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2008年1月31日 (木)

ハシブトガラス、ハシボソガラス

 身近すぎるし、そんなに美しくもないということで、無視されがちなカラスですが、改めて取り上げてみます。
 よく見るカラスには、嘴の太いハシブトガラスと嘴の細いハシボソガラスの2種類がいます。 下の写真は、普通に写せば真っ黒になってしまうので、かなり露出オーバー気味に撮っています。

Hasibutogarasu

   ハシブトガラス

Hasibosogarasu

   ハシボソガラス

 昔は、ハシブトガラスは森林に、ハシボソガラスは人里近くにと、住み分けていて、ハシボソガラスの方が人の生活に近いところにいるカラスでした。 ところが、近年になって、ハシブトガラスが都市部で急速に分布を拡げ、立場が逆転しました。 都市化に伴って、ハシブトガラスが個体数を増やしているのに対し、ハシボソガラスは個体数を減らしつつあります。
 食性はどちらも雑食ですが、ハシブトガラスの方が肉食性が強く、ハシボソガラスは比較的植物質を好む傾向にあります。
 鳴き声は、ハシブトガラスの方が「カーカー」と澄んでいて、ハシボソガラスは「ガーガー」と濁りますが、時には澄んだ声で鳴いていることもあります。

【カラスに関する話題】
 ♪ 烏なぜ啼くの 烏は山に 可愛い七つの 子があるからよ
   ( 野口雨情作詞・本居長世作曲「七つの子」より )
 この「七つの子」は、七羽? 七歳?
 わんちゃんの解説はこちらのベージです。

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2008年1月30日 (水)

ハクセキレイ

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 ハクセキレイ、つまり白いセキレイといいながら、黒いじゃないか! と、言われそうですが、よく似たセキレイにセグロセキレイというのがいて、たしかにこのセキレイに比べると、背中なども白っぽくなっています。 でも体の色は、時期や個体差もありますから、セグロセキレイとはっきり違うのは、ハクセキレイでは眼の下も白くなっていることです。
 最近いろんな生物が北へと分布を広げ、地球温暖化との関連が言われたりしていますが、このハクセキレイは、逆に北から南へと分布を広げてきています。 1930年代までは、ほとんど北海道でしか見られなかったハクセキレイが、最近では九州でも見られるようになっているそうです。

Hakusekirei080126_1

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2008年1月29日 (火)

コガモ

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 マガモのところで、「マ」ガモという名前、真のカモ、カモ中のカモという名前は、このカモの肉がおいしく、狩猟の対象とするからだと書きました。 コガモの名前も、「子供のカモ」と間違われやすいですが、もちろんそうではなく、「小さい」「カモ」という意味で、「小さいだけで、ちゃんとしたカモ」、つまり「おいしいカモ」です。 ただし、取れる肉の量がマガモの1/4くらいしかありませんから、それだけ狩猟の対象として狙われる機会は少なくなります。
 下の写真のコガモのオスは、羽根を少し持ち上げてきっちりたたんでいますので、青緑の「翼鏡」が見えていて、美しく光っています。 翼鏡は次列風切の一部にある金属光沢の羽根の部分の名称で、オス・メスともにあります。 飛行中には後ろからよく見える位置にあり、群で飛ぶ時には仲間に対する目印となっていると言われています。

Kogamo080126_2

 下はお休み中のオスとメス。 眼も閉じてしまっています。 どういうわけか、この写真を撮った時はほとんどのメスがお休み中で、泳ぎ回っている個体はいませんでした。

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2008年1月28日 (月)

ミコアイサ

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 カモのパンダ、ミコアイサです。 上の写真、前を行くのがメスで、メスも眼の周囲は黒いのですが、後ろのオスは、写真のように体全体が白と黒。 ミコアイサの名前も、このオスの体色を神子(巫女)に見たてたところからです。 「アイサ」はよく分からないようです。
 下は斜め後ろから。 陽の光を浴びて輝く白は美しいのですが、写真にすると白つぶれしてしまいがちで、体の模様をはっきり写そうとすると、水面が真っ黒になってしまいました。 これでもまだ手前のオスは白つぶれ気味で、体の黒い線が消えかかっています。 1枚目の写真も同様で、それだけ光り輝く白だということですが・・・

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 ミコアイサは潜水ガモです。 潜水ガモの尾は下がっているのが特徴で、水に沈んでいる体の部分も、水面採餌ガモに比べて多くなります。
 下は後ろから見た写真ですが、オスでは、頭の黒い模様が、後ろから見てもサングラスをかけているようです。

Micoaisa080126_3

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2008年1月27日 (日)

陵墓めぐり-オシドリなど-

 1月26日、水鳥を撮影しようと、堺市にある中百舌鳥古墳群(注)のうちの、にさんざい古墳、いたすけ古墳、百舌鳥耳原南陵の3ヶ所をまわってきました。
  (注) 仁徳天皇陵を中心として、55基の古墳群があります。
 この3ヶ所はいずれも住宅地に囲まれてはいますが、一重の堀があり、陵墓内は立ち入り禁止ですから、少なくとも陵墓に近い側は、鳥たちにとって安全が保障されている場所です。
 同じ陵墓の堀でも、鳥たちのたくさんいるところと全くいないところがあり、また鳥の種類によっている場所が違います。 どんな条件で鳥たちのいる場所が決まるのか、よく分かりません。
 観察した時間帯は9時半~12時位でしたが、どの堀でも、多くの水面採餌ガモは食事を終えてお昼寝中。 いろんな行動を撮りたかったのに・・・
 それぞれの堀で見た鳥(写真に撮れなかった鳥も含めて)を、下にリストアップしておきます。
【にさんざい古墳】
  ミコアイサ、オシドリ、カルガモ、カイツブリ、カワウ、アオサギ、コサギ、
  カワセミ、ジョウビタキ
【いたすけ古墳】
  コガモ、カルガモ、マガモ、バン、アオサギ、コサギ、オオタカ
【百舌鳥耳原南陵(履中天皇陵)】(下の写真)
  ミコアイサ、マガモ、オシドリ、ホシハジロ、カイツブリ、ハクセキレイ

