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2007年12月31日 (月)

今年の写真から

 今年1年、お付き合いいただきまして、ありがとうございました。 来年もよろしくお願いいたします。
 年末に際し、1年間のまとめのつもりで総目次的なものを作ろうとも思いましたが時間が無く、この1年間で秀作品賞をいただいた写真を、プロカメラマンからいただいた講評とあわせて紹介し、まとめに代えたいと思います。
 このブログで紹介している写真は、動物や植物などの様子を伝えるために撮っているのですが、どうせ撮るのならいい写真を撮りたいと思っています。 そこで8月から、単独の写真としてもおもしろいかな、と思った写真が撮れた時には投稿しはじめたものです。
 1点目は8月21日にこのブログに載せたタイワンウチワヤンマの写真です。 2点目は10月25日に載せたキバナコスモスに関連した写真です。

① FUJIFILM e-Photo 旬の写真館 8月優秀作品
タイワンウチワヤンマ

Taiwanuchiwayanma_s

  (大きな写真は8月21日の記事からお願いします)
【講評】
 とんぼが葉にとまっているところを捉えたシンプルな写真。写っているのは、空色の水面と弧を描いている草の葉先だけですが、これが構図的に面白い空間とバランスを生み出しています。
 ちょっとした空間のとり方や構図の変化で面白みのあるひと味違った空間を作れるのも写真ならでは、と思わせてくれる写真です。
※ 「e-Photo 旬の写真館」は9月に終了し、「Fotonoma 旬の写真館」に引き継がれています。

Fotonoma 旬の写真館 優秀作品 <2007年10月>
光を浴びて

Kibanakosmos071020

  (写真をクリックすると拡大できます)
【写真データ】
 カメラモデル:DMC-FZ30、ISO感度:100、シャッタースピード:1/400(秒)、
 露出補正値:-0.7、絞り値:F6.3、焦点距離:7.4(mm)、サイズ:3264*2448
【講評】
 キバナコスモスが雲一つない秋空に向かい、秋風を受けながら心地よさそうに揺らいでいるかのような伸びやかなイメージの写真ですね。降り注ぐ日の光、周りの花も程良く入って構図的なバランスも良くできています。オレンジ色の明るさ一杯のキバナコスモスならではイメージだと思います。

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2007年12月30日 (日)

メタセコイアの1枚の葉

 12月1日の記事で取り上げたメタセコイアはすっかり葉を落としてしまいました。 その落ち葉がふんわり積もっているのもなかなか美しいものです。

Metasequoia071215_1

 ところで、上と下は同じ日にほとんど同じ場所で撮った写真ですが、風の吹き方などの影響でしょうが、上の写真は鳥の羽のような状態のものがたくさん写っていて、下はその鳥の羽のようなものがさらにバラバラになった状態のものがたくさん写っています。

Metasequoia071215_2

 さて、問題です。 メタセコイアの葉は、1枚目の写真のような鳥の羽状のものが1枚の葉なのでしょうか? それとも、鳥の羽状のものを構成しているそれぞれ(2枚目の写真のもの)が1枚の葉なのでしょうか?

◎ 正解発表と解説は、1月7日の記事で行っています。

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2007年12月29日 (土)

チャタテムシ

 キイロテントウクロスジホソサジヨコバイ(マエムキダマシ)に続いての「ヤツデの葉の裏シリーズ」その3、本日はチャタテムシです。 じつはヤツデの葉で、一番よく目に付いたのが、チャタテムシの仲間でした。
 「チャタテムシ」は、体長数mmの小さな昆虫で、咀顎目 (Psocodea) のうち、寄生性のシラミ、ハジラミを除いたものの総称です。 かつて分類されていた噛虫目(=チャタテムシ目:Psocoptera)という名称も便宜的に使われますが、正式な分類群ではありません。 チャタテムシの仲間は、世界では約900種類、日本でも約100種類が知られています。 写真のチャタテムシも、北隆館の原色昆虫大図鑑(チャタテムシの仲間は20種類載っていました)を調べましたが、種名は分かりませんでした。 青色の部分は、2011.1.4.に、北大の吉澤先生にお教えいただき、追記した部分です。
(下の写真は3枚ともクリックすると拡大できます)

Chatatemushi071224_2

Chatatemushi071224_3    Valenzuela gonostigma ?  ケチャタテ科 Caeciliusidae

Chatatemushi071224_1    ヨツモンホソチャタテ Graphopsocus cruciatus  ホソチャタテ科 Stenopsocidae

 チャタテムシには、写真のような有翅のものと、もっと小さい無翅のものがいて、前者の多くは野外に、後者は屋内にいます。 前者はカビなどを食べていますが、後者は書物、乾燥食品、皮革製品や標本などを食害します。 いずれにしても、毒は持っていませんし、吸血や刺咬もしませんので、人体への直接の影響はありません。 翅を持っていても飛んで逃げることも無く、歩き回るだけでしたので、撮影は比較的楽でした (^-^)v
 チャタテムシ(茶立虫)という名称は、スカシチャタテの出す音が茶筌(ちゃせん)で茶をたてる時の音に似ているところからつけられたものですが、多くの種類は音を出しません。

※ イダテンチャタテについてはこちらでどうぞ。

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2007年12月28日 (金)

クロスジホソサジヨコバイ②

 昨日に続いて、クロスジホソサジヨコバイ(マエムキダマシ)の幼虫も紹介しておきます。 こちらの方は黄緑一色ですが、よく見れば、なかなか愛嬌のある顔をしています。
 やはりヤツデの葉の裏にいました(写真は葉の表に回ってきたものを写しました)。

