シロオビフユシャク、クロオビフユナミシャク
冬尺(フユシャク)と呼ばれる蛾がいます。 幼虫はいわゆる尺取虫で、成虫が冬に見られるのですが、メスの翅は全く無いか縮小化してしまっている蛾です。 1種類ではなく、分類的にはシャクガ科のフユシャク亜科(14種)、ナミシャク亜科(7種)、エダシャク亜科(15種)に分類される36種をまとめた言い方です。
冬尺は、とにかく捕食されないように目立たないようにひっそりと暮らす蛾です。 幼虫は枝に擬態しながら春の若葉を食べて育ち、夏と秋は繭を作って土の中で捕食者の少ない冬を待ちます。 そして冬に地味な色の成虫になります。 しかもメスは動き回りません。 メスの翅の退化は寒さへの適応でもあるのでしょうが、卵を産むメスを少しでも捕食者の危険から遠ざけるという意味もあるのでしょう。 さらに、多くの冬尺の交尾は夜に行われます。
小さな蛾のことです。 夜、オスを誘うメスの出すフェロモンの有効範囲は3m程度だと言われています。 オスはこの範囲の中に入らないとメスを見つけることはできません。
昼、散歩をしていると、家の近くでも壁などに止まっている冬尺のオスに出会います。 夜にメスを探して飛び回っていたのでしょう。 下のシロオビフユシャクは12月30日に、クロオビフユナミシャクは12月23日に、いずれも家のすぐ近くにいたものです。
シロオビフユシャク
クロオビフユナミシャク
オスがいるということは、近くにメスもいるということです。 でも、夜の暗闇の中で飛び回らないメスを探すのは容易ではありません。 が、この記事を書いていて、このいじらしいフユシャクのメスに会いたくなりました。 今夜は晩酌なしの早めの夕食をとって、近くの公園を探してみることにしましょうか・・・
※1 泉北ニュータウン内には、あちこちに開発前の雑木林が公園として残されています。
※2 やっと会えたシロオビフユシャクの様子はこちらに載せています。
| 固定リンク
「昆虫04 ガ」カテゴリの記事
- ウスイロカザリバのダンス(2014.07.02)
- アヤシラフクチバ(2014.06.20)
- カレハガ(2014.06.18)
- キアシドクガ(2014.05.28)
- ナミテンアツバ(2014.05.11)
コメント
こんばんわ~
なんと!!
優しいそよかぜさん、この寒い時期に、
夜に冬尺男子のお相手の冬尺女子を探しに?
昔は居ましたよね、ほん近所に、たくさん釣り書を持って・・・・・そんなおばさん。
優しいそよかぜさんが取り持つご縁が実りますように、祈ってます。
投稿: わんちゃん | 2008年1月 5日 (土) 18時08分
世話焼きのおばちゃんというよりは、私のやっていることは、オスとメスが仲良くしているところを覗こうとしているんですね・・・
(こんなことを書くと、また変なトラックバックが来るかな?)
投稿: そよかぜ | 2008年1月 6日 (日) 19時44分
私、そういう人のことを指す言葉を知っていますが、このブログの品格を落とす羽目になりかねないので、控えておきますね・・・
投稿: わんちゃん | 2008年1月 6日 (日) 20時48分
そう、そういうコトバはこのブログで使用する語句リストからはのぞきましょうね。
投稿: そよかぜ | 2008年1月 7日 (月) 06時42分