ウラジロノキ②
11月16日に記事にしたウラジロノキの場所に、また行ってみました。 落果はますます盛んで、上の写真のように房になった実がたくさん落ちていました。
上の写真に写っている一番下の果実は、横に細長く線状に傷んでいます。 きっと鳥がもう食べられるかと嘴ではさんで熟し具合を確かめ、まだもう少しと、食べずにおいた跡でしょう。
11月16日の記事では、ウラジロノキは葉を丸めるしくみを持っていて、丸まった状態で落葉を迎えたと考えられることを書きましたが、最初の写真のように、もう葉は丸まっていません。 離層が形成されて紅葉が進み、葉が積極的に丸くなる力を失ってきたようです。
上を見上げると葉がきれいに色づき、その隙間から見える枝先には、まだ実がいっぱいついています。
ウラジロノキの花は、虫たちに目立つように木の外側に咲かせ、内側の葉に囲まれた場所には咲かせません。 つまり、実もいちばん外側、林の中では一番高いところにつくことになります。
Webで調べてみると、ウラジロノキの実にはタンニンが多いので苦味があると書かれているものがありました。 でも、この時期に柔らかくなって落果している実では、いろいろかじってみましたが、苦味のあるものは1つもありませんでした。 また、ウラジロノキの実では、果肉に石細胞(下の注)が含まれていて食べにくいという記事もありました。 でも、私はこのナシに似た食感が好みです。
まだ暫くは落果が続き、すっぱくジャリジャリとした味を楽しめそうです。
注)
石細胞(せきさいぼう)とは、細胞にリグニン、ペントザンなどが蓄積し、細胞膜が固く、木に近い状態に変化したものです。
通常石細胞は果実の皮などに多く存在しますが、ナシなどでは果肉に多くの石細胞を蓄積しています。 植物の表面に存在する石細胞の役割は組織を固くし保護する為といわれていますが、ナシの果肉などに存在する石細胞の役割はよく分かっていません。
石細胞は人間が食べた時の食感に影響していて、ナシのシャリシャリ感は石細胞によるものです。 また石細胞は人間の胃腸では消化されず、腸を刺激し便通を良くする効果があるといわれています。
(「注」の文は「ウィキペディア(Wikipedia)」の文をまとめなおして書きました)
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コメント
うん?まだ食べごろじゃないぞ・・・
という、鳥の行動の推理が楽しいです。
ほんまかいな?やっぱりかいな?
ウラジロノキの実は最初の一個が、
「うん?これはナシに似た食感?旨い!」
ってことだった・・・・
”注”石細胞では「便秘気味の時には梨」を勉強しました。
投稿: わんちゃん | 2008年11月27日 (木) 17時54分
不思議なことに名前がわかると向こうから目に飛び込んでくるようになりますね。
ウラジロノキ、六甲山系で去年お近づきになって以来あちこちで目にするようになりました。
ほんとに葉裏が見事に白いですね。
実も今度味見してみます。
投稿: ひとえ | 2008年11月27日 (木) 22時01分
わんちゃん、鳥のくちばしの痕は、サクランボなど、小さめの果実ではよく見ることができます。
ウラジロノキの実は果実酒にも良いように思います。
ひとえさん、ほんとうに知っているとよく見えるのですが、知らないと見落としてしまう・・・ 不思議ですね。
投稿: そよかぜ | 2008年11月28日 (金) 00時47分