Kurosujihososaji071201_1

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アンケート その1

 今年('07年)の正月休みにブログについて調べ、1月20日からスタートしたこのブログですが、現在は毎日約40人の方が訪問してくださり、いろんなページを開いていただくので、カウンターは毎日ほぼ100増える状態になっています。
 ただ、コメントをいただける方は限られていて、どんな方にどのように見ていただいているのか、全く分かりません。 そこで、何回かアンケート調査をして、これからのこのブログ作りに活かしたいと思います。 1回目は訪問していただいている頻度についてです。
 12月28日から1月7日までの期間にこの記事をご覧になった方は、ぜひご協力(クリック)をお願いします。 ただし、クリックは期間を通してお1人1回限りでお願いします。
※ 携帯画面からは見えない(と思います)ので、ご了承ください。

◎ 投票は1月7日で締め切りました。 結果は下のようになりました。 投票いただいた皆様方、ありがとうございました。

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2007年12月27日 (木)

クロスジホソサジヨコバイ

Kurosujihososaji071224_2

 昨日に続いて、ヤツデの葉の裏にいた昆虫を紹介します。 クロスジホソサジヨコバイです。 というよりも、写真家の糸崎公朗氏によってつけられた仇名の「マエムキダマシ」の方が有名になってしまいました。
 上の写真、ヤツデの葉柄にいるのですが、ぱっと見たところで頭が下のように見えませんか? 上の写真では足を広げていますし、フラッシュを光らせたので偽瞳孔がはっきりしてしまいましたが、足を縮めている状態でフラッシュを光らさなかったら、もっとだまされ易くなるでしょう。
 じつはそんな写真を狙ったのですが、これがなかなかの曲者、さすがヨコバイの仲間、葉をひっくり返された刺激のためでしょうか、前に後ろに右に左にの移動はいいとして、じっとしているかと思うと、急にジャンプします。 ジャンプされると、体長3mm程度の虫、もうどこに行ったか分かりません。 場合によっては翅を広げて、かなり遠くまで飛んで行ってしまいます。
 下の写真は、模様である偽の眼の方にピントを合わせてみましたが、やはり脚が邪魔をしています。

Kurosujihososaji071224_1

 クロスジホソサジヨコバイは、このように模様の面白さと美しさで、昆虫の写真を撮る人たちの人気者になっています。 リンクさせていただいているタロさんも撮っておられますが、真上からですので偽瞳孔も写らず、こちらの方が騙されやすいでしょうか?
 クロスジホソサジヨコバイの体色には2つの型があり、上の写真の黒い線の横に赤い色が加わるタイプもあります(下の写真)。 下は残念ながら翅が少し開いて前後の「だまし」にはなりにくいですが、下の透明な翅も少し見えます。

Kurosujihososaji071224_3

 このタイプも、リンクさせていただいている方の写真を紹介しておきます。 こちらは日日面白日記からです。

(追記)
 このタイプも比較的きれいに撮れました。 こちらでどうぞ。

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2007年12月26日 (水)

キイロテントウの集団越冬

Kiirotentou071223_1

 ヤツデの葉の裏で、キイロテントウが身を寄せ合って越冬体制に入っていました。
 キイロテントウは、体長4~5mmの小型のテントウムシで、成虫も幼虫も、植物に付くウドンコ病菌などの菌類を食べています。 全国に分布し、1年中見ることができますが、他のブログやHPを見ると、春から夏に順次産卵しているようです。
 12月5日のクロウリハムシの集団越冬のところでも書きましたが、集団越冬の意義についても、私には理解できないことだらけ。 また、どのようにして仲間同士集まることができるのでしょうか? フェロモンでも使っているのでしょうか?
 ハンマーさんのブログには、お正月に1頭でいるキイロテントウが載っていますので、単独で越冬する個体もあるのかもしれません。

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2007年12月25日 (火)

ヒイラギモチ

(クリスマス特集 その2 です)
 クリスマス・リースには、救いのためにキリストが流した血を意味するヒイラギの赤い実を添えます。 が、日本のヒイラギの実は黒く、初夏にできます。
 では、この“ヒイラギの赤い実”とは何でしょう。
 じつはこの“ヒイラギ”は、Holly [ha'li] という植物で、日本名ではセイヨウヒイラギと呼ばれています。
※ 賛美歌109番「 Silent Night 」で
    Silent night, holy night  All is calm, all is bright ・・・
 と歌われているのは holy [ho'uli] で、「神聖な」と言う意味。 エルが1つか2つかでエラい違いです。 私も最初は間違っていました (^_^;)
 日本在来のヒイラギとセイヨウヒイラギやアメリカヒイラギは全く別の植物で、前者はモクセイ科に、後者はモチノキ科に分類されます。
 セイヨウヒイラギやアメリカヒイラギに近縁のもので、ヒイラギモチ(=シナヒイラギ)と言う植物があり(下の写真)、こちらは最近よく販売されるようになってきました。

Hiiragimochi071202_1

※ もう少し詳しい記事はこちらでどうぞ

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2007年12月24日 (月)

ドイツトウヒ

Merry Christmas!

