きたいな。
投稿: ひとえ | 2008年11月10日 (月) 21時43分
岩湧寺のシュウカイドウは増えました。
花の季節に行くと、一面シュウカイドウに埋まってしまう感じですよ。
投稿: そよかぜ | 2008年11月11日 (火) 01時30分
このススキ原、素敵ですね。童話や民話の中に出てきそうな柔らかい色合いのススキ原がとても懐かしい感じです。
関東では箱根の千石原などが有名ですが、生憎、私は行ったことがありません。寧ろ無名で知られていないようなススキ原があったらなぁ、と思われてなりません。珍しい植物ではなく、たかがススキなのですから、そういう場所が全国に無数にあってもいいのではないかと思うのですが、時代錯誤の戯言になってしまうのでしょうか。残念ですね。
投稿: タロ | 2008年11月17日 (月) 00時38分
たかがススキですが、記事にも書きましたように、この茅場を維持するのには地元の人たちの大変な苦労があるようです。年3回の世話に村人総出だそうです。遷移を食い止めるのには、それだけの人手が必要なようですね。
投稿: そよかぜ | 2008年11月17日 (月) 06時16分
初めてコメントさせて頂きます。
岩湧山のススキ原の様子、とても美しい写真とともに興味深く読ませて頂きました。
まもなく始まる当地での茅刈り体験会を前に、フォロワーさんにもご紹介したく、tweetさせて頂きました。
https://twitter.com/#!/kayabukiya/status/166758765373304832
不都合などありましたら、お手数ですがご連絡下さい。
投稿: shiozawa | 2012年2月 7日 (火) 18時28分
記事を紹介していただき、ありがとうございました。
shiozawaさんは、あちこちの茅刈りのお世話をされているんですね。
古い記事ですので、tweetしていただいたことを機会に、関連項目などを少し加筆しておきました。
投稿: そよかぜ | 2012年2月 7日 (火) 21時49分
ありがとうございます。
お世話をさせて頂いているのはほんの一部ですが、茅刈りが茅葺きの材料確保に止まらず、生態系として価値を持ち風景として美しい茅場に、より多くの人達が関わって下さる機会となるよう、職人として出来る事をして行きたいと思っています。
こちらのブログでは楽しく勉強させて頂き、オオナンバンギセルの花は初めて拝見しました。我々が街中の空地で茅刈りをしているささやかな茅場でも、刈ってススキが元気になると普通のナンバンギセルですが数を増やして、とても可愛らしいです。
投稿: shiozawa | 2012年2月 8日 (水) 12時07分