マイマイカブリ
マイマイカブリはオサムシ科に分類される昆虫です。 前方に細くなった頭部と前胸部をマイマイ(=カタツムリ)の殻につっこんで食べる姿が、マイマイの殻を被っているように見えるところから、この名前が付きました。 カタツムリの他、ミミズや他の昆虫なども食べる肉食ですが、熟して落ちた果実や樹液などにも来ます。
5月24日にクロナガオサムシを載せましたが、それよりも長く伸びた頭部と前胸部の分だけさらに大型の昆虫です。
歩き回って餌を取るので、飛ぶことはできません。 後翅は退化していますし、左右の前翅はくっつきあっています。
そのマイマイカブリがミミズを引きずっていました。 長い脚で走る速度の速いこと、ミミズの重さなど、全く関係ないようです。 写真を撮ろうとしましたが、ブレて写真になりません(下の写真)。
草の茂みに入ろうとしていましたので、落ちていた枝でそれを妨げようとすると、ミミズを放して逃げ出しました。 仕方なしに持ち帰って撮影することにしました。 例によって、走る前にフィルムケースをサッと置いてスポッ。 かなり窮屈なサイズですが、どうにか捕らえることができました。
マイマイカブリは危険を感じると、尾部から刺激性の強い液体を噴射します。 特に目に入ると大変なことになるので、注意が必要です。
マイマイカブリは飛べないので、地域変異が激しい昆虫です。 大阪付近で見られるのは「マイマイカブリ」です(特に他の亜種と区別する時には、「ホンマイマイカブリ」といいます)が、日本全国には「○○マイマイカブリ」と名づけられたたくさんの亜種がいます。
世界的に見てもオサムシの仲間では大型であること、形態の特異なこと、日本固有種であること、様々な変異が見られる亜種があることなどの理由で愛好家も多く、海外のオサムシ収集家にも人気がある昆虫です。
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コメント
アタマがちっちゃくて、カラダがスラッとしててなかなか均整がとれててカッコイイ
お顔も複雑怪奇・・・
好きな蒐集家なら手元に置いてみたい気がわかるような・・・・
ところで、見えない向こう側のも合わせて八つぐらい目と思われるモンが確認できるのですが、本物の目は??どれ?
投稿: わんちゃん | 2008年8月 4日 (月) 15時08分
オサムシの仲間は、少なくとも外観上は単眼を持っていませんので、こんなに大きくても1対の複眼のみです。
頭部はゴチャゴチャしていますが、そのゴチャゴチャした部分のすぐ後ろ、半球状に飛び出している一番眼らしいのが、その複眼です。
中央の写真では複眼に「キャッチライト」(ライトの反射でできる眼の中の白いスポット:眼を生きいきと見せる効果があります)が入っています。
投稿: そよかぜ | 2008年8月 5日 (火) 07時15分
おはようございます♪
よくフィルムケースに入りましたね
大きく見えます、マイマイカブリ
触角?がアクセサリーのようにジャラジャラ着飾って見えます
顎の下にある4本のチェーンのようなのはナンですか?
投稿: エフ | 2008年8月 6日 (水) 09時18分
どうにかフィルムケースに入るギリギリの大きさです。
> 顎の下にある4本のチェーンのようなのはナンですか?
「小あごひげ」と「下唇ひげ」と呼ばれているものですが、役割は何なんでしょうね。味覚のセンサーでも付いているのでしょうか。
投稿: そよかぜ | 2008年8月 6日 (水) 23時07分