 クリスマスと言えばクリスマス・ツリー。 クリスマス・ツリーには、強い生命力の象徴として、冬の間も緑を保つ常緑樹が使われます。
 日本でまっすぐ伸びる常緑樹といえば、大きな庭の庭木などにも使われるモミの木です。 ヨーロッパにもヨーロッパモミ( Abies firma )があり、クリスマス・ツリーとしても使われます。

 「樅の木」(原曲は Traditional German Carol である「 O Tannenbaum 」)

   樅(もみ)の木 樅の木 生(お)いや茂れる
   木蔭(こかげ)をさまよい 語りし思い出
   樅の木 樅の木 いなまお恋し

   乙女よ 乙女よ 汝(なれ)はいずこよ
   木蔭をさまよい 誓いし幸(さち)の日
   乙女よ 乙女よ いずこに行(ゆ)きし

 ところが、日本でクリスマス・ツリー用に販売されている木は、そのほとんどがドイツトウヒです。 モミよりも葉が混んでいるので、小型のクリスマス・ツリーには良いでしょうし、栽培も容易なのかもしれません。 ヨーロッパでも、ドイツトウヒもクリスマス・ツリーに使われるそうです。
 日本のトウヒの仲間はもう少し寒いところに育ち、近畿の平野部などでは自生は見られませんが、ドイツトウヒは公園などにも植えられ、よく育っています。
 モミの仲間とトウヒの仲間とは、同じマツ科ですが、全く違う木で、モミの仲間の球果は上向きですが、トウヒの仲間の球果は下向きです。

Doitutouhi071125_1

   ドイツトウヒ H19.11.25. 河内長野市寺ヶ池公園にて

 もう少し詳しいモミやトウヒの見分け方などは、こちらをご覧ください。

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2007年12月23日 (日)

コサギ・ダイサギ

 白鷺(シラサギ)と呼ばれているのは、コサギ、チュウサギ、ダイサギ(亜種として、夏鳥のチュウダイサギと冬鳥のオオダイサギに分けることができます)の総称です。
 みんな白いうえに、冬羽と夏羽で少しずつ違うので、見分けるのはたいへんです。 名前のとおり、大きさが違い、ダイサギは嘴、首、体長、脚、みんな長いのですが、側に物差しを持っていくわけにはいきませんから、見た目の感覚を養うのが一番でしょうね。

Kosagi071202_1

 上がコサギ(首をすくめています)、下がダイサギ、もちろんどちらも冬羽です。

Daisagi051030_2

 嘴は黄色か黒(下の表)、目先は黄色ですが、チュウサギとダイサギでは夏羽の時に緑がかることがあります。
 脚は黒ですが、コサギの指は黄色、ダイサギの夏羽では基部が黄色がかります。

冬羽の嘴 夏羽の嘴 そ の 他
コサギ 夏羽では頭に2本の長い冠羽
チュウサギ 黄色 口角の切れ込みは眼の真下まで
ダイサギ 黄色 口角の切れ込みは眼の後ろまで

 

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2007年12月22日 (土)

チャエダシャク

 冬に活動するガといえば、フユシャクの仲間がよく知られていますが、それだけではありません。 今日登場願うのは、フユシャクと同じシャクガ科のチャエダシャクです。
 チャエダシャクは11月に成虫なり、12月にもよく見られるガです。 下の写真のガは、壁に張り付いていたものを、顔も写せるように草むらに移動していただいて写したもので、オスです。 メスの触角は糸状ですが、オスの触角はよく発達していて見事です。
 (1枚目と3枚目の写真は、クリックすると拡大できます)

Chaedashaku071209_2

Chaedashaku071209_4

Chaedashaku071209_3    夕日を浴びて

 チャエダシャクの「チャ」は、茶色の意味ではなく、幼虫がチャの葉を食べるからだそうで、過去にあちこちの茶園で大発生し、被害をもたらしたこともあるようです。 ただし、幼虫はチャ以外にも、クルミ科、バラ科、ブナ科など、いろんな植物の葉を食べるようです。
 幼虫は年1回、4~5月に見られます。 下がその幼虫(H19.5.3. 槇塚公園にて撮影)。 「エダシャク」の名前は、幼虫が枝に擬態するシャクトリムシであることからですが、写真のチャエダシャクの幼虫は、黒っぽく、なかなかかわいいのですが、けっこう目立っていました。

Chaedashaku070503

 幼虫の時期と成虫が見られる時期はかなり離れているのですが、幼虫は柔かい葉のある時期にしっかり食べて成長し、5月には土に潜り、土の中でサナギになり、暑い夏を乗り切ります。

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2007年12月21日 (金)

黄葉のイヌビワ、ホソバイヌビワ

 イヌビワは日本に自生しているイチジクの仲間です。 イチジクの“実”は「花嚢(かのう)」と呼ばれていて、この花嚢の中で花が咲き、実ができます。
 落葉しかけたイヌビワに花嚢がついていました(下の写真:12月9日に槇塚台で撮影)。 この株は雄株でしょう。

Inubiwa071209_1

 イヌビワで雌株・雄株といった場合、一般の植物で言われる雌株・雄株とはかなり意味合いが違ってきます。 通常は雄株といえば雄花をつける株ですが、イヌビワの雄株の花嚢の中には雄花も雌花も咲きます。 イヌビワの「雄株」とは、「種子を作らない株」といった意味で、なぜ種子ができないかというと、この花嚢の中の花の子房は、イヌビワコバチというハチが育つ場所になってしまうからです。
 では、イヌビワはイヌビワコバチの被害にあっているのかというと、そうでもなくて、イヌビワは、花粉を運んでもらうためにイヌビワコバチに冬の住まいと餌とを提供している、つまりイヌビワコバチを“飼っている”とも言えます。 夏に花粉を運んでイヌビワの雌株の花嚢の中に入ったイヌビワコバチは、そこでは生きられず、イヌビワの雌株の花嚢にはたくさんの種子が作られます。
 このあたりのイヌビワとイヌビワコバチの関係は複雑でおもしろく、このブログでもこれから何度か取り上げたいと思いますが、興味のある方は、とりあえずはこちらから始まる3回シリーズ(夏の様子が中心です)を見てください。

