クサヒバリ
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模様のついた小さな俵型のものがぶら下がっていました。 豊年俵と呼ばれているもので、これがたくさん見つかると豊年になると言われています。
この豊年俵の正体は、体長12mmほどのホウネンタワラチビアメバチという蜂のマユです。 この豊年俵が見つかると豊年になるというのには科学的な根拠がないわけではなくて、ホウネンタワラチビアメバチはフタオビコヤガの幼虫に寄生します。 フタオビコヤガはイネアオムシとも呼ばれていて、イネの害虫として知られています。
でも、ホウネンタワラチビアメバチの幼虫は、他のガやチョウの幼虫にも寄生するんですが・・・。
とにかく、蜂にも糸でマユを作る種類がいるというだけでも、おもしろいと思います。
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ツルニンジンの「ニンジン」も、ツリガネニンジン同様、根が朝鮮人参(高麗人参)に似ているところからです。 単に姿が似ているだけではなく、朝鮮人参はウコギ科、ツルニンジンはキキョウ科で、薬効成分も違うはずなのですが、朝鮮人参の本場韓国でもツルニンジン(韓国朝鮮語でトゥッドゥ)の人気が上がっているようです。
花の中を覗くと、オシベは5本、メシベの柱頭は大きく膨れ、3裂しています。 子房の膨らみの周囲にあるのは蜜腺でしょうか(下の写真)。
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ヒガンバナの花は、色だけではなく、造形的にも美しいと思うのですが、花のつくりはどのようになっているのでしょうか。
1本の花茎の先に咲いているのが1つの花ではありません。 たくさんの花が集まって咲く散形花序です。 では、ひとつの花は?
ひとつの花を知るには、咲きかけの頃を調べるに限ります。 下の写真は、1輪だけ咲いているヒガンバナの花で、ツボミの状態の花が3輪残っています。 これら4輪の花を包んでいた苞は茶色く枯れかけています。
上の写真の咲いている花を見ると、花被片は6枚ですが、よく見ると、大きい花被片と、それより少しだけ細く短い花被片とが交互に3枚ずつ存在します。 写真では確認できませんが、大きい花被片の方が外側にあり、これがガク片、少し小さいほうが花弁です。
オシベは6本、メシベはオシベと同じ赤い色をしていて区別が難しいのですが、先端に葯がついていません。
子房はガクの下方にあります。 この点が、ヒガンバナ科とよく似た花を咲かせるユリ科との違いで、ユリ科では子房は花被の上に存在します。
しかし、ヒガンバナの場合は、この子房が果実になることはほとんどありません。 日本に自生するヒガンバナは全て三倍体であり、種子生産ができないのです。 日本にあるヒガンバナは、ほとんど全て、鱗茎で増やされたものでしょう。
花の時期にヒガンバナには葉がありません。 花を咲かせるためのエネルギー源はすべて鱗茎に蓄えられた栄養分でまかなわれます。
そして、花が終わった後に葉が出てきます。 下は昨年の11月17日に撮ったものですが、葉はこれから春まで、冬の寒い間も太陽の光を十分浴びて光合成をして鱗茎を増やし、花を咲かせるための栄養分を蓄え続けます。
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自宅から直線距離にして2kmほどの所に、ヒガンバナの美しい小規模の棚田があります。 毎年ヒガンバナの花茎が出てくる直前に草刈りをしていただいているようで、ヒガンバナの花が咲き揃うと、畦道が赤く染まります。
ヒガンバナは中国か朝鮮半島から持ち込まれた帰化植物と考えられていますが、ヒガンバナが畦道に多いのには、訳があります。 ヒガンバナは鱗茎にアルカロイド(リコリン)を多く含む有毒植物ですが、昔の農家はこの毒を利用しようとしたと考えられます。 稲を育てる時に、モグラなどによって畦に穴を開けられると水が流出してしまいます。 そのために有毒であるヒガンバナをあえて持ち込み、あぜや土手をモグラなどの小動物から守ろうとしたと考えられます。
もうひとつの理由として、救荒食として増やされたとも考えられます。 ヒガンバナの毒は長時間水に晒せば無くすことが可能ですし、鱗茎にはデンプンがたくさん含まれています。 救飢植物としては第二次世界大戦中にも利用されたようです。 ただし、水に晒す時間が不足したりすると中毒になりますので、軽々に試食することは勧められません。
