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2008年3月31日 (月)

ジロボウエンゴサク

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 昨年の5月6日に金剛山のヤマエンゴサクについて書きましたが、ジロボウエンゴサクはもっと身近な人里に近いところに生えていて、春を感じさせてくれるやさしい花です。
 ヤマエンゴサクによく似ているのですが、花の色はヤマエンゴサクより赤みを帯びていますし、花数もヤマエンゴサクより多いようです。 でも、もっと決め手になるのは、花の下に短い花柄がついていますが、茎から花柄が分岐するところについている包葉が、ヤマエンゴサクでは大小の切れ込みがあるのに対し、ジロボウエンゴサクの包葉には切れ込みがありません。
 名前の「エンゴサク」についてはヤマエンゴサクの所に書きましたが、「ジロボウ」については、昔伊勢地方ではこの花を次郎坊、同様に距のあるスミレの花を太郎坊と呼び、互いに距を引っ掛けあい、引き合って遊んだところからきているようです。
 ジロボウエンゴサク、ヤマエンゴサク、ムラサキケマン、ミヤマキケマンなどは全て Corydalis属に分類されていて、花のつくりなどは互いにたいへんよく似ています。 その精巧な受粉のしくみなどは、こちらのムラサキケマンで解説しています。

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   ヤエムグラなどの植物に囲まれて咲くジロボウエンゴサク

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2008年3月30日 (日)

タムシバ

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 岩湧山の山麓はタムシバの季節を迎えました。
 タムシバは本州と九州に分布します。 別名をニオイコブシといい、花には芳香があります。
 花弁は通常6枚で、コブシとよく似ていますが、コブシのガクが緑色で小さいのに対し、タムシバのガクは花弁と同質で、長さも花弁の半分ほどになります。 また、コブシでは花の基部に通常1枚の若葉がつくのですが、タムシバの花の基部には、通常若葉はありません。

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 タムシバの名は、葉をかめば甘くて佳香があるところから、カムシバ(シバは雑木の意)が転じてタムシバになったのだと考えられます。
 ツボミは、コブシと同様、「辛夷(シンイ)」として漢方薬に利用され(効能は発散・興奮・排膿)、また鼻炎等の民間薬としても用いられます。

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2008年3月29日 (土)

コイのおしくらまんじゅう

 今日、ニサンザイ古墳を見てきました。 たくさんいたオシドリたちカモ類は、そのほとんどが既に旅立ち、堀は寂しくなっていました。 残っているカモたちは、コガモ数十羽に、ホシハジロが1羽、オシドリ1番と、あとは渡りをしないカルガモだけ。 オシドリ夫婦は旅立ちの準備でしょうか、古墳の周囲をさかんに飛び回っていました。
 そんな堀で波立っているところがあります。 見ていると時々魚の口が見え、口にはヒゲがありますので、コイでしょう。 10匹ほどが集まっておしくらまんじゅうをしているようでした。 このような“コイのおしくらまんじゅう”は、堀の数箇所で行われていました。

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 古墳の堀には浅瀬がありません。 正確に言うと、ニサンザイ古墳の堀には普段は浅いところがあるのですが、今は水が抜かれていて水面が低くなってその場所は干上がっています。
 コイの産卵行動は「のっこみ」として知られています。 つまり、集団で浅瀬に来てバシャバシャやるのですが、このように浅い所の無い堀では、水面近くでのっこみに代わる産卵行動をしていたのでしょうか?

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2008年3月28日 (金)

ミツマタ

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 大阪府和泉市にある西国観音巡礼4番札所施福寺の裏手に、ミツマタが広い面積に広がっています。 花を見て直感的に分かるように、ジンチョウゲ科の植物です。 この時期、まだ葉の出ていない枝には、丸い花序が点々とついています。

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 ミツマタは中国中西部の原産で、花が美しいので庭木にされたりもしますが、製紙用に広く山に植えられていて、和紙、特に紙幣用紙の原料とされています。 名前のとおり、枝が通常3分枝するのが特徴です。

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 ミツマタの花は、春を告げるように他の花に先駆けて一足先に咲くところから、万葉歌人たちは、ミツマタのことをサキサクまたはサキクサと呼んでいました。 この「サキクサ」は、三枝(さいぐさ、さえぐさ)という姓の語源とされています。

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2008年3月27日 (木)

ヒオドシチョウ

 3月に入る頃から、暖かい日には成虫越冬をしたテングチョウやタテハチョウの仲間が活動しているのをよく見かけるようになりました。 ヒオドシチョウも、そのうちの1種で、下の写真は3月22日に岩湧寺で撮ったものです。

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 ヒオドシチョウの幼虫は主にエノキの葉を食べる、雑木林を中心に生活するチョウです。 翅の裏は地味で、雑木林の幹や落ち葉の上で翅を閉じてとまっていると、いい保護色になっています(下の写真)。