 

 イヌビワは写真のように黄葉します。 赤くはなれません。 下の写真は、まだ緑が少し残っていて、おもしろい模様を作っています(12月15日に大蓮公園で撮影)。

Inubiwa071215_1

 

 ホソバイヌビワはイヌビワの品種で、名前のとおり葉の幅が細くなっています(下の写真)。 こちらもきれいに黄葉していました(12月9日にフォレストガーデンで撮影)。

Hosobainubiwa071209

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2007年12月20日 (木)

モチツツジの花と紅葉

Mochitutuji071209_1

 モチツツジの花は多くは4月から6月にかけて、長期間ダラダラと咲きますが、それ以外の時期でもわずかながら、花を見ることができます。 写真の株では、12月だというのに、花をつけていました。
 花とともに、紅葉も進行していました。 紅葉は全ての葉で起こるわけではありませんが、日当たりのいい葉の方が美しく紅葉する傾向があります。
 モチツツジは落葉しますが、芽の付近の葉は落葉せずに残ります。 このような性質を「半落葉」といいますが、花といい、葉といい、中途半端な木です。

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2007年12月19日 (水)

プラタナスグンバイ②

 

12月15日に紹介したプラタナスグンバイの腹側から見た写真を紹介します。
 上から見れば軍配、横から見れば戦闘機かドラゴンボールのフリーザ第3形態(分からない人が多いかな?)、そして裏から見れば・・・
 裏から見れば、普通の昆虫です。 表から見れば白、裏から見れば黒という対比のおもしろさはあるのですが・・・

P_gunbai071215_3

 上から眺めた時の形態のユニークさは、体全体の形態がユニークだというわけではありませんでした。
 背面から見た形態のユニークさの原因は、胸部背面から後ろに延びる前翅が大きいことと、この前翅とは別に、胸部背面から左右に膜状のものが大きく張り出していること、頭部も膜状の構造物に覆われていることです。
 この背面を覆う膜状の構造物を除けば、体はいたって普通の昆虫の形態を示しています。 植物の汁を吸う口はセミに似て、セミなどと同じ仲間(半翅目)であることも納得できます。
 ところでこの胸部背面から左右に広がる膜状構造物や頭部を覆う膜状構造物は、いったいどんな役割をしているのでしょうか? 単なる飾りなのでしょうか。

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2007年12月18日 (火)

クサカゲロウ

 カナメモチの芽にピッタリくっついているクサカゲロウの成虫がいました。 冬眠中だと思い、カメラの準備をしていると、ゴソゴソと動き出しました(下の写真:クリックで拡大できます)。

Kusakagerou071215_1

 クサカゲロウに関しては、このブログでも何度か紹介しています。 優曇華の花と呼ばれている卵は11月3日の「タラノキ」の中で、幼虫の様子は7月18日8月8日に書きました。 成虫の写真も7月18日に載せていますが、葉の裏の影の部分できれいに写っていなかったので、改めて取り上げました。
 クサカゲロウの種類は多く、世界では1300種ほど、日本でも40種ほどが知られています。 この時期は、ヤマトクサカゲロウは褐色型になってるはずですので、写真はスズキクサカゲロウだとは思いますが・・・。 このブログで「クサカゲロウ」として取り上げたものにはいろんな種類が混ざっている可能性大です。
 クサカゲロウの名は、その草色の体色からか、数種の成虫がくさい匂いを出すので「臭カゲロウ」かもしれません。

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2007年12月17日 (月)

サザンカとツバキ②

 サザンカとツバキの違いについて、12月8日のブログで、この2種を区別する決め手は、花のメシベの子房の毛の有無だと書きました。
 サザンカの花は今が盛りですが、白いツバキの花も咲き始めていましたので、この2種の子房の様子を改めて写真で紹介します。
 まず、サザンカです。 下の写真、子房の部分は白い毛でびっしり覆われています。

Sazanka071216_1

 下は白いツバキです。 オシベの根元はくっついていますし、写真では分かりませんが、落花する時は花弁もくっつきあったまま落ちるなど、ツバキの形質を示しています。 でも、ヤブツバキなど野生のツバキの花の色は赤ですから、白い色のツバキにはサザンカの性質も入っているのでしょう。

Tsubaki071216_2

 上の写真のメシベの子房を写したのが下の写真です。 サザンカの性質が入っていても、子房の基部の周囲や柱頭には少し毛がありますが、子房には毛がありません。

Tsubaki071216_1

 最初の写真と3枚目の写真を比べてみると、サザンカはオシベや花弁だけでなく、メシベの柱頭も分かれる傾向が強く、それに対してツバキの柱頭が分かれるのは先端の部分だけですし、ガクも互いにくっつきあって、残存する期間が長いようです。

