サンカクヅル
一見早くも秋の紅葉のようですが、これは元気な伸び盛りの色。 サンカクヅルはまだまだ伸長中です。
ところで、植物の器官は根、茎、葉と生殖用の花しかありません。 ツル植物の巻きひげは茎か葉の変化したものと考えられます。
サルトリイバラの場合は、巻きひげは托葉、つまり葉の一部または葉の付属体であることを、4月19日の写真などで紹介しました。 では、サンカクヅルの巻きひげは茎でしょうか、それとも葉でしょうか。 写真から何が読み取れますか?



葉と巻きひげは向かい合って付いています。 もし巻きひげが葉の変化したものであったとしたら、対生の葉の一方が巻きひげに変化したことになります。 同じ所に付く葉がこんなにみごとに葉と巻きひげに分化するでしょうか?
茎の一点から左右に葉と巻きひげが出ているように見えますが、葉と巻きひげがペアになっていることを前提に、伸び盛りの先端部に注目してください。 どの葉とどの巻きひげがペアなのかを確認しながら先の方を見ていくと、「巻きひげ」と「これから葉を広げながら伸びようとしている茎」の関係は逆転しています。 二又に分かれた巻きひげがいやに大きく見えます。
巻きひげは茎そのものなのです。 巻きひげとなって成長が止まった茎に代わって、さらに長く成長するために、葉の付け根にあった芽(腋芽)が伸びだして、新しく葉をつけながら伸びていく茎になります。 その茎も巻きひげとなって成長が止まり・・・と、これを繰り返しているわけです。
巻きひげが茎なら、茎から茎が枝分かれしても不思議はありません。 二又の巻きひげの片方は元の茎であり、他方はその茎にあった退化した葉の腋芽が伸びた新しい茎なのです。 伸びている先端の方の巻きひげを見ると、どちらが枝分かれした茎なのかが分かります。
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コメント
スミマセン!!
もう、お手上げ!!
いえいえ
矢印の方向に沿ってその先をしっかりと見てみましょう・・・・
投稿: わんちゃん | 2008年8月 3日 (日) 00時47分
1枚目の写真、拡大するとなかなかいいのではないかと気に入ってます。
いい写真が撮れたので、載せたくなって、写真だけではと思い、少し理屈をこねてみました。
今日(8月3日)の毎日新聞の「今週の本棚」に、岩波新書の「仕事道楽-スタジオジブリの現場」が紹介されています。
それによると、宮崎駿のアニメは、ストーリーがあって映像がくるのではなく、まず絵があり、そこからのイメージでテーマもストーリーも生まれてくるのだとありました。
今回のこの記事は、「まず写真ありき」なんです。
じつはこのブログ、そんなパターンがけっこうあるんですよ。
頭が痛くなったら、写真の鑑賞を・・・
謎は美しさの中に潜む
投稿: そよかぜ | 2008年8月 3日 (日) 07時38分
ホンマですね、
写真の鑑賞だけでも、そよかぜさんのblog
値打ちアリです。
投稿: わんちゃん | 2008年8月 3日 (日) 21時46分