私が幼かった頃、ヒガンバナを庭に植え、「そんな縁起の悪いものを!」と、しかられたことがありました。
ヒガンバナは死人花(しびとばな)などともよばれ、不吉であると忌み嫌われてきました。 これは花の時期には葉が見当たらず、不思議な植物として気味悪がられたこともあるかもしれませんが、昔はヒガンバナが墓地に多く見られたことによるのでしょう。 でも、これも上記と同じ理由によると考えられます。 つまり、土葬であった時代には、死体が動物によって掘り荒されるのを防ぐためや虫除けのために、人の手によって植えられたのだと思われます。
しかし、ヒガンバナの美しい花は、そのような風習を持たない欧米を中心に、園芸的に改良が進みました。 そして、黄色や白い花弁をもつものも作られ、学名のリコリス(Lycoris)という名で出回っています(下の写真)。 リコリスは庭にも植えられています。 リコリスの普及とともに、ヒガンバナの美しさが素直に見直されつつあるように思います。
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頬紅を塗ったように上がほんのり赤い丸いキノコ、ホオベニタケです。
丸いキノコの内部は胞子塊となっていて、胞子はここで成熟します。
いわゆるキノコ型をしたキノコを「帽菌類」というのに対し、このようなキノコを「腹菌類」と呼んでいます。
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金剛山の林床でカリガネソウが咲いていました。 とは言っても、咲いていたのは「ちはや園地」でしたので、植えられたものかもしれません。 私が今まで見たカリガネソウは、もっと明るいところに咲いていました。
カリガネソウの花はユニークな形をしています。 花は横向きで花弁は5枚、その花弁の間をすり抜けて、メシベと4本のオシベか高く伸び、上でくるりと曲がっています。 虫が花を訪れて花弁にとまると、虫の重みで花序が垂れ下がり、花弁とオシベ・メシベの角度が変わり、虫の背中に花粉と柱頭が付くといわれているのですが、私はまだその様子を見ることができません。 それほど角度が変わるものなのか、少し疑っています。
「カリガネソウ」の名前についても、納得できないでいます。 カリガネという、冬鳥として少数が日本に飛来する小型のガンがいますし、「カリガネ」はガンの別名でもあるのですが、どのように見ればガンの姿に似ているのでしょうか?
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白い花が点々と・・・ 金剛山の谷筋など湿ったところでいちばん多かったのは、このノブキでした。
名前を漢字で書けば「野蕗」で、葉は蕗(フキ)の葉に似ていなくも無いですが、葉の先は尖り、葉柄にはヒレがあります(右の写真の水色の2重円の部分:上の写真の一部です)。
ノブキはフキと同じくキク科、ひとつの花のように見えるのは、たくさんの花の集まり、つまり頭状花序(頭花)です。
下はひとつの頭花を拡大して写したものです。
※ このページの写真は、右の写真を除いて、クリックすれば拡大します。
上の写真、頭花には2種類の花があります。 外周に配列されている花と、その花に囲まれるように咲いているたくさんの花の集団です。
外周の花は、花弁が5裂、その中央に口を開いたような柱頭のメシベがあり、オシベは見当たりません。このメシベや花弁に続く部分は大きく膨れていて、周囲には柄のある腺を密生しています。 じつはこの中に子房が保護されて入っていて、この膨れた部分と花弁とメシベ(の花柱と柱頭)でひとつの雌花と言うことになります。 写真の頭花では、8個の雌花が写っています。
この雌花に囲まれて咲いているのが雄花で、写真の頭花では10個の雄花が写っています。 ひとつの雄花は、やはり5深裂した花弁と、その中央には、メシベに密着したオシベが見えます。
この後、花粉を出した雄花は落花してしまい、受粉を済ませた雌花の花弁とメシベの花柱も落ちてしまいます。
後に残るのは、放射状に並んだ、子房が入っているコンボウ状のもの(下の写真)。 この部分が果実(そう果)になるのですが、柄のある腺はそのまま残り、ネバネバ物質を分泌し、動物の体にくっつく「ひっつき虫」となります。