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 上に書いた鳥たちのうちの何種類かは、これからこのブログで紹介していくつもりですが、まずはオシドリを載せておきます。 ほとんどが陵墓側の薄暗い木の下などでお休み中で、距離も離れていて、私のカメラではまともな写真になりませんでした。

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2008年1月26日 (土)

ホオノキの芽 その2

 昨日の続きです。
 ホオノキ(モクレン科)の芽に関して、昨日の最後に3つの課題を書いておきました。
  ① 何がどのように変化してこのような芽を形成しているのか
  ② 春に展開する葉は、この芽の中にどのようにして収められているのか
  ③ 春に咲く花はもう芽の中にあるのか
 今日はこれらのことを調べます。 ホオノキの芽はたいへん大きいので、このような観察には最適です。
 まずは芽の断面を作ってみました(下の写真)。 どの部分が何だか分かりますか?

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 芽の断面を見ると、外側と内側で様子が違っています。 外側では同心円状のもの(これをAとします)が何重にも重なっていて、その間に何か挟まっています(これをBとします)。 断面にたくさんの毛がついていますが、この毛は断面を作るときにBから出てきたものです。 そして内側には細かいものがぎっしり詰まっています。

 下の写真は、断面を作った芽の先端側の中身を押し出したものです。 先の尖った袋状のものがA、その上に乗っている銀色のものがBです。

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 よく見るとBには葉脈が見えます。 Bは毛に覆われた“葉の赤ちゃん”でした。
 ではAは? Bが葉ならAは葉ではないはずです。 このBは芽のいちばん外側を覆っていたものと同じようです。 これはいったい何でしょうか?
 もういちど、昨日の芽の写真を見てください。 芽の上をタテに溝が1本走っています。 この芽の写真に写っている裏側はどんな様子なのでしょうか?
 下の写真は、昨日の写真とは違う芽ですが、溝のある反対側を写したものです。 溝の側とはかなり様子が違っています。 芽の付け根から細長い三角形のものが伸び、先端に小さな円形の部分があって、この三角形の部分から、何かが左右に広がってそれか反対側でくっつきあい、くっつきあった部分が溝になっているイメージです。 三角形のものと、そこから広がる左右一対のもの。 ここから何が連想できますか?

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 少しホオノキから離れ、一般的な話です。 枝の先には葉がある。 もう一度、葉をよく見ることにします。 下は春にアラカシの新しい葉が展開しようとしている写真ですが、まだ若くて柔かく、垂れ下がっている新しい葉の両脇に、立っている細長い葉のようなものがあります。 これを「托葉」と呼んでいます。 そして、下の方では、葉が目立たなくて、托葉だけが目立っています!

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 一般的に、葉は葉柄(ようへい)、葉身(ようしん)、托葉(たくよう)からできています。 托葉が退化した植物もありますが、多くの植物で托葉は見られます。 しかし托葉を持つ植物でも、その多くは葉が展開すると托葉は落ちてしまいます。
 葉と左右の托葉、アラカシでは葉が発達せずに托葉だけが目立つ部分もある・・・ もうお分かりだと思います。 上から3枚目の写真で、細長い三角形は葉柄、そして葉身は発達せずに落ちて、その後が小さな円形になっています。 そして托葉は大きくなって左右に広がり、葉身ともくっつき、反対側でも托葉どうしがくっついて、内部を完全に覆っていたのです。 そして内部では葉は退化せず、春が来て広がるのを待っていますが、その葉の托葉は、やはりくっついて袋状になり、次の葉以下を保護しているというわけです。

 さて次に、芽の断面の中心部に見られた、ぎっしり詰まった細かいものです。 これも取り出してみました(下の写真)。

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 これは取り出してみれば、すぐに分かります。 ぎっしり詰まった細かいものはオシベの断面でした。 さすがに大きく咲く花、たくさんのオシベです。 そしてその中心部にはメシベがあります。 メシベもたくさんあって、らせん状に並んでいます。 メシベ・オシベの外側には白っぽい花弁もあります。
 春になると、外側から順に、内部を保護していた托葉で作られた袋が破れ、葉が広がるのですが、最後にいちばん中心にあった花が開きます。 その花もちゃんと準備ができていました。
 芽の内部を見ると、ホオノキでは葉が開いてから花が咲くことなど、いろんなことが分かります。

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2008年1月25日 (金)

