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2008年4月16日 (水)

シュンラン

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 シュンランは、土の柔かいやや乾燥した明るい林床に生育していることが多いラン科の植物で、学名は Cymbidium goeringii、シンビジュームの一種です。
 写真のシュンランは、泉北ニュータウンの南西に丘陵地が開発されてトリベール和泉というニュータウンができていますが、この開発の話を聞いた時に、開発されて消える丘陵地から株を取って来て庭に植えたもので、毎年たくさんの花を咲かせています。

◎ シュンランの自生の様子をこちらに載せました(2016.3.25.)。

 ラン科の花のつくりは独特です。 シュンランの花は横を向いて咲いていますが、ガクにあたる外三弁と3枚の花弁のうちの副弁2枚(側花弁)は黄緑~緑です。 もう1枚の花弁にあたる唇弁には縦にひだがあり、深い溝を作っています。
 メシベとオシベは完全に合体して、ずい柱という一本の構造になっています。 下は花の断面を作り、唇弁が上にくるようにして撮ったものですが、ずい柱の先端にはオシベの葯があり、その下面に少しへこんだところがあり、そこが柱頭です。

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 下はずい柱を花の正面から写したものです。 花の底にある蜜を求めて昆虫はずい柱と唇弁との隙間から花の内部に入ろうとします。

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 ラン科植物の花粉は、花粉塊という塊になっていて、1つの花の花粉全部をまとめて運んでもらうようになっています。 そして受粉した花では、そのたくさんの花粉のおかげでたくさんの種子を作ることができます。
 花の内部に体を入れた昆虫が後戻りする時に、ずい柱の先端部をこするように体が触れると、ずい柱の先の覆いが取れて、その中に収納されていた花粉塊が昆虫の体にくっつきます。 下の写真は、取れたずい柱の先の覆いと花粉塊を元の位置近くに戻して撮ったものです。

Shunran080412_4

 花粉塊には虫の体にくっつくための粘性のある物質がついています。 この物質はよく伸びますし、粘着力もたいへん強そうです。 虫に代わって鉛筆でずい柱に触れたところ、花粉塊はみごとに鉛筆にくっつきました(下の写真)。 粘性物質が薄く延びて鉛筆の芯にまとわりついているのが分かりますか?

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 鉛筆の背中ならぬ虫の背中にくっついた花粉塊は、その虫が別のシュンランを訪れ、再びずい柱の下に潜り込もうとした時に、窪んだ柱頭に渡されるというわけです。

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コメント

>写真のシュンランは、泉北ニュータウンの南西に丘陵地が開発されてトリベール和泉というニュータウンができていますが、この開発の話を聞いた時に、開発されて消える丘陵地から株を取って来て庭に植えたもので、毎年たくさんの花を咲かせています。<

何よりもかによりも・・・・
私はこの部分に感動しました。

投稿: わんちゃん | 2008年4月16日 (水) 23時57分

もう10年くらいになりますが、元気に育ってくれているのでうれしいです。

投稿: そよかぜ | 2008年4月17日 (木) 01時09分

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