【 サザンカとツバキの語源について】
 サザンカもツバキもチャ(茶の木)と同じ属です。 サザンカは漢字で書くと山茶花、茶畑で育てる茶の木ではなく、山に生えている花の目立つ茶の木です。
 ところで、山茶花をなぜ「サザンカ」と読むのか、これは「サンザカ」の「ン」と「ザ」の位置が入れ替わったものと考えられます。 このような事象は「スプーナリズム」「音位転換」などと呼ばれていて、「新しい」(あらたしい→あたらしい)、「秋葉原」(あきばはら→あきはばら)など、いろんなところで見られます。
 ツバキの場合は複雑で、さまざまな説があります。 ツバキに椿の漢字を当てたのは奈良朝末期になってからのことです。 元来は朝鮮語の冬柏(トンベイ)が転訛したものとも、「艶葉木(つやはき)」からとも、「光沢木(つやき)」からとも、光沢のあるさまをあらわす古語の「つば」からとも言われています。


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2007年12月16日 (日)

ボダイジュ

 堺市南区鉢ヶ峯寺に法道寺という真言宗のお寺があります。 12月1日に平成大修理落慶法要並晋山式が行われた寺も、今日は人影もほとんどありません。 そんな境内で、まだ実をたくさんつけたままの黄葉したボダイジュが傾きかけた陽を浴びていました。

Bodaiju071216_2

 実にはヘラ状の苞がついています。 この苞は実が落ちるときもそのままくっついていて、種子散布を助けるのでしょうが、今木に残っている実はいつ落ちるのでしょうか?

Bodaiju071216_1

 お釈迦様はボダイジュの下で座禅を組み、悟りを開いたとされています。 そんなわけで、お寺の庭にはよくボダイジュが植えられています。 でもじつは、お釈迦様が悟りを開いたとされるのは、クワ科のインドボダイジュの下で、写真のボダイジュはシナノキ科。 葉がよく似ているので(そんなに似ているとも思えませんが・・・)間違われたのでしょう。 冬に落葉するボダイジュは中国原産の温帯の木です。

※ 菩提樹の花(5月末に咲きます)の写真、インドボダイジュの写真、シューベルトの歌曲集「冬の旅」で“泉に沿いて繁る菩提樹”と歌われているセイヨウシナノキの話などはこちらで紹介しています。
Bodaiju_juzu

 

(以下、12月20日追記)

 奈良の西大寺に樹齢700年の菩提樹の木があり、その実は数珠にして売られていることを、この記事のコメントでわんちゃんが書いてくれています。
 わんちゃんからその数珠の写真をいただきましたので、右に載せておきます。

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2007年12月15日 (土)

プラタナスグンバイ

 プラタナスは樹皮が大きくはがれ、そのはがれた跡が特徴のある模様になり、冬でも一目で分かります。
 その樹皮をめくってみると・・・ いました、冬眠中のプラタナスグンバイです。
 プラタナスは団地の前に植えられていて、人通りの多いところ。 写真を撮っていると不審な眼で見られるので、ピンボケの写真を2枚撮ったところであきらめて、持ち帰りました。 下の写真は2枚とも、自宅で撮影したものです(今回の写真も、写真をクリックすると拡大できます)。

P_gunbai071215_1

 プラタナスグンバイは2001年にアメリカから侵入したようです。 体長は3.5mm前後です。

P_gunbai071215_2

 2007年の6月21日9月13日のこのブログにアワダチソウグンバイを載せましたが、その後、腹側から見たらどうなっているのか、ずっと気になっていました。 そこで今回はちゃんと裏からも写真を撮ったのですが、ここで皆さんに紹介することは、ためらっています。 夢を壊すようで・・・

(追記)
 いただいたコメントのこともあり、結局腹側の様子も載せることにしました。 こちらです。

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2007年12月14日 (金)

皇帝ダリア

Kouteidaria071209

 今年はこの皇帝ダリアが植えられているのを、あちこちでよく見かけます。
 学名は Dahlia imperialis で、皇帝ダリア、木立ダリア、帝王ダリア、ツリーダリアなど、いろんな名前で呼ばれています。
 原産地はメキシコ、春から夏にかけての成長はかなり緩やかですが、秋になると成長が加速し、草丈は4mにも達します。 花は11月中旬から12月中旬にかけて咲きますが、霜が降りると地上部分は枯れてしまいます。

Kouteidaria071125

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2007年12月13日 (木)

センダン

Sendan12

 葉を落としたセンダンの実がよく目立ちます。 たくさんのムクドリが来て実を食べていたのですが、カメラを向けるや否や、見事に逃げられました。
 ちなみに、「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」の諺の栴檀は、このセンダンではなく、ビャクダン(白檀)のことです。
 センダンの花も紹介しておきます(下の写真)。 花は5月の終わりから6月の初め頃が見ごろです。

Sendan060603

 遠めにはセンダンと似ているのがナンキンハゼ。 両者を比較すると、センダンは大きな複葉の葉軸が残っていますし、ナンキンハゼの白いのは種子であるのに対し、センダンの白いのは果実で、似ているのは「白い」という点だけなのですが、混同している人もいるようです。
 下の写真は曇り空だったので、白い種子がはっきり写っていませんが、こちらはスズメの群れの食卓になっていました。

Suzume071209_1

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2007年12月12日 (水)

ネジキ

Nejiki071209_1

 上はネジキの黄葉です。 そして下は同じくネジキの紅葉。 同じ日('07年12月9日)に写しました。 環境条件等でこれだけ違った色になるのですね。
 ネジキはツツジ科の植物で、名前は幹がねじれているように見えるから。 上の写真では、果実が種子を飛ばした後の果実(蒴果:さくか)が写っています。

Nejiki071209_2

 花は6月のはじめ頃。 12月6日に書いた同じツツジ科のドウダンツツジの花を縦に伸ばしたような花です。 左の花は横に穴をあけられ、蜜を盗まれていますが、ちょうど花の中を見るには好都合です。