ホオノキの芽 その1

 冬の木の芽の様子からも、いろんな面白いことが読み取れます。 まずはたいへん大きな芽を持ったホオノキを取り上げてみます。 朴葉味噌でお馴染みのホオノキです。
 その前に、芽について、少し予備知識を持っておいてください。 木には、頂芽と側芽の2種類の芽があります。頂芽は伸びていた枝の先端が伸びることを休止して芽になったもので、側芽は葉のすぐ上に新しく作られた芽です。
 頂芽が伸びると、今まで伸びてきた枝が続いて伸びることになりますし、たくさんの側芽が伸びると、いろんな方向に枝が伸びることになります。
 ホオノキの葉は大きな葉です。 1枚の葉で、たくさんの小さな葉の分まで光合成を行います。 たくさんの細かい枝を出してたくさんの葉をつける必要はありません。 それより、上を目指します。 他の植物より早く上に伸びて他の植物の上に葉を広げ、たくさんの光を受けてたくさん光合成することを狙います。 そのためには、側芽形成に栄養分を回すことを止め、頂芽を発達させます。 木部は柔らかくても、とにかく早く上に伸びようとする戦略の結果、柔らかく均質な材が取れ、下駄や楽器など多様な用途に使われるのですが、今回はこのことに深入りしないことにします。
 上に書いたように、ホオノキは大変高くなる木です。 大きな花も上向きに咲かせるのですが、普段は下からはるか上を見上げるだけ。 芽の様子なども分かりません。 ところが私のよく行く場所に、ホオノキの傍に橋がかかっていて、橋の上からだとホオノキの上の方に触れることのできる場所があります。 こういう幸運な場所は大切にしなければなりません。
 そこで撮ったのが下の写真です。 大きな頂芽がありますが、側芽はほとんど発達していません。 芽の形態は、このようにそれぞれの植物の生存戦略とも関係しています。

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 この芽、表面はスベスベしています。 上で、頂芽は伸びていた枝の先端が伸びることを休止して芽になったものだと書きました。 枝の先には葉があります。 葉がどのように変化してこのような芽を形作っているのでしょうか? 春になると展開する葉は、この中にどのようにして収められているのでしょうか? 春に咲く花はもう芽の中にあるのでしょうか?
 (この続きは明日に・・・)

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2008年1月24日 (木)

ヤマガラ

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 昨日に続いて、今日も滝畑から。 河内長野市にある滝畑のダム湖にはオシドリが来るので、それを見に行ったのですが、水が少なくなっていて、湖にいるのはカワウとカイツブリだけでした。
 池の周囲に遊歩道があり、そこで出会ったのが、コゲラ、ウグイスとこのヤマガラでした。
 ヤマガラは好奇心の強い鳥で、一定の距離を保ちながらこちらを観察していますので、撮影は楽です。
 同じカラ類でも、シジュウカラは泉北ニュータウン内でもよく見かけますが、少し山手に入ると、名前のとおり、このヤマガラがよく姿を見せてくれます。

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2008年1月23日 (水)

ツメゴケ

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 滝畑ダムの近くで、ツメゴケを見つけました。 黒いシート状の植物体に、褐色の爪のようなものが生えています。 小さい植物で地面を這っていますので、名前には「コケ」とついていますが、「コケ植物」ではありません。
 ツメゴケは「地衣類」と呼ばれている仲間です。 地衣類は藻類と菌類が共生し、お互いの依存度が高く、あたかも一個体であるかのように暮らしている生物で、多くの種類があります。
 ツメゴケの“爪”の部分は「子器」と呼ばれていて、ここで胞子が作られます。

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2008年1月22日 (火)

マガモ

 今日の鳥はマガモ、真のカモです。 ということは、他のカモは偽ガモ?
 たぶんこの名前は人間の身勝手さから来た名前でしょう。 つまり、鳥との関係が、バードウォッチングなどというゆとりをもった付き合い方ではなく、関心事は食べることであった時代、このカモがいちばんおいしく、大きいので量的にも良かったのでしょう。 つまり「カモを獲りに行く」といえば、このマガモを獲りに行くことを意味したのでしょう。 ちなみに、このマガモを家畜として品種改良したのがアヒルであり、元来同種であったマガモとアヒルをかけあわせたのがアイガモということになります。
 マガモについては、以前信州の川で大きな群を見たことがありますが、大阪府下の池などでは大きな群を見たことはありません。 でも、数羽ずつ、いろんな所で見ることができます。

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 上の写真は、生活排水の流れ込んでいる川で、たくさんの泡ができていますが、この川でも冬の間は毎日と言っていいほどマガモを見ることができます。
 マガモは越冬中につがいを形成し、春には雄雌が連れ立って繁殖地へ渡るのですが、1月になると、多くのマガモが上の写真のようにペアで行動しています。
 マガモはどこにでもいて、人にもなつきやすい方なので、餌付けされている所もあるようです。 「カモにする」の語源も、このマガモが比較的捕まえやすいからでしょう。 でも、この川のマガモは野生そのもの。 少し近づきすぎると下の写真のように飛ばれてしまいました。 しかし、おかげで飛んだ時の羽根の様子も写せました。

Magamo080119_1

 3羽いたことを飛ばれて初めて気がついたのですが、前の2羽と後の1羽はどういう関係だったのでしょうね。
 (1月27日追記) よく見ると、後ろの一羽はハシビロガモのメスのようですね。 また上で、大阪府下ではマガモの大きな群は見たことが無いと書きましたが、1月26日に履中天皇陵で見たマガモは大きな群でいました。

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2008年1月21日 (月)

コウヤボウキの痩果

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 コウヤボウキについては、は11月7日に載せましたが、今回はコウヤボウキの痩果(注)の写真です。
(注) 痩果とは、種子を薄い果皮が包み込んでいますが、この果皮が種皮とくっついて分かれないものを言います。植物学的には果実のひとつの形態ですが、日常感覚からすれば種子と言ってもいいでしょうね。
 11月7日の花の写真でも、ガクが変化した赤い冠毛が写っていますが、花が終わり、この冠毛が開くと、写真のようになります。

Kouyabouki080114_1

 多くのコウヤボウキの冠毛は白いのですが、時としてこのような淡紅色のものが見られます。 この株の1mも離れていないところには白い冠毛のコウヤボウキがありました。
 下は痩果を飛ばしてしまって総苞だけが残った状態。 これもなかなか端正な姿をしています。