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 ヒオドシチョウの「ひおどし」は「緋縅」、つまり緋色の(おどし)から付けられています。 縅とは、小札板を革や糸などの緒で上下に結び合わせて作られた甲冑のことで、「縅」は「緒(お)を通す」→「緒通し」の言葉に対して作られた和製漢字ということです。

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2008年3月26日 (水)

ミスミソウ

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槇尾山の近くの山でミスミソウの花が咲いていました。 日本海側では雪解けが始ると花を咲かせる早春の野草で、雪割草とも呼ばれています。
 ミスミソウは、本州中部以西から九州にかけての落葉樹の林床に生える常緑の小さな植物です。 葉が3裂しているところから「三角草」(みすみそう)、落ち葉に埋もれてしまうことのない崖などに生育し、特に石灰岩地域に多く分布しています。
 花を拡大してみると、たくさんのメシベが見えるなど、キンポウゲ科の特徴を示しています(下の写真)。

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 これまでこのブログに登場した早春のキンポウゲ科の花は、イチリンソウ、ニリンソウ、ユキワリイチゲ、セリバオウレンなど、みんな花弁が退化し、ガクが目立っていました。 ミスミソウも花弁のように見えるのはガクでしょうか?
 でも、ミスミソウの花を横から見ると(下の写真)、緑色のガクがありそうです。

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 でも、さらによく見ると、この緑色のガクのようなものは、少しですが、互いに上下にずれています。
 ユキワリイチゲのページに載せた最初の写真には、根際から生える葉(根生葉)の他に、花茎の途中に葉がついているのが、はっきりと写っています。 ニリンソウではこの葉の所から花茎が2本に分かれ、二輪の花をつけることになるわけで、(複数の)花を抱く葉ということで「総苞葉」と呼ばれています。 やはりキンポウゲ科のフクジュソウでは、この葉が花のすぐ下についています。
 やはりミスミソウでも、ガクのように見えるのは葉であり、花弁のように見えるのがガクで、花弁は退化してなくなっていると理解すべきでしょう。
 下はガクが散ってしまった花のメシベの拡大です。メシベにもたくさんの毛が生えています。 この毛はどのような役割を持っているのでしょうか?

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 ミスミソウは変異の多い植物です。 花弁のように見えるガク片の数は6~10と変異がありますし、花の色も、大平洋側では白色ですが、日本海側では色の変化が多く、青色や、赤色などを帯びる花があり、八重咲きのものなどもあって、山草愛好家の人気の高い植物です。 結果として、盗掘が絶えず、自生地が激減しています。

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2008年3月25日 (火)

ヒクイナ

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     (写真をクリックすると拡大できます)

 昨日書いたように、クイナとほとんど同じ場所にヒクイナがいます。 日本ではふつう夏鳥ですが、西日本では少数が越冬すると言われています。 ということは、このヒクイナは、もう渡ってきた? それとも越冬した少数派?
 ヒクイナもクイナと同様、隠れ上手です。 もしもこれからずっとここにいてくれて繁殖してくれると、子供も観察できてうれしいのですが、雌雄同色ですので、ここの1羽が雌なのか雄なのも分かりません。 結婚の相手を探しに移動する可能性も大きいでしょう。
 もしもずっとここにいてくれると、鳴き声も楽しみです。 繁殖期になると、夜や早朝によく鳴きます。 鳴き声は「キョッ・キョッ・キョッキョッキョキョ…」と次第に早くなります。 この声は、昔から「水鶏(クイナ)が戸を叩く」として、和歌などにとりあげられていました。 ヒクイナではなくクイナとなっていますが、平安時代からクイナとヒクイナは区別されていなかったようです(昨日書いた農作業の人みたい・・・)。 両者は、体の色はたしかに違いますが、シルエットとしてみた場合の姿も行動の様子も、たしかにそっくりです。
   たたくとて宿の妻戸を明けたれば人もこすゑの水鶏なりけり(拾遺和歌集)
   水鶏のうちたたきたるは、誰が門さして、とあわれにおぼゆ(源氏物語)
   ただならじとばかりたたく水鶏ゆえ、あけてはいかにくやしからまし(同上)
   五月あやめふく頃、早苗とるころ、水鶏のたたくなど、心ぼそからぬかは。
       (徒然草 第19段)

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   足跡がいっぱい。 クイナのものかヒクイナのものか、それとも・・・

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2008年3月24日 (月)

