ホツツジ
ホツツジは日当たりの良い酸性の山地に生える落葉低木で、小枝が角張るのが特徴の一つです。 花は小さく、あまり人目を引くわけでもなく、ここ六甲高山植物園でも植物名を記した札はついていなかったと思います。 きっと植物園の外にも生えているはずです。 でも、たくさん咲くと美しいですし、拡大した花の姿が私は好きです。
高山を除けば多くのツツジの仲間が春に花を咲かせるのに対し、ホツツジの花期は8~10月です。
3裂した花冠はクルクルと先が反り返ります。 オシベは花糸の基部がくっつきあい、筒状になって子房を取り囲んでいて、花糸の上部は、やはり反り返っています。 雌しべは長く突き出ています。 子房は3室です。 花弁が3、オシベ6本、子房3室と、この数字だけを見れば単子葉植物のようです。
アセビをはじめとして、ツツジ科には毒のある植物がありますが、このホツツジも植物全体に毒があります。 昔、汲み取り式の便所だった頃、便槽にウジ(ハエの幼虫)がわくのを防ぐため、ホツツジが近くにあるところでは、便槽にこの葉を入れたそうです。
花の蜜は虫を呼び、食べてもらうために作るのですから、無毒であるのが普通です。 ところがホツツジは蜜にまで毒があります。 昆虫には無毒なのかもしれませんが、少なくとも人間には有毒です。 ミツバチが集めた蜜にホツツジの蜜が混じっていて、問題になったことがありました。
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コメント
やっぱりね、そよかぜさんはお花に対して視点が違いますね。
私なんかフムフムの連続です。
そのお花のことを熟知されててどういう風に撮ればいいか・・・ごもっともの世界です。
投稿: わんちゃん | 2008年8月20日 (水) 22時41分
表現したいことをうまく表現しようとすること、新しい発見に出会うことなど、植物に対する態度に限ったことではありませんが、いろんな楽しみ方があるのだと思います。
投稿: そよかぜ | 2008年8月21日 (木) 06時23分