« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »

2007年9月30日 (日)

'07.9月末日現在の人気記事ランキング

 今日は9月の末日、やっと秋らしくなってきました。

Higanbana070924

 9月24日 堺市南区逆瀬川で撮影

 さて、サイドバーの、過去4ヶ月でアクセス数の多かった記事を載せている「人気記事ランキング」、9月末日では下のような状況でした。
   1位:クマゼミの抜け殻の白い糸の正体は?
   2位:ハスの花が開くときの音
   3位:ハスの葉の上で水が沸騰!?
   4位:タイワンウチワヤンマ
   5位:ヒメボタル・オバボタル
   6位:クサカゲロウの幼虫
   7位:ハスの花
   8位:ツツジコブハムシ(ツツジムシクソハムシ)
   9位:ヤドリバエの仲間(1)
  10位:ショウリョウバッタ(体色について)
 今まで長期にわたって登場していた「ムシクソハムシ」が消え、替わって「ツツジコブハムシ」が今頃になって登場してきました。 古い記事は、どなたがどのようにアクセスしていただいているのか、興味があります。

 ちなみに、過去30日分のアクセスランキングでは、次のようになっています([ ]内は記事の日付です)。
   1位:白と黒(ケチヂミザサ、シマスズメノヒエ)[ 9/24]
   2位:ショウリョウバッタ(体色について)[ 8/28]
   3位:カラスウリ[ 9/18]
   4位:ノアズキ[8/31]
   5位:ヌマガエル[ 9/ 5]
   6位:オオセイボウ[ 9/15]
   7位:ツチイナゴの若齢幼虫[ 9/ 3]
   8位:アカハネナガウンカ[ 9/ 1]
   9位:ミゾカクシ(アゼムシロ)[ 9/ 6]
  10位:アレチヌスビトハギ[ 9/23]

【写真の追加】
 9月6日のミゾカクシの記事に、写真を追加しました。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2007年9月29日 (土)

アキノエノコログサ

 よく見かけるエノコログサ(ネコジャラシ)の仲間に、エノコログサ、キンエノコロ、アキノエノコログサなどがあります。 花の時期も、ほぼこの順序で、少しずつ違います。
 9月16日にキンエノコロの記事を載せました。 今回はアキノエノコログサを中心に取り上げます。
 アキノエノコログサは、色はエノコログサにそっくりな場合が多いのですが、花穂がエノコログサのように直立せず、写真のように垂れます。

Akinoenokorogusa070923_1

 でも、植物全体の姿や色は、生育条件や環境によって変化します。 根本的な違いは、花や種子によく現れます。 大切な次の世代の子供を作ることに関しては、そう簡単に変化させられないのです。
 下の写真は、小穂(しょうすい)の様子を比較したもので、左がアキノエノコログサ、右がキンエノコロです。 上下は表裏の関係にあります。 両者の違いが分かりますか? その前に、この小穂のつくりについて説明しておきます。 見かけ以上に複雑です。 お覚悟を・・・。

 イネ科のはなのつくりについては、9月4日のジュズダマのところで書きましたが、再度書いておきます。
 通常の植物の花に相当するもの(ガクや花弁は退化しています)は、花を保護する2枚の葉の変化したもの(「護頴」と「内頴」)に守られていて、このセットを「小花」といいます。 そして、いくつかの小花からなる集団を、さらに2枚の葉が変化した「包頴」が保護し、これ全体を「小穂(しょうすい)」といいます。
 秋のイネ科には、2つの小花からなる小穂が多く、エノコログサの仲間の小穂も2つの小花(下方小花と上方小花)からなります。 ただし、エノコログサの仲間では、下の小花(下方小花)は護頴だけを残して退化消失し、残った護頴は上方小花の保護に使われます。 結果として、できてくる種子を、葉の変化したもので何重にも取り囲んで保護することになります。
 以上、花の中心部からそれを取り巻く外側へと説明しましたが、今度は下の小穂の写真で、外側から内側へと見ていきます(数字は写真につけてある番号です)。
 1は第1包頴、2は第2包頴です。 3は下方小花の護頴です(上に書いたように、下方小花の他の部分は退化消失しています)。 そして4が上方小花の護頴です。 写真には写りませんが、果実はさらに、4の内側にあって3に接するような形で存在する内頴に守られています。

Akinoenokorogusa070923_3

 さて、アキノエノコログサ(写真の左)とキンエノコロ(写真の右)とを見分けるポイントです。 両者の違いは第2包頴(写真の数字の2)の長さにあります。 キンエノコロでは第2包頴が短く、上方小花の護頴(写真の4)が、アキノエノコログサに比べて大きく露出しています。 ちなみにエノコログサでは、第2包頴はもっと長く、上方小花の護頴は第2包頴に完全に覆われて、外からは見えません。

※ このような観察にはルーペが必要です。 最初の写真をクリックし、画面の上の「表示サイズ」の「元画像」を選ぶと、1600×1200まで拡大できますので、肉眼で観察するよりは大きく見えるのですが、それでも2枚目の写真のような観察は無理でしょう。

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2007年9月28日 (金)

