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2008年5月31日 (土)

コアジサシ

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Koajisasi80525_2  大阪市内の「なんばパークス」で、5月14日から28日まで、「高円宮妃久子殿下[鳥の写真]展」が開催されていました。 そのポスターに載っていたのがコアジサシでした。
Koajisasi80525_3  久しぶりにコアジサシの勇壮なダイビングを見たくなり
Koajisasi80525_4_2 Koajisasi80525_5 大泉緑地に行ってきました。
 アジサシより少し小さいのでコアジサシですが、上空で狙いをつけ、一気に水に飛び込んで魚を捕らえるところから、鯵刺(あじさし)の名前がつけられたのでしょう。
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※ 写真をクリックすると、拡大表示します。
Koajisasi80525_7  約1秒間のできごとを、6枚の写真にしました。
 コアジサシは日本では夏鳥。 ユーラシア大陸の中緯度地域で繁殖するのですが、越冬地は、赤道を越えたアフリカからオーストラリアにかけての沿岸部です。
 川原や砂浜などにコロニー(集団繁殖地)を作りますが、繁殖地となる場所が減少し、日本では個体数が減少してきています。

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2008年5月30日 (金)

マダラアシゾウムシ

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 マダラアシゾウムシが堺市南区鉢ヶ峯寺の、林の近くにある草むらにいました。
 マダラアシゾウムシの成虫は5~8月に見られます。 普段は雑木林にいて、クヌギ、コナラなどの新芽を食べ、長い口吻は産卵時に木の幹に穴を開けるために利用されます。
 こぶ状の突起があって穴がいっぱい開いたような体と、輪状の斑紋の足などの迷彩色は、デコボコしたクヌギの幹などにいると、ほんとうにいい保護色になるのですが、草の上ではかえって目立ってしまいます。

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2008年5月29日 (木)

クサノオウ

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 あちこちの林のへりでよく見かけるクサノオウ。 茎には白く長い毛がたくさん生えています。
 クサノオウの花弁は4枚。 メシベは細長く、これがそのまま大きくなり、果実になっていきます。 上の写真には、花が終わり、メシベから果実へと成長をはじめたところも写っています。
 写真では写っていませんが、ガクは2枚ありますが、開花と同時に散り落ちます。
 4枚の花弁、早落性の2枚のガクとくれば・・・ クサノオウはケシ科の植物です。
 茎を傷つけると、切り口からは毒々しい黄色い乳液が出てきます。

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 五感を用いると、より深く植物を知ることができます。 この黄色い乳液を指につけてなめてみる事をお勧めします。 その苦さにきっと驚き、強く印象に残ることでしょう。 ただし、有毒ですから、あまりなめすぎないように(なんて言う必要はないでしょう。 たくさんなめる事のできる人はいないでしょうから)。
 毒と薬は紙一重。 「クサノオウ」という和名は、皮膚病の瘡(クサ)によく効くから「瘡の王」だという説があります。

 クサノオウはヤマブキソウと同じ属です。 ヤマブキソウの咲き始めの頃のメシベはそんなに長くはないのですが、花が終わりに近づくとめしべが長く伸びてきます(下の写真の中央の花)。

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2008年5月28日 (水)

ガガンボカゲロウ

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 河内長野市横谷の渓流沿いに、ガガンボカゲロウがいました。
 以前クサカゲロウについて書きましたが、こちらは本家本元のカゲロウの仲間です。
 クサカゲロウは弱弱しく見えますが、しっかりと生きていました。 それに対してカゲロウの仲間の成虫は、口の構造も退化していてほとんど摂食機能がなく、寿命も短く、「儚さ」の象徴のような昆虫です。
 カゲロウの仲間の翅は、多くは4枚のうちの前翅が発達していますが、特にガガンボカゲロウの場合は、後翅は小さくて目立ちません。 腹部後端に、「尾毛」と呼ばれる細く長い尾を持っているのも、カゲロウの仲間の特徴です。
 写真はオスで、腹面第9節に、交尾の際にメスを挟む把持子(はじし)と呼ばれる生殖肢が見えます。

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 先にカゲロウは儚さの象徴のような昆虫だと書きましたが、それは成虫の話であって、幼虫(すべて水生)は、種ごとに水中のさまざまな環境に適応した形態を持っています。
 カゲロウは、昆虫の中で最初に翅を獲得したグループの一つであると考えられています。
 幼虫から成虫への変態も特殊で、「半変態」と呼ばれています。 水中生活の幼虫から羽化して飛び立つのは「亜成虫」で、この亜成虫が脱皮して成虫になります。 このように翅が伸びた後に脱皮する昆虫はカゲロウの仲間だけです。
 ちなみに、亜成虫は成虫とほぼ同形ですが、成虫に比べて脚や尾がやや太短く、翅は不透明です。

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2008年5月27日 (火)

ジャケツイバラ

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 和泉市善正から滝畑に向かう途中の谷に、ネムノキに絡まったジャケツイバラが咲いていました。
 ジャケツイバラはツル性で、単独で枝同士が絡まりあって低木状になっていることもありますが、傍に絡まることのできる木があると、その木に絡まって、上の写真のように、かなり高い所にも上ってきます。
 ネムノキもマメ科ですが、ジャケツイバラも多くはマメ科に分類されます。 ただし、下の写真のように、マメ科の花としてよく知られている蝶形の花ではないなどの違いもあり、ジャケツイバラ科として独立させる考え方もあります。
 下の写真では、クマバチが花を訪れています。

