イカルチドリ
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いろんな店が集まっている公共スペースの一角にフウセントウワタが栽培されていました。
フウセントウワタは南アフリカ原産の亜低木で、日本の中部以西では、どうにか冬も越すことができます。
フウセントウワタはガガイモ科の植物で、鑑賞の主な対象は大きく膨らんだ果実なのでしょうが、私は複雑な花のつくりに惹かれます。 とはいっても栽培されているものの花を採集してきて断面を作る勇気はありませんでした。
花のつくりは、基本的には、ずい柱の存在や花粉塊の様子など、2007年8月9日に載せたガガイモと似ています。 しかし、フウセントウワタの方がさらに複雑になっていて、ずい柱と花弁の間に副花冠が存在します。 下の写真では、副花冠の穴を通って、蜜が出てきています。
トゲのあるフウセンのような果実は秋から冬にかけてできます。 この果実は切花としても売られています。 この果実の中には、種子を風に乗せて散布するための綿毛がいっぱい詰まっています。
トウワタの実に来ていたナナホシテントウ
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サンシュユが美しく紅葉していました(11月23日に堺市の荒山公園で撮影)。 緑の葉の間に見えるたくさんの赤い実もなかなか美しいものですが、紅葉もなかなかのものです。
サンシュユはミズキ科の植物で、上の写真の花芽も葉の様子も、おなじミズキ科のハナミズキなどとよく似ています。
サンシュユは中国原産の落葉小高木で、韓国王朝や中国では女性の病(不妊,生理不順,冷え性など)の改善に良いとされてきており、現在の日本でも、果実の核をとって果肉をを乾燥させたものが生薬として販売されています。 でも、生薬としてよりも、ハルコガネバナ(春黄金花)の別名があるように、春の到来を知らせる華やかな花(下の写真)、そして秋の赤い実と紅葉と、鑑賞の対象としても十分楽しめる木です。
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コンギクは、自生しているいわゆる野菊のノコンギクから、色の濃いものが選ばれ、栽培されているものです。
筒状花を拡大してみると、オシベの花粉を外側にくっつけたメシベの柱頭が二つに分かれて開き、受粉するための内側の面を開きかけていました(下の写真)。 小さい白い粒は花粉です。
野菊といえぱノコンギクと並んでヨメナがあり、この2種はたいへんよく似ていますが、簡単な見分け方は、ノコンギクには長い冠毛がありますが、ヨメナの冠毛は発達していないこと。 コンギクもこの性質をちゃんと引き継いでいます。 下の写真はコンギクの筒状花のツボミ(左)と舌状花(右)ですが、両方とも長い冠毛を持っています。 花の下にあるのはコンギクの葉です。
写真を見て気づいたのですが、舌状花の花弁に細長い紺色の花弁状のものがくっついています。 よく分かりませんが、冠毛の一部が花弁と融合し、花弁化したものかもしれません。
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ナンキンハゼが紅葉し、果実がはぜて白い種子が見える季節となってきました。
ナンキンハゼは紅葉が美しく、白い種子や花の時期もがおもしろいので、公園や街路樹としてもよく植えられています。 でも、この種子の白い部分を鳥が好んで食べるので、種子が運ばれ、思わぬ所に生えていることもあります。 下の写真のナンキンハゼの幼木も、池の堤に生えて水と光の条件が良かったのか、美しく紅葉していました。
ナンキンハゼの原産地は中国で、トウダイグサ科に分類されますが、種子の白い部分はロウ質で、この部分からロウソク、せっけん、頭髪油などを作ったりすることもできることから、同じくロウを取るウルシ科のハゼノキの「ハゼ」の名前をもらったようです。 鳥が好むのも、この脂肪分を含むロウが高カロリーであるからですが、くいしんぼさん、人には有毒だそうですよ。
ロウソクになるロウが取れるのならよく燃えるだろうと火をつけてみました。
火はすぐにつきました。 木は燃えて不思議はありませんが、上の写真の炎の下部はロウソクっぽい色をしています。 上の写真の炎の中の種子の一部は、既に熱ではじけ飛んでしまっています。
熱でロウが溶けてくると、炎は急に大きくなります。 下の写真で、画面の下からも炎が上がっているのは、溶けたロウをくっつけた種子がはぜて、下に落ちて燃え続けているからです。
火遊びには注意しましょうね。
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春から夏にかけての子育てを終えたカラスは、秋になると集団生活を始め、群は冬になるにつれて大きくなっていきます。
11月17日、午後5時を少し過ぎた頃、たまたま通りかかった泉ヶ丘駅の前で、カラスが集結していました。 あっちのビルにもこっちのビルにも、たくさんのカラスが並びます。 まさしく「烏合の衆」です。
泉ヶ丘駅は泉北ニュータウンにある3つの駅の中でも、最も1日の乗降客数が多い駅ですが、その駅前で、一斉に飛ぶと空一面にカラスだらけ。 でも、時々刻々と暗くなるこの時間帯で、比較的ブレないで撮れたのは、おとなしく止まってくれている状態の数枚だけ・・・
これから集団でねぐらに向かうのでしょうね。 集団のねぐらはどこなのでしょうか?