クイナ

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 私の家から歩いて1時間あまり、大阪府河内長野市の堺市に接するあたりにクイナがいます。 少し大きさの違う2羽が、少なくともここ数週間はほとんど同じ場所にいます。 この2羽が、親子なのか、雌雄なのかは分かりません。 “赤の他人”の可能性だって十分あります。 というのは、同じ茂みに、現在この2羽の他に、ヒクイナ(明日書く予定です)とバンも一羽ずついるからです。 ちょうどいい隠れ家に雑居しているようです。
 とにかく隠れ上手。 私もこの場所を教えていただけなれれば、たぶん永久に気がつかないでしょう。 かなり人に馴れていて、植物の陰などにいると人が近づいてもわりあい平気なのですが、全身が見えるところで人の気配を感じると、走って物陰に入ります。 飛ぶ力は弱いのか、飛ぶのを見たことはありません。
 繁殖は東北地方北部から北海道で行いますが、近年では、栃木県、愛知県、尾瀬でも繁殖が記録されているようです。 北海道や本州北部では夏鳥として、本州中部以南では留鳥または冬鳥といわれています。
 しかし、上で書いたように、警戒心が強く、人の近づきにくい湿地で暮らすことが多いため、クイナについてはまだよく分かっていないことが多いようです。
 近くの農作業をしている人は、「ここのクイナは1年中いる」と言っていますし、最初に書いた2羽が親子だったとしたら、ここで繁殖している可能性もあります。
 親子かもしれない2羽は警戒心が全く違います。 ひょっとしたら子供を隠して親が敵を欺くためにあえて目立っているなどのことも考えられます。
 もっともこの農作業をしている人の話は、あまり信用していません。 クイナもヒクイナもバン(幼鳥は褐色)も同じように見ている可能性があるからです(私に1年中いると教えてくれた方、もしこのブログを見ていただいていたら、ゴメンナサイ)。 とにかく、夏になったらいなくなるのか、要チェックですが、姿が見えなくなったからいなくなったと言えないところがつらいところです。 それほど隠れ上手です。
 半夜行性と言われていますが、これもいつ見ても、物陰に隠れながらですが、餌を探していますので、少し疑問に思っています。 でも昼間でも探すのが困難なのに、夜の観察は無理でしょうね。

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 下は岸に上がったクイナ。 水の所からは2mほど離れています。 ヒクイナと違ってクイナはかなり水から離れることもあるようです。

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2008年3月23日 (日)

セリバオウレン

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    (写真はクリックすると拡大できます)

 昨日に続いて、岩湧寺近くで見た植物を紹介します。 セリバオウレン、漢方薬の黄連として用いられる植物です。
 オウレンは健胃、整腸、消炎などに薬効があるとして漢方薬として使われています。 葉形の変化によって、キクバオウレン、セリバオウレン、コセリバオウレン、に分けられますが、これらはキクバオウレンを母種とする変種で、つまり同種です。
 ※ 分類で種をさらに細かく区別する場合、「種-亜種-変種-品種」と分類します。 「母種」は最初に命名された植物で、母種から他の植物ができたとは限りません。
 漢方に使用するのは根茎で、その断面は鮮やかな黄色で、結節が多いことから、黄色く連なるという意味で黄連(おうれん)と名づけられたようです。
 値段の関係で、日本国内で用いられているのは、ほとんどが中国から輸入されているようですが、漢方薬として国内で栽培もされています。 しかし、オウレンは日本各地の山地の湿った樹林下に自生する常緑多年草です。 今回花が咲いていたところも、スギ林の林床に、広く広がっていました。
 セリバオウレンも、昨日に続いて、キンポウゲ科の植物です。 雌雄異株のものと同株のものがあるようですが、早春に高さ10cmほどの花茎を出し、その先に白い花をつけます。 花は直径1.2cm位、がく片は5~7枚、このガク片より短い花弁があります。 花弁の数は、保育社の「原色日本植物図鑑」には5~6枚と書かれていますが、写真のように、少なくとも15枚以上はあるようです。
 下に雌花か両性花か判断に迷う花と雄花の写真を載せました。 ここで咲いていたのはほとんどがこのどちらかのタイプの花でしたが、なかなかさんのHPには、オシベの全く無い雌花や、メシベの全く無い雄花なども紹介されています。
 変種のことは上に書きましたが、この仲間は変異の幅が大きいのかもしれません。

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 オシベの発達が悪いようだが、雌花なのか両性花なのか? たくさんの緑色のメシベがあります

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 雄花 メシベは退化し、ピンク色の小さな2つになっています

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2008年3月22日 (土)

ユキワリイチゲ

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     (写真は2枚ともクリックで拡大できます)

 早春の花を求めて岩湧山のふもとにある岩湧寺周辺を散策しました。 ユキワリイチゲがちょうど見ごろ。 薄く紫色を帯びた白い清楚な花を楽しめました。
 ユキワリイチゲは秋に葉を出し、3月に花を開いて初夏には地上部は枯れてしまいます。 学名は Anemone keiskeana、イチリンソウニリンソウと同じAnemone属です。 ですから、やはり花弁のように見えるのはガクで、花弁は退化してありません。
 イチゲの仲間の分布は、アズマイチゲはほぼ日本全国に分布しますが、キクザキイチゲが日本の北東部に、ユキワリイチゲは日本の南西部に分布します。 ユキワリイチゲを漢字で書くと「雪割一華」ですが、少なくとも大阪府では雪を割って咲くイメージはありません。 日本海側の雪の多いところでは雪とユキワリイチゲの風景が見られるのでしょうか?

