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2008年3月23日 (日)

セリバオウレン

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    (写真はクリックすると拡大できます)

 昨日に続いて、岩湧寺近くで見た植物を紹介します。 セリバオウレン、漢方薬の黄連として用いられる植物です。
 オウレンは健胃、整腸、消炎などに薬効があるとして漢方薬として使われています。 葉形の変化によって、キクバオウレン、セリバオウレン、コセリバオウレン、に分けられますが、これらはキクバオウレンを母種とする変種で、つまり同種です。
 ※ 分類で種をさらに細かく区別する場合、「種-亜種-変種-品種」と分類します。 「母種」は最初に命名された植物で、母種から他の植物ができたとは限りません。
 漢方に使用するのは根茎で、その断面は鮮やかな黄色で、結節が多いことから、黄色く連なるという意味で黄連(おうれん)と名づけられたようです。
 値段の関係で、日本国内で用いられているのは、ほとんどが中国から輸入されているようですが、漢方薬として国内で栽培もされています。 しかし、オウレンは日本各地の山地の湿った樹林下に自生する常緑多年草です。 今回花が咲いていたところも、スギ林の林床に、広く広がっていました。
 セリバオウレンも、昨日に続いて、キンポウゲ科の植物です。 雌雄異株のものと同株のものがあるようですが、早春に高さ10cmほどの花茎を出し、その先に白い花をつけます。 花は直径1.2cm位、がく片は5~7枚、このガク片より短い花弁があります。 花弁の数は、保育社の「原色日本植物図鑑」には5~6枚と書かれていますが、写真のように、少なくとも15枚以上はあるようです。
 下に雌花か両性花か判断に迷う花と雄花の写真を載せました。 ここで咲いていたのはほとんどがこのどちらかのタイプの花でしたが、なかなかさんのHPには、オシベの全く無い雌花や、メシベの全く無い雄花なども紹介されています。
 変種のことは上に書きましたが、この仲間は変異の幅が大きいのかもしれません。

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 オシベの発達が悪いようだが、雌花なのか両性花なのか? たくさんの緑色のメシベがあります

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 雄花 メシベは退化し、ピンク色の小さな2つになっています

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草2 離弁花」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
セリバオウレンは本当に春の妖精のようですね。可愛らしくてとても綺麗です。一度見つけるとずっと見ていたくなりますね。

投稿: 多摩NTの住人 | 2008年3月23日 (日) 16時41分

小さな花ですが、よく見ると味わいがありますね。
それと、この小さな花が薄暗い林床で足の踏み場も無いほど一面に咲いている所は、また格別の味わいがありますね。

投稿: そよかぜ | 2008年3月23日 (日) 22時45分

>この小さな花が薄暗い林床で足の踏み場も無いほど一面に咲いている所は、また格別の味わいがありますね。

そうでしょうそうでしょう・・・
薔薇が、百合が、菊が、チューリップが・・
一面に咲いているのとではちょっと違うような気がします。

どんなんだろう?
いっぺん見てみたい・・・・

投稿: わんちゃん | 2008年3月24日 (月) 14時38分

> どんなんだろう?
> いっぺん見てみたい・・・・

いくらでも案内しますよ。

投稿: そよかぜ | 2008年3月25日 (火) 00時47分

こんばんは♪
エフもごいっしょさせてください
と言いたいですが大阪は遠い~
セリバオウレン九州では見れない花です
ユキワリイチゲも長崎では見れません
なんとも愛らしい花たちです
春の野山を歩くと発見がいっぱいでしょうね
そよかぜさんがいっしょだと学ぶことばかり
わんちゃんさんチャンス!

投稿: エフ | 2008年3月25日 (火) 22時34分

「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」(林芙美子)ではありませんが、早春の花の見ごろは10日程度。だから無理に時間を作ってでも見に行きたくなるのですが、年によって花の時期はずれますので、土日しか出かけられない身にとって、ベストの状態で見るのはなかなか難しいものです。

投稿: そよかぜ | 2008年3月26日 (水) 01時24分

そうです、そうです
ぜひとも見たいお花が、こちらの都合に合わせて咲いてはくれないのですよねぇ・・・
早すぎてまだ蕾だったり、
遅すぎて散りかけとか・・・
そこが、つらいところ・・・・

なんですよ、エフさん~~~

投稿: わんちゃん | 2008年4月11日 (金) 15時07分

そよかぜさん こんばんは~
セリバオウレンは、春の妖精のようで、とても好きな花です。
そよかぜさんの写真も、とってもいい感じですね。

花を観察すると、雄花~両性花~雌花が連続しているのではないかと感じます。
花が両性花から、雄花と雌花に分かれている途中とでもいうような・・・(何の根拠もありませんが。)
とにかく魅力的な、花ですよね。

投稿: なかなか | 2008年4月18日 (金) 22時30分

> 花を観察すると、雄花~両性花~雌花が連続しているのではないかと感じます。

同感です。黄連を収穫するために大切にされたことが影響しているのかもしれないですね。保護されればいろんな形質が生き残れるのですから。

投稿: そよかぜ | 2008年4月19日 (土) 10時05分

茨城県北茨城にはコセリバオウレンが生育しています。

私が写した写真を見ているうちに疑問が湧いてきました。「二種類の花があるように見えるが何かの間違いではないか」と思っていました。

雄花の中心が何やら赤味がかっているのはなぜだろうと不思議でした。

今日平成25年3月7日(木)疑問が解けました。

またこれでブログの記事が書けます。
有難うございます。

投稿: itotonbosan | 2013年3月 7日 (木) 11時20分

この仲間の花は拡大するとなかなかおもしろい花ですね。

投稿: そよかぜ | 2013年3月 7日 (木) 21時50分

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