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2008年9月26日 (金)

ヒガンバナ②

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 ヒガンバナの花は、色だけではなく、造形的にも美しいと思うのですが、花のつくりはどのようになっているのでしょうか。
 1本の花茎の先に咲いているのが1つの花ではありません。 たくさんの花が集まって咲く散形花序です。 では、ひとつの花は?
 ひとつの花を知るには、咲きかけの頃を調べるに限ります。 下の写真は、1輪だけ咲いているヒガンバナの花で、ツボミの状態の花が3輪残っています。 これら4輪の花を包んでいた苞は茶色く枯れかけています。

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 上の写真の咲いている花を見ると、花被片は6枚ですが、よく見ると、大きい花被片と、それより少しだけ細く短い花被片とが交互に3枚ずつ存在します。 写真では確認できませんが、大きい花被片の方が外側にあり、これがガク片、少し小さいほうが花弁です。
 オシベは6本、メシベはオシベと同じ赤い色をしていて区別が難しいのですが、先端に葯がついていません。
 子房はガクの下方にあります。 この点が、ヒガンバナ科とよく似た花を咲かせるユリ科との違いで、ユリ科では子房は花被の上に存在します。
 しかし、ヒガンバナの場合は、この子房が果実になることはほとんどありません。 日本に自生するヒガンバナは全て三倍体であり、種子生産ができないのです。 日本にあるヒガンバナは、ほとんど全て、鱗茎で増やされたものでしょう。

 花の時期にヒガンバナには葉がありません。 花を咲かせるためのエネルギー源はすべて鱗茎に蓄えられた栄養分でまかなわれます。
 そして、花が終わった後に葉が出てきます。 下は昨年の11月17日に撮ったものですが、葉はこれから春まで、冬の寒い間も太陽の光を十分浴びて光合成をして鱗茎を増やし、花を咲かせるための栄養分を蓄え続けます。

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コメント

そよかぜさんのblog読んでから、
急いで庭のヒガンバナを見に行きましたよ。
なんぼ咲いてるかな?お花を数えました
赤いのが59個、白いのが5個
うん???もっとありそうな気配
今度は茎を数えました。
赤いのは87本ありました。

やぶ蚊がうるさいので慌ててウチに、
ジックリお花見れませんでした・・・・・

投稿: わんちゃん | 2008年9月26日 (金) 15時35分

87本も!? すごい! 庭が真っ赤ですね。

投稿: そよかぜ | 2008年9月27日 (土) 06時37分

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