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金剛山の登りはじめたところから山頂まで、いろんなところで様々な花に来ているアカアシカスミカメを見ることができました。 写真ではカメラを近づけられて動き出したものもいますが、どうやらツボミに口を刺して汁を吸っていた場合が多かったようです。
「カスミカメ」はかすんでよく見えないくらい小さなカメムシのグループの名前です。 アカアシカスミカメの体長も8mm前後、肉眼では小さな虫がいるとしか分からないのですが、拡大してみると、その繊細な美しさに驚かされます。
ミカエリソウにも
イヌショウマにも
モミジガサにも
※ このブログによくコメントをいただくタロさんのブログ「風の色、雨の匂い」に、アカアシカスミカメの幼虫の写真が載せられています。 幼虫もたいへん美しい色です。
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トリカブトとはキンポウゲ科トリカブト属の総称で、この仲間は日本で40種類余りあり、分類が難しい種類です。 金剛山で咲いていた写真のトリカブトはカワチブシでしょう。
トリカブトは猛毒を持っていることで有名です。 自然界にある毒では、フグのテトラドトキシンに次ぐ猛毒だと言われています。 ところが春には、山菜として利用されるニリンソウやモミジガサに似ているものですから、時々誤食のニュースが流れます。
この毒は全草にありますが、特に根に多く含まれています。 でも、毒と薬は紙一重、体に作用する点では共通で、トリカブトの塊根は烏頭(うず)と呼ばれ、またそれに接して新たに作られる塊根は附子(ぶし)と呼ばれて、いずれも生薬の原料となります。
トリカブトの名前は、花の形が烏帽子に似ているからですが、カワチブシの「ブシ」は、上記の附子からきており、「カワチ」は金剛山で最初に見つかったことから、そのふもとの地名の「河内」から名づけられたものでしょう。
上の写真で、花は5枚の花弁からなっているように見えますが、これらは全てガクで、頂ガク片1、側ガク片2、下ガク片2からなっています。 花弁はその内側に2枚あるのですが、上の写真の中央の花の奥に、花弁の一部が2本の柱のように見えています。 花弁は頂ガク片の中で距をつくり、ここに蜜をためます。
オシベはたくさんあり、このオシベに紛れてしまってメシベの細い柱頭は、なかなか見つけることはできません。
トリカブトの仲間は、直立したり、下の写真のように垂れ下がったりと、生える環境によって変化します。 下の写真の左端には若い果実が写っています。
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金剛山では湿った斜面などによく見られるツリフネソウ、花の形がユニークです。 花全体が長い柄の先にぶら下がっていて虫がとまるには不安定、花の端がクルリと巻いていて蜜はそこに貯められていますから、この蜜を飲もうとすれば、花のなかにもぐって、長い口を伸ばさなければなりません。 そんなことができる昆虫は限られていますから、必然的にツリフネソウからツリフネソウへ花粉を運んでもらう確率が高くなります。
ツリフネソウはツリフネソウ科に分類されていて、花のつくりに工夫を凝らしています。 ガク片が3枚、花弁が3枚なのですが、ガク片の1枚が大きく袋状になっていて、その端が距になっています。
果実は熟すと、ちょっとした刺激ではじけて中の種子を飛ばします。 このことは同じツリフネソウ科の園芸種である鳳仙花(ほうせんか)でも同じことで、島倉千代子の歌う「鳳仙花」にも、
・・・
鳳仙花 鳳仙花
はじけてとんだ 花だけど
・・・
と歌われています。
下の写真には、ツボミや若い果実が写っています。 熟した果実もサイズが大きくなるだけで、色は緑のままです。
ツリフネソウの仲間については、こちらで記事にしています。
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金剛山で、薄暗い林床にモミジガサが咲いていました。 このモミジガサは、東北などではシドケと呼ばれ、独特の香りが魅力の山菜として、葉が展開する前の若い茎葉をゆでて利用されています。 でも、その芽生えは、トリカブトにたいへんよく似ているので、注意が必要です。
モミジガサはキク科の植物です。
