インパチェンス
夏から秋にかけて花壇を彩るインパチェンス(和名アフリカホウセンカ)、本来インパチェンス(Impatiens)とは、ツリフネソウ属の属名ですが、普通インパチェンスというとアフリカホウセンカのことをさします。
さて、ここで問題、インパチェンスの花弁は何枚でしょうか? 5枚? 10枚? 上の写真で数えてください。 答は近くにあってはおもしろくないので、この記事の後ろの方に書いておきます。
ツリフネソウ属の植物は、日本ではツリフネソウ、キツリフネ、ハガクレツリフネの3種類のみですが、アジアやアフリカの亜熱帯から熱帯にかけては500種を超える多くの種類があり、なおかなりの未発見の種があると考えられています。 そのなかでインパチェンス(アフリカホウセンカ)の自生地は、タンザニアからモザンビークにかけての海抜1800m以上の高原地帯です。
キツリフネ('08.8.9. 六甲高山植物園で撮影)
日本全土に分布。 ツリフネソウより少し早く咲きだします。
ハガクレツリフネ('08.10.4. 六甲高山植物園で撮影)
和歌山県の山ではよく見ます。 四国・九州にも分布しています。
インパチェンス(アフリカホウセンカ)の花は、一見これらのツリフネソウの仲間とはかなり違っているようですが、基本的なつくりはよく似ています。 蜜の入っている距も、ツリフネソウの仲間はカーブしており、インパチェンスの距は直線的ではありますが、距のあることには変わりはありません。
さて、インパチェンスの花弁が何枚であるかの答ですが、既にもう書きました。 ツリフネソウの仲間と基本的な花のつくりは同じだと。
じつはインパチェンスの花弁は3枚です。 直立する旗弁が1枚と、旗弁より大きく左右の斜め下前方に伸びだす1対の翼弁です。 ただし翼弁は2裂します。 日本のツリフネソウの仲間では2裂した翼弁の片方は小さいのですが、インパチェンスではほぼ同じ大きさに2裂していますので、1枚の翼弁が2枚の花弁のように見えます。 さらに、インパチェンスの花では、旗弁も翼弁のそれぞれの裂片も中央がへこんでいますので、切れ込みに注目すると、(旗弁1+翼弁の裂片2×左右で2)×2で、10の裂片があるようにも見えます。
インパチェンスの自家受粉を防ぐしくみも、とてもおもしろいのですが、それは明日の記事で・・・
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コメント
インパチェンス聞いたことあります。家家のお庭で見たことあるような…でも複雑なしくみに ただただビックリ。
投稿: わんちゃん | 2008年10月29日 (水) 10時01分
ちょっと見ただけでは、とても3枚の花弁だとは思えないでしょ
投稿: そよかぜ | 2008年10月29日 (水) 23時23分