※ もう少し自然の中でのカラスの集団の写真はこちらでどうぞ。
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紅葉の季節です。 写真はアメリカフウですが、特に紅葉の初期の葉は、日当たりのいい所の紅色から、少し日陰の黄色、日陰の緑と、いろんな色が混ざって美しいものです(写真をクリックすると拡大します)。
ところでこのアメリカフウ、別名をモミジバフウといい、北米中南部から中米にかけての原産で、大正時代に日本に入ってきました。 日本には中国中南部から台湾にかけての原産のタイワンフウ(単にフウともいいます)も入って来ています。
よくカエデの仲間と間違う人を見かけますが、カエデ科ではなく、マンサク科の植物です。 葉の一枚を見ればカエデの仲間に似ていますが、カエデ科の植物の葉は対生であるのに対し、このアメリカフウは互生です。 また、果実の様子もカエデ科とは全く違います(下の写真:この果実の元になった花の様子はこちらに載せています)。
ところで、この「フウ」を漢字で書けば「楓」です。 中国からこの漢字が入ってきたときに、日本にはフウが存在しなかったため、日本にあったカエデの仲間に誤ってこの漢字を当てはめてしまったようです。 ちなみに、中国ではカエデは「槭」と書きます。 でも、最近では中国でもカエデを「楓」と表すことがあるようで、これは、カエデを楓と書く日本の誤りを、中国が逆輸入したためと考えられます。 中国にもフウとカエデを区別できない人がいるようですね。
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大阪平野は瀬戸内式気候で雨が少なく、ため池がたくさん作られました。 でも農業のためのため池が住宅に囲まれるようになり、下水道等の整備は進められているものの、まだ生活排水などが流れ込んだり、放置されているために水質が悪化しているため池も、たくさん残っています。
写真の池も富栄養化が進み、水面はアオコでウキクサの仲間でびっしり覆われています。 でも、そんな池にも今年もたくさんのカモたちがやってきました。
この池も周囲は家に取り囲まれています。 池の堤に少し木が残っているのがいいのでしょうか。 来ているカモの種類は、ヒドリガモ、コガモ、ハシビロガモなどです(写真をクリックすると拡大します)。
上の写真、少し大写しにしましたが、どの鳥も、嘴の先はアオコがウキクサの仲間がくっついています。 下に名前を書いておきますが、メスの見分けにはあまり自信がありません。 間違いを気づかれた方は連絡ください。
コガモ(メス 繁殖羽移行中のオス)
ハシビロガモ(オス) ハシビロガモ(オス)
コガモ(オス) コガモ(メス)
ヒドリガモ(メス) コガモ(オス幼鳥成鳥)
※ '09.10.27.に取消線の部分を訂正しました。 詳しくは下のSinsさんのコメントで。
Sinsさん、ありがとうございました。
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ヒヨドリジョウゴが、種子の透けて見える赤い実をたくさんつけていました。
この実には、ステロイド系アルカロイドが含まれていて、古くは皮膚病の薬として用いられたようですが、有毒です。 そのため鳥にも食べられないので、たくさんの美しい実を見ることができます。
でも、もっと寒くなると、低温の影響でしょうか、この毒が消えるようです。 ヒヨドリジョウゴの名前は、花の様子が「じょうご」に似ていると言う説もありますが、果実にヒヨドリが群がって大騒ぎをしながら食べる様子を、酒飲みの上戸(ジョウゴ)に例えたという説もあります。
ヒヨドリジョウゴの花は8~10月に咲きます(下の写真)。 上に書いた「じょうご」に似ているというのは、この花弁の反り返った様子からでしょう。
5本のオシベそれぞれに2つの葯があり、互いにくっつきあっています。 葯の先に穴が開き、花粉はそこから出ます(下の写真)。 ヒヨドリジョウゴの属するナス科には、このようなオシベをもった植物がたくさんあります。
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10月10日に紹介したオオニシキソウは、秋が深まるにつれ、花も実も紅色に染まってきました。 そのオオニシキソウに、たくさんのスカシヒメヘリカメムシが集まっていました。
