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2008年6月11日 (水)

ゴミグモ

 ゴミグモの巣がありました。 下の写真、左右と上に大きくはみ出して、円形の大きな巣が写っています。 その中央にたくさんの糸を重ねて白く目立つようにした円形のかくれ帯(おび)があります。 そして、そのかくれ帯を貫くように、食べかすなどで作った細長いゴミのかたまりがあります。 クモはこのゴミのかたまりの上にいるのですが、写真に写っていない側です。

Gomigumo080607_1

 下の写真は、上の写真の反対側を少し斜めから撮ったもので、今度はクモがちゃんと写っているのですが、分かりますか?

Gomigumo080607_2

 クモを探すコツは、ゴミの固まりは細長いのですが、それに目を奪われず、円形の網の中心を見てください。 ゴミグモは、ほとんどいつも円形の網の中心にいます。
 なんとなく足のようなものがあるのが分かると思います。
 下の写真はその部分の拡大で、ゴミグモが大きく写っています。 分かりましたか?
 ゴミの中に潜っているのではありません。 これでちゃんと全身が写っています。 存在が分かっているのに見えない、まるでステルスです。

Gomigumo080607_3

 上の写真では、6本の足をそろえて頭胸部の大部分を隠しています。 残りの2本の足は腹部の横を後ろ(写真では上)に出しています。 腹部には、前方背面に2個、後方に6個の円錐状の突起があります。 これがいい目印になりそうなものですが、ゴミのデコボコに混じってかえって境が分からなくなっています。
 もう少し分かりやすくしようと、棒でつついて移動させようとしたのですが、どちらからつついても、いちど足を少し動かしただけで、全く動きません。 よほど隠蔽的擬態に自信があるのでしょうね。
 下は上と同じ写真に、腹部の円錐状の突起が分かるように、赤い線を入れました。 これで腹部の形も理解していただけるでしょう。

Gomigumo080607_4

 ゴミグモの仲間は日本には十数種類いて、多くは山間でみられるのですが、そのなかでゴミグモはごく普通のクモです。 たたし上のように、巣は簡単に見つけられても、ゴミグモそのものの姿を見るためには、注意深く観察する必要があります。

(以下、6月16日追記)
 この記事を読まれた七里さんが、ゴミグモを巣から引き離したときの顛末とよく分かるゴミグモの写真を載せておられます。 こちらから七里さんのページへどうぞ。

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クモ」カテゴリの記事

コメント

こんなキモイモンも眼を凝らして見れるようになったとはいえ・・・・

親切なそよかぜさん、3枚目の拡大写真でようやく理解。やっぱりキモイ!!

投稿: わんちゃん | 2008年6月11日 (水) 08時29分

ゴモグモ 始の内はほとんど見逃していました
暫らくしてやっと居ることが分かりました

投稿: tumumasi | 2008年6月11日 (水) 20時29分

>ゴモグモ
キモイ~~のモに気をとられて・・・・・

投稿: わんちゃん | 2008年6月11日 (水) 23時47分

>ゴモグモ
キモイ~~のモに気をとられて??

投稿: わんちゃん | 2008年6月11日 (水) 23時51分

4枚目は親切ですねー。私のところでも過去2度くらい出したことがありますが、こんな方法は思いつきませんでした(笑)。

投稿: タロ | 2008年6月12日 (木) 01時22分

今日のわんちゃんのコメントはヒネリが深すぎて・・・
「モ」が「キ」を持っていくと、結局お気に入り?
つついても「ゴミは動かないものだ!!」と踏ん張っているところなど、いじらしいものですよ。

このゴミグモ、周囲の状況からすると、tumumasiさんの写真と同じもののようですね。

タロさんの写真のほうは、まだクモの姿がはっきり分かりますが、ほんとうに分かってもらうのに苦労するクモですね。

投稿: そよかぜ | 2008年6月12日 (木) 07時11分

おはようございます♪
ゴミグモを真剣に見つめてるオニイサンが3人・・・
想像するとカメラを構えてる真剣な顔が可愛いような○○なような。。
ゴミグモの形がわかったこともおもしろかったです
クモの巣があったら次回は接近してみよう

投稿: エフ | 2008年6月15日 (日) 09時53分

クモにもいろんな“性格の違い”があっておもしろいですよ。
接近しすぎて巣に顔を突っ込まないようにね。

投稿: そよかぜ | 2008年6月15日 (日) 10時36分

おじゃまします。巣があるのは承知していましたが、この主がゴミグモと称するものとは初めて知りました。マサキの生垣で見ています。そよかぜさんの記事に刺激されてわたしもゴミグモの写真を撮りはじめました。

投稿: 七里 | 2008年6月16日 (月) 07時20分

巣にしがみついての抵抗もむなしく、引き剥がされたゴミグモ君、かわいそう・・・
でも、レースを巣に見立てた写真など、とてもおもしろく、ゴミグモの様子もよく分かるすばらしい写真ですね。
本文中からリンクさせてくださいね。

投稿: そよかぜ | 2008年6月16日 (月) 23時29分

 リンクしてくださってありがとうございます。
 カメラの餌食になった気の毒な蜘蛛も翌朝は見事な巣を張っていました。
 捕食のようすも撮り、巣の状態の変化についても、けさになってまた改まっているなど、いろいろ<未知との遭遇>をしています。きっかけをつくってくださったこちらのページに感謝です。

投稿: 七里 | 2008年6月19日 (木) 07時44分

七里さんの<未知との遭遇>、おもしろいですね~。
やはりじっくりと観察するには自宅にお招きするに限りますね。

投稿: そよかぜ | 2008年6月19日 (木) 20時41分

 お尋ねいたします。写真二枚目の、クモ個体の下に紡錘形ふうのものが見えますが、これは卵のうなのでしょうか。わたしがいま観察しているゴミグモにもあります。ご教示いただけたらさいわいです。

投稿: 七里 | 2008年6月23日 (月) 12時24分

たぶん卵のうだと思います。私の写真ではゴミにまぎれてうまく隠されていますが、七里さんの場合はゴミの無い状態でしたので、大変よく分かりますね。
卵のうは、そのうちに縦に何個か並ぶと思いますので、ぜひ継続観察を続けてください。七里さんのブログを楽しみにしています。

投稿: そよかぜ | 2008年6月23日 (月) 22時49分

そよかぜさん、ありがとうございました。おかげさまで、じぶんのブログ記事にそれなりのリアリティを出せたのではないかとおもっています。
雨のあと、ゴミグモが巣の水分をとりのぞくシーンなどがありました。あまりいい画像ではありませんがUPしてみました。

投稿: 七里 | 2008年6月24日 (火) 11時14分

雨の時の巣の簡素化や巣の水分を取り除く方法など、ますますおもしろくなりますね!
これからもますますいろんなことが観察できそうですから、ゴミグモだけで1冊の写真集ができそうですね。

投稿: そよかぜ | 2008年6月24日 (火) 22時12分

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