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 ジャケツイバラは漢字で書くと「蛇結茨」となります。 枝がもつれている様子を、恐ろしいヘビがからみ合っているさまに見立てたと言われています。
 「恐ろしい」ヘビと書きましたが、枝だけでなく葉も古くなると、鋭いトゲができます(下の写真)。 まるで蛇の牙です。 「イバラ」と言われるゆえんですが、もしもこんな藪に入り込んだら、とんでもないことになりそうです。

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2008年5月26日 (月)

アサヒナカワトンボ

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 河内長野市滝畑近くの横谷を歩くと、あちこちにアサヒナカワトンボの姿がありました。 山地の清流のに住む金属緑色の美しいトンボで、オスは写真のように白い粉で覆われます。
 オスの翅の色は透明型と着色型があり、透明型の縁紋は、写真のように赤い色をしています。 ちなみに、メスの縁紋は白色です。
 アサヒナカワトンボは、全国的には数タイプの地域異変があり、種名も混乱気味です。 以前はニシカワトンボと呼ばれていたのですが、2004年にカワトンボに種名変更され、さらに2007年にカワトンボからアサヒナカワトンボに種名変更されています。
 木陰を好む傾向があるのですが、春には明るい開けた場所で見ることも多く、横谷でも渓流の岩の上で日向ぼっこをしていました。

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2008年5月25日 (日)

シライトソウ

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 河内長野市滝畑の近く、横谷の道の側の木陰になっている斜面にシライトソウが咲いていました。
 まるで白い試験管ブラシのような部分は、たくさんの花の集まり。 下はその部分の拡大です。

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 ひとつの花は、花被片6枚のうちの2枚が退化して小さくなっているか消失しています。 写真ではこの2枚は見えていません。 「シライトソウ」の名前は、もちろんこの細長い花被片を白い糸に見立てたものです。
 オシベは6本。 写真の花では、まだ花粉は出していません。 メシベもオシベ6本の中央にあるのですが、小さくて、写真ではよく分かりません。
 シライトソウはユリ科に分類されているのですが、これだけたくさんの花が集まり、花被片が細長くなると、ユリ科だとは思えませんね。

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2008年5月24日 (土)

クロナガオサムシ

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 河内長野市の滝畑の近くを歩いている時に、道を横切ろうとしているクロナガオサムシを発見しました。 オサムシはあまり飛ぼうとしませんが、走る速度の速いこと! どうにか草むらに逃げ込むのは阻止しましたが、路上をひたすら走り続けます。
 走るオサムシの写真を撮ることはあきらめ、持ち帰ることにしました。 直進性が強いようで、進む方向の前にフィルムケースをポンと置くと、スポッと中に入って動きが止まりました。
 蓋をして持ち帰り、しばらく冷蔵庫の中に入れて、動きを鈍らせて撮ったのが、ここで紹介している写真です。
 オサムシは成虫も幼虫も肉食で、ミミズ、カタツムリ、チョウやガの幼虫などを食べています。 肉食だけあって、大あごは大変よく発達しています。 下の写真では、その大あごをいっぱいに開いています。 大あごの近くに見られるヒゲ状のものは、「小あごひげ」と「下唇ひげ」です。
 クロナガオサムシは本州から九州まで分布しています。 オサムシには似た種類が多いのですが、クロナガオサムシの触角は根元の4節が黒く、その先は短毛が密生していて褐色に見える(下の写真でよくわかります)こと、前胸背にはしわが多く、小楯板は中央がくぼんでいることなどが特徴です。
 漫画の神様・手塚治虫(本名:手塚治)の「治虫(おさむ)」は、昆虫好きであった手塚がオサムシからとったペンネームで、最初は「おさむし」と読ませていましたが、紹介されるときなどに「氏」を付けられると「オサムシシ」になってしまうため、読み方を本名の「オサム」に変更したということです。

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※ このクロナガオサムシよりもさらに大型のマイマイカブリはこちらで記事にしています。

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2008年5月23日 (金)

ムロウテンナンショウ

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 テンナンショウの仲間(=マムシグサの仲間)には種類が多く、金剛山にも、ムロウテンナンショウ、コウライテンナンショウ、ムロウマムシグサの3種があると言われています。 上の写真はムロウテンナンショウだと思っているのですが、私の関心は受粉のしかたにあり、種の同定ではないので、「マムシグサの仲間」としておく方がいいのかもしれません。
 マムシグサの仲間はミズバショウなどと同じサトイモ科に分類される植物で、上の写真で花のように見えているのは、ミズバショウでは白いところにあたる「仏炎苞」で、ほんとうの花はその中に包まれるようにして存在します。
 下はこの仏炎苞の側面を取り去り、中を見たものです。 中央にある緑の柱のような部分は「付属体」と呼ばれていて、花はこの付属体の下につきます。
 マムシグサの仲間は雌雄異株で(この仲間は性転換をするのですが、このことはまたの機会に)、下の写真は雄株です。 このあたりの様子は、カラスビシャクとは違っています。