スカシヒメヘリカメムシの「スカシ」は翅が透けているところから。 ご覧のとおり、10月26日に紹介したアカヒメヘリカメムシに近い仲間です。
スカシヒメヘリカメムシの体長は約6mm。 アカヒメヘリカメムシの体長は約8mmで、肉眼でもカメムシと判別できましたが、このスカシヒメヘリカメムシになると、肉眼では何の仲間かよく分かりません。 わりあいよく飛ぶので、最初はハエの仲間かと思いました。
スカシヒメヘリカメムシやアカヒメヘリカメムシなどが分類されているヒメヘリカメムシ科は、みんな体長が1cmに満たない小さなカメムシですが、その他の科も含め、体長数mmのカメムシはたいへんたくさんの種類がいるようです。
オオニシキソウにたくさん集まっているスカシヒメヘリカメムシたちは、最初の写真のように交尾しているものもたくさいました。 また、幼虫も混じっています(下の写真)。
近くのクズの葉の上でも、あちこちで下の写真のような集団を作っていました。 カメムシの仲間は、どうしてこうも集まりたがるのでしょうね。
クズの葉の上では、卵も産み付けられていました(下の写真)。 おもしろい形をしています。 卵には「受精孔突起」と呼ばれている、小さなアンテナのようなものもついています。 受精孔突起は、孵化した一齢幼虫が気道を確保するためのもののようです。
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花屋さんで売られているリンドウは、リンドウとエゾリンドウを交配してつくられたものが多いようですが、花が多いので、自家受粉を防ぐしくみの観察には便利です。 このしくみは、基本的にはリンドウの仲間に広くあてはまります。
① 開いたばかりの花では、オシベが中央に集まって、くっつきあっています。 メシベはオシベに隠されて、見えていません。
② オシベは互いにくっついたまま、花粉を出します。 メシベは隠されたままです。 雄性期です。
③ 花粉を出し終えたオシベは離れます。 今まで隠されていたメシベが姿を見せますが、この先端がとんがった状態では、まだ受粉はできません。
④ 柱頭が2つに割れ、受粉可能な面が姿を現します。 雌性期です。
もう少し上から。 子房が少し発達してきているようにも思えます。
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メドハギにイセリアカイガラムシ(別名ワタフキカイガラムシ)がついていました。 近くのいろんな植物の茎にも。
イセリアカイガラムシはいろんな木の汁を吸い、木を弱らせる農業や園芸上の害虫です。 原産地はオーストラリアですが、世界的に広がっています。 日本には明治40年代に苗木について侵入したとされています。
よく目立つ白っぽい体の大部分は、ロウ物質で作られている卵嚢(らんのう)です。 まだ卵嚢をほとんど作っていない状態、つまり雌成虫そのものの体を写したのが、下の写真です。 体の周囲に白い毛を伸ばしています。
上の写真の状態から、口を植物の茎に差し込み、ひたすら汁を吸い、腹部の下に卵を産み続けます。 卵が増え、卵嚢が発達するにしたがって、体の後半部は持ち上がり、下の写真のような姿になります。
下は大きくなった卵嚢を割って写した写真です。 写真の上が雌成虫の体。 ほとんど消化管のみです。 次々に産み落とされる卵は、後ろ(写真では下方)に押し出され、早く産み落とされた卵(写真では下側)は、もう孵化しています。 幼虫では、写真のように、触角も脚もはっきりと認めることができます。 この幼虫が植物の汁を吸って成長し、卵を産むことを繰り返します。
生殖はこのように、多くの場合は単為生殖です。 日本の温帯域ではほとんど翅のある雄は観察されませんが、南西諸島では雄も観察されているそうです。
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11月10日の記事で、カラスウリの種子がカマキリの顔に似ていると書いたところ、コメントでカマキリの顔から眼の話になりました。
下は9月29日に撮った、ヒヨドリバナの花に隠れて獲物を狙うハラビロカマキリですが、カマキリの顔を写真に撮ると、表情豊かです。 これはカマキリの複眼の中に、つぶらな瞳(ひとみ)のような黒い点があり、それがいつも、ほぼこちらの方向を向いているからです。(サイドバーの「マイフォト」のチョウセンカマキリの顔なども見てください)
