ウメバチソウ
花茎には中央やや下に無柄の1葉をつけるのみで、その他の長柄のある葉は根元から出ているため、ウメバチソウの花の周囲には葉が無く、花がよく目立ちます。
私がウメバチソウに初めて出会ったのは、夏の室堂。 その時出会ったのは、高山型のコウメバチソウだったのでしょうが、澄んだ空気の中でくっきりと白く輝いていました。
下はウメバチソウの花の拡大写真。 大きな子房の頂にかわいい柱頭をつけたメシベの周囲には、5本のオシベと、細かく枝分かれした5本の仮オシベがあります。
仮オシベは12~22裂し、その先は丸く腺体のようになっています。 この部分は蜜を出しているような色をしていますが、蜜は出ていないようです。
ウメバチソウはユキノシタ科に分類されていましたが、雄しべ10本のうちの5本が仮オシベになるなどの点は他のユキノシタ科の植物とは異なり、APG植物分類体系では、ウメバチソウ科が新設されています。
さて、オシベについてです。 写真の花では、左のオシベの葯は元気そうですが、左上のオシベは少し元気が無く、手前のオシベでは縮んだ葯が花糸から取れて、近くに落ちています。 右と右上のオシベでは、葯は取れてしまって、花糸だけが残っています。 どうやらオシベ5本は同時期に成熟するのではなさそうです。
六甲高山植物園は、それぞれの植物の自生している場所に近い環境をつくって、さまざまな植物を育てていますが、柵があり、見学者は植物のすぐ傍まで行って観察することができません。 柵のすぐ傍で咲いていたウメバチソウの花は2枚目の写真の花のみで、いろんな状態の花の写真を撮ることはできませんでした。 もし撮れていたら、オシベのおもしろい変化を写真で紹介できたのですが・・・
開花したばかりの花では、全てのオシベは子房にくっついています。 ウメバチソウの1つの花は、10日以上も咲き続けますが、その間、オシベは順々に立ち上がり、花粉を出し、そして花粉を出し終えた葯は落ちていきます。(詳しくはこちら)
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コメント
そうなんだぁ~~
そよかぜさんはキキョウの時のように
このお花のオシベの変化を、
複数枚の写真で・・・・
と、思てはったんやね?
ヒゴタイもウメバチソウもそのお花の姿を知るためには、縦撮りも良いですね。
雰囲気が良くわかりますよ・・・・・
投稿: わんちゃん | 2008年10月10日 (金) 15時58分
メシベにくっついているオシベの姿を撮りたかったのですが、仕方ないですね。
このブログでは記事と写真の横幅を合わせていますので、「縦長の写真=大きな写真」となってしまいます。
変なこだわりを捨てればいいのでしょうが・・・
投稿: そよかぜ | 2008年10月11日 (土) 07時20分