サザンカとツバキ②
サザンカとツバキの違いについて、12月8日のブログで、この2種を区別する決め手は、花のメシベの子房の毛の有無だと書きました。
サザンカの花は今が盛りですが、白いツバキの花も咲き始めていましたので、この2種の子房の様子を改めて写真で紹介します。
まず、サザンカです。 下の写真、子房の部分は白い毛でびっしり覆われています。
下は白いツバキです。 オシベの根元はくっついていますし、写真では分かりませんが、落花する時は花弁もくっつきあったまま落ちるなど、ツバキの形質を示しています。 でも、ヤブツバキなど野生のツバキの花の色は赤ですから、白い色のツバキにはサザンカの性質も入っているのでしょう。
上の写真のメシベの子房を写したのが下の写真です。 サザンカの性質が入っていても、子房の基部の周囲や柱頭には少し毛がありますが、子房には毛がありません。
最初の写真と3枚目の写真を比べてみると、サザンカはオシベや花弁だけでなく、メシベの柱頭も分かれる傾向が強く、それに対してツバキの柱頭が分かれるのは先端の部分だけですし、ガクも互いにくっつきあって、残存する期間が長いようです。
【 サザンカとツバキの語源について】
サザンカもツバキもチャ(茶の木)と同じ属です。 サザンカは漢字で書くと山茶花、茶畑で育てる茶の木ではなく、山に生えている花の目立つ茶の木です。
ところで、山茶花をなぜ「サザンカ」と読むのか、これは「サンザカ」の「ン」と「ザ」の位置が入れ替わったものと考えられます。 このような事象は「スプーナリズム」「音位転換」などと呼ばれていて、「新しい」(あらたしい→あたらしい)、「秋葉原」(あきばはら→あきはばら)など、いろんなところで見られます。
ツバキの場合は複雑で、さまざまな説があります。 ツバキに椿の漢字を当てたのは奈良朝末期になってからのことです。 元来は朝鮮語の冬柏(トンベイ)が転訛したものとも、「艶葉木(つやはき)」からとも、「光沢木(つやき)」からとも、光沢のあるさまをあらわす古語の「つば」からとも言われています。
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コメント
取り急ぎご連絡を・・・
<下の写真、脂肪の部分は白い毛でびっしり覆われています>
脂肪→ 子房??
投稿: わんちゃん | 2007年12月17日 (月) 09時44分
こんばんわ~
もうどれほどの月日、そよかぜさんのところにおじゃまさせていただいたでしょうか?
「ええかげん、理解しろよ」と言われそう
読めば読むほど、私のアタマの中はパニック状態。
なんなんでしょう、このどんくささ・・・
ご近所さんのサザンカとツバキをいただいて見るしかありません・・・・
投稿: わんちゃん | 2007年12月17日 (月) 21時06分
取り急ぎの連絡、ありがとさんです。
さっそく訂正しました。
そうです。いちばん信用すべきは自分の目。
でも、分かりにくいところはどんどん言ってくださいね。そこから新しいテーマに発展することも、今までもあったんですから。
投稿: そよかぜ | 2007年12月17日 (月) 23時21分