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2008年3月21日 (金)

モズ

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 モズのオスとメスが並んでくれました。 違いがよく分かります。
 オスは過眼線(眼のあたりを通る線状の模様)が黒く、背中から腰は青灰色、翼の初列風切基部に白斑があります(上の写真には写っていません)。
 メスは過眼線が頭上とよく似た褐色であるため、むしろ両者に挟まれた白い眉斑が目立ちます。 冬羽では胸から脇に波状横斑が見られます。

 昭和40年、大阪府民の投票により、モズは大阪府民の鳥に選定されました。 モズを漢字で書くと「百舌鳥」。 漢字3文字をかなにすると2文字、堺市には「百舌鳥○○町」という地名がありますが、振り仮名をうつのに困ります。 「百舌鳥」と書くのは、モズが他の鳥などの生物の鳴き声をまねることを得意としているからです。
 モズは鋭いクチバシと頑丈な脚の爪をもった肉食の鳥です。 昆虫、トカゲ、カエルなどを捕らえて食べていますが、これらの獲物を木の枝先などの尖ったところに突き刺したままにしておくことがあり、「モズの早贄(はやにえ)」と呼ばれています。

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2008年3月20日 (木)

ビンズイ

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    (上と4枚目の写真は、クリックすると拡大します)

 ビンズイは、北海道や東北地方北部では平地でも繁殖するようですが、大阪付近の平地で見られるのは冬場に限られます。 明るい林や草原などを好み、写真の場所も泉北ニュータウン内の遊歩道脇の斜面です。 あまり人を恐れず、遊歩道を人が歩いても、数m離れた所で平気で餌を探していました。
 セキレイ科に分類されている鳥で、他のセキレイの仲間と同様、尾を上下に動かしながら、歩き回って餌を探していました。

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   (手前にいます)

 平成15年1月に、やはり泉北ニュータウン内の遊歩道脇で、面白いビンズイの擬態行動を体験をしました。 その様子はこちらに載せています。 まだデジカメの性能が良くない時代の写真ですが・・・

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2008年3月19日 (水)

ヒイラギナンテンの花

 ヒイラギナンテンの花のオシベは、おもしろい動きをします。

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 ヒイラギナンテンは、中国南部、台湾、ヒマラヤの原産で、17世紀末に渡来したといわれています。 メギ科の常緑低木で、庭や公園などでよく栽培されていて、3~4月に総状花序に黄色い花をつけます。
 花のつくりは、黄色いガクが外側から内側に向かって次第に大きくなりながら9枚あり、その内側に、やはり黄色で先が浅裂している花弁が6枚、その花弁にくっつくように、オシベが6本あります(下の写真)。

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 虫が来てこの花の中に入ると、花弁にくっついていたオシベが内側に動き、昆虫の体に花粉をつけるように動きます。 下の写真は、6本のオシベのうちの4本が写っていて、そのうちの下の2本が動いてメシベに近づいています。

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 そして、下の写真は6本のオシベ全てがメシベに近づいたところ。 虫に代わって、私が細い棒でオシベの根元をつついて動かしました。
 同様のオシベの動きはメギなどでも見ることができます。

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 オシベの動きは、07年8月11日に記事にしたコマツナギや9月23日のアレチヌスビトハギのように急ではありませんが、春の光の下で花と戯れてみました。 もちろん本来は、虫の体に花粉をつけて、虫に花粉を運んでもらおうとする動きです。

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2008年3月18日 (火)

ノスリ

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 昨日の記事に書いた、ケリに攻撃を仕掛けられていたノスリです。
 ノスリは翼開長が120-140cmのタカ科に分類される鳥で、森林に生息し、森林に隣接した草原や農耕地で獲物を探します。 夏には標高の高い所で見られる鳥ですが、冬には標高の低い所に来ています。
 写真は3月15日に堺市南区鉢ヶ峯寺で撮ったもので、林と農耕地が入り混じったところです。
 飛翔中の下面は、全体が淡色で、翼の先の方と翼角の部分が暗褐色になっています。

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2008年3月17日 (月)