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 虫たちのポリネーター(花粉媒介者)は仏炎苞の上の口のように開いている部分から入ります。 においに導かれ、付属体に沿って上から下に降りていくと考えられるのですが、付属体は下に行くほど太くなり、仏炎苞の壁との隙間は次第に狭くなります。 でも、次第に狭くなる通路の先には広い空間と花が見えており、ポリネーターはがんばって花にたどり着こうとするでしょう。
 しかし、花にたどり着いたポリネーターが上に出ようとすると、急に太くなっている付属体が弁のように機能し、なかなか上に登ることができないのではないかと考えられます。 下の写真は雌株でそのことを示したものです。 「×」で、付属体が障壁となっているであろうことを示しました。

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 虫たちは花の周辺でもがくことになり、その時に花粉媒介が行われると考えられます。 しかし、雄株の花の花粉を雌株の花に運んでこそ意味があるので、昆虫たちが花から脱出できないのでは意味がありません。
 マムシグサの仲間の仏炎苞の下部には、ちゃんと“脱出口”が用意されているようです(下の写真)。 と、いちおうの説明はつくのですが、いちど花の前にすわりこんで、仏炎苞の上から出てくる虫と“脱出口”から出てくる虫の数の比較や、雄株と雌株で脱出のしやすさに違いはあるのかなど、じっくり観察してみたいものです。

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 雌花の様子は3枚目の写真で大きく写っていますので、下に雄株の花の拡大を載せておきます。

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2008年5月22日 (木)

タニギキョウ

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 山の木陰に生える小さな多年草ですが、ちゃんとキキョウ科の特徴は備えています。
 花が無いとハコベの仲間のようにも見えますが、タニギキョウは切り口から白い乳液を出すので、区別できます。
 木陰に生えているくせに、一定時間以上、一定以上の明るさが維持できないと花が開かないようで、花が閉じてしまっているタニギキョウによく出会います。 小さな花で、花粉を大切にしているのかもしれませんが、薄暗い所には立ち寄らないポリネーター(花粉媒介者)は、いったい誰なんでしょうか。

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2008年5月21日 (水)

シラオビシデムシモドキ

 斜面に木の切り株があり、切り口から出てきた樹液が発酵して酵母菌などが増殖しているのでしょうか、オレンジ色になっていました。 その発酵した樹液を求めて、ベッコウバエが3頭、シラオビシデムシモドキが3頭、そのほか小さなハネカクシの仲間やハエの仲間などが集まっていました。
 写真を撮ろうと近づきましたが、斜面のこと、こちらの動きが急になり、ベッコウバエにはみんな逃げられてしまいました。 それが下の写真です。

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 でも、シラオビシデムシモドキやハネカクシの仲間などは樹液に夢中。 私が近づこうが、カメラを近づけようが、お構い無しです。

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 腐った肉を食べるシデムシ科の昆虫がいますが、シラオビシデムシモドキはそのシデムシ科に分類されるある種の昆虫に似た体型をしています。 しかし、シラオビシデムシモドキは、シデムシ科ではなく、ハネカクシ科に分類されています。 上の写真にも、シラオビシデムシモドキ2頭とハエの仲間1頭の他、小さなハネカクシの仲間が4頭写っていますが、ほっそりした体型の多いハネカクシの仲間にあって、シラオビシデムシモドキは、横幅もある大きなハネカクシの仲間ということになります。
 このシラオビシデムシモドキを見ていると、フニャフニャと体をねじるハネカクシの仲間も甲虫なんだということが納得できます(下の写真)。

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2008年5月20日 (火)

ツルキンバイ

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 ツルキンバイは、関東地方以西の山中の木陰に生える多年草です。 金剛山では山頂付近にたくさん咲いていて、明るい黄色はよく目立ちます。
 ツルキンバイはバラ科のキジムシロ属です。 この仲間には似た花が多いのですが、葉の様子など、少しずつ違います。
 下は花のアップ。 花弁の蜜標がチャーミング。 たくさんのオシベにたくさんのメシベ、赤っぽい蜜腺もアクセントになっています。

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 花を横から撮ると、ガクと副ガクがあるのが分かります(下の写真)。 この仲間の特徴です。

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2008年5月19日 (月)

フタオビヒメハナカミキリ

 金剛山ではニリンソウは大群落を形成していますが、イチリンソウは下の写真のような規模の群落があちこちに点在しています。

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 そのイチリンソウの花にフタオビヒメハナカミキリが来ていました。 上の写真にも黒い点として写っています(右上の花)。 熱心に花粉を食べていました(下の写真)。

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 フタオビヒメハナカミキリ(旧名フタオビノミハナカミキリ)は体長8~9mm、日本全土に普通に分布します。 体の表面には長い毛がありますので、花粉まみれです(下の写真)。

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2008年5月18日 (日)

(ミドリハコベ・)アオハコベ・(ヤマハコベ・)ミヤマハコベ

   目には青葉 山時鳥 初鰹    山口素堂

 こんな季節になりました。 私の家の近くでも、まもなくホトトギス(時鳥、不如帰)の声を聞くことができるでしょう。
 ところで、この句の「青葉」の色は、もちろん緑。 青信号の色も、最近は青っぽくなってきましたが、昔は緑色でした。