Nejiki060603

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2007年12月11日 (火)

クヌギハケツボタマフシ

Kunugihaketsubotamafushi071124

 写真の毛の生えた丸いものがクヌギハケツボタマフシという、クヌギの葉の上にできた直径数mmの虫えい(=虫こぶ)です。 この虫えいは、クヌギハケツボタマバチによって作られ、中にいる幼虫の住み家と餌を提供する場所になっています。
 さて、その横にいる小さなハチです。 カメラを近づけたりしているうちに少し離れましたが、最初は虫えいの上にいました。
 このハチは何者でしょうか? タマバチのようには見えません。 写真のハチは、クヌギハケツボタマバチの幼虫に寄生しようと卵を産みに来たハチではないでしょうか。

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2007年12月10日 (月)

センリョウ

Senryou_1

 センリョウの実が美しい季節です。
 ところで、このセンリョウの実をよく見るとおもしろいことに気づきます。
 実の頂にはメシベの柱頭の跡が黒くなっていますが、それとは別に、実の横の少し頂寄りに、必ずもう1つ、黒い点があります。 場合によっては、黒い点のかわりに、小さな栓がついているように見える場合もあります(下の写真)。 これらの黒い点や“栓”はいったい何でしょうか?

Senryou_2

 この謎は、6~7月頃に咲くセンリョウの花を見れば解けます。
 センリョウの花は、メシベ1本とオシベ1本のみからなる小さな花です。 花弁もガクもありません。 しかも、オシベはメシベの横にくっつくように生えています。
 下の写真、黄緑色の球形のものがメシベで、頂の少し膨れている部分が柱頭です。 そしてそのメシベにくっついている黄色い部分がオシベで、左右に葯があり、花粉を出しています。
 2枚目の写真の、実の横にある黒い点はオシベのついていた跡、栓のようなものは、枯れても落ちずに残っているオシベだったのです。

Senryou070630_1

 このメシベの横にオシベがくっつく特徴は、同じセンリョウ科のヒトリシズカなどでも見ることができます。

 センリョウはこの他、茎に導管が無く、仮導管で水を吸い上げるという古い形質を持っていたりする変わった植物です。

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2007年12月 9日 (日)

ユリカモメ

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 「ゆりかもめ」といえば、東京臨海新交通臨海線が有名になりましたが、冬鳥として全国の海岸、河川、池などに飛来するユリカモメが近くの池にも来ていました。 こうして整列していると、まさしく「かもめの水兵さん」ですね。
   作詞:武内 俊子、作曲:河村 光陽
   ピアノデュオ
ラインムジークさんのHPからいただきました。

 足とくちばしは赤く、冬羽は頭部が白く、目の後ろに黒い斑点があるのが特徴ですが、春になると、頭が黒っぽい夏羽になって、全く違った印象の鳥になります。
 日本に来るユリカモメの繁殖地はユーラシア大陸北部で、京都の鴨川で足環をつけて個体識別をして調査したところ、日本に来る時は、元気のいい個体が繁殖地から下見にやってきて、いちど仲間のところへ戻り、仲間を引き連れて再び日本に来るらしいと言う話を聞いたことがあります。
 日本とユーラシア大陸とを行ったり来たりするほどですから、飛ぶことに自信があるのでしょう。 毎日朝夕に移動し、夜、無防備になって寝る時は、昼間の餌を採る場所から離れ、海上や大きな湖の中央部に浮かんで寝るようです。 人に慣れることも、いざとなればすばやく逃げられる自信から来ているような気がします。

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    左向けー左! だれだ! お尻を向けているのは!
 千鳥の仲間でミヤコドリという鳥がいますが、古典文学に登場する「都鳥」は、書かれている鳥の特徴からすると、このミヤコドリではなく、ユリカモメであるとする説のほうが有力です。

  名にしおはばいざ言問はむ都鳥 我がおもふ人はありやなしやと (在原業平)

  舟競ふ堀江の川の水際に 来居つつ鳴くは都鳥かも (大伴家持)

※ 飛翔の様子はこちらに載せています。

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2007年12月 8日 (土)

サザンカとツバキ

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 サザンカは秋の終わりから冬にかけての花、今あちこちできれいに咲いています(上の写真)。
 ところで、このブログのコメントで、サザンカとツバキはどう違うのかと言う質問をいただきましたので、今日はこの2種の違いについて書いてみようと思います。 ツバキの花(下の写真)の時期は、「ツバキ」が春の季語になっているように、もう少し後の冬から春にかけてで、今は実際の花で比較することはできませんが・・・

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 サザンカの学名は Camellia sasanqua、一方、大阪付近に自生しているツバキであるヤブツバキの学名は Camellia japonica です。 つまり、サザンカとツバキは、同じCamellia属に分類されますが、別種です。
 ただし園芸的に両者の交雑種が作られています。 ということは、園芸的にはサザンカとツバキは連続していて分けられないのでしょうか?
 結論から先に言いますと、分けられます。 ただし、サザンカの性質を持ったツバキや、ツバキの性質を持ったサザンカはある、ということになります。
 野生に近いサザンカとツバキを比較すると、

葉の色 オシベ 花が散るときの花弁
サザンカ 暗い緑 バラバラ バラバラになって落ちる
ツバキ 明るい緑 互いにくっつく くっついたまま落花する

 

