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2008年10月 9日 (木)

ヒゴタイ

Higotai081004_1

 ヒゴタイは日当たりのよい草原に生える多年草です。 とは言っても自生地は少なく、本州では数箇所しかなく、阿蘇の草原のヒゴタイは有名ですが、ここでも減少しているようです。 熊本県の産山村には「ヒゴタイ公園」が作られているようです。
 ヒゴタイも昨日載せたヤマラッキョウ同様、茎の先にたくさんの花をつけていることは分かります。 茎の先にたくさんの花をつける植物はたくさんあります。 ヤマラッキョウはユリ科でしたが、ヒガンバナ科のヒガンバナもそうです。 でも、たくさんの花の集まりとくれば、その代表格はキク科でしょうし、ヒゴタイを最初見たときの印象は、キク科のアザミに似ている、というものでした。 葉も硬く、葉縁はトゲ状になっています。
 でも、キク科の特徴は、多くの花をまとめて包み込んでいる総苞があること。 総苞があれば、キクやアザミの花を見ても分かるように、こんなに見事な球形にはなれないはず!
 私がヒゴタイに惹かれたのは、色のグラデーションの見事さもありますが、そんな不思議さからでした。
 ネットで調べると、ヒゴタイはやはりキク科でした。 でも、花のつくりについて、つまり上の疑問について書いている記事は、ネットで見つけることはできませんでした。
 本で探して見つけた答は、上の写真の花のように見えているのは、みんな総苞だ、ということでした。 つまり、キク科は複数の花を総苞が取り囲んで保護します(これを「頭状花序」または「頭花」といいます)が、ヒゴタイの“花”は、この頭花がたくさん球形に集まったものだったのです。
 ヒゴタイの花は、たくさんのトゲ状のものが球形に集まっています(これを「トゲ①」とします)が、そのトゲ①は、たくさんの小さなトゲ(これを「トゲ2」とします)が集まってできています(下の写真)。 タンポポの花は、花茎の頂に1つの頭花をつけますが、この頭花に相当するのがトゲ①で、タンポポの頭花の総苞を形成している総苞片にあたるのがトゲ②ということになります。
 これだけたくさんの頭花が集まっているものですから、1つの頭花を構成している、つまり総苞に囲まれている、本当の花(これを「小花」といいます)の数は、1つだけなのです。 そして私はまだこの小花を見ることができないでいます。
 下は8月9日に六甲高山植物園で撮ったヒゴタイです。 この時はまだ時期が早く、小花つまり本当の花は、総苞の中でツボミの状態です。

Higotai080809_1

 そして下は10月4日、今度は時期が遅すぎて花は咲き終わっていて茶色くなった花弁が残り、わずかに開いた総苞の隙間からは黒っぽい果実が見えています。

Higotai081004_2

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コメント

トップの写真
クッキリとヒゴタイが・・・・
しばしの間 見とれてしまいました・・・・

阿蘇(熊本)が有名ならやっぱり「肥後たい」

投稿: わんちゃん | 2008年10月 9日 (木) 23時05分

> 阿蘇(熊本)が有名ならやっぱり「肥後たい」
私は書きたい気持ちを抑えたのに・・・

ちなみに、ヒゴタイを漢字で書くと、「平江帯」または「肥後躰」です。

投稿: そよかぜ | 2008年10月10日 (金) 00時25分

こんばんは♪
ヒゴタイ見たことあります
がもちろんただ漫然と見ただけです
イガイガしてるか触ってみたらよかった
直径10cmくらいの球形を想像してましたが
思ってたより小さくてこれ?だったのですが
そよかぜさんが見たのは何センチ?

投稿: エフ | 2008年10月11日 (土) 23時20分

メジャーを当てたわけではないですが、たしか4~5cmだったと思います。
中の種子を保護するためでしょうか、花が終わった後のほうが、総苞片は尖って硬くなるようです。

投稿: そよかぜ | 2008年10月12日 (日) 07時18分

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