ケリの飛翔

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 繁殖期のケリは、巣を守るためには人にも攻撃をしかけてくるほど気の強い鳥です。 2月26日の時点では、近づくとただ逃げるだけでしたが、繁殖期が近づいてきて、次第に気が強くなってきているようです。 3月15日にも、自分より大きなノスリに攻撃をしかけていました。 私たちが近づいても「ケケケケケケ・・・」と激しく鳴き続け、飛び立っても遠くに行かず、上空を旋回していました。 おかげでどうにか写真におさめることができました。 ピンボケ気味ですが、レスポンスのいいデジタル一眼ではないカメラでは、これが限度です。
 ケリのことは2月26日に書きましたが、飛んでいる写真が撮れましたので、改めて記事にしました。


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    激しく鳴き続けるケリ

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2008年3月16日 (日)

オオイヌノフグリ

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 オオイヌノフグリの花を見ると、春が来たな、と思います。
 オオイヌノフグリの花の命は一日だけ。 小さな花です。 その繊細な花をアップで撮ってみました。
 花弁には花の中心に向かう模様があります。 この模様は「蜜標」と呼ばれていて、空港の誘導灯のように、虫たちを蜜のありかに導きます。 それぞれの花弁の模様は微妙に違っていて、“誘導灯”は虫たちの侵入経路も決めています。
 虫たちが花に来ると・・・ 蜜の入っている所には毛が蓋をしています。 いったん“着陸”しなければなりません。 ところが虫が花にとまると、小さな繊細な花のこと、花は虫の重みで傾きます。 虫はあわてて目の前にあるオシベにつかまります。 オシベの花糸は、ちゃんと虫たちがつかまりやすいように、花「糸」とは呼べないくらいに太くなっています。 オシベにつかまることで、虫たちは自分で自分の背中に花粉をふりかけることになります。
 写真は13時36分(3月15日)の撮影ですが、もう葯はカラッポです。 既に花粉は運ばれてしまったようです。
 こんな精巧なしくみに、オシベがたくさんあっては、かえってジャマになります。 オオイヌノフグリのオシベは、2本にまで進化しました(減ることも進化です)。
 でも、もし虫が来なかったら・・・ オオイヌノフグリの花は、その場合の準備もしています。 夕方、花の命が終わるとき、オシベの湾曲が進行し、オシベの葯はメシベの柱頭にくっつくことになります。 つまり自家受粉することになります。 虫に花粉を運んでもらって他家受粉を狙いながらも、それが成功しなかった場合は自家受粉で我慢するというわけです。
 この自家受粉するためのオシベの湾曲にも、私はオシベの太い花糸が関係していると思っています。 つまりオシベの花糸が乾燥してくると、花糸の外側と内側で縮み方が異なり、湾曲がひどくなるのではないかと思います。

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2008年3月15日 (土)

ホオジロ

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    ホオジロのオス

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    ホオジロのオス(左:背中しか見えない)とメス(右)

 ホオジロは、種子島・屋久島から北海道まで分布する身近な野鳥の1種です。 平地や丘陵地の明るく開けた場所で、単独または数羽ほどの小さな群れで生活し、おもに地上や低い樹上で活動します。 北海道などを除いて年中見られる鳥ですが、やはり草が枯れ、落葉樹が葉を落としている冬によく目につきます。
 「ホオジロ」の名前の由来となった頬以外に、喉や眉斑も白く、この白い色を仕切る帯状の模様がありますが、この部分の色が、オスでは黒く、メスは褐色です(上の写真)。 なお、幼鳥の顔は全体的に淡褐色をしています。
 これから春になると、ホオジロのオスは、草木の上に止まってさえずりをはじめます。 このさえずりの聞きなしとしては、「一筆啓上仕候」(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)や「源平つつじ白つ~つじ」などが知られています。

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2008年3月14日 (金)

リーフマイナー

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 フユイチゴの葉にクニャクニャした白い線の模様。 このような模様は、葉の表の表皮と裏の表皮に挟まれた葉肉の部分を、トンネルを掘るように食べながら進む昆虫の幼虫の仕業です。
 このような昆虫の幼虫は、通称「絵描き虫」と呼ばれていて、ハモグリガ(蛾の仲間)やハモグリバエ(ハエの仲間)、甲虫の仲間などの幼虫です。 白い線は「食痕=マイン」と呼ばれていて、この線を描く「葉潜性昆虫」(=絵描き虫)を、「リーフマイナー(leafminer)」と呼んでいます。
 よく見ると、細い線から始まって、幼虫は食痕を作りながら進むにつれて成長するので、食べる幅が広がり、食痕の幅も太くなっています。 そして最後は葉の中でサナギになり、成虫になる時に葉から脱出するのでしょう、太くなった食痕の端は脱出した跡の穴がみえます(下の写真:1枚目の写真の赤い四角で囲った部分の拡大)。

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 食痕はいろんな葉で観察できます。 下はナツグミの葉の食痕です。

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2008年3月13日 (木)

アオジ(オス)

