ハスの種子散布
上は、堺市にある大泉緑地の池の、ハスの冬の姿です。 折れた葉も花茎も艶があり、なかなかの風情です(いっしょに写っている鳥は明日の主人公です)。
'07年7月11日のこのブログで、ハスの花について書きましたが、花の後、種子を抱いた花托はどうなっているのでしょうか?
公園内の少し離れた場所に、ハスの花托が、種を抱いた穴を下に向けてたくさん浮かんでいました(下の写真)。 みんな首のところで茎が折れています。 この場所で折れるしくみになっているようです。 そして、写真のように、風に吹かれ、波に揺られて遠くにまで旅をして、そのうち種子を落とすのでしょう。
ハスの花托は、中が空洞で、空気を含んで水に浮き、種子を自生地から離れた場所に運び、分布を広げる役割を持っていたのです。
ハスに関しては、このブログでも何度か取り上げていますが、そのうちの主な記事を下に載せておきます。
'07年7月13日 ハスの花が開くときの音
'07年8月6日 ハスの葉の上で水が沸騰!?
'07年8月7日 ハスの葉
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コメント
おはようございます♪
冬のハスも見る視点を変えるとおもしろい被写体ですね
レンコン(根?)からも芽を出し種からも発芽するとは
2重の生き残り作戦を展開してるワケで慎重な抜かりない
性格の植物といえるんでしょうか(性格があるのか?)
投稿: エフ | 2008年2月17日 (日) 10時10分
ハスはレンコンと種子の「2重の」生き残り作戦を展開してると考えるよりは、全く違う2種類の生殖方法が必要だと考える方がいいと思います。
ハスの生活できる場所は限られています。土は地下茎が伸びることのできる柔かい粘土でなければなりませんし、水深が深すぎてもダメです。ですから、今まで生活できた場所で来年も生活するためには、どこへ流れ着くか分からない種子よりも、レンコンは有効でしょう。
でも、レンコンで増えた個体は、遺伝的にはみんな同じですから、環境の変化などに対して、全滅の危険性があります。
その点、種子は有性生殖の結果作られていますから、それぞれ遺伝的には違っていますので、どれかが生き残る確率が高くなります。
また、たしかに発芽できないところに運ばれて無駄になる種子は多いでしょうが、遠く離れたところに分布を広げることは種子でなければなりません。
投稿: そよかぜ | 2008年2月17日 (日) 22時40分
わかりやすい説明をありがとうございます
理路整然ですね~
エフの頭の中はまったく迷路の中の迷路状態です
そよかぜさんの頭の中は分類されてきっちり片付いてるんでしょうね
整然としたいです
ということはレンコンで増えた個体はクローンということ?
投稿: エフ | 2008年2月18日 (月) 21時35分
> 理路整然ですね~
エフノクに見られるコトバを組み合わせる才能は、とても私にはできません。
> ということはレンコンで増えた個体はクローンということ?
はい。植物にとってクローンは至極普通のことです。「さし木」は人工的にクローンを作っていることになります。
投稿: そよかぜ | 2008年2月18日 (月) 23時20分
花托ね、その種の無い穴に着物の古布が彩りよく押し込んである飾り物を京都の古着やさんで見つけたのは2~3年前のこと。
手にとって良く見ると「ふ~ん、これぐらいやったら私にでも出来ろわさ」
種の無い空っぽのんを近くのはす畑で拾ったのは去年のこと。
着物のはぎれを3~4cmに丸く切って綿を詰めてギュッと糸で絞り布用接着剤を塗りその穴の中に押し込みます。
京都のお店で見たようなセンス良くにはならなかったけれど、目の届くところに飾ってます
そのコーナーには松ぼっくり、メタセコイア、モミジバフウなどの実とかイガグリなんかがゴロンゴロンと転がってます。
レンコンにしてもよく絵手紙のモチーフに使いますが、こんなことな~んにも考えないでかいてました。
投稿: わんちゃん | 2008年2月28日 (木) 16時29分
植物って動かないから、つい見過ごしてしまいますが、動物とは全く違った生きものですから、動物の常識の通用しない点がいっぱいです。
このブログでも、春からはもう少し植物のウエイトを大きくしていきたいと思っています。
投稿: そよかぜ | 2008年2月29日 (金) 00時12分