この黒い点を「偽瞳孔」と呼んでいます。
眼は光を吸収して情報を得ていますが、全ての光を吸収してしまうわけではありません。 カマキリの複眼が緑色に見えるのは、複眼に入った光のうち、緑色の光は反射され、それが私たちの目に入ってくるからです。
偽瞳孔の場所は移動しますから、その場所に黒い色素があるのではありません。 黒く見えるということは、そこに入った光はほぼ全て吸収されているということです。
昆虫の複眼は、たくさんの個眼が集まって作られています。 個眼は細長く、眼の奥に向かって伸びています。 個眼と個眼の間は色素で仕切られています。 この個眼を細長い筒のイメージで捉えると、筒を斜めにして見ると、筒の内面が見えます。 つまり個眼の間にある色素の色が見えます。 ところが、底まで見える位置に持ってきた筒の内面はほとんど見えません。 これが偽瞳孔のしくみだと思って納得していました。 しかし今回、この記事を一旦は載せたものの、気になって、お見せしていない写真を含め、再度写真で偽瞳孔の位置を見直したところ、カマキリの偽瞳孔の位置は、いずれも少しずつ真正面からはずれています。 偽瞳孔を説明するには、別の要素を付け加える必要がありそうです。
ついでに、カマキリなどでは、個眼を仕切っている色素は移動します。 光の少ないところでは色素を複眼の表面近くに集めます。 そうすると、光がどちらの方向から来たのかという情報はぼやけるでしょうが、個眼の仕切りで吸収される光が少なくなるわけですから、眼に入った光を有効に利用することができます。 この場合、複眼に入った光の多くが反射されずに吸収されるわけですから、複眼の色は濃く(=黒っぽく)なります。 カマキリでは、暗いところでは青黒い眼の色になります。
昆虫の種類によって、個眼のつくりは細部ではいろいろ違っています。 結果として、均一に見える複眼、偽瞳孔を持つ複眼、場所によって色素に違いがあるために模様のある複眼などが見られます。
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冬、ため池では、水を抜き、池底の泥を乾燥させたり、底ざらえをして、水質悪化を防ぎ、水量確保と池の保全のための作業が行われます。 近くの池で、もう既に水が抜かれている池があり、そこにアオサギが3羽、餌はもう十分とったのでしょうか、餌を探すでもなく、くつろいでいました(H19.11.10. 12時半頃)。
アオサギは日本のサギの中では最大ですが、雄雌同色で夏羽と冬羽の違いも大きくなく、変化に乏しい鳥ですが、ちょうどこの3羽は少しずつ違っていましたので、並べてみました。
まず1羽目。 背と胸に細長い「飾り羽」が見えます。 嘴は黄色く足はやや褐色味を帯びていて、夏羽の状態を強く残しています。 羽の上部は青白色の雨覆から青黒色の小翼羽が出ていてコントラストが目立っています。
※ 鳥の各部の名称は、越智伸二さんのHP「Nature Photo Gallery」のこちらに詳しく載っています。
2羽目、額の黒帯の色が少し薄いようです。 嘴は黒っぽく、胸の飾り羽ははっきりしているのですが、背の飾り羽は短いようです。 冬羽に換羽中なのでしょうか?
首を思いっきり伸ばしているので眼は閉じてしまっています。
ポリポリやっているうちに、雨覆の下から黒い羽が出てきました。 1本足くつろぎポーズです。
こちらは幼鳥。 体全体が灰色で額の黒帯もはっきりしていません。 喉や脇の黒斑も不完全です。
疲れたヨ~
かい~~の
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ホシホウジャクがヨシノアザミで吸蜜していました(H19.11.4. 堺自然ふれあいの森)。
アザミの花を訪れている時は、頭花を構成している筒状花の一つひとつに口を差し込んで吸蜜するので、長く滞在してくれ、撮影が楽です。
下は9月17日に撮った、壁にとまっているホシホウジャクです。 翅をたたんでいると、全く違った印象になります。
同じ個体を横から。 吸蜜のためにホバリングしている時は腹部の先端を下げているのに、とまっている時は腹部の先端を持ち上げているのは、何か意味があるのでしょうか?
