« オタカラコウ | トップページ | マツカゼソウ »

2008年9月12日 (金)

アサギマダラ

Asagimadara080907_1

 金剛山山頂の葛城神社境内のオタカラコウの花に、アサギマダラが来ていました。
 「アサギマダラ」の名前は、浅葱(あさぎ)色をしたマダラチョウ科の蝶という意味です。 浅葱色とは薄い藍色のことで、翅の白っぽい部分の色です。 この部分は、鱗粉が少なく、半透明になっています。
 アサギマダラは、マーキング調査によって、長距離を移動することが分かってきました。 世代を変えながら春は北上し、秋には南下します。 そして南西諸島では、冬でも卵、幼虫、蛹、成虫のいずれも見られ、決まった越冬形態を持っていないようです。
 マーキング調査では、成虫の寿命が長いことも分かってきました。 4ヵ月後に再捕獲された例もあります。
 マダラチョウの仲間には体に毒を持っているものが多いのですが、アサギマダラも毒を持っています。 これは幼虫の食草であるガガイモ科の植物に含まれるアルカロイド成分が体内に残っているためですが、鳥などに食べられることがほとんど無いため、あまり逃げようとはしません。 そのために思い切って近づいての撮影も可能になります。

Asagimadara080907_2

Asagimadara080907_3

 写真に写っているのは全てメスです。 オスがメスを誘うフェロモンを生成するためにはヒヨドリバナやフジバカマなどの蜜に含まれるPA(ピロリジディンアルカロイド)を摂取し、蓄積する必要があり、これらの花に多く集まるのですが、メスは花を選ぶ必要が無く、蜜の多い花を訪れます。

※ このブログでは、'08年の2月7日から11日にかけて、伊丹市立昆虫館で撮影した下記のマダラチョウ科のチョウを紹介しています。
 ツマムラサキマダラ  リュウキュウアサギマダラ  スジグロカバマダラ
 オオゴマダラ

|

« オタカラコウ | トップページ | マツカゼソウ »

昆虫05 チョウ」カテゴリの記事

コメント


昨秋うちの庭(愛知県)のフジバカマにアサギマダラのオスが1羽飛来しました。
アゲハチョウは動きが早くて写真が撮れないのに、このアサギマダラはかなり近づいても逃げず、デジカメにおさめることができました。
このことを不思議に思っていましたがアルカロイドを持っているからとのこと、これを鳥は察知できる、またアサギマダラは空を飛びながらフジバカマのアルカロイドを感知して降りてくる、ますます神秘的に思えました。
実はフジバカマは増えすぎて困っていたのですが、アサギマダラの再訪を夢見て保護しています。


投稿: 夕菅 | 2008年9月13日 (土) 00時12分

鳥は学習するのでしょうが、アサギマダラはどうしてヒヨドリバナやフジバカマなどの花を認識するのでしょうね。においか味覚でしょうが、次々と訪花していく中で偶然に行き当たるのでしょうか?
フジバカマも自然の中で見かけることはほとんど無くなりました。アサギマダラの再訪があればいいですね。

投稿: そよかぜ | 2008年9月13日 (土) 07時24分

たまたま アサギネット掲示板 を覗いてみましたところ、9月6日(土) 金剛山のオタカラコウの花の蜜を吸う2羽のアサギマダラの写真が出ていました。
また2008/08/30群馬県嬬恋村で岩石のミネラルを求める1群の写真もありました。
こうした行動を知るとますます生物の生態の奥深さを感じます。
今年の2月、セグロカモメについてお尋ねして以来、そよ風の中で を毎日 見せていただいて感動しています。

投稿: 夕菅 | 2008年9月13日 (土) 14時07分

栄養塩類はどんな動物にも必要ですが、糖分が中心の蜜だけではどうしても不足するので、アサギマダラに限らず、蝶は時々水に溶けたミネラルを吸っています。

> 今年の2月、セグロカモメについてお尋ねして以来、そよ風の中で を毎日
> 見せていただいて感動しています。
ありがとうございます。これからも感想などをお聞かせください。
ランキングへの投票もよろしくお願いいたします。

投稿: そよかぜ | 2008年9月13日 (土) 22時31分

ホンマ、しっかり近づいて撮ってはりますね、
最後の写真のアサギマダラちゃんと思わず
ニラメッコ・・・・・

投稿: わんちゃん | 2008年9月14日 (日) 21時48分

こんばんは♪
ピロリジディンアルカロイドですか
舌が回りませんし言ったそばから忘れてしまいます
フェロモンって匂いがあるんでしょうか
人間も感じることができるのかな~
野生動物は匂いに敏感ですね
昆虫も鼻が利くんでしょうか

投稿: エフ | 2008年9月14日 (日) 22時56分

よこしまな眼です(頭を上にしてタテ・ヨコを決めますから)が、心は純粋、かな?

フェロモンは特定の作用をするにおい物質ですが、この場合はフェロモンと言っていいのかどうか・・・ 味覚の可能性も高いと思います。
少なくとも昆虫がにおいを感じるのは触角で味を感じるのは脚ですから、「鼻が利く」とは言えないでしょうね。
人にもフェロモンはあるようですよ。

投稿: そよかぜ | 2008年9月15日 (月) 06時36分

ふーーん
においを感じるのは触角
味を感じるのは脚?!
脚で味覚って口の中じゃないんですか?
謎じゃ~~

投稿: エフ | 2008年9月17日 (水) 13時15分

ハエが“手”を擦るのはちゃんと味わうためです(歯磨きならぬ脚磨き)。みんなそれぞれ違った感覚で生きています。
秋になって鳴く虫が多くなりましたが、虫は口で鳴くのではないのは、あたりまえすぎて疑問に感じない?

投稿: そよかぜ | 2008年9月18日 (木) 06時52分

あ~そうですね
音をたてると考えると手でも音を出せるかな
でもモノを食べるとなると口・・・
人も手で食べるものを掴んで食べると指に味覚が発達したかも?!
年月とともに柔軟さが消えいろんな考え方が
固定化してきますね
もっと頭をゆるゆるにしておかなきゃ~~

投稿: エフ | 2008年9月19日 (金) 13時11分

エフノクを味わうのは舌ではなく心

投稿: そよかぜ | 2008年9月20日 (土) 01時00分

感涙。。。

投稿: エフ | 2008年9月20日 (土) 08時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アサギマダラ:

« オタカラコウ | トップページ | マツカゼソウ »