 ハコベの仲間に、ミドリハコベとアオハコベがあります。 ミドリハコベは、全体が明るい緑色で、茎も多くは淡緑色の、路傍や畑などで見ることのできる、白い花のいたって普通のハコベです。
 いっぽうのアオハコベは珍しく、花が緑色のハコベです。 もう少し正確に言いますと、白い花弁が無くなり、緑のガクが目立つハコベです。 「珍しい」ハコベと言いましたが、花が緑色なので、花が咲いていても気付かれにくいというのも、その理由のひとつでしょう。
 このアオハコベが金剛山で咲いていました(下の写真)。 葉にはほとんど柄がありません。

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 じつはアオハコベはヤマハコベの変種とされています。
 ヤマハコベは近畿地方以西の山の林の中にはえる多年草で、ハコベの中では花は大型で目立つ方です。 5枚の花弁は深く2裂し、10枚の花弁があるように見えるのは他の多くのハコベの仲間と同じです。 アオハコベもヤマハコベも、葉も茎も星状毛が密生しています。 星状毛の様子は、上の写真(クリックで拡大します)の葉の縁を見ると分かりやすいでしょう。
 ところで、ヤマハコベと紛らわしい名前ですが、ミヤマハコベというハコベの仲間( Stellaria属 )があり、これも金剛山でよく見ることができます(下の写真)。 こちらは全ての葉に柄があります。

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2008年5月17日 (土)

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 今日、金剛山に行ってきました。 目的の第一は、5月6日に書いたヤマトグサの雌花を探すこと。
 この時期、金剛山ではヤマトグサはあちこちで見られます。 雄花をつけているとよく目立ちます。 といっても小さな草のこと、多くの人は気が付かないのでしょうが・・・

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 ところが、そんなにたくさんあるヤマトグサを、ルーペでかなり真剣に観察したのですが、どうしても雌花を探すことはできませんでした。 発想を変えて果実を探しましたが、これも見当たりません。 何か根本的なところで思い違いをしているのかもしれません。
 怪我の功名で、ヤマトグサを真剣に見つめていると、傍にアオハコベ(ミドリハコベじゃありません)が咲いていました。 アオハコベは金剛山で初めて目にする珍しい植物です。
 他の植物のことをメモしておきますと、フタバアオイは4月29日に登った時と同じ姿で花をつけていました。
 ニリンソウは終わりかけていましたが、イチリンソウはまだ元気に咲いていました。
 ヤマシャクヤクはちょうど見ごろでした。 昨年は雨で痛んだ花でしたが、今年は美しい花を見ることができました。
 ヤマブキソウは4月29日に登った時には見つけることができなかったのですが、今年も大群落で咲いていました。 地上に葉を展開して花をつけるまでを短期間で行うようです。
 下は新緑のブナです。

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※ 今日見たことを踏まえ、4月29日の金剛山の様子について書いた5月2日の記事を少し書き換えました。

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2008年5月16日 (金)

ナルトサワギク

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 写真はナルトサワギク。 堺市南区畑で撮影しました。
 ナルトサワギクはマダガスカル島原産の帰化植物で、和名は1976年に徳島県鳴門市で確認されたことによります。 侵入後あまり時間が経っていませんが、急速に分布を拡大しています。 強い繁殖力で在来の植物を駆逐してしまうことが心配されています。
 ナルトサワギクは、他の植物の発芽を抑制するというアレロパシー作用を持っていることが報告されています。 乾燥した葉でもこのアレロパシー作用はあるので、刈り取った植物を放置しても危険です。
 さらに、ナルトサワギクの属するキク科キオン属の植物は,肝毒性や発がん性を有する物質(ピロリジジンアルカロイド)を含んでいます。 日本ではまだ牧草地への侵入や家畜の被害は報告されていませんが、牧草の生育への影響とともに、ナルトサワギクを食べた家畜の中毒が心配されています。
 このような事情から、2006年2月1日より、ナルトサワギクは、特定外来生物(植物)第二次選定種に指定されています。 駆除法についてもいろいろ検討されているようですが、いまのところ決め手はないようです。 美しいからといって、安易に観賞用に栽培しないよう注意しなければなりません。

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2008年5月15日 (木)

クマバチの巣

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 散歩の途中、クマバチの巣(上の写真)を見つけました。 写真の木はシイです。 シイは極相林の構成樹種で、林以外の場所ではそんなに丈夫な木ではありません。 この木は、かなり太いのですが、公園内にあるため、剪定されたりして、かなり弱っています。 クマバチは、雄も雌も、古い巣なども利用しながら成虫で越冬します。 春、雄が雌を待ち構える様子は4月26日に書きましたが、受精した雌は巣づくりを始めます。 巣は新しく作ることも、前年の巣を利用することもあるのですが、英語では Carpenter Bee と呼ばれているように、大あごで木材や枯枝に長い穴を開け、奥から順に仕切って数個の育房をつくっていきます。
 この巣の作られた木は、前にも書いたようにかなり弱っていて、洞ができて、その洞をいろんな昆虫が越冬に利用したりしていて以前から注目していましたが、このクマバチの巣は昨年には無かったので、新しく作られた巣です。
 この巣は入口から少し入ったところで直角に曲がり、上に伸びています。 写真では巣の奥から頭を下にして出てきたクマバチの顔が見えています。 木屑は出てきていないので、穴を掘る作業は終了しているのでしょう。
 クマバチは夏に羽化し、未成熟のまま巣にとどまって冬を迎えます。 これからクマバチがここでどのような生活を見せてくれるのか、楽しみです。