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2008年1月20日 (日)

コゲラ

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   写真をクリックすると拡大します
   撮影データ : FZ-30 + DCR-2020PRO トリミング

 枯れたアカマツの幹でコゲラが餌を探していました。 この木の幹はつつかれてできた穴がいっぱいです。
 コゲラは日本にいる最も小型のキツツキです。 泉北ニュータウン内でも時々見かけます。 ギー、ギーと鳴いて、その存在はすぐ分かるのですが、チョコチョコとよく動くので、なかなかいい写真が取れませんでした。
 上の写真は、「堺自然ふれあいの森」で撮ったのですが、ここはお食事場所らしく、けっこう長くいてくれました。 ただし、穴の中をさかんにつついているので、ほとんどの写真は頭がブレているか、頭は穴の中で見えないかのどちらかです(下の写真)。

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2008年1月19日 (土)

ジョロウグモ

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 幹に白い卵嚢とジョロウグモ。 これは12月23日に撮った写真ですが、私自身、よく理解できないでいます。 まず、この卵嚢は傍にいるジョロウグモが産んだものなのでしょうか? ジョロウグモのメスは、卵嚢が目立たないように、枯れ葉や木の皮などを張り付けるといいますが、この場合はむき出しです。 産卵時期が遅く、寒さで行動が鈍くなり、貼り付け作業ができなかったのでしょうか?
 そして、この横にいるメスは何をしているのでしょうか? 1月になると、ジョロウグモの姿は見られなくなります。 親グモは冬の寒さを乗り切ることはできません。 卵を産んだまま、動けなくなったのでしょうか? 最期まで卵嚢を守るつもりなのでしょうか?
 気になって、今日(1月19日)確認に行ってきました。 卵嚢はそのままで、上には何も貼り付けられていませんでした。 そして、親グモの姿はありませんでした。 落下したとしても、下は厚い落ち葉の層。 見つけられるはずもありません。

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2008年1月18日 (金)

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    写真をクリックすると拡大できます
 寒い朝、霜がきれいです。 写真は霜が朝日を浴びて少し溶け出し、その水が光を反射している時を狙って写したものですが、ピントの合っている手前では、まだ氷の結晶の形が分かります。
 写真はオオイヌノフグリの葉についた霜ですが、こんなに外側に氷の結晶ができていても、細胞の内部に氷はできていません。 というか、もし細胞内に氷ができたら、氷は体積が増えるため、細胞の構造が壊されてしまいます。 つまり細胞は死んでしまいます。
 なぜ細胞の内部に氷ができないのかといえば、細胞内の水はいろんなものを溶かしているからです。 氷は水分子が作る結晶です。 つまり水分子が規則正しく手をつなぎあったものです。 水分子の間にいろんな分子やイオンが混ざっていると、それらの分子は水分子が規則正しく手をつなぐ邪魔をします。 つまり凍りにくくなります。 つまり、水が溶かしている物質の濃度が高いほど、水は凍りにくくなります。
 寒い冬に凍らずに元気に生きている葉の細胞は、細胞内の物質の濃度を高めることで、凍りにくくなっているのです。

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2008年1月17日 (木)

カワラヒワ

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 鳥の紹介は、しばらくカモが続いたので、たまには小鳥を。
 この時期、泉北ニュータウン内を散歩していて、よく出会うことのできる鳥といえば、スズメムクドリヒヨドリに次ぐのが、メジロとこのカワラヒワでしょう(この後にはシジュウカラが続きます)。 それほど身近な鳥なのですが、カワラヒワを指して、あまり鳥に詳しくない人に「あそこにいる鳥は何だと思う?」と聞くと、ほとんどの場合、返ってくる答は、「スズメ!」です。 声はスズメと全く違いますが、肉眼で見ると、スズメとよく似た大きさで、スズメと同じような規模の群でいますし、あまり人に近づきませんので、スズメと間違っても仕方ないかもしれません。
 カワラヒワは「河原にいるヒワ」という意味ですが、河原以外にも、公園、農耕地、雑木林など、いろんな場所にいます。 北海道では夏鳥ですが、その他の地域では1年中見られます。 羽根の黄色が案外よく目立ちますので、スズメと違った声のする小鳥の群を見つけたら、一度よく見てください。 きっと身近なところで出会えると思います。

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2008年1月16日 (水)

スズキクサカゲロウ、ケブカカスミカメ

 1月13日にソシンロウバイに来ていた虫たちの紹介です。 ソシンロウバイは園芸的に改良され、昆虫たちに蜜のありかを教える模様である蜜標が無くなっているのですが、それでもちゃんと虫は花に来ていました。 匂いで虫を引き寄せているのでしょうか?

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 まずはスズキクサカゲロウ、寒い日でしたが、花粉を食べては休み、食べては休みで、3時間後に見に行っても、同じ花にいました。 体にはいっぱい花粉をつけているのですが、植物側からすると、効率の悪い花粉媒介者です。 ロウバイはたくさんの花をつけるわりには、そんなに結実しませんが、その理由はこのあたりにあるのかもしれません。 冬に花粉媒介を昆虫に頼ると、昆虫の活動はどうしても低調になりますから、冬に咲く花の宿命かもしれません。

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 せっかく我家の庭を訪問していただいたのですから、室内にお招きし、記念写真を撮らせていただきました(下)。 花粉をつけたままでしたが・・・

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 上はケブカカスミカメ。 体長4mmほどの小さなカメムシの仲間です。 横から見ると名前のように毛深いのが分かります。 もう少しちゃんと写真をと思い、誤って触れていまい、下に落ちられ、探しても見つかりませんでした。 動きがのろかったのはクサカゲロウの場合と同じです。