キク科には、複数の花(小花)が集り、その花の集団が総苞に取り囲まれてひとつの花のように見えるという特徴があり、この花の集団を頭花と呼んでいます。 小花には舌状花と筒状花があり、タンポポのように舌状花だけからなる頭花をもつもの、コンギクのように舌状花と筒状花の両方を持つものなどがありますが、モミジガサの頭花は数個の筒状花のみからなっています。
下のモミジガサの頭花は4個の筒状花で構成されていますが、それを取り囲むモミジガサの総苞片は、色も白っぽく、互いに密にくっついていて、1枚ずつの総苞片が分かりづらくなっています。
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ミカエリソウは、あまりの美しさに旅人が振り返るので見返草だとか・・・ 群生して咲く花はたしかに美しいのですが、花に比べて葉が多く、その葉はよく虫に食われてボロボロになっています。 その葉を食べる虫を探すのですが、なかなか見つかりません。 どうやら花の時期にはもう食べ終わっている虫のようです。
ミカエリソウは草のようですが、茎が木化するので木です。 葉が多いのも、光合成産物で茎を丈夫にしなければならないからでしょう。
花序は長く伸び、花序の下から咲き出します。 ツボミは大きな苞が包み込んでいて、この苞が四角い茎に対生していますので、規則正しく重ねられた苞の様子も、幾何学的になかなか美しいものです。
花が咲く時には苞が開き、1枚の苞の下からは3個のツボミが現れます。 花はガクも花冠も浅裂した筒状で、オシベは4本、メシベとともに長く伸びて前に突き出します。
金剛山では、咲きはじめということもあって、たくさんの虫たちがミカエリソウの花を訪れていました。 上の写真では、トラマルハナバチのほかに、小さなハチが3頭写っています。
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イヌショウマは大きな草です。 花序がまっすぐ上に伸びたものはうまく写真に収めきれず、斜面に生えて花序が傾いていて、かつ短めのものを写真に収めました(上の写真:金剛山にて撮影)。
イヌショウマは、近い仲間の升麻(=サラシナショウマ)の根が漢方薬として使われるのに対して、この根は薬用に使えないところからの名前ですが、学名の方は、イヌショウマの方が Cimicifuga japonica で、“日本代表”になっています。
花茎につくそれぞれの花には柄が無く、サラシナショウマとの区別点のひとつになっています。 ツボミはガク片に包まれていますが、このガク片は、花が開くとすぐに落ちてしまいます(下の写真)。 ガクの内側には白い花弁もあるのですが、これも早落性です。 下の写真の左下の花では、かろうじて花弁が残っています。
ガクと花弁が散った後に目立っているのは、たくさんの白いオシベと、1(~2)本の白いメシベ。 このオシベとメシベを見分けるのは容易ではありませんが、オシベが散った後にも、果実へと変化するメシベだけは残っています(下の写真)。
(以下、10月17日に加筆)
下は10月12日に撮ったイヌショウマの果実の写真です。 上の写真のメシベは下のように変化していました。
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金剛山の谷筋に生えていたマツカゼソウ、葉は細かく、丸みを帯びたたくさんの小葉に分かれ(学問的に言うと3回3出羽状複葉)、優しく柔らかな外見の多年草です。
花は径5mm程度、決して目立つ花ではありません。 でもこの花、特にメシベは、拡大してみると、とてもユニークなつくりをしています。 下の写真で、花弁やオシベが散り落ちてメシベだけになっている花が写っています。 これを見ると、ガクの上に蜜を分泌する黄色っぽい花盤があり、その中央から長い柄が伸びて、その先に深く(多くは)4裂した子房があります。
花柱はそれぞれの子房の分体の腹面から出ており(下の写真:写真はクリックで拡大します)、それがくっつきあって1本にまとまり、柱頭に終わっています。
オシベは6~8本ありますが、どんどん落ちてしまうようです。 白い花弁は4枚です。
マツカゼソウはミカン科に分類されています。 ミカン科の植物には葉に特有のにおいを持つものがありますが、マツカゼソウの葉にも油点があり、葉をもむと、特有の香りが広がります。 この油点は、日に透かすと、半透明の小さな点として見ることができます(写真はブレていますので載せません)。