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2008年5月14日 (水)

カラスビシャク

 まずは「半夏生(はんげしょう)」について。
 二十四節気をさらに細分化したものに七十二候があり、その1つに「半夏生」があります。 夏至から数えて11日目(現在では天球上の太陽の位置からもう少し正確な定義があります)にあたり、農家にとっては、この日までに田植えを終える大事な節目の日でした。 この日は骨休めの日、私の子供の頃、ハゲッショ(半夏生のなまったものでしょう)と言って、主婦も家事を楽にできるようにということでしょう、アカネコ餅というものを作っていました。 本来は小麦と米をついて作るもののようですが、我家では単なるおはぎだったような気がします。 親も意味が分からず風習を守っていたのかもしれません。
 話をややこしくしているのは、ハンゲショウという植物があるからで、この植物の名前も、葉の半分が白くなることから「半化粧」に由来するという説もありますが、七十二候のひとつである半夏生の頃に花をつけるからだという説もあります。
 話を元に戻します。 この七十二候のひとつである半夏生は、「半夏(はんげ)が生えている頃」から来ています。 この半夏とは、鎮吐や去痰など、様々な薬効がある漢方の名前で、じつはこれがカラスビシャクの球茎なのです。 半夏は有名な漢方であるため、半夏の取れるカラスビシャクそのものの別名ともなっています(長い前振りでした ^-^; )。
 半夏生の頃にたくさんあるはずの、その半夏(=カラスビシャク)が、そろそろ生え出しています。

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 カラスビシャクは、ミズバショウ、マムシグサなどと同じサトイモ科の植物です。 花が仏炎苞に包まれているのは、みんな同じ。 でも、ミズバショウでは花に雌性期と雄性期がありました。 マムシグサやテンナンショウの仲間には雌株と雄株があります。 カラスビシャクでは・・・
 カラスビシャクの仏炎苞を外から見ると、2段になっています(下の写真)。 じつはこの段差のある部分から下には雌花があり、上に雄花が並んでいます。

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 下の写真は仏炎苞を破いたもの。 雌花はメシベのみで、雄花はオシベのみです。 メシベは全部前を向き、オシベは前後左右全ての方向を向いています。 じつはたくさんの花を周囲につけている花軸が、段差のある部分から下部(=雌花のついている部分)では、仏炎苞の背側に合生していますので、前を向かざるを得ないわけです。

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 カラスビシャクは葉にむかご(球芽)をつけるのですが、この時期はまだそれには早すぎるようです。

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2008年5月13日 (火)

ササバギンラン

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 堺市の鉢ヶ峯に広大な公園墓地があるのですが、その斜面にササバギンラン(笹葉銀蘭)が咲いていました。 草刈りされた斜面の半日陰で、ササバギンランにとっては良い環境なのでしょう、たくさんの花をつけています。
 ご先祖様へのお供えという気持ちが働くのでしょうか、通路のすぐ傍でこんな植物が採られずに残っているのを見ると、うれしくなります。 野草は野にあるのがいちばん。 そんな野草を独り占めにしないで多くの人たちが楽しめるようにと、心のゆとりを持った人たちが増えると、気持ちのいい世の中になるのでしょうね。
 ササバギンランに似た植物にギンランがあるのですが、ギンランの包葉がどれも1~3cmと短いのに対し、ササバギンランでは最下の1~2の花の包葉が長くて葉状になるのが、いい区別点です。

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 下はギンランに対してキンラン。 やはりギンランの仲間( Cephalanthera属)ですが、この仲間の花は、慎み深いのか、花が大きく開くことがありません。

Kinran

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2008年5月12日 (月)

ネギのお花は大賑わい

 一昨日の日曜の大阪は朝から雨の若葉寒。 昨日の天気もパッとしなかったので、家に閉じこもっていろいろ。 というわけで、今週はGW中に撮った写真が中心です。
 まずは、種子を採るためでしょうか、ネギの花を咲かせている畑があり、そこにたくさんの種類の虫たちが集まっていましたので、その紹介から。 写真は最後の1枚を除いて、クリックで拡大します。

camera ヒメアカタテハ 口を深く花に差し込んで吸蜜中

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camera アカネトラカミキリ

Akanetorakamikiri080504_1

 

camera キマダラハナバチ

Kimadarahanabachi080504_1

 

camera コアオハナムグリとミツバチ

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2008年5月11日 (日)

ヒメマルカツオブシムシ

 雨の中、新聞を取りに出てふと庭のミヤコワスレの花を見ると、2mmほどの黒い小さな粒が3粒、花にくっついています。 ゴミにしては3粒も、と、何か気になり、乾かしてみると、ヒメマルカツオブシムシでした。 ヒメマルカツオブシムシって、濡れると真っ黒に見えるんですね。

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 ヒメマルカツオブシムシは、衣類の害虫として知られています。 というよりも、衣類の被害は、ほとんどがヒメマルカツオブシムシによるものと言われています。 羊毛、絹織物、毛皮等の動物性繊維の他、その名前のとおり干し魚などの動物性乾燥食品や、昆虫標本にもつきます。
Himemarukatuobusimusi080510_5  防虫剤を使用するのはヒメマルカツオブシムシの被害を防ぐためと言っても過言ではありません。 でも、それは幼虫の話で、成虫の被害は特にありません。