Kebukakasumikame080113_1

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2008年1月15日 (火)

ロウバイ

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 家の庭に咲いているロウバイです。 もう少し正確に言うと、ソシンロウバイ。 園芸的に改良され、花の中心部まで黄色くなったものです。
 このロウバイは半日陰の場所であるため、花つきもそんなに多くなく、葉を落とす元気も無いようで、まだ黄葉が楽しめます。

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 ジュズダマのところで、一般的に虫媒花には雄性先熟の花が多く、風媒花には雌性先熟の花が多い傾向があると書きましたが、ロウバイは虫媒花にしては珍しく、雌性先熟です。 上の写真では、メシベは広がっていますが、倒れているオシベの葯からは、まだ花粉が出ていません。 メシベは葯の無い「仮オシベ」に周囲を取り囲まれて保護されています。
 そして下、オシベがメシベを取り囲み、外向きの葯からはたくさんの花粉が出ています。 メシベは外からは見えません。

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 雌雄異花ではないことを確認するために、上のメシベの見えない花の断面を作ってみました(下の写真)。 ちゃんと胚珠があります。オシベに取り囲まれたメシベの柱頭は少し縮れてきているようです。

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 上でロウバイは虫媒花だと書きましたが、明日はこのロウバイを訪れていた虫たちのお話にします。

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2008年1月14日 (月)

オナガガモ

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   オス・メスそろって食事中
 オナガガモは北半球に広く分布する大型の水面採餌ガモで、名前のとおりオスの尾羽が長く、首も長いスマートな体型をしています。
 人に慣れやすくすぐ餌付けされてしまうようですが、同じく人に慣れやすいヒドリガモとの関係で言えば、池により、また年により、オナガガモ中心の集団とヒドリガモ中心の集団に分かれます。 逆に言えば、オナガガモの集団に紛れ込んでいるヒドリガモや、ヒドリガモの集団に紛れ込んでいるオナガガモもいるわけで、いつの世にもひねくれ者がいるようです。

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   オス

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   メス 首は伸ばせばもっと長くなります。

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2008年1月13日 (日)

トベラ

 トベラの赤い種子がまだ残っています。 この赤い種子は、写真のようにネバネバした粘着質に包まれていますが、このネバネバ物質はどんな働きをしているのでしょうか? 鳥にとっておいしい味がするのでしょうか? それとも鳥にくっついて運ばれることもあるのでしょうか?
 トベラは雌雄異株ですので、この赤い種子は雌株でしか見ることができません。

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 トベラは海岸の崖などに自生する常緑低木で、潮風にさらされることから乾燥に強く(潮は水を奪います)、その性質を利用して、道路の緑化帯などに広く植栽されています。
 トベラには、少し臭気があります。 『日本原色植物図鑑(木本編Ⅱ)』には、「節分に扉に枝をはさみ疫鬼をさけるので扉の木という。」とありますが、この悪臭を魔除けにしたのでしょうね。 この悪臭は、燃やすときつくなるようです。
 トベラはトベラ科に分類されますが、トベラ科は東南アジア、オーストラリア、アフリカなどの主に熱帯に分布します。

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2008年1月12日 (土)

シラホシコヤガの繭

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 地衣類のたくさんついている樹の幹を注意して見ると、このような繭があちこちで見つかります。 上はケヤキの幹についていたものを、家の近くの槇塚公園で1月5日に写したものですが、12月30日には高倉寺境内のソメイヨシノの幹についていたのを確認しています。 そして下は、12月23日に槇塚公園のクヌギについていたもの。 こちらは同じ樹にたくさんついていて、みんな赤い地衣類をくっつけていました。

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 これらはシラホシコヤガの繭だと思うのですが、Web上で検索してみると、シラホシコヤガは幼虫越冬のようです。 心配になって「蛾飢道談話室」でお尋ねしたのですが、管理人のashさんも、シラホシコヤガの繭のように見えますが・・・ ということでした。 越冬形態に異なるパターンがあるのか、よく似た別種がいるのか、今後も注意していきたいと思っています。
 なお、きどばんさんの「石神井公園の蟲日記」には、2月11日('06年)にシラホシコヤガの繭と思われる写真が掲載されています。

 シラホシコヤガは幼虫の時期も地衣で作られた被覆物で体全体を覆っていて(食べているのも地衣)、繭を作るときは、この幼虫の体を覆っていた地衣を吐糸で袋状にするようです。

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2008年1月11日 (金)

ハシビロガモ

 ハシビロガモはその名前のとおり、クチバシの幅が横に広いカモで、独特のスタイルをしています。 大きな群は作りませんが、あちこちの池に来ています。
 カモの仲間は、その採餌方法から、「水面採餌ガモ」と、1月8日のキンクロハジロなどの「潜水ガモ」に分けられます。 ハシビロガモは水面採餌ガモですが、特にクチバシにヒゲ状のものが生えている細い隙間があり、その部分を利用して、水面に浮かんでいる細かい餌と水を分離して食べるという、独特の採餌方法をもっています。
 下はメスですが、写真のように水面を撫でるように水を吸い込んでいきます。

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 下は顔の部分の拡大です。 クチバシの横から水が出ています。 この時、餌が濾し取られます。

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 下はオスの顔のアップ。 クチバシのつくりはメスと同じで、横に隙間があり、そこに餌を濾し取るためのヒゲ状のものが生えています(写真をクリックすると拡大できます)。
 下の写真は、黒いクチバシの構造をはっきりさせるために露出オーバー気味で、白い部分は飛んでしまっていますが、オスの顔は、光の当たり具合によっては、このようにきれいな深い緑に輝きます。

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 下はオス。 時にはこのように水中に顔を突っ込んで採餌しますが、潜水ガモのように体を完全に水中に沈めてしまうことはありません。

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 上の写真のオスが顔を出しました。 頭の頂までいっぱい水滴がついていますが、ちゃんと水ははじいています。 餌は取れたのでしょうか?

