チャタテムシ
キイロテントウ、クロスジホソサジヨコバイ(マエムキダマシ)に続いての「ヤツデの葉の裏シリーズ」その3、本日はチャタテムシです。 じつはヤツデの葉で、一番よく目に付いたのが、チャタテムシの仲間でした。
「チャタテムシ」は、体長数mmの小さな昆虫で、咀顎目 (Psocodea) のうち、寄生性のシラミ、ハジラミを除いたものの総称です。 かつて分類されていた噛虫目(=チャタテムシ目:Psocoptera)という名称も便宜的に使われますが、正式な分類群ではありません。 チャタテムシの仲間は、世界では約900種類、日本でも約100種類が知られています。 写真のチャタテムシも、北隆館の原色昆虫大図鑑(チャタテムシの仲間は20種類載っていました)を調べましたが、種名は分かりませんでした。 青色の部分は、2011.1.4.に、北大の吉澤先生にお教えいただき、追記した部分です。
(下の写真は3枚ともクリックすると拡大できます)
Valenzuela gonostigma ? ケチャタテ科 Caeciliusidae
ヨツモンホソチャタテ Graphopsocus cruciatus ホソチャタテ科 Stenopsocidae
チャタテムシには、写真のような有翅のものと、もっと小さい無翅のものがいて、前者の多くは野外に、後者は屋内にいます。 前者はカビなどを食べていますが、後者は書物、乾燥食品、皮革製品や標本などを食害します。 いずれにしても、毒は持っていませんし、吸血や刺咬もしませんので、人体への直接の影響はありません。 翅を持っていても飛んで逃げることも無く、歩き回るだけでしたので、撮影は比較的楽でした (^-^)v
チャタテムシ(茶立虫)という名称は、スカシチャタテの出す音が茶筌(ちゃせん)で茶をたてる時の音に似ているところからつけられたものですが、多くの種類は音を出しません。
※ イダテンチャタテについてはこちらでどうぞ。
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コメント
やつでの葉っぱの裏は、小さな虫たちにとって、よっぽど居心地がいいみたいですね。
異業種協同組合みたい・・・・
投稿: わんちゃん | 2007年12月29日 (土) 21時16分
なぜヤツデがいいんでしょうね。クロスジホソサジヨコバイだって別にヤツデでなけりゃならないことは無い、他の木の葉の裏にだっています。でもヤツデの葉の裏の方がいる確率が高いんですね。
葉が大きくてどっしりしているので、葉が混んでくるとその間の空気があまり動かないのでしょうか?
投稿: そよかぜ | 2007年12月29日 (土) 23時47分
そうかもね・・・・
よそのおウチのヤツデが車の中から見えました。
車を停めて葉っぱの裏を見たかったなァ
投稿: わんちゃん | 2007年12月30日 (日) 21時02分
こんばんは♪
うーーん
頭がぽろんと取れてるのかと思いました
儚い色の首で繋がっていてほっ~
昆虫って図鑑に載せられないくらい種類が
豊富なんですね
日本で100種世界で900種…
原色昆虫大図鑑ヒエーとかオゲーとか
驚きの世界でしょうか
投稿: エフ | 2007年12月30日 (日) 22時12分
エフさん、大きさも翅が4枚のところもチャタテムシによく似ている昆虫に、キジラミというのがいます。口が全く違うのですが、口を見ることはなかなかできません。
このチャタテムシとキジラミの簡単に区別できる点が首の細さです。首の細いことは大事にしなけりゃなりません。
原色昆虫大図鑑は日本で最も大きい昆虫図鑑ですが、現在改訂版が発行中です。
投稿: そよかぜ | 2007年12月31日 (月) 09時42分
上2枚はケチャタテ科 Caeciliusidae ですが,このグループはどうも苦手で… Valenzuela gonostigma に近いような…下はホソチャタテ科 Stenopsocidae の ヨツモンホソチャタテ Graphopsocus cruciatus です.
投稿: psocodea | 2011年1月 4日 (火) 08時45分
どうもありがとうございました。
投稿: そよかぜ | 2011年1月 4日 (火) 15時45分