スズメノヤリ
「ヤリ」といっても、細く尖ったヤリではなく、大名行列の先頭でやっこさんが振っている毛槍でしょう。
スズメノヤリはイグサ科に分類される風媒花です。 風媒花ですので、一つひとつの花は小さいのですが、イグサ科の花はイネ科の花ほど特殊化していませんので、比較的理解しやすい花です。
'07年9月4日のジュズダマの記事で、一般的に虫媒花には雄性先熟の花が多く、風媒花には雌性先熟の花が多い傾向があると書きましたが、このスズメノヤリも雌性先熟の花です。
つぼみがほころびると、花被が開ききらないうちから、メシベの白い柱頭が伸びだしてきます(雌性期:下の写真)。 柱頭は3裂しています。 下の写真では、葉に長い毛があることや、葉の先端が硬化して褐色になっていることも分かります。 これらもこの類の葉の特徴です。
下の写真(クリックで拡大できます)は雄性期です。 花被が開くとにぎやかになって分かりづらくなりますが、どれが1つの花かを注意して見ると、上に書いたようにイグサ科の花は一般的な花のつくりをしていますので、理解は容易です。
1つの花の花被片は6枚、褐色で、縁が白くなっています。 オシベは6本、写真では花粉を出し始めている花とまだ出していない花が混じっています。 メシベの柱頭はしなびてねじれて褐色になり、役に立たなくなっています。
下の写真では果実が熟しかけています。 花被は果実になっても残り、果実の下側を包んでいます。
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コメント
あの時以来、今年はこのスズメノヤリが散歩道でスゴク眼につきます。
今年は特に・・・です。
パッと見に撮るだけじゃなくて、詳しく見てみたくなりました。
投稿: わんちゃん | 2008年4月18日 (金) 14時32分
初めまして、にほん村の御気に入り登録させていただきました。
マクロ撮影、ピンも見事ですね。
投稿: 写師 辿行 | 2008年4月18日 (金) 18時14分
わんちゃん、「知っているものはよく見える」ですね。
肉眼ではよく分からないものが写真に撮ってPCの画面で拡大(実物の何倍に拡大されているのでしょう)するとよく分かるというのも、すごい時代になったものですね。
写師辿行さん、はじめまして
写師辿行さんの手作りマクロレンズの写真も、柔かい画質でいいですね。
径は偶然一致したのですか?
投稿: そよかぜ | 2008年4月19日 (土) 09時53分
こんばんは♪
ほんとに花のような形をしてますね
へぇ~どこかで見ましたが気づきませんでした
今度うーーんと接近してみます
2枚目の写真の葉にくっついてるのは
小さい昆虫の抜け殻でしょうか
投稿: エフ | 2008年4月19日 (土) 21時11分
そよかぜさん こんばんは
雄性期になって、メシベの柱頭がくるりとねじれているのが、よく撮れていますね。
私も昨年写してまだアップしていなかったのを思い出しました。(笑)
リンクありがとうございました、こちらのHPからも、そよかぜさんのHPの方へリンクさせて頂きましたので、↓リンク集をご確認下さい。
http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/
これからも、よろしくお願いします。
投稿: なかなか | 2008年4月19日 (土) 22時14分
エフさんへ
> 2枚目の写真の葉にくっついてるのは小さい昆虫の抜け殻でしょうか
バッタの仲間の脱皮のあとでしょうね。
なかなかさんへ
HPの方をリンクしていただいたのですね。
こちらこそよろしくお願いします。
投稿: そよかぜ | 2008年4月20日 (日) 00時58分