ホシホウジャクの幼虫の食草は、アカネ科のヘクソカズラなどで、大阪付近では最もよく目にするホウジャクですが、大阪付近で見られるホウジャクの仲間には、他にもたくさんの種類があります。
ホシホウジャクによく似たものにクロホウジャクがいます。 通常はクロホウジャクの方が大きいのですが、たまにホシホウジャクと同じぐらいの大きさのものもいますので、大きさで判断せず、前翅先端付近の模様や後翅の橙黄色帯で区別します。 ホシホウジャクには、前翅第6室亜外縁に長方形の黒い紋がありますし、後翅の黄褐色の部分のふちが曲線的です。
ホシヒメホウジャクは前翅の後縁と後翅の前縁が湾曲しています。
ホウジャクは体がウグイス色で、後翅は全体が赤褐色です。
ヒメクロホウジャクも頭部から腹部の第4節まではウグイス色ですが、後翅の赤褐色色は体に近い部分だけです。
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コウヤボウキの名前は、和歌山県の高野山で、この細くしなやかな枝を集め、机上を掃くほうきを作るところから、ということです。 草のようですが、小低木です。 堺市南区鉢ヶ峯寺に残る林の中で撮りました(H19.11.4.)。
コウヤボウキはキク科で、1つの頭花(=頭状花序)は10個程度の筒状花からなります。 舌状花はありません。 下の写真、まっすぐ突き出しているのは、オシベが密着したメシベです。 1つの筒状花について言えば、このオシベとメシベを、細く軽くカールした白い5枚の花弁が取り囲みます。 このような筒状花がたくさん集まっていますので、何がなんだか分からないように見えますが・・・ 赤いのはガクが変化した冠毛です。
※ コウヤボウキの花後の姿はこちらでどうぞ。
※ コウヤボウキと同属のナガバノコウヤボウキはこちらに載せています。
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ガガイモの茎にキョウチクトウアブラムシがいました。 このアブラムシはキョウチクトウやガガイモ科の植物につきます。
黒とオレンジ色の2色からなるなかなか美しいアブラムシです。 黒い部分をひろってみると、脚以外には、頭部では眼と触角が黒。 触角の付け根が太くなっているので、眼と紛らわしく見えます。 尾端には黒い尾片。 尾端近くの、1対の斜め上に伸びた角状管(「ツノ状の管」の意味でしょうが、「かくじょうかん」と読みます)も黒です。
角状管はワックス等の分泌器官です。 敵に襲われた時に出す警報フェロモンも、角状管から出すようです。 ちなみに甘露は、角状管からではなく、肛門から出します。
有翅虫はこちらに載せています。
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昨日のキツネノマゴ科に続いて、今日は似た花を咲かせるシソ科からヤマハッカを紹介します。 似た花をつけるシソ科、キツネノマゴ科、ゴマノハグサ科の違いは、昨日の記事に書きました。
ヤマハッカの名前は、ハッカに似ていて山道などに生えているところからですが、ハッカの香気はほとんどありません。 9月~10月の花とされていますが、まだ残っていました。
花は、小さな唇形花を数個ずつ何段にもつけます。 上唇と下唇に分かれていて、上唇は4裂していて上に折れ曲がり、線状の斑点があります。 下唇は2裂して前方へつきだしていて、ふちは内側に巻き、メシベと4本のオシベをその中に包み込みます。
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7月から咲いていたキツネノマゴが、まだまだ元気にたくさんの花をつけています。 道端に普通な草ですが、花が小さいのであまり注目されません。
キツネノマゴ科の分布の中心は熱帯で、日本に自生しているのは数種類だけですが、温室に行けば多くの大きな花のキツネノマゴ科の植物に出会うことができます。 10月9日に紹介したヤナギバルイラソウもキツネノマゴ科の植物です。
キツネノマゴ科、ゴマノハグサ科、シソ科などは、よく似た花をつけますが、「科」が違います。 「科」が違うということは、かなり大きく違うということですが、それは果実になる子房、つまり“子供を作る大切な部分”の構造が違うからです。 シソ科の子房は最初から深く4分していて、それぞれが1つの種子を、つまり1つの花からは4つの種子を作ります。 キツネノマゴ科とゴマノハグサ科はどちらもラグビーのボール状(もちろん、たいへん小さい)の果実を作り、花だけでなく果実の外見も似ていますが、ゴマノハグサ科の果実は中に多数の種子があるのに対し、キツネノマゴ科の種子はふつう4個で、熟すと弾糸の力で種子がはじけ飛ぶ特徴を持っています。