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 2月27日にアオジのメスを載せましたが、今日はオスです。 道に出ていました(上の写真)が、近づくと近くの藪の中に逃げ込みました。 でも、遠くへは行かず、じっとこちらを見ていました(下の写真)。 人の近くで生活し、この時期はかなり人に馴れてきているようです。

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2008年3月12日 (水)

早春の木の黄色い花

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 昨年の3月18日にも書いたトサミズキの花が今年も咲きだしています(上の写真:3月9日撮影)。 ほとんどの花はまだ花粉を出していませんが、メシベを突き出しています。
 そして下はマンサクの花。 早春から咲くので「まず咲く」が訛って「マンサク」になったとも言われていますが、庭に植えられたものでは10日ほど前から咲いています。

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 日本在来の木の花に限っても、まだ葉が展開していない林で咲く花は、この他にもキブシ、ダンコウバイなど、黄色系統の花が多いようです。 まだ昆虫の動きが活発でないこの時期、太陽の光を浴びて遠くからでも目立つ黄色の花が虫をひきつけやすいのでしょうか?

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2008年3月11日 (火)

シジュウカラ

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 シジュウカラは公園などでもよく見られ、カラ類の中では最もなじみのある種類と言ってもいいでしょう。
 上の写真(クリックすると拡大します)はメスです。 オスは腹側の黒い縦線が太くなっています(下の写真の右側)。

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 2枚目の写真(背景にネットが写っています)は番(つがい)で写っていますが、1枚目の写真でもすぐ側にオスがいます。 シジュウカラは冬はこのように番か、または小群で暮らしています。 小群の場合は、番に他所から来た若鳥が加わっているようです。
 これから春になり、繁殖期を迎えますが、巣立ち後しばらくは、親鳥と幼鳥とで家族群を構成します。 その後、夏には多数の幼鳥が集まって、大きな群を作ります。 秋から冬にかけては、他の種類の鳥とともに、「カラ類の混群」を形成します。

 2枚目の写真で、左側のメスが枝にぶら下がって樹皮の裏にいる虫を探していました。 このようにシジュウカラは、基本的には昆虫などを食べる動物食です。

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2008年3月10日 (月)

トウゲシバ

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 トウゲシバという、林の中に生えている植物があります。 漢字で書くと「峠芝」なのでしょうが、峠のような乾燥した場所には生えていませんし、芝のように硬く種子植物のような葉ではありますが、トウゲシバはシダ植物なのです。
 シダ植物は大葉類と小葉類に大別できます。 普通私たちがシダと聞いてイメージするのは大葉類で、小葉類でよく知られているものといえばヒカゲノカズラなどがあります。
 トウゲシバはヒカゲノカズラ科に分類されます。 小葉類の葉脈は無いか1本の分枝しない脈だけを持つのですが、トウゲシバの葉脈も1本だけです。
 シダ植物ですので、胞子で増えます。 胞子のう(=胞子が入っている袋)は、その葉の上の基部についているのですが、一見すると茎についているようにも見えます。
 3月8日、ちょうど胞子のうが破れて胞子を出しているトウゲシバに出会いました。 下の写真で中央から上の胞子のうはまだ破れていませんし、下半分の胞子のうは胞子を出してしまっています。 胞子が完成すると、胞子のうが乾燥をはじめ、はじけて胞子を飛ばすのでしょうか、胞子のうの中はほぼ完全に空っぽになっています。 胞子のうの周囲には飛び散った胞子がたくさんくっついています(1枚目と2枚目の写真はクリックすると拡大します)。

こちらにはこの胞子の顕微鏡写真を載せています。

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 トウゲシバは胞子生殖だけではなく、栄養体生殖も行います。 下の写真は、最初の写真の右端上部の拡大ですが、赤い丸をつけたところが無性芽(むかご)で、これがはずれて地面に落ち、新しい個体になっていきます。

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2008年3月 9日 (日)

クロウリハムシの集団越冬②

 この週末は、大阪は暖かい晴天に恵まれました。 道端には、オオイヌノフグリ、ナズナ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザなどの花が咲いていました。
 活動を始めた虫たちも増えてきているようです。 今日はキタテハとテングチョウが飛んでいるのを目撃しました。
 ふと昨年の12月5日の記事にしたクロウリハムシはどうしているのだろうと気になって、見てきました。 下の写真、左は12月5日と同じ写真(縮小しています)、右は今日写してきた写真で、写っている場所ができるだけ同じになるようにトリミングしてあります。

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 クロウリハムシはまだ冬眠中でした。 あの小さい体で冬を乗り切ったようです。 左右の写真を比較すると、ほとんど変わりませんが、少し動いている個体もありますし、少し数が減っています。
 数が減っているのは、冬眠から覚めて動き出したのでしょうか? それとも何かに食べられたのでしょうか?
 位置の変わっている個体も、いつ動いたのか知りたいものです。 もっと途中で記録しておくべきでした。

