ボントクタデ(花を中心に)
タデの仲間が咲き乱れる季節となりました。 タデの仲間は花も小さく、よく似た種類も多いのですが、拡大してみるとなかなか美しい種類もたくさんあります。 このボントクタデも、淡いピンクと濃い赤の対比がなかなか美しいものです。
下の写真、花はもちろん淡いピンク。 では、赤いのは?
赤いのはツボミではありません。 下の写真(タデの仲間は細くていい写真にするのは難しいです (^_^;) )の垂れている花穂で、花は概ね花穂の下の方から咲き始め、花穂の先の方にツボミがあるのですが、ツボミはむしろ白っぽい。 赤いものは、花穂の付け根に近い部分に多いようです(下の写真をクリックして拡大して確認してください)。
上の写真の赤いものをもう一度よく見ると、咲いている花の下のものは、花被(ガクと花弁をまとめて花被といいます)の重なり具合でガクと花弁に分かれているようにも見えますが、右上の赤いものをみると、緑から次第に赤っぽくなっています。 そして、咲いている花の花被を見ると、やはり淡い緑から次第に淡いピンクになっています。 この両者は同じものでしょう。 そして、改めてガクと花弁は・・・と思って探すと、・・・
この花は、ガクと花弁がそろっていません。 では、上で見たものは、ガクなのか花弁なのか?
ガクは花弁より長持ちするのが一般的。 いろんな状態で同じものを見ることができるということは、ガクでしょう。 つまり、この花の花弁は退化して消失していると考えるべきでしょう。 ツボミ・花と白っぽかったガクは、花が終わっても残り、次第に赤くなって、成長する果実を包み込み、保護しているのです。
秋が深まると、赤くなったガクがたくさん目立つようになり(こちらでご覧ください)、美しくなります。
タデというと「蓼食う虫も好き好き」という諺が思い出され、タデの葉は辛いものだと思われがちですが、辛いのはヤナギタデです。
「ボントク(凡篤)」とは「愚か者」といった意味で、ヤナギタデに似て辛くない葉を、間が抜けていると捉えたところからの名前です。
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コメント
00タデ・・・ときいただけで、すぐ「タデ食う・・・・」を思い出して、最後の解説に行き着きましてホッ!!
私はこの諺の裏の意味を深く信じていました
アキマセンね・・・
可愛いお花をもう一度~~
投稿: わんちゃん | 2007年10月 5日 (金) 08時26分
おはようございます。
この細くて揺れるポントクタデをよく綺麗に写されますね!
これも好きな花なんです。
寂しい花付きですが、しだれる形が良くて、和風のイメージが有るなと思っているのですが。。。
湿地に咲くタデの花たち、地味だけれど魅力が有りますね。
投稿: みぃこ | 2007年10月 5日 (金) 10時08分
わんちゃん、「タデ食う・・・・」の裏の意味って?
みぃこさん、ポントクタデは茶花にするにも花が小さすぎてダメですが、拡大すると、赤がほんとにきれいですよね。
投稿: そよかぜ | 2007年10月 6日 (土) 00時31分