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2008年1月10日 (木)

タマミズキ

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 タマミズキはわりあいに偏った分布をしていて、どこでもよく見られるわけではありませんが、この写真を撮った大阪府河内長野市の滝畑ダム周辺から西国観音巡礼4番札所槇尾山施福寺周辺にかけては、比較的たくさん生えています。 完全に葉を落とした冬の時期は、小さな赤い実をビッシリとつけている姿が、たいへんよく目立ちます。
 タマミズキ(玉水木)の名前は、玉のような実が目立つミズキのような木という意味でしょう。 この「玉」は、赤い小さな実1つひとつを指すのでしょうか、それとも、小さな実が集まって玉のようになるとこころからでしょうか。 また、「ミズキ」とついていますが、この木はミズキ科ではなく、モチノキ科のモチノキ属(Ilex)に分類される落葉高木です。 たぶん枝振りが下の写真のようにミズキやクマノミズキなどに似ているところからつけられた名前でしょう。
 Ilex属にはたくさんの種類がありますが、ウメモドキ(落葉低木)やクロガネモチ(常緑高木)と同じように、タマミズキも雌雄異株です。 ですから、雄株には実はついていませんし、そのうえ雌株も実のたくさん付く年とほとんど付かない年があります。
 上の写真では全く樹形が分からないので、12月上旬に槇尾山で撮った写真を下に載せておきます。

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2008年1月 9日 (水)

ヨコヅナサシガメの幼虫の集団越冬

 この冬はヨコヅナサシガメの幼虫の集団越冬をあちこちで観察できました。
 ヨコヅナサシガメは、アジア大陸からの帰化昆虫で、どういうわけか都市部に近いところでよく見られますが、どんどん増えてきているようです。
 次の写真は、4枚は12月30日に、一番下の1枚は12月23日に撮ったもので、もちろん全部別の場所です。 周囲の様子も分かるように写したかったので、ヨコヅナサシガメの幼虫は小さくしか写っていません。 写真をクリックして拡大してご覧ください。 特に最後の1枚は分かりにくいので、楕円で囲っておきました。

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 ヨコヅナサシガメの「横綱」は、サシガメの仲間の中で大きいからと言う理由もありますが、成虫の腹部の縁の白黒模様を化粧回しに見立てたと言う話を聞いたことがあります。

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2008年1月 8日 (火)

キンクロハジロ

 キンクロハジロは潜水ガモで、水に潜って餌を取ります。 あちこちの池に来ていますが、人が与える水面に浮かぶ餌には見向きもしません。
 キンクロハジロ(金黒羽白)の名前は、眼の金色、体の黒い色(腹部側面はオスでは白いですが・・・)、それに飛んだ時の風切羽根が白いところからでしょう。
 下はオス。横から見ると長い冠毛を持っているのですが、斜め前からだと少ししか見えていませんね。

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 下はお休みモード。 動物で、眼を閉じて毎日深い眠りにつくのは、哺乳類にのみ見られる現象です。 鳥はほとんど眠りません。 体は休めていても、敵が来ないか、ちゃんと見ています。

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 メスは冠羽が短かく、全体的に褐色がかってきます(下の写真)。

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2008年1月 7日 (月)

メタセコイアの1枚の葉は

 そろそろ12月30日出題の正解と解説をしておきます。

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 問題は、秋も終わりになるとメタセコイアの下には上の写真のような鳥の羽根状のものがたくさん落ちますが、メタセコイアの1枚の葉は①この鳥の羽根状のものなのか、または②この鳥の羽根状のものを構成している槍の先状のものが1枚の葉なのか、というものでした。
 ①と考えた方は、メタセコイアの「落葉」というくらいだから、当然1枚の葉が落ちるのだ、と考えられたのではないでしょうか。 また、②と考えられた方は、メタセコイアは針葉樹じゃなかったの? と 考えられたかもしれません。
 この問題は、要はメタセコイアの葉は複葉なのか単葉なのか、という問いであったわけです。
 下の写真で正解が分かると思います。 こんなものも落ちているのです。

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 これらの写真には、横に走る1本の枝に、①(鳥の羽根状)と②(槍の先状)が混ざってついています。 しかも、①を構成している②と、横に走る1本の枝に単独でついている②とは、どう見ても同じものです。 もし①が1枚の葉だとすると、横に走る1本の枝に単独でついている②は何なのか、説明がつきません。
 正解は②が1枚の葉でした。 やはりメタセコイアは針葉樹だったんですね。
 上の写真は次のように理解できます。 メタセコイアには、よく伸びる枝(これを「長枝」といいます)と、あまり伸びない枝(これを「短枝」といいます)があって、長枝では葉と葉の間隔が伸ばされ、短枝につく葉は、枝があまり伸びないために、葉と葉の間隔が詰まってしまう結果、鳥の羽根のようになってしまうのだと理解されます。
 長枝も短枝も伸び方が違うだけで、枝は枝です。 新しい枝は芽が伸びてできます。 芽は葉の腋にできます。 つまり、枝は葉の付け根のすぐ上から伸びます。 もう一度写真を見てください。 鳥の羽根のように見える新しい枝の付け根には、ちゃんと1枚の葉が存在しています。
 初冬にメタセコイアの下に落ちているのは、ほとんどが①の鳥の羽根状のものですが、これは上に書いたとおり、たくさんの葉をつけた短枝だったわけです。 メタセコイアは落葉樹であるというよりは、“落枝樹”だったのです。