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2008年3月 8日 (土)

トラツグミ

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    (写真は、2枚目と3枚目を除いて、クリックすると拡大します)
 トラツグミは1年中日本にいる鳥で、主に丘陵地や低山の広葉樹林に生息しています。 しかし、積雪の多い地方にいる個体は、冬に暖地に移動しますし、山の餌が少なくなると人の住む所に近づいてきますので、冬の終わり頃には身近な所で観察できる機会が多くなります。 お気に入りの場所を見つけるとしばらくそこに居続けますし、昨年と同じ個体が同じ場所に来る確率も高いようです。
 とは言うものの、そんなに個体数が多い鳥ではないので、自宅近くにいる場所を教えてもらって、先週も出かけましたが、土日は散歩する人が多いせいか、なかなか出会えず、今日やっと写真に撮る事ができました。
 一度写真に撮ることができると、不思議なもので、少し離れたところにもう一羽。 色の濃い個体とうすい個体で、写真でも体色に個体差があることが分かります。

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    ツグミと仲良く(左がトラツグミ)

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    後ろから。草地にいると分かりやすいのですが・・・

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    落ち葉のたくさんあるところでは、背中の模様は保護色になっています。

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    正面から

 トラツグミは、夜に「ヒョーヒョー」と鳴きますので、古くは「夜+鳥」で鵺(ぬえ)と名づけられていました。 電灯の無かった昔は、真っ暗な中で聞くこの声は、気味悪く聞こえたようです。
 日本の伝説で、鵺のような気味の悪い声の、得体の知れない怪物が登場します。 この怪物には、正体が分からないので名前が付いていなかったのですが、いつの間にか鵺(ぬえ)と呼ばれるようになり、本物の鵺(=トラツグミ)より怪物の鵺の方が有名になってしまいました。 鵺は『平家物語』では、サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足、ヘビの尾を持った怪物として登場します。
 本物の鵺(=トラツグミ)の行動を見ていると、決して気味の悪い鳥ではありません。 ツグミの仲間ですのでツツツッと走っては立ち止まり、地面をつついて元気に餌を探していました。

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2008年3月 7日 (金)

ツグミ

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 2月15日のハチジョウツグミのところで、比較のために樹上のツグミの写真も載せましたが、今日はもう少しツグミのことを追加しておきます。
 ツグミの繁殖地はシベリアやカムチャツカなどで、秋から初冬にかけて、大きな群れで日本や中国の一部へ渡ってきて、その後、分散して暮らします。 そしてまた、春も終わりに近づくにつれ、次第に群れになり、集団で北に帰って行きます。
 現在は鳥獣保護法により禁猟になっていますが、1970年代以前は、集団で渡って来る時に、かすみ網で大量に捕獲し、焼き鳥にして売られていました。
 ツグミはよく地上で餌を探していますが、上の写真のように、地上ではよく背筋を伸ばした特徴的な姿勢をとります。
 ツグミの名前の由来は、越冬中はほとんど鳴かないので、口をつぐむという意味から来ているといわれています。

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2008年3月 6日 (木)

ゴイサギ

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 ゴイサギは森林を好む夜行性のサギです。 昼間はあまり動かず、樹上などで休んでいることが多く、主に夜に活動します。 夜、「クワッ、クワッ」と鳴きながら飛ぶので、「夜ガラス」とも呼ばれています。
 食性は肉食性で、水辺で待ち伏せ、獲物が通りかかると、普段折りたたんでいる首を伸ばして捕食します。
 写真は堺市中区の菰池で撮りました。 上は成鳥で、昼間ですのでほとんど動かず、気が向けば、写真のように少し歩く程度。 下は1本足で休んでいた成鳥の所へノソノソと幼鳥がやってきて、成鳥が2本足になろうかというところ。 幼鳥は褐色にたくさんの白い点があり、「ホシゴイ」とも呼ばれています。

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 ゴイサギの名前の由来は、「大鏡」に次のような話が書かれています。 醍醐天皇が京都の神泉苑で、池にいたサギを捕えさせようとした時、逃げ回っていたサギが、廷臣の「勅なれば畏まれ」と叫んだ声に応じて天皇の前に飛来し、羽根をたたんだ。 天皇はこの行動に対し、このサギを従五位に叙したといいます。

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2008年3月 5日 (水)

