イセリアカイガラムシ
メドハギにイセリアカイガラムシ(別名ワタフキカイガラムシ)がついていました。 近くのいろんな植物の茎にも。
イセリアカイガラムシはいろんな木の汁を吸い、木を弱らせる農業や園芸上の害虫です。 原産地はオーストラリアですが、世界的に広がっています。 日本には明治40年代に苗木について侵入したとされています。
よく目立つ白っぽい体の大部分は、ロウ物質で作られている卵嚢(らんのう)です。 まだ卵嚢をほとんど作っていない状態、つまり雌成虫そのものの体を写したのが、下の写真です。 体の周囲に白い毛を伸ばしています。
上の写真の状態から、口を植物の茎に差し込み、ひたすら汁を吸い、腹部の下に卵を産み続けます。 卵が増え、卵嚢が発達するにしたがって、体の後半部は持ち上がり、下の写真のような姿になります。
下は大きくなった卵嚢を割って写した写真です。 写真の上が雌成虫の体。 ほとんど消化管のみです。 次々に産み落とされる卵は、後ろ(写真では下方)に押し出され、早く産み落とされた卵(写真では下側)は、もう孵化しています。 幼虫では、写真のように、触角も脚もはっきりと認めることができます。 この幼虫が植物の汁を吸って成長し、卵を産むことを繰り返します。
生殖はこのように、多くの場合は単為生殖です。 日本の温帯域ではほとんど翅のある雄は観察されませんが、南西諸島では雄も観察されているそうです。
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コメント
おはよう~
ふぅ~~ん ほぉ~~ へぇ~~
ひぇ~~
の連続でした。
ナント、スゴイ!!!
投稿: わんちゃん | 2007年11月13日 (火) 09時29分
このイセリアカイガラムシの退治の為に日本に入れたというベダリアテントウの方を私は余り見たことがないですが、どうしているんでしょうね?
投稿: タロ | 2007年11月13日 (火) 11時49分
こんばんは♪
あ~あ~よく触れるなぁと感心です
まさか素手じゃないですよね。。
これが生きてる虫だと知ってからは触れません
なにかの実のような卵嚢・・・
ち・ちょっと鳥肌がたちました
タロさんのべダリアテントウはなにしてるだ??
投稿: エフ | 2007年11月13日 (火) 20時38分
わんちゃんからも、「気持ちわるい~」という反応が返ってくると予想していたのですが、わんちゃん、“進化”しましたね!
エフさん、もちろん素手ですよ。こんなに柔らかなものを扱う時は、素手の感覚が大切なんです。
タロさん、エフさん、写真のようにたくさんの子供を作り続けるイセリアカイガラムシがあちこちで大発生しないのは、べダリアテントウががんばってくれているからだと考えられています。ただ、イセリアカイガラムシをあまり見なくなったので、べダリアテントウもあまり見ることができない状態ですが・・・
投稿: そよかぜ | 2007年11月13日 (火) 23時27分
はじめまして。
イセリアカイガラムシについて調べていて、こちらの記事に辿り着きました。
本体がどこなのかわかりました!
事後報告になってしまって申し訳ないのですが、本日の私の記事内にこちらの記事をリンクさせていただきました。
なにとぞよろしくお願いいたします。
投稿: ラテモ | 2009年9月 5日 (土) 15時05分
ラテモさん、リンクありがとうございます。
この記事はグロテスクな写真を載せていますが、長期間人気記事ランキングに入っています。
みなさん怖いもの見たさかな?
投稿: そよかぜ | 2009年9月 6日 (日) 07時43分