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2008年6月 6日 (金)

フタリシズカ

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 2対、まれに3対の対生の葉の上に、通常2本の花穂が立っています。 この2本の花穂を、静御前の霊が若菜摘みの娘に乗り移り、霊自身とともに同じ衣装の二人が、義経が都を追われたときの様子を舞い、吉野の勝手社の神職に弔いを頼むという、謡曲の「二人静」に見立てています。

Futarisizuka080601_1

 上で通常2本の花穂が立つと書きましたが、花穂の本数は1本のことも3本以上のこともあります。 下は“3人静”と“4人静”です。(もちろん全部フタリシズカです。)

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 花穂には白い丸いものが付いていますが、これは3本のオシベの花糸が太くなり、互いにくっついてカールしたもので、その中央にメシベを抱きかかえています。 ひとつの花はこれだけで、他にはガクも花弁もありません。
 オシベの葯は丸くなったオシベの内側にあるので、外から見える白い部分をオシベの葯だと思っていると、いつまで経っても花粉が出てこないように思えます。
 花粉を出し尽くすとオシベは落ちてしまいますので、この段階ではじめて外からメシベが見えることとなります(下の写真)。

Futarisizuka080601_3

 上の写真で、既に受粉能力を失ったメシベの柱頭が黒く写っています。 オシベの付いていた跡を見ると、子房の横腹であることが分かります。
 フタリシズカはセンリョウ科に分類されています。 このブログの'07年12月10日でセンリョウについて書きましたが、子房の横腹におしべが付くところは、フタリシズカもセンリョウも共通です。

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コメント

じゃぁ、フタリシズカは吉野山に多く自生してるのでしょうか?(そうでもないか・・)

謡曲の「二人静」があって、お花のフタリシズカが見つけられて・・・・
このお花の名前を何にしようかと考えた時、
「持った湯のみをパッタと落とし、小膝たたいてニッコリ笑う」そんなカンジ??

二人だと静かに舞う姿を想像しますが
三人、四人だと騒々しいカンジ。

投稿: わんちゃん | 2008年6月 6日 (金) 14時04分

吉野山のフタリシズカは知りませんが、フタリシズカは金剛山などでもよく見ます。
写真の“3人静”や“4人静”はたしかに乱れていて騒々しい感じがしますが、これは花が終わりに近づいていることもあってで、最初の頃はまっすぐ上に伸びているものが多いようです。(それでも騒がしいかな?)

投稿: そよかぜ | 2008年6月 7日 (土) 00時55分

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