スッポンタケ
スッポンタケは梅雨のころから秋まで、湿ったところで見られるキノコです。 名前はもちろんスッポンが首を伸ばしたところに似ているから。 珍しくはないのですが、柔らかくて寿命が短いので、なかなかいい姿の時に出会えません。 写真は「堺自然ふれあいの森」で見かけたものですが、傾いてしまっています。
スッポンタケは腹菌類に分類されます。 腹菌類は、ホコリタケやツチグリなどのように“腹の中”つまりキノコの内部で胞子が作られるのですが、スッポンタケなどはなぜ腹菌類なのか? これを理解しやすくするために、私の頭の中にあるイメージを図にしたのが下です。
つまり、スッポンタケなどでは、袋状の中で胞子が作られるのですが、その胞子をハエなどに運んでもらいやすくするために、表面に胞子をつけた部分(傘)が、「托」と呼ばれる部分によって押し上げられるのです。
ホコリタケなどでも、若い時(図の①)には胞子の作られる部分(図の褐色の部分)はドロドロですが、スッポンタケなどではそれがドロドロのままで傘に張付いて持ち上げられるわけです。 この部分を「グレバ」と呼んでいて、ハエを呼び寄せ、ハエの体にグレバをつけて胞子を運んでもらうわけです。
グレバはハエの好きなにおい、つまり人にはくさくてたまらないにおい(なかにはこのにおいが好きだという人もいますが・・・)がします。 でも、このグレバを洗い流し、根元のツボを取り除いて湯がき、水に晒すか乾燥させて、天ぷら、煮つけ、澄まし汁に入れるなどすると、いい食材になるようです(私はまだ試していません)。
※ じつはこのスッポンタケをみつけたのは11月15日でしたが、図を描くソフトに慣れるのに時間がかかって・・・
ここに載せた図は Pixia というフリーソフトを使って最初に描いた図です。 Pixia は最初は分かりにくいのですが、分かってしまうと使いやすいソフトという印象です。
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コメント
Pixia
そよかぜさんのなかではもう分かってしまって、自由自在ですね。
図を描いていただいてとても分かりやすいです・・・・・
スッポンタケを食材に使おうとすれば、
ハエが好きなにおいを好きにならないと
ムリなんですね、美味しそうなカンジがしますが・・・・
天ぷら、煮付け、澄まし汁、私、食べる人に徹すると美味しくいただけますね?
試食してみたいなぁ。
投稿: わんちゃん | 2008年11月28日 (金) 20時10分
> スッポンタケを食材に使おうとすれば、ハエが好きなにおいを好きにならないとムリなんですね
息を止めてグレバを洗い流せば大丈夫、って、洗い流せるところまでどのようにして持って行くのかが問題ですね。
やはりガマンが必要かな?
このスッポンタケ、わんちゃんが御藪で見たキヌガサタケにたいへん近い仲間なんですよ。
“キヌガサタケ、レースを取ればスッポンタケ”です。
投稿: そよかぜ | 2008年11月29日 (土) 08時09分