イソノキ
イソノキの実が緑から赤へ、そして黒く熟しはじめてきました(8月25日撮影)。 実の中には普通3個の種子があります。
イソノキはクロウメモドキ科に分類され、ふつう湿ったところにポツンポツンとみられる木ですが、ここ堺市南区岩室には尾根筋に1本だけ生えているところがあります。 イソノキにとっていい環境とはいえないためか、少し弱り気味で、虫たちにたかられる傾向があるようです。 じつは7月16日のアオバハゴロモの幼虫とアミガサハゴロモは、このイソノキで撮影したものです。 そして7月19日のミカドトックリバチも、この木の葉の上です。
クロウメモドキ科の花は全般的に小さいのですが、このイソノキの花も小さく(イソノキがあまり知られていないのは、このことも原因でしょう)、次々と咲いては次々と実になっていきます。 下の写真は7月16日に撮影したもので、たくさんのツボミも残っています。 花はガク片が5、花弁はありません。
イソノキの目立たないけれどおもしろい、もうひとつの特徴、それは葉序(葉のつきかた)です。 今年よく伸びた枝を観察すると、葉が右右左左右右・・・と、左右に2枚ずつついています(下の写真)。 このような葉序を「コクサギ型葉序」といい、クロウメモドキ科のケンポナシ、ネコノチチなどや、ミカン科のコクサギなどで見られるほか、サルスベリやヤブニッケイなどでも枝の伸び方によってはそのようなつき方をすることがありますが、そんなに多くあるパターンではありません。
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コメント
おはようございます♪
イソノキは磯の木で海辺にあるのかと
思ったら尾根筋とあるのでそういう
ワケじゃないようです・・か?
これからは葉序の観察も抜かりなくやらねば
ってすぐ忘れるんですけど、右右左左右右♪
投稿: エフ | 2007年9月 3日 (月) 08時13分
ホホホホホントでした。
庭で咲いてる百日紅、あわてて見に行きました。
右右左左右右左左♪
ほんまやぁ・・・・
思わずニコッ!!
投稿: わんちゃん | 2007年9月 3日 (月) 08時39分
知ってることは見える。知らないことは見えない。これ、「そよかぜの法則」です。
観察会などで葉のつき方を説明すると、よく「ほんまやぁ・・・・」と喜んでいただけます。
エフさん、細見末雄著『古典の植物を探る』(八坂書房)の中に、「山の木がなぜイソノキか」について書かれてあるようです。私は読んでいませんが・・・
投稿: そよかぜ | 2007年9月 3日 (月) 22時23分
わんちゃんからメールで教えていただいたところによると、朝日新聞「花おりおり:全5巻」のイソノキの項に以下の主旨のことが書かれてあるそうです。
丹波ではイネを束ねるワラを「ユイソ」と呼ぶ。「結いそ」の意で、しなやかな枝を山仕事の結束に使った。そのユが略され、イソノキに変化したのだろうと、細見末雄氏は山に多いので磯の木説を否定している。
投稿: そよかぜ | 2016年8月15日 (月) 23時07分