 などの違いがありますが、先に書いたように、園芸的にはサザンカとツバキの中間がありますし、最初の写真のように八重の花ではオシベを見ることはできません。

 サザンカとツバキを分ける決め手は、子房と、子房が成長した果実のちがいです。
 光合成を行う葉などは、環境に合わせて変化します。 例えば光の少ないところでは、薄い、表面積の大きな葉を作って、少しでも光をたくさん受けようとします。 しかし、生殖に関する部分は、そう簡単には変えられません。 簡単に変えてしまって別の生物になってしまったらたいへんです。 ですから、受精卵から胚になっていく子房や、その子房が変化した果実の様子は、サザンカとツバキを分ける決め手になります。
 具体的にどう違うのかと言いますと、サザンカの子房の表面は毛むくじゃらで、その子房が大きくなった果実の表面にも毛があります(下の写真)。 古くなったサザンカの果実で、毛が縮れて見づらくなった場合でも、少なくともサザンカの果実に光沢はありません。

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 それに対し、ツバキの子房の表面はツルツルです。 ですから、子房が大きくなった果実の表面もツルツルです(下の写真)。

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 今回は夏に写した果実の様子だけを載せました。 花の子房の様子は、ぜひ花弁を取り去ってご自身の目で確認してください。 明確な違いに驚かれると思いますよ。

(以下、12月17日に追記)
 ツバキの花も咲き始めていましたので、子房の様子をこちらで紹介しています。

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2007年12月 7日 (金)

ヒメノウゼンカズラ

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 まだヒメノウゼンカズラ(=テコマリア:Tecomaria capensis)が咲いていました。 情熱的な赤い花もどこか寒そう。 後のピンクはサザンカの花です。
 ヒメノウゼンカズラは、南アフリカ原産、半ツル性の常緑低木で、暖地では露地植えでも冬越し可能です。 花は夏の初めから秋の終わりまで見ることができます。
 こういう形の花を見ると、花粉媒介のしくみが気になります。 色といい、形といい、鳥媒花だと思うのですが、ネットで調べると、南アフリカのハチドリのことがいろいろ書かれています。 でも、ハチドリはアメリカ大陸にしか分布しないはずなのですが・・・

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2007年12月 6日 (木)

ドウダンツツジ

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 近くの公園で、ドウダンツツジが真っ赤に紅葉していました。
 ドウダンツツジは本州、四国、九州の岩山に自生しますが、自生地は少なく、むしろ庭や公園などに植えられている木を見る方が普通です。
 上の写真では、果実も写っています。 朔果(さくか:熟すと果皮が裂開する果実)で、中央左には裂開して種子を飛ばしてしまった果実が1つ写っています。
 ドウダンツツジは秋の紅葉とともに、春の花も楽しめます。 下は4月上旬に写した花の様子です。

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2007年12月 5日 (水)

クロウリハムシの集団越冬

 このブログでも何度か登場したクロウリハムシですが、クヌギの幹の窪みで集団越冬していました。 互いに顔を寄せ合い、“頭隠して尻隠さず”の状態の個体が多いようです。
 クロウリハムシは活発に活動している時期でも集団でいる傾向はありますが、集団で越冬する意義はどこにあるのでしょうか? 集団でいればよく目立ちますし、かえって危険な気がします。 変温動物の昆虫でも、少しは互いに暖めあうことができるのでしょうか。 また、集まっている場所も、わずかな窪みです。 他の場所とそんなに温度が違うとも思えないのですが・・・

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 虫たちは様々な状態で冬を越そうとしています。 虫たちの冬越しの様子を探すのも冬の散歩の楽しみの一つです。

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2007年12月 4日 (火)

カイツブリ

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 冬羽のカイツブリです。
 夏羽は大部分が黒褐色で、眼の下から首のつけねにかけてが赤褐色で、くちばしのつけねから目の前方にまで延びる白っぽい線もくっきりとしていて美しいのですが、冬羽は全体が薄茶色です。
 古くは鳰(にお)と呼ばれていて、身近な鳥として親しまれてきました。 数多く生息していた琵琶湖は「鳰の海」とも呼ばれていました。
 でも、写真に撮りにくい鳥です。 カイツブリは潜水して餌を取るため、カメラを向けてもすぐ潜られてしまい、次に現れる所は予想できません。
 おまけにこの日はカメラの準備をしていると、子供が近づいてきて、「おっちゃん、何してん?」
 鳥の写真を撮ってるのだと言うと、「あっ! あそこ!」「あっ! あっち!」と大きな声と動作で協力してくれるものですから、どんどん遠くに行ってしまいます。 結局お尻側からしか写す事ができませんでした。

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 でもそのかわり、その子供から「あっちの池にも鳥いるで。」との鳥情報を聞き出し、ホシハジロを撮ることができました(下の写真)。
 これも距離があるうえに逆光で、いい写真とはいえませんが、堺市南区のため池にもホシハジロがいたという記録を兼ねて紹介しておきます。

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2007年12月 3日 (月)

