ツチイナゴの若齢幼虫
暑いことで有名な大阪でも、少しは秋の気配を感じることができるようになってきました。 夜、屋外に出ると、いろんな虫の声が聞こえてきます。
コオロギの仲間、キリギリスの仲間、それにあまり鳴かないバッタの仲間などをまとめて「直翅類」とよんでいますが、初秋は直翅類の声も姿も目立つ季節です。 もちろん鳴くのは成虫。 鳴かないバッタの仲間でも、成虫の姿が目立ちます。
そんななか、直翅類の幼虫に出会いました(下の写真)。 まだ若齢で、翅は全くと言っていいほど目立ちません。 複眼から口の方向に伸びる黒い線状の模様が大きな特徴。 成虫とはその他の体の模様は全く違いますが、ツチイナゴの若齢幼虫です。
ツチイナゴの成虫は、10月ごろからやっと現れはじめます。 そして、ほとんどのバッタの仲間が卵で越冬するなか、ツチイナゴは枯れ草の下などで成虫のまま越冬します。 下は昨年の12月16日に近くの槇塚公園で撮ったツチイナゴの成虫です。
そして春、暖かくなると再び活動しはじめ、成虫の姿は6月頃まで見ることができます。 下は5月6日に撮った写真です。
イソップ寓話の「アリとキリギリス」。 キリギリスを直翅類の代表だとすると、「ツチイナゴ君がいますよ!」と言いたくなります。 もっともこの話は、元は「アリとセミ」だったものが、ギリシアからアルプス以北に伝えられる翻訳過程で改編されたということです。 ヨーロッパでは地中海沿岸を除いてセミは少なく、イギリスではヤマチッチゼミの仲間が1種のみ、ドイツやフランス北部ではセミはほとんどいないようです。
話が全く違う方向に行ってしまいました・・・ m(_ _;)m
※ 今回も、どの写真もクリックすると拡大できます。 ツチイナゴは全身に細かい毛が生えていますが、写真を拡大し、よ~く見ていただくと、どの写真でも毛を確認していただけると思います。
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コメント
こんばんわ~
見た途端、ウウウウウ~!!
体全体に黒ゴマを振りかけたような模様、
が成虫になると大きな斑点模様になってますが・・・・
禿山にうっすら樹木が生えているのが遠目でみえるような産毛のような毛が生えてますね
今じゃ珍味として重宝なイナゴの佃煮はこのイナゴちゃんでしょうか?
投稿: わんちゃん | 2007年9月 3日 (月) 22時55分
こんばんは♪
ツチイナゴの若齢幼虫まだ軟らかそう
黒い点々で目がチカチカ
春のツチイナゴ枝を抱くようにしてますが
こんなふうに止まるんでしょうか
冬春秋と写真が揃ってますがそよかぜさんの
ライフワークなんでしょうか?
感心してしまいます
エフのブログでヒメキンミズヒキを
記事にしながらそよかぜさんの
キンミズヒキの記事とリンクのことを
思い出してやってみました
(計画性ゼロですね~~)
よろしくお願いします
投稿: エフ | 2007年9月 3日 (月) 23時05分
わんちゃんへ
「○○イナゴ」というのにもたくさんの種類がいます。佃煮にするのは、成虫の時期の違いから、たぶんツチイナゴは含まれていないと思います。
エフさんへ
春のツチイナゴが枝を抱くようにしているのは、単に枝が細いからだと思います。
リンク、ありがとうございます。
URLにリンクを張るのと、例えば「エフさんのブログはこちら」というふうに通常の文字へのリンクを張るのは一長一短でしょうね。
私のキンミズヒキからもリンクを張っておきますね。
投稿: そよかぜ | 2007年9月 5日 (水) 00時21分
ツチイナゴ、随分と奥手なんですね・・・・。
それにしてもキレイに撮れていますね。
実に素敵な色です!
そういえば、そろそろ同じ直翅目のカマキリも成虫が見られ始めていますが、去年は10月下旬でもまだ幼虫というハラビロカマキリに会いました。個体差があるものですね。
投稿: タロ | 2007年9月 5日 (水) 01時16分
ハラビロカマキリは、沖縄では年2化のようですから、温暖化の影響も含めて、このこともチェックしていく必要があるのかもしれませんね。
投稿: そよかぜ | 2007年9月 6日 (木) 00時20分
沖縄のハラビロカマキリは年2化ですか。
初耳、ビックリでした。
小さなコオロギ類が年2化というのなら、まだ少し分かりやすいですが、直翅目の、それも結構大型の昆虫が年2化するというのは、流石に沖縄ですね。
私の見たのは幼虫といっても終齢だと思われますから、単に遅いだけかも知れません。ただハラビロカマキリの成虫もずいぶん早い時期に見てますから、一概に侮れません。ばらつきの度合いも大きくなっているのかも知れませんね。
投稿: タロ | 2007年9月 6日 (木) 11時17分