ハチモドキハナアブ
腰のくびれ、腹の下げ方、翅のひろげ方、どこから見ても、オオカバフスジドロバチやオオフタオビドロバチなどのドロバチの仲間にそっくりです。 これがハナアブの仲間とは・・・ しかし、ハチの仲間(膜翅目)は翅が4枚あるのに対し、ハエやアブの仲間(双翅目)は翅が2枚、残りの2枚は、小さな平均棍というものに変化しています。
ちなみに平均棍は、写真でもきれいに写っています(黄色で先の膨らんだ棒状のもの)が、この器官を取り去ると双翅目の昆虫は全く飛翔できなくなるので、何か飛翔に重要な役割を担っているようです。 片方だけでもあれば飛行は可能なので、物理的にバランスを取っている(「平均棍」の名前の由来)ような働きでは無いようです。
ハチモドキハナアブもクヌギの樹液の出ているところに来ていました。 よく樹液のところに来るのですが、樹液を求める行動は遠慮がち。 樹液を得る事に関しては、ドロバチに似ることで、そんなにメリットがあるとは思えませんでした。
卵はクヌギの樹皮下に産みつけるそうです。 写真のハチモドキハナアブも腹部の先端をちょんちょんと樹皮にくっつけていました。 産卵していたのかもしれません。
産卵後の幼虫の詳しい生態は不明だそうです。
ハチモドキハナアブは上記のように食事も産卵もクヌギ林に依存しています。 泉北ニュータウンでは、公園として、あちこちにクヌギ・コナラ林が計画的に保存されています。 小規模な林であっても、さまざまな虫たちの生活の場である林を大切にし、人との共生を図って行きたいものです。
| 固定リンク
「昆虫06 ハエ・アブ」カテゴリの記事
- クチナガハリバエ(2014.06.30)
- キリウジガガンボ(2014.06.22)
- キイロケブカミバエの産卵(2014.06.12)
- ヒゲブトコバエ(2014.06.07)
- オオマダラメマトイ、マダラメマトイ(2014.06.06)
コメント
不可解な行動だらけのハチモドキハナアブ
ハチモドキという冠からして??
☆☆のようで☆☆で無い。
こう思うけど、こうでは無い。
ふむふむ~~
刺すのかしら??
投稿: わんちゃん | 2008年7月 9日 (水) 13時08分
> 刺すのかしら??
ハナアブの仲間ですから、刺しません。
刺すハチに擬態して身を守っているわけです。
本来腰のくびれの無いハナアブが、腰のくびれを作って針のある腹部の先端をいろんな方向に向けることができるようになったハチに似せている、というところがポイントです。
投稿: そよかぜ | 2008年7月 9日 (水) 22時37分