スズメ

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 人の住んでいるところにしかいないスズメですが、いつも人からある程度の距離を置いていて、カメラを向けるとすぐに飛ばれてしまい、かなりの望遠レンズを使わないと、なかなかいい写真が撮れません。
 スズメはいつも身近にいて移動しないように思われがちですが、幼鳥の標識調査では、新潟県から神奈川県や静岡県、愛知県に移動した個体がいることが明らかになっています。 成鳥になると定着性が高くなりますが、幼鳥はかなり移動するようです。
 数年前、夏の長居公園で、砂浴びをしているスズメと水浴びをしているスズメを見たことがあります。 砂浴びも水浴びも寄生虫などを落とすためにするもので、砂浴びをする鳥も水浴びをする鳥もいるのですが、両方する鳥は珍しいようです。
 このように身近な鳥も、意外と知られていない面もあるようです。

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2008年3月 4日 (火)

ウグイス

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 一昨日載せたルリビタキのメスだと思って撮った写真の中に、ウグイスが混じっていました。
 ウグイスも藪の中で生活する鳥です。 留鳥ですから、夏場は少し山手の方に移動するにしろ、1年中近くにいるのですが、警戒心の強い鳥で、茂みの中で動く姿は何度も見ることができても、なかなか写真の撮れるところまで出て来てくれなかった鳥です。 偶然撮っていた写真、ラッキー!
 冬場は藪の中で「チャッ、チャッ」という地鳴きをしていますが、土曜か日曜しか出かけられない私でも、例年2月下旬になると、さえずり(ホーホケキョ)を聞きます。 今年は少し遅れて、撮影した日(3月2日)が初めてさえずりを聞いた日でもありました。
 ところで、花札をはじめとして、梅にウグイスという絵などがよく見かけられます。 しかし、実際に梅の蜜を吸いにくるのはメジロで、ウグイスであることは殆どありません。 「ウグイス色」というのも、鮮やかな色を連想する人も多いですが、それはメジロの体色で、ウグイスの体色(=JIS慣用色名に定められている“ほんとうの”ウグイス色)は、写真のウグイスのような、灰色がかった緑褐色=この文字の色(RGB値では918D40あたり)です。

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2008年3月 3日 (月)

ベニマシコ(メス)

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 ベニマシコのメス、堺市の鉢ヶ峰での撮影です。 腹側からしか撮れず、尾も隠れていますが、それでも、くちばしが丸味を帯びてやや小さめであることや、羽に2本の白い筋があることは確認できます。 全体に赤っぽくて喉の辺りが白いオスも傍にいたのですが、撮れずに残念です。
 ベニマシコはユーラシア大陸東部で繁殖し、日本でも北海道や下北半島では繁殖しているそうです。 大阪府あたりでは冬鳥です。

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2008年3月 2日 (日)

ルリビタキ

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 ルリビタキの繁殖地は、ユーラシア大陸の亜寒帯やヒマラヤ山地で、日本での繁殖地は、北海道や本州・四国の高山です。 でも冬の時期は、暖地に移動してきていますので、大阪の平野部の林でも見ることができます。 写真は、3枚目と4枚目は堺市の槇塚台で、他の写真は堺市の鉢ヶ峰で撮りました。
 上の2枚の写真はオス、下の3枚の写真はメスです。 オスは体の上面が瑠璃色で脇腹がオレンジ色の美しい色をしています。 メスの上面は灰褐色で尾にだけ青みがあります。

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2008年3月 1日 (土)

狭山池の鳥たち

 私の住む堺市に隣接する大阪狭山市に狭山池があります。 私の家から歩いて45分位の距離です。
 この池は歴史のある池で、『古事記』には、印色入日子命(垂仁天皇の皇子)が血沼池又狭山池を作ったとする記述があり、また『日本書紀』の崇神天皇62年7月2日の条には、河内の狭山の植田に水が不足しているので、池溝を開きて民業を寛かにせよと命じられたことが書かれています。
 今日に至るまで幾度となく改修が重ねられていて、8世紀には行基による改修が、13世紀には重源による改修が行われています(建仁元年(1202年)に「重源狭山池改修碑」が造立されていて、今も遺っています)。 また17世紀には、豊臣秀頼の命を受けた片桐且元による「慶長の大改修」が行われていて、江戸時代に大和川の付け替え工事が行われるまでは、遠く現代の大阪市平野区に至るまでの地域の灌漑に利用されていました。
 1988年(昭和63年)に治水を主目的とした大改修工事が着工され、2001年(平成13年)完成、狭山池ダムとなり、池の周囲は公園として整備されました。 池の中ほどに島があり、周辺には葦原や草地などの多様な環境が作られ、カモ類、サギ類、小鳥たちなど、多くの種類の鳥たちが来ています。 また、池の周囲約4kmを一周する道にはサクラが植えられ、市民のウォーキングコースとして親しまれています。
 この池で撮った鳥たちについて、今までも何回か書きましたが、今日もこの池で撮った鳥たちのうちの何種類かを紹介しておきます。

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    水浴びするセグロカモメ

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    オオバンの群(大盤振舞いデ~ス)

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    カワラヒワ

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