 成虫が羽化するのは5~6月。 これからマーガレットの花などでよく目にすることになるでしょう。

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2008年5月10日 (土)

アブラコウモリ

 GW中のできごとから・・・
 夕方になると、町のあちこちでアブラコウモリ(=イエコウモリ)が飛び回っています。
 夜、そのアブラコウモリが私の家の中を飛び回っていました。 どうやら開けっ放しにしてあった窓から侵入したようで、窓にはレースのカーテンがあるのですが、そのカーテンが外からの風であおられた時に侵入し、屋内からは外に出られなくなったようです。
 飛びもの撮影のいい練習台になってもらい、その日はそのままにしておきました。

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 次の日の朝、どこに行ったのか、なかなか見つかりませんでしたが、絶対いるはずと探すと・・・
 なんとレースのカーテンの折り返しの隙間で眠っていました。

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    おはよう・・・(真下から)

 やさしく促し、出て来ていただき、庭の木にぶら下げてやりました。 飛ぶ気配は全くありません。

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 ブランコ遊びはお好きかな? と思い、背中を押してあげましたが、お気に召さないご様子(以下の写真はクリックで拡大できます)。

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 どうしても眠りたいようで・・・ 目をつむると、どこに目があるのか、よほど注意して見ないと分かりません(上の写真と比較してみてください)。

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 夕方見に行くと、もういなくなっていました。 遊びにつきあってくれて、ありがとう!

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2008年5月 9日 (金)

オオチャルメルソウ

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 このオオチャルメルソウも金剛山で撮った写真ですが、家から歩いて行ける丘陵地の湧き水の傍などにもある植物です。 今まで何度か写真に撮ったことはあるのですが、蜘蛛の糸が絡んでいたりして(よく絡んでいます)気に入った写真が無く、今回たまたま花の時期もよく、きれいに撮れたので載せることにしました。
 淡い赤褐色の花弁も細いので、ちょっと見ただけでは咲いているのも分からない寂しい花です。 が、拡大してみると、その造形のおもしろさ、私のお気に入りの花です。
 下の写真は、上と同じ株の花穂の一部の拡大です(どちらの写真もクリックで拡大します)。 ツボミと、開いたばかりでまだ花粉を出していない花と、花粉を出してしまった花が写っています。
 細く羽状にくびれた花弁は特徴的です。 花弁についているツブツブは何なんでしょうか?
 オシベも特徴的です。  オシベは花弁の基部につきます。 つまり花弁とオシベの位置関係は、互い違いにはなっていません。 ほとんど無いと言ってもいい短い花糸につく葯も、お団子のようでかわいい感じがします。 

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 オオチャルメルソウはユキノシタ科の植物で、似た植物にコチャルメルソウがあるのですが、メシベの花柱の形などで区別できます。
 「チャルメル」は中華ソバ屋さんの鳴らすラッパに似た楽器(インスタントラーメン「明○チャルメラ」の袋に書かれています)の名前から来ています。

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2008年5月 8日 (木)

ニッコウネコノメ

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 昨日に続いて、金剛山のネコノメソウの仲間をもう一種。 ニッコウネコノメです。
 ニッコウネコノメはイワボタンを基本種とする変種です。 イワボタンを基本種とする変種には何種類かあり、4月3日に書いたヨゴレネコノメもそうですから、両者を比較すると、葉の形など、たしかによく似ています。
 ヨゴレネコノメのオシベは普通4本でしたが、ニッコウネコノメのオシベは普通8本、稀に4本です。 ただ、葯の色は、若い時は暗紅色で、のちに花糸が長く伸びて葯の色も黒色に変わるので、上の写真でも注意して見ないと、オシベが8本であることを見逃してしまいます(写真はクリックで拡大します)。

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2008年5月 7日 (水)

ハナネコノメ

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 4月の2日から4日にかけて、コガネネコノメソウヨゴレネコノメタチネコノメソウと、岩湧山の麓で撮ったネコノメソウの仲間を紹介しましたが、金剛山でもネコノメソウの仲間が何種類か咲いていました。 今日はそのうちのハナネコノメを紹介します(画像はクリックで拡大します)。
 花があまり目立たない種類が多いネコノメソウの仲間にあって、花が目立つのでハナネコノメです。 他のネコノメソウの仲間と同じように、目立っているのはガクで、花弁はありません。
 ハナネコノメはシロバナネコノメの変種とされています。 シロバナネコノメに比較して、全体やや小さく、毛がやや少なく、ガク片の先が鈍く、成熟したオシベはガク片より長いなどの点で区別されます。 ハナネコノメは近畿地方以東に、シロバナネコノメは近畿地方には少なく、中国・四国・九州が分布の中心です。 この仲間には、他にもキイハナネコノメ、キバナハナネコノメなどの変種もあります。

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2008年5月 6日 (火)