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2008年1月 6日 (日)

クロスジフユエダシャク、ナミスジフユナミシャク

 昨日の記事の続きです。 昨晩、冬尺のメス探しに行って来ました。 場所は家のすぐ近くの雑木の残っている公園の一角です。
 じつはこの場所は、12月15日にたくさんのクロスジフユエダシャクが飛び回っているのを見ている場所です。

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 クロスジフユエダシャクは、冬尺の仲間としては珍しく、昼行性の蛾です。 メスを探すのに一生懸命なのか、低い所を飛び回ってなかなか止まってくれませんでした。 やっと止まったところを撮ったのが上の写真です。 もちろんその時もクロスジフユエダシャクのメスを探しましたが、見つけられませんでした。 でも、これだけのクロスジフユエダシャクがいるということは、他の冬尺もいるに違いない、と思ったからです。
 結果は・・・・見つけられませんでした。 オスは飛んでいましたが、これも懐中電灯の明かりの外へいちど出ると、もうどこへ行ったのか分かりません。 もちろん種類も分かりません。 夜の捜査は難しい・・・
 メスのシャクガにさわれずシャクにさわるので、イエナリエを撮って帰りました。 泉北ニュータウンでは、クリスマスの後もお正月バージョンのイルミネーションをしてる家が増えてきています。

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 今日の散歩でもう一種、フユシャクに出会えました(もちろんオス)。 ナミスジフユナミシャクです(下の写真:クリックで拡大できます)。

※ ナミスジフユナミシャクは1991年にオオナミフユナミシャクとコナミフユナミシャクの2種に分けられましたが、2010年に再びナミスジフユナミシャクの1種に統合されました。 これに伴い、本文とタイトルを少し変更しています。

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2008年1月 5日 (土)

シロオビフユシャク、クロオビフユナミシャク

 冬尺(フユシャク)と呼ばれる蛾がいます。 幼虫はいわゆる尺取虫で、成虫が冬に見られるのですが、メスの翅は全く無いか縮小化してしまっている蛾です。 1種類ではなく、分類的にはシャクガ科のフユシャク亜科(14種)、ナミシャク亜科(7種)、エダシャク亜科(15種)に分類される36種をまとめた言い方です。
 冬尺は、とにかく捕食されないように目立たないようにひっそりと暮らす蛾です。 幼虫は枝に擬態しながら春の若葉を食べて育ち、夏と秋は繭を作って土の中で捕食者の少ない冬を待ちます。 そして冬に地味な色の成虫になります。 しかもメスは動き回りません。 メスの翅の退化は寒さへの適応でもあるのでしょうが、卵を産むメスを少しでも捕食者の危険から遠ざけるという意味もあるのでしょう。 さらに、多くの冬尺の交尾は夜に行われます。
 小さな蛾のことです。 夜、オスを誘うメスの出すフェロモンの有効範囲は3m程度だと言われています。 オスはこの範囲の中に入らないとメスを見つけることはできません。
 昼、散歩をしていると、家の近くでも壁などに止まっている冬尺のオスに出会います。 夜にメスを探して飛び回っていたのでしょう。 下のシロオビフユシャクは12月30日に、クロオビフユナミシャクは12月23日に、いずれも家のすぐ近くにいたものです。

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   シロオビフユシャク

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   クロオビフユナミシャク
 オスがいるということは、近くにメスもいるということです。 でも、夜の暗闇の中で飛び回らないメスを探すのは容易ではありません。 が、この記事を書いていて、このいじらしいフユシャクのメスに会いたくなりました。 今夜は晩酌なしの早めの夕食をとって、近くの公園を探してみることにしましょうか・・・

※1 泉北ニュータウン内には、あちこちに開発前の雑木林が公園として残されています。

※2 やっと会えたシロオビフユシャクの様子はこちらに載せています。

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2008年1月 4日 (金)

アゾラ

 昨日のバンの写真で、水面に紅色のものが浮かんでいますが、それがアゾラです。
 アゾラ(Azolla)は水生シダの仲間で、アカウキクサやオオアカウキクサなどが属する「属」の名称です。 関西にはアカウキクサもオオアカウキクサも分布しています。 しかし写真のものは、そのどちらでもなく、外国産のもののようですので、以下、「アゾラ」で話を進めていきます。

 話は飛びますが、植物が生育するための3大栄養素として、チッソ、リン酸、カリがあり、販売されている肥料には、これらの含まれている割合が書かれていたりします。
 窒素分子(N2)は空気中にたくさんあるのですが、植物が使えるのは硝酸塩やアンモニウム塩などの形で存在する窒素化合物だけで、空気中にある窒素は使えません。
 自然界で空気中の窒素(N2)を植物が利用できる窒素化合物に変わる(これを「窒素固定」と呼んでいます)のは、雷の放電や紫外線で空気中の窒素分子が酸化され、これらが雨水に溶けること以外に、何種類かのバクテリアが窒素固定能力を持っています。
 一部の植物は、この窒素固定能力を持ったバクテリアを共生させることができます。 マメ科の根粒はこのバクテリアの住処であることはよく知られていますが、じつはこのアゾラも窒素固定能力を持ったバクテリアを共生させている植物なのです。
 上記の理由で、アゾラの窒素含量は高く、例えば中国南部やベトナム北部では水稲の緑肥として利用してきました。 日本では稲が小さいときにアゾラが稲の頂部くっつくと光合成が妨げられるであるとか、アゾラが水面をおおうと水温が低下し、稲の生育を遅らせるなどと言われ、雑草扱いされていましたが、アイガモとアゾラを同時に水田に導入し、相乗効果を狙う試みもなされています。
 熱帯魚の飼育などで利用する水生植物にくっついて日本に入り込んだアゾラもあるようです。 このようにアゾラを取り巻く状況は複雑で、農業的に有用なアゾラの導入が図られる一方で、一部のアゾラは「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(特定外来生物法)の特定外来生物に指定されています。
 アゾラはいつも紅色をしているわけではありません。 温かいうちは緑で、紅色は紅葉の色なのです。 下はバンのいた池のアゾラを写したものですが、まだ緑のものも少し混じっています。