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金剛山山頂の葛城神社境内のオタカラコウの花に、アサギマダラが来ていました。
「アサギマダラ」の名前は、浅葱(あさぎ)色をしたマダラチョウ科の蝶という意味です。 浅葱色とは薄い藍色のことで、翅の白っぽい部分の色です。 この部分は、鱗粉が少なく、半透明になっています。
アサギマダラは、マーキング調査によって、長距離を移動することが分かってきました。 世代を変えながら春は北上し、秋には南下します。 そして南西諸島では、冬でも卵、幼虫、蛹、成虫のいずれも見られ、決まった越冬形態を持っていないようです。
マーキング調査では、成虫の寿命が長いことも分かってきました。 4ヵ月後に再捕獲された例もあります。
マダラチョウの仲間には体に毒を持っているものが多いのですが、アサギマダラも毒を持っています。 これは幼虫の食草であるガガイモ科の植物に含まれるアルカロイド成分が体内に残っているためですが、鳥などに食べられることがほとんど無いため、あまり逃げようとはしません。 そのために思い切って近づいての撮影も可能になります。
写真に写っているのは全てメスです。 オスがメスを誘うフェロモンを生成するためにはヒヨドリバナやフジバカマなどの蜜に含まれるPA(ピロリジディンアルカロイド)を摂取し、蓄積する必要があり、これらの花に多く集まるのですが、メスは花を選ぶ必要が無く、蜜の多い花を訪れます。
※ このブログでは、'08年の2月7日から11日にかけて、伊丹市立昆虫館で撮影した下記のマダラチョウ科のチョウを紹介しています。
ツマムラサキマダラ リュウキュウアサギマダラ スジグロカバマダラ
オオゴマダラ
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大阪府と奈良県の境にある金剛山の、渓流沿いや湿ったところで、オタカラコウがたくさん咲いていました。 キク科の大形の多年草で、花茎はよく伸びたものでは1mにも達しています。
オタカラコウの名の由来については、メタカラコウという植物もあり、雌タカラコウに対する雄タカラコウなのですが、この「タカラコウ」については、根茎の香りが龍脳香(「宝香」とも言われます)に似ているからとも、ツワブキの別名「タカラコ」から来ているとも言われています。 龍脳香とはラベンダー油に含まれるアルコールの一種の香のようです。
少し涼しくなるとともに、いろんな花が咲き出し、虫たちの動きも活発になってきました。 金剛山へは9月7日に行って来たのですが、自宅付近で写した写真もたくさんたまっていることもあり、金剛山での写真の紹介が少し遅れてしまいましたが、今日からしばらくは金剛山の秋の植物や虫たちの紹介を続けようと思います。
南海バスから「全線1日フリーカード」が1,000円で販売されています。 これを利用して、泉ヶ丘駅から出ている「河内長野」行きの南海バスに自宅そばのバス停から乗り、河内長野で「金剛山ロープウェイ前」行きに乗りかえ、金剛山へは徒歩で登り、逆のルートで帰ってくれば、弁当持参であれば、1,000円ポッキリで金剛山で1日中楽しめることになります。 金剛山は私にとっては、たいへん身近な山です。
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体長5mmたらず、肉眼的にはかどが尖って独特のシルエットですが、小さくて何がなんだかよく分からない。 でも拡大してみると案外美しい・・・ トビイロハゴロモはそんな昆虫です。
トビイロハゴロモはアオバハゴロモ科に分類されています。 たしかに外形はアオバハゴロモに似ていますし、白い粉が噴いたような様子はアオバハゴロモとはかなり違いますが、アオバハゴロモの幼虫が白い物質を噴き出すことを思えば共通点も見えてきます。
成虫の出現期は夏の終わりから秋、幼虫も成虫もイネ科植物の汁を吸います。
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近所に車1台がギリギリ通れる地道があり、草がまばらに生えています。 そこにクルマバッタモドキがいました。 クルマバッタモドキは、そんな荒れ地的な草丈の低い場所や海岸の砂地などで見られるバッタです。