ヤマトグサ

 ヤマトグサは、日本人により初めて学名を付けられた植物です。 それまでに知られていた日本の植物は、既に外国に紹介されていたり、外国へ鑑定を依頼して外国で学名が付けられていたのですが、今後日本植物の研究は日本人の手で行うと、牧野富太郎・大久保三郎により明治22年(1899年)に新植物として発表されたのがヤマトグサの記載でした(下のclip)。 それまで知られていなかった植物で、人目を引く植物ではありませんが、Theligonum japonicum Okubo et Makino の学名とともに、ヤマトグサ(大和草)の和名からも、その喜びと意気込みを感じることができる気がします。
 ヤマトグサは従来はヤマトグサ科に分類され、世界的には1属4種、もちろん日本にはヤマトグサ1種が関東地方以西に分布するとされていました。 最近になって、DNA解析による分子系統学が大きく発展し、植物の分類体系も変わろうとしていますが、1998年に公表されたAPG分類体系の初版では、ヤマトグサ科はアカネ科にまとめられています。 でも、珍しい植物であることには変わりはありません。
 「珍しい」というのには、2つの意味があります。 どこにでもある植物ではないということと、花のつくりが変わっている(決して一般受けする美しい花ではありませんが・・・)、ということです。
 そんなヤマトグサが金剛山にはたくさんあります。 でも、特に今年は4月29日では少し早すぎました。 ほとんどの花はまだツボミ。 特に雄花よりもはるかに小さな雌花が咲いているところは、結局見つけることはできませんでした。 雌花の写真を撮りに、また金剛山に行かなくっちゃgood
 ※ 5月17日に行ってきました。 その時の記録はこちらでどうぞ。(5月17日追記)

 ヤマトグサの雄花は、ツボミでは互いのガク片が辺でくっつき、内部を包み込んでいますが、開くと2~4片に分かれて反り返り、オシベが顔を出します(下の写真)。

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 上の写真のように、雄花が開いたばかりの時は、葯ばかりのように見えますが、時間とともに花糸が伸びてきて、風に揺れるようになります(下の写真)。 雄花はこのようにガクとオシベだけ。 風媒花です。 雌花は日を改めて・・・
 全形は少しハコベの仲間に似ていて、茎の1側に毛があるのもハコベに似ています(下の写真)。 ただし、この毛の列は、ハコベの仲間のように1列ではありません。

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clip 日本における初期の植物研究については、日本植物研究の歴史-小石川植物園300年の歩み-に詳しくまとめられています。

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2008年5月 5日 (月)

フタバアオイ

 昨日(4日)のテレビのニュースでは、京都3大祭りの最初を飾る葵祭(15日:陰暦四月の中の酉の日)の斎王代が身を清める「御禊(ぎょけい)の儀」の様子を上賀茂神社から伝えていました。
 葵祭は賀茂氏と朝廷の行事として行っていたのを貴族たちが見物に訪れる「賀茂祭」に始まり、応仁の乱によって中断されますが、元禄七年(1694)に「葵祭」の名で復活します。
 葵祭の名前の由来は、牛車、勅使・供奉者の衣冠、牛馬にいたるまで、葵(カモアオイ)の葉と桂の小枝で飾ったことからきており、家々にも葵を掛ける風習があるそうですが、このカモアオイとはフタバアオイのことなのです。
 この祭になぜフタバアオイを使うのか、その由来は長い歴史の中でよく分からなくなっているようです(下のclip)。 祭の復興に「葵の御紋」の徳川幕府の多大な援助があったからとも言われていますが、この「葵の御紋」の葵もフタバアオイの葉を図形化したものです。

 このフタバアオイ、4月29日の金剛山でも花をつけていました(下の写真)。 名前のとおり、短い枝の先に、長い葉柄を持つ2枚の葉が対生し、この2葉の間に1つの花をつけます。
 下の写真は薄暗い場所でフラッシュを使わずに撮影しましたので、そのあたりがきれいに撮れていませんが、よく見ていただくと理解していただけると思います。

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 花は3花被片が完全に反り返っていますので、注意して見ないと3花被片があることすら分かりません(下の写真)。
 昨年の4月25日にカンアオイのことを記事にしました。 カンアオイは冬でも緑の、フタバアオイは冬には地上から姿を消す植物ですが、どちらもウマノスズクサ科の同じ属(Asarum属)に分類される近い仲間です。 なお、ゼニアオイ、タチアオイ、トロロアオイなどは、アオイ科の全く別の植物です。
 Asarum属の花は特徴的なものが多く、メシベは花柱が分離していることが多いのですが(「カンアオイ」の花の断面の写真参照)、フタバアオイの場合は、例外的に花柱が柱状に合生しています(花の断面の写真はこちら)。

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clip(「葵祭」雑感)
 葵祭で使われるフタバアオイの量は相当なもので、2006年5月14日の朝日新聞の速報ニュースサイト(asahi.com)では、上賀茂神社が葵祭の「フタバアオイ」確保に向けての育成計画が報じられていました。 フタバアオイは、そんなにどこにでもたくさんある植物でもありませんし、簡単に急に増やせる植物でもありません。 そんな植物を使う葵祭はなぜ「葵」祭なのか、この記事を書いていて、いろんな疑問が湧いてきました。
 まず、応仁の乱以前の賀茂祭にもフタバアオイは使われていたのでしょうか。 もしそうなら、フタバアオイの縁で徳川家が祭の復興に力を貸したというのも分かります。
 でも、それならなおのこと、なぜ賀茂祭にフタバアオイを使ったのでしょうか。 また、徳川家はなぜフタバアオイを家紋に使ったのでしょうか。
 そこに多くの人たちが忘れているフタバアオイの謎があるのかもしれません。 時間ができれば調べてみたいところです。
 葵で飾るのが徳川家への感謝であるならば、明治維新を超えて葵が使われているのも興味あるところです。