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2008年1月 3日 (木)

バンの生活

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 西日で金色に輝く水面(みなも)に浮かぶバンです。 黒い体の脇には白斑があり、赤い額板が特徴的です。
 '07年の5月13日にバンの子供を紹介しましたが、この時期はもう親子の区別はつきません。
 下は集団での食事風景。 バンの夫婦は基本的には一夫一妻ですが一夫多妻の場合もあり、下の写真の個体が親子の関係なのか一夫多妻の姿なのかも、継続的に観察していない私には分かりません。
 黄緑色のものはホテイアオイの葉柄や浮き袋で、葉身は枯れてありません。

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 バンの足は、上の写真のように水草の上や水辺の柔かい土の上を歩きやすいように、指がたいへん長くなっています。 そのかわり水かきはありません。 ですから、飛び立つために湖面を助走するときは、水かきの無い足で水面をたたくものですから、派手に水しぶきを立てることになります(下の写真)。

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 写真の池は住宅地の中にありますので、バンもよく人に慣れています。
 この池は、長辺が約150m、短い辺が約30mほどの、ほぼ長方形の小さな池で、岸から石を投げると、池の中央部まで子供の力でも届きます。 実際バンは石の標的にもされるのですが、バンも慣れたもので、近くで石の水柱が立っても平気です。
 この池には、マガモやヒドリガモも飛来します。 普段は別の群を作っているのですが、時には群が接触することも。 下の写真はヒドリガモのメスがバンの普段生活しているエリアに入り込んで来た時の様子です。 バンはどこか迷惑そうな様子です。

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 上の写真で2羽のバンの嘴の色が違いますが、冬になると嘴は黒っぽくなり、体色も派手さがなくなってきます。 12月下旬に写した写真ですが、右の個体は夏羽と言っていいような色ですし、左の個体もまだ完全な冬羽とは言えません。

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2008年1月 2日 (水)

イダテンチャタテ

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 この記事は、2008年1月2日から「オオスジチャタテ?」として載せていましたが、2011年1月4日に、下の経緯により、「イダテンチャタテ」として全面的に書き直したものです。
 このチャタテムシは、クヌギやケヤキなど、様々な木の幹でよく見かけます。 体長は3~4mmですが、白っぽい樹皮や地衣類の上にいると、体の迷彩模様が有効に働いて、目を凝らさないと存在が分かりません。 それに走り出すとたいへん速く、止まってくれるのを待たないと、なかなか写真には撮れません。
 当初の記事でも、「お正月シリーズ第2弾は、お目出度いところで、目の出たチャタテムシの登場です。」などと書いていて、目の飛び出た様子が印象的だったのですが、チャタテムシについては詳しく書かれているところが無く、このチャタテムシについても、他のブログなどを見て、オオスジチャタテかもしれないが間違っている可能性も大きいとして記事にしていましたが、なにかしっくりこないものを感じていました。
 ところが2011年の正月に、樹皮にいる虫について調べていたところ、おちゃたてむしさんのブログ「明石・神戸の虫 ときどきプランクトン」の2010年12月25日の記事「イダテンチャタテ」に出会いました。 すぐに「これだ!」と思い、読ませていただいたところ、psocodeaさんこと現在は北海道大学におられる吉澤先生などがコメントを寄せられていました。 それによると、これは Idatenopsocus属に分類されるチャタテムシで(記載論文はこちら)、和名は未発表だが、現在編纂中の昆虫目録では「イダテンチャタテ」としていることや、「イダテン」は「韋駄天」のごとく走ることからの命名であることなどが書かれていました。
 すぐに吉澤先生に確認をお願いしたところ、イダテンチャタテに間違いないとのお返事をいただきました(コメント参照)。
 なお吉澤先生には、今まで名前の分からなかったヤツデの葉の裏にいたチャタテムシ('07年12月29日)についてもお教えいただき、記事を変更しました。 吉澤先生にはお教えいただいたことを感謝いたします。

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2008年1月 1日 (火)

トウネズミモチ

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 お正月といえばお餅。 子(ね)年のお餅とくればネズミモチですね。
 ネズミモチの名は、葉がモチノキに似ていて、果実がネズミの糞(お正月からスミマセン)に似ているところからきています。 暖地に自生していて公園などにも植えられていますが、イボタロウカイガラムシがつきますので、公園などには、ネズミモチによく似た中国原産のトウネズミモチの方がよく植えられています。 トウネズミモチは大気汚染にも強く、木を害する昆虫もほとんどいません。
 両者の違いは、果実がどちらも楕円形ですが、トウネズミモチの方が球形に近いこと、トウネズミモチの葉脈の方が透けて見えることなどが挙げられます。
 下の写真は大蓮公園で写したトウネズミモチ。 冬のこの時期でもたくさんの果実をつけています。

Tounezumimochi071215

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