ここにいたのは褐色型だけでしたが、個体数は少ないものの、緑色型もいるようです。 胸部背面に、1対の「く」の字形の白い模様があり、上から見ると「X」の形に見えます。 名前の元になっているクルマバッタと比較すると、一見クルマバッタの褐色型に似ていますが、複眼付近の模様はかなり違いますし、クルマバッタの背中が丸く盛り上がっているのに対し、クルマバッタモドキのほうはそんなに盛り上がらずに、ほぼ真っすぐです。 クルマバッタの顎が青みを持っているのに対し、クルマバッタモドキの顎は体色と同じであることも区別点になります。
飛ぶとクルマバッタ同様、後翅の中央部に半円状の帯状の模様が見えるのですが、クルマバッタより淡い色をしています。
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谷筋を利用した段々畑の畦にツリガネニンジンが咲いていました。
ツリガネニンジンは昔から人々に慕われていた植物です。 長野県の里謡で「山でうまいのはオケラにトトキ、里でうまいのはウリ、ナスビ」とうたわれているトトキとは、韓国朝鮮語から来ており、ツリガネニンジンのことです。 春の新芽を天ぷらや和え物に、蕾や花は酢の物などにされます。
ツリガネニンジンの「ニンジン」も、根が朝鮮人参に似ているからで、その根は漢名を「沙参(しゃじん)」といい、せき止めの漢方薬の原料とされています。
ツリガネニンジンはキキョウ科に分類されます。 花のつくりはキキョウの花を細長くしたようで、自家受粉を避ける仕組みもキキョウの場合とよく似ています。
下は、蜜を盗むためでしょうか、ちょうど花冠の片面がかじられてなくなっている花があり、内部がよく見えています。 オシベの根元が広がっているところなども、キキョウの花とよく似ています。
ツリガネニンジンとよく似た植物に、やはりキキョウ科のソバナがあります。 下は六甲高山植物園で撮ったソバナで、花はよく似ていますが、ツリガネニンジンの葉の付き方は輪生であるのに対し、ソバナの葉の付き方は互生であり、花の付き方にもそのような傾向がみられます。
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草の生えた道を歩いて行くと、次々といろんなバッタが飛び出します。 着地したところを探すのですが、保護色が効いて分かりづらく、近づきすぎるとまた飛ばれてしまいます。
褐色型のクルマバッタは、このブログの'07年9月20日に載せましたが、今回は緑色型です。
飛ぶと後翅の中央部にある黒い帯状の模様が半円状に見え、ここから「クルマ」の名前が来ています(下の写真)。
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少し涼しくなってきて、虫たちも元気が出てきたようです。 暑い盛りには姿を見せなかったハンミョウ(ナミハンミョウ)も、昨日(8月31日)はたくさん見ることができました。 でも、まだ日陰がいいのかな?(下の写真)
もう少し大きく撮ろうと近づいたところ、飛ばれてしまいました。 ところが、そのハンミョウが着地するや否や、近くにいたもう一頭のハンミョウが飛んできて、羽交い絞めに! 捕らえられた方のハンミョウは大暴れ。 でも、上になったハンミョウの大顎はがっしりと捕らえたハンミョウの胸部と腹部の間を挟みこんでいます。
こんな大暴れが1分ほど続き、2頭とも飛び去ってしまいました。 このできごとは、いったい何だったんでしょうか?
ハンミョウの雌雄の違いをネットで検索したのですが、見つけることはできませんでした。 でも、私は大顎の白い部分が雄では長く、雌では短いのだと考えています。 そうだとしたら、雄が雌をつかまえて交尾しようとしていると思われます。
今までハンミョウの交尾を観察したことは無かったのですが、ハンミョウの交尾はこんなに激しいものなのでしょうか? それに雌と考えられる個体は、少なくとも捕らえられてしばらくは、腹部を腹側に曲げて交尾を避けようとしているようですし(2枚目の写真)、中足を上に上げて上になった個体の頭部を押し返しているように見えます。
既に交尾を終えた雌が雄に捕らえられ、再度の交尾を拒否していたのでしょうか?
この日はハンミョウがアリを捕らえて食べるところも目撃したのですが、これは2~3秒で終わってしまい、写真に撮ることはできませんでした。
※ 2枚目と3枚目の写真は、クリックすると拡大します。
◎ ハンミョウの記事はこちらにも載せています。
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