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2008年5月 4日 (日)

サバノオ

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 昨日のトウゴクサバノオと同じ Isopyrum属です。 果実が「鯖の尾」の形をしていることも、花弁が蜜腺化していることも同じです。
 学名からすれば、サバノオが I. dicarpon(2果実の)で、「鯖の尾」の特徴を種名にしています。 一方、トウゴクサバノオの学名は、I. trachyspermum(ざらざらした種子の)で、なめらかなサバノオの種子表面との違いを種名にしています。
 保育社の原色日本植物図鑑草本編(Ⅱ)の検索表では、サバノオの茎と葉の下面には軟毛がまばらにあり、トウゴクサバノオの茎と葉の下面は無毛であることの違いが使われています。 上の写真でも下の写真(クリックで拡大できます)でも、茎の軟毛がちゃんと写っています。

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 でも、花の時期なら、いちばん分かりやすいのは、トウゴクサバノオの古い花のガク片が黄色みを帯びてくるのに対し、サバノオのガク片は白色で、青~紫のマークが入っていることです。
 いずれにしても、どちらも花の径は1cmに届かない小さな花ですが、拡大するとほんとうに美しいかわいい花です。

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2008年5月 3日 (土)

トウゴクサバノオ

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Saba  トウゴクサバノオは、分布は宮城県以西から四国・九州に分布します。 これじゃ西国、どこが「東国」なんだ! と、つっこみたくもなりますが、どうも関東地方に多いようです。 でも、金剛山でもたくさん咲いていました。
 
 下はトウゴクサバノオの果実です。 「サバノオ」は、この果実の形を「鯖の尾」(右の写真)に見立てたものです。

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 4月11日にバイカオウレンの果実の写真を載せました。 バイカオウレンの場合は、数本の離生したメシベが果実になると矢車状に並びましたが、トウゴクサバノオの小さな花ではメシベが2本しかなく、花が終わると左右に広がり、上の写真のような果実になるわけです。
 トウゴクサバノオは、上に書いたバイカオウレンと同じキンポウゲ科に分類されていて、花もバイカオウレンとの共通点があります。 白~薄い黄色の花弁のようにみえるのはガクで、花弁はその内側にある蜜腺に変化しています(下の写真)。

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2008年5月 2日 (金)

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 4月29日に大阪府側から金剛山に登ってきました。 どの時期にどのコースを取ればどんな花が見られるのか、私自身知りたくてネットで調べましたが、思ったより情報は少なかったので、コースのあちこちでたくさん見られた植物や、特記すべきことを記録として載せておきます。 なお、この日に見た植物のいくつかは、何日かかけて、1種類ずつこのブログに載せていくつもりです。
 今回は、ロープウェイ前から登りはじめ、ちはや園地を回って、山頂からカトラ谷を下りるコースを取りました。
 登りのコースでは、ヤマトグサは咲きかけ、ハナネコノメはほぼ終わり、フタバアオイはちょうど花の盛りでした。
 トウゴクサバノオは登りのコースに多く、サバノオはカトラ谷で見かけました。 どのような要因が両者の分布を分けているのでしょうか?
 ちはや園地ではシラネアオイがたくさん咲いていました(下の写真)。 きれいではありますが、私の感覚からすれば、金剛山は豊かな自然を楽しむ山。 フクジュソウやカタクリもたくさん植えられていましたが、どうも金剛山には植えられた植物は似合わないような気がしました。

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 カトラ谷では、ニリンソウはかなり咲いていました。 もう少しでいちばん花の多い時期になるでしょう。 ヤマシャクヤクツクバネソウは、まだつぼみ。 ヤマエンゴサクエンレイソウは見頃でした。
 昨年みごとに咲いていたヤマブキソウは、その場所に葉すら見当たりませんでした。
 カトラ谷でミソサザイがあちこちでさえずり、巣材をくわえてウロウロしている個体にも出会いました(下の写真)。 巣作りが始まっているようです。

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2008年5月 1日 (木)

アカマキバサシガメ

Akamakibasasigame080426_1  モチツツジの葉の上にアカマキバサシガメがいました。 モチツツジのネバネバに捕らえられた虫の体液を吸おうとして来たのでしょうか? アカマキバサシガメ自身は、モチツツジの上でも平気で移動していました。
 マキバサシガメの仲間は、弱々しく見えるものが多いのですが、サシガメの仲間と同様、捕食性のカメムシの仲間です。 触角は細く、アカマキバサシガメのように植物上で生活するものでは長いのですが、地上性の種類では、短い触覚です。 前脚をカマキリの鎌のように捕食用に使いますので、前脚は他の脚より発達している傾向があります。 翅は背中全体を覆う長翅型(ちょうしがた)から、腹部の大半が露出する短翅型のものまでいます。 「牧場(まきば)」と名前のついているように、草地や丈の低い植物群落の草本上でよく見られ、樹上に棲むものは少ないようです。
 マキバサシガメ科の昆虫とサシガメ科の昆虫とは、一見よく似ていますが、下のようないろんな違いがあります。

マキバサシガメ科 サシガメ科
頭部 前葉と後葉の区分はない  横溝で前葉と後葉とに区分される
口吻 4節 3節
産卵場所  植物組織内 基物の表面

 

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