センリョウ
センリョウの実が美しい季節です。
ところで、このセンリョウの実をよく見るとおもしろいことに気づきます。
実の頂にはメシベの柱頭の跡が黒くなっていますが、それとは別に、実の横の少し頂寄りに、必ずもう1つ、黒い点があります。 場合によっては、黒い点のかわりに、小さな栓がついているように見える場合もあります(下の写真)。 これらの黒い点や“栓”はいったい何でしょうか?
この謎は、6~7月頃に咲くセンリョウの花を見れば解けます。
センリョウの花は、メシベ1本とオシベ1本のみからなる小さな花です。 花弁もガクもありません。 しかも、オシベはメシベの横にくっつくように生えています。
下の写真、黄緑色の球形のものがメシベで、頂の少し膨れている部分が柱頭です。 そしてそのメシベにくっついている黄色い部分がオシベで、左右に葯があり、花粉を出しています。
2枚目の写真の、実の横にある黒い点はオシベのついていた跡、栓のようなものは、枯れても落ちずに残っているオシベだったのです。
このメシベの横にオシベがくっつく特徴は、同じセンリョウ科のヒトリシズカなどでも見ることができます。
センリョウはこの他、茎に導管が無く、仮導管で水を吸い上げるという古い形質を持っていたりする変わった植物です。
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コメント
こんにちわ~
センリョウといったら、お正月の生け花しか思い当たりません。
お正月前になるとお値段が急上昇して一枝なんぼの世界で、枝の数でお値段がでてます。
マンリョウの方がお目出度いカンジなのにセンリョウの方が人気があるのは、セン・・・の方が上品ですね。
黄色い実もありますが、赤い方がいいですね。
お正月前になると「ウチの庭にもセンリョウ植えるべきや」と必ず思い、お正月が過ぎると忘れてしまいます。
花は意外と地味なお花なんですね。
投稿: わんちゃん | 2007年12月10日 (月) 13時16分
マンリョウはほとんど枝分かれせず、上へ上へと伸びる木で、伸び方もゆっくりですから、いちど切って切花にすると、もうその木はダメになってしまいます。
ですからマンリョウを楽しむのは鉢植えなどの根のついた状態に限られます。
さすがに万両となると切花にできないくらい高価なんですね。
投稿: そよかぜ | 2007年12月10日 (月) 23時26分
マンリョウはそういうワケがあったんですか
なるほど、値打ちモンなんですね~~
お花の名前って・・・・・
投稿: わんちゃん | 2007年12月11日 (火) 08時53分
こんばんは♪
センリョウ庭にあるのに栓がしてあるなんて
気づかなかった
ぬかった~~
花も見たことなかったし・・
明日観察しよう
わんちゃんさん
センリョウもマンリョウもこぼれ種で
芽が出るので赤い実を貰って植えとくと
いつの間にか芽が出てくるはずです
投稿: エフ | 2007年12月11日 (火) 22時37分
センサク開始ですね。
投稿: そよかぜ | 2007年12月12日 (水) 00時34分
そよかぜさん、こんばんは
7日にセンリョウをアップしようと思っていたところに、果実の不思議を教えてていただきました。私の写真にも黒いホクロが写っていました。栓が残っているのを見たかったなぁ。花の咲く時期も楽しみに待つことにします。ありがとうごいました。
投稿: panda | 2011年1月 4日 (火) 01時57分
上の“栓つき”センリョウの撮影日を調べると、12月3日でした。
花が6月下旬ですから、その間の変化を見るとおもしろいかもしれませんね。
投稿: そよかぜ | 2011年1月 4日 (火) 15時40分