センペルセコイア

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 上の写真、右がラクウショウ、左がセコイア(=センペルセコイア:Sequoia sempervirens)です。 平成17年11月23日に堺市南区の荒山(こうぜん)公園で撮りました。
 センペルセコイアはアメリカ合衆国西海岸の海岸山脈に自生し、大高木になります。 樹高で世界1位から3位までが、カリフォルニア州レッドウッド国立公園のセンペルセコイアです。 日本では庭園の木や記念樹として栽培されています(私の家の近くの教会にも植えられています)。
 センペルセコイアの名前は、学名をカタカナにしたものです。 スギ科セコイア属に分類され、セコイア属はこの木一種ですので、単にセコイアと言ってもいいわけです。
 ただ、セコイアデンドロン(Sequoiadendron giganteum:世界一体積が大きくなる木で、ジャイアントセコイアとも言われています)も有名で、昔はこの木もセコイア属に入れていたこともあり、こちらとはっきり区別したい場合には、センペルセコイアと言われています。 また、セコイアデンドロンをセコイアオスギというのに対し、センペルセコイアをセコイアメスギとも言います。 また、レッドウッド、アメリカスギなどとも呼ばれます。
 さて、メタセコイアの所で、三木博士は化石植物に対し、このセコイアに似ているということで、メタセコイアと名付けたと書きました。 メタセコイアがセコイアと異なる点としては、セコイアが最初の写真のように常緑であるのに対し、メタセコイアは落葉樹であること(三木博士は化石から落葉樹であることを読み取っていました!)、セコイアの葉は互生(下の写真)であるのに対し、メタセコイアは対生であること等が挙げられます。

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 でも、それなら、なぜ三木博士はメタセコイアを、同じ落葉樹で明治時代から日本に植えられているラクウショウに似ているとして、「メタラクウショウ」とでも名付けなかったのでしょうか。
 じつは球果の形が、メタセコイアとセコイアで、たいへんよく似ています。 もちろんセコイアは葉が互生ですから、球果の鱗片もメタセコイアのように4列に並ぶようなことはありません。 でも、セコイアの球果は、メタセコイアの球果を少しねじったような形です。
 花や種子は子孫を残す大切なもの。 そう易々と変更はできません。 そのような生殖に関係する部分がよく似ているということは、系統的に近い仲間であることを示しています。
 セコイアの球果の写真も撮りたくて、荒山公園のセコイアで探したのですが、見つかりませんでした。 樹高はかなり高くなっていますが、これでも若い木で球果をまだ付けないのか、高い所にだけつけて見つけられないのかは不明です。

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2007年12月 2日 (日)

ラクウショウ

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 生きている化石とよく言われるメタセコイアとしばしば混同されるラクウショウ(上の写真の中央:堺市南区茶山台公園にて撮影)ですが、この木はアメリカ大陸の東南部からメキシコに分布しており、日本には明治時代に来ています。
 メタセコイアと比較すると、ラクウショウの方が葉が繊細で、羽のような葉を持つ落葉針葉樹であることから落羽松と名づけられました。 枝のつく角度も、メタセコイアよりも水平に近くなります。 でも、それよりもはっきりと違うのは、メタセコイアの葉が対生であるのに対し、ラクウショウの葉は互生です(下の写真)。 芽は葉の腋から伸びますから、葉が互生ということは、写真では分かりにくいのですが、枝も互生ということになります。 球果の鱗片も葉が変化したものですから、互生です。

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 上の写真は今年の11月17日に写したもので、球果の鱗片はまだ互いにくっつきあっていますが、12月に入ると、鱗片の間に隙間ができはじめます(下の写真)。

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 そして、メタセコイアの場合と違って、鱗片はバラバラになり、種子はその鱗片にくっついて散布されます(下の写真)。

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 日本ではラクウショウはいろんな場所に植えられていますが、長期間の水没にも耐えることができ(そのため別名をヌマスギとも言います)、湿潤地では根の周囲の酸素不足を解消するため、膝根とよばれる気根を形成します(下の写真:堺市中区土塔町の菰池にて撮影)。

Rakuushou071202_1

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2007年12月 1日 (土)

メタセコイア

 紅葉する落葉樹として、日本に自生している樹木ではカラマツが有名ですが、大阪府の平地に植栽されているものとしては、メタセコイアやラクウショウの紅葉もなかなかのものです。 この2種類はよく似ていますので、今日と明日、連続して載せますので、比較してみてください。 また、これらと比較する意味で、セコイアを明後日に載せることにします。

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 上の写真は、近くの公園に植えられているメタセコイアです。 今日写しました。 デジタル処理で紅葉の赤い色を強調したのではないことは、いっしょに写っている子供たちの顔の色と比べていただければ分かると思います。
 1945年以前にはメタセコイアは化石としてしか、その存在は知られていませんでした。 その名前は、日本のあちこちで発見された化石に対して、大阪市立大学におられた三木茂博士により、アメリカに自生しているセコイアに似ている木として名づけられたものです。
 ところが、1945年に中国の四川省で生きている木が見つかり、「生きている化石」として当時の話題をさらいました。 それから数年後には湖北省でも自生地が見つかり、これから採取した種子から育てられた苗木が日本に持ち込まれたのが、現在各地で植えられているメタセコイアの元になっています。 日本では絶滅してしまっていた植物が、また日本で育つようになったわけです。 ちなみに、日本でなぜメタセコイアが絶滅してしまったのかは謎ですが、日本のような環境はさまざまな植物の生育に適しているため、広葉樹などの進化した樹木との生存競争に敗れた結果ではないかと考えられています。

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 上の写真、メタセコイアの葉は対生です。 芽は葉の腋から伸びますから、葉が対生ということは枝も対生ということになります。 球果(きゅうか)の鱗片(りんぺん)も葉が変化したものですから、対生です(ラクウショウと比較してみてください)。
 下は今年の4月に写したもので、たくさんのメタセコイアの球果が落ちていました。 種子を飛ばして鱗片が開いてしまっていますので、対生であることが一層よく分かります。

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※ メタセコイアの花については、こちらに載せています。

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