« ヌマガエル | トップページ | キオビツチバチ »

2007年9月 6日 (木)

ミゾカクシ(アゼムシロ)

Mizokakusi070924

 ミゾカクシ、別名アゼムシロ。 名前は、溝を隠すほどビッシリと、または畦に筵(むしろ)を敷いたようにびっしりと生える、いずれにしても旺盛な繁殖力を示しています。 でも、生えているところでは旺盛な繁殖力を示していても、そんなにどこでも見ることのできる植物でもありません。 湿地の植物ですので、湿地が少なくなったということなのでしょうね。
 堺市南区逆瀬川で、他の田に比べて、畦が低く、しかもたいへん緩やかな勾配にしてある田がありました。 この“帯状の湿地”に、ミゾカクシが写真のような可憐な花を咲かせていました。

Mizokakusi070901

 1cmにも満たないような小さな花ですが、なかなかおもしろいつくりをしています。 花冠は5裂し、オシベなどはその上にあります。 おしべ(5本)は葯の部分でくっつきあって、先はひとつになり、そこから数本のひげが出ています。 このひげに触れると花粉が出てくるしくみです。
 ミゾカクシも雄性先熟の花です。 じつは上の写真は雄性期のもので、メシベは表面からは見えていません。
 そして下が雌性期。 花粉を出し尽くした葯の間から、メシベの柱頭が伸びだしてきています。

Mizokakusi070729

 ミゾカクシの学名は Loberia chinensis。 同じ Loberia属に分類される、山の湿地に生える多年草のサワギキョウや、ロベリアとして園芸的に販売されている植物も、基本的な花のつくりは同じです。
 こちらの多摩NTの住人さんのブログでは、サワギキョウの花ですが、くっつきあったオシベの真ん中にあったメシベがはみ出していて、オシベとめしべの関係がよく分かります。

|

« ヌマガエル | トップページ | キオビツチバチ »

草1 合弁花」カテゴリの記事

コメント

1㎝にも満たない・・・ってホントにちっちゃなちっちゃなお花なんですね。
ウチの周りでは見かけないなぁ・・・

花って何百種類もあってそのうちの何十種類ぐらいしか見たことなくって、またそのうちの何種類ぐらいしか名前もわからない、

花って奥が深いですねぇ・・・・・

ミゾカクシ・・・田んぼの畦道、要注意ですね・・・・

それにしても、お花の撮り方ステキですこと

投稿: わんちゃん | 2007年9月 7日 (金) 08時52分

私も同じ場所で よく見かけますが
いつもやり過ごしています
私のデジカメでは 到底ここまで写せません

いつも面白い対象物を 取り上げておられ
かつ詳細に分析なされていますね 

投稿: tumumasi | 2007年9月 7日 (金) 21時14分

こんばんは。
こちらの素敵なブログで紹介いただいて恐縮です。どうも有り難うございます。
ミゾカクシは見たことがありませんが、そんなに小さな花なんですか。何とか探してみたいですね。

投稿: 多摩NTの住人 | 2007年9月 7日 (金) 21時59分

生物の種類はたいへん多く、花を咲かせる種子植物だけでも、何百種類どころではありません。1990年に桑島正二氏がまとめられた「大阪府植物目録」では、大阪府に産する種子植物だけで1,760種類が記載されています。
ですからこのブログは図鑑的に作成することはあきらめ、身近なところでもこんなにいろんな生物がいるんだということを紹介するというスタイルを取っています。
デジカメの性能が良くなって、肉眼では見えないような細かいところまでよく写るようになり、今まではあまり紹介されなかったことまで紹介できるようになったということもありますね。

投稿: そよかぜ | 2007年9月 8日 (土) 01時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ミゾカクシ(アゼムシロ):

« ヌマガエル | トップページ | キオビツチバチ »