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山菜のスプラウトとしての「たらの芽」はよく知られていますが、そのタラノキが花を咲かせていました。 本来は夏の終わりに咲く花ですが、今年は遅れたようです。
タラノキはヤツデと同じウコギ科の植物。 拡大してみると、花も実もヤツデによく似ています(下の写真)。
タラノキはトゲの多い植物です。 枝もトゲだらけですが、葉にもトゲがあります。 特に若い木の葉はトゲだらけ(下の写真:短いトゲは写真をクリックして拡大して見てください)。 ちなみに、タラノキは複葉で、下の写真全体で、1枚の葉の一部しか写っていないことになります。
写真を撮っているうち、こんなのも発見しました。 クサカゲロウの仲間の卵で、「優曇華の花」と呼ばれています。 タラノキの実についていました(下の写真)。
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今年は残暑が長かったせいか(ワープロまで、この「せいか」を「盛夏」と変換する始末)、まだ花が残っていました。 というよりも、1年草で夏の光合成の「成果」を全て花と果実生産に振り向けることができますので、いっぱいの花をつけていました(平成19年10月28日撮影)。
ブタクサはキク科です。 キク科でも風媒花になると、虫を呼ぶ機能が省略され、タンポポなどのイメージとはかなり違ってきます。
タンポポの1つの花のように見えるのは「頭花」とよばれていて、じつはたくさんの花(「小花」と呼んでいます)の集まりが総包に囲まれているつくりになっていることはよく知られていますが、ブタクサの頭花は、雄の頭花と雌の頭花に分かれます。
雄の頭花の総包は互いにくっつきあって、10個ほどの雄の小花を包んでいます(下の写真)。 この頭花がたくさん集まって、長い穂になっています。
雌の頭花は、雄の頭花が連なっている穂の基部にあります。 雌の頭花はたった1つの雌の小花からなり、長い花柱を2本伸ばしています(下の写真)。
ブタクサは花粉症の原因となる植物として嫌われています。 この撮影の時も、できるだけ触れずに花粉を飛散させないように注意して写したのですが、それでも鼻がむずがゆくなりました。
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サルトリイバラのツルが伸びていました。 空中に伸びだしたものですから、巻きひげは巻きつくものが無く、ダラリと垂れ下がっています。 ところが、中央左側の巻きひげだけは、上から落ちてきた細い短い茎が偶然引っかかったのでしょう、それに巻きついています。
細い巻きひげのことで分かりにくいのですが、よく見てください。 この巻きついている巻きひげだけが少し太く、他の巻きひげが茶色であるのに対し、緑です(上の写真はクリックすると拡大します)。
3週間前、これらの巻きひげは、全部緑でした。 巻きついていない、つまり役に立っていない巻きひげは、どんどん枯れていくのだということを、この写真は示しています。 つまり、巻きついているのか、いないのかの、巻きヒゲの先端の情報を他の部分に伝えるしくみをサルトリイバラは持っている、ということになります。
さらに、1枚の葉から2本の巻きひげが出ていますが、これらの巻きひげは互いに触れあっています。 でも、互いに巻きつきあってはいません。 つまり、サルトリイバラの巻きひげは、自分の体とそれ以外のものとを区別することができ、自分の体には巻きつかないのだ、ということになります。
ところで、ツル植物の巻きひげは、体のいろんな部分が変化して巻きひげになっています。 不思議な能力を持ったサルトリイバラの巻きひげは、体のどの部分が変化してつくられているのでしょうか。 ヒントは葉から2本ずつ、巻きひげが出ているということです。
葉の付け根には、托葉と呼ばれる付属体があります。 托葉は、退化して無くなっていたり、葉が展開する早期に落ちてしまったりする植物も多いのですが、基本的には葉の付け根に1対あります。 下の写真はウワミズザクラにいるトゲヒゲトラカミキリを写したものですが、この写真のウワミズザクラの葉の付け根から2本、角のように伸びているのが托葉です。
もうお分かりだと思いますが、サルトリイバラの巻きひげは、托葉が変化したものなのです。
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