アオツヅラフジ②

 花のメシベの子房は果実に変化します。 一昨日の記事で、アオツヅラフジの深い溝のある子房から、なぜ丸い実ができるのかを宿題にしておきました。

Aotsuzurafuji070923_2

アオツヅラフジの雌花 右は花が終わって花弁やガクが取れ、メシベだけが残っている

 じつは子房の溝は、受粉が終わると、ますます深くなります。 一般の植物は、1つの子房は1つの果実になっていくのですが、アオツヅラフジの場合は、1つの子房が6つに分離し、そのそれぞれが果実になっていきます。 もちろん、うまく発育しないものもあるので、1つの雌花からできる果実は6個以下(もちろん0個の場合だってあります)ということになります。
 果実は熟すと黒くなります。 そしてその中の種子については、こちらの私のHPを見てください。 HPに移動したとき、「違ったページだ! アドレスが間違ってる!」と早とちりしないようにご注意を。(既に昨日のコメントでエフさんに見破られていますが・・・)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月27日 (木)

マドガ

Madoga070915

 昼間活発に飛び回るガですが、触角を後にたたみ、キンエノコロの穂にぶら下がって、ただいまお昼寝中(朝寝かな?)。
 春から夏にかけてよく出会うガですから、このガとも今年はお別れです。
 名前はもちろん、翅にある半透明の斑紋を窓に見立てたもの。 幼虫の食草はボタンヅルです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月26日 (水)

アオツヅラフジ

 アオツヅラフジの花が咲いていました。 1cmにも満たない小さな花ですが、例によって少し詳しく見ていくと、この植物にもおもしろい特徴があります。
 アオツヅラフジは雌雄異株。 下は雄花です。

Aotsuzurafuji070915

 いちばん外側がガクで、3枚は少し小さくずれて重なっていて、写真では3枚のようにも見えますが、6枚あります。 その内側の、細長く、先が2裂しているのが花弁で、やはり6枚。 そしてオシベが6本です。

 下は雌花。 花が大きく開いていないので少し分かりにくいですが、花弁より大きなガクが6枚、先が2裂した細長い花弁が6枚あるのは雄花と同じです。 そしてメシベが1本。 子房には6本の深い溝があり、柱頭も6本に分かれています。

Aotsuzurafuji070923_1

 

 そして、早くも実になっているところがありました(下の写真)。
 アオツヅラフジのおもしろいのは、ここからです。 あの深い溝のある子房から、なぜこんな丸い実ができるのでしょうか?

Aotsuzurafuji070923_3

 

 最後まで書くつもりでしたが、ここでしばらく考えていただく方が興味が増すと思い、今日はここまで。 答は明後日に・・・。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月25日 (火)

ハッカムシ

Hakkamushi070924_2

 ハッカムシがイネの葉についていました。
 ハッカハムシは、真夏には一時「夏眠」すると言われています。 今年はきびしい残暑が続いていますが、夏眠から覚めたようです。
 左右の鞘翅にそれぞれ5列の黒い点の列、なかなか落ち着いた色と模様です。
 ハッカムシはハムシの仲間で、名前のとおりハッカの葉を食べるとされています。 たしかにこの田の傍にはマルバハッカがありましたが、マルバハッカにはこの虫が見当たらず、写真のように、イネの葉を食べていました。 しかもこの田にいるのは、この1頭のみではありませんでした。 下の写真は別の個体です。

Hakkamushi070924_1

 ハッカムシについても、まだまだ分からないことがありそうです。
 下にマルバハッカの写真を載せておきます。

Marubahakka070924_1

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月24日 (月)

白と黒(ケチヂミザサ、シマスズメノヒエ)

 いろんなイネ科植物の花が、次々と咲き出しました。 風媒花の花は小さく、見落としがちですが、拡大してみると美しいものもたくさんあります。
 今日はその中から、チヂミザサとシマスズメノヒエを紹介します。 メシベの2つに分かれた柱頭や3本のオシベなど、花のつくりはよく似ていますが、色が全く違います。

【ケチヂミザサ】

Chijimizasa070923_1

 名前は、葉が笹の葉を縮めて波を打たせたようにみえ、葉や花軸に毛の多いところから。
 この植物の種子散布の方法は変わっています。 種子が完成すると、頴のノギの表面の細胞が溶けて粘液となり、動物の体などにくっついて種子を運んでもらいます(写真はこちら)。 「ひっつきむし」のひっつきかたもいろいろです。

Chijimizasa070923_2

 

【シマスズメノヒエ】

Simasuzumenohie070916

 南アメリカ原産の多年草で、乳牛用の牧草に適し、ダリス・グラスと呼ばれています。 第二次世界大戦後に急に増え、雑草化しています。  柱頭も葯も黒紫色ですが、在来のスズメノヒエの葯は黄色です。

Simasuzumenohie070924

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2007年9月23日 (日)

アレチヌスビトハギ

 アレチヌスビトハギは北米原産の帰化植物で、採集の記録は、1940年の大阪が最初です。
 なかなか美しい花で、受粉のしくみは8月11日に紹介したコマツナギとよく似ています。

Arechinusubitohagi070923_1

 旗弁にある蜜標(蜜のありかを示す模様)に導かれて、昆虫が舟弁の根元に潜り込もうとすると、ポンとオシベとメシベのセットが飛び出して、昆虫の腹に打ち付けられます。 上の写真の正面を向いている2つの花は、オシベとメシベのセットが飛び出す前です。 そして下の写真の中央の2つの花は、このセットが飛び出した後です。

Arechinusubitohagi070923_2

 受粉した花からは果実ができます。 果実(豆果)は扁平で、3~6節にくびれています(下の写真)。 果実が熟すと、このくびれから切れやすくなり、果実の表面には、少し固めのカールした微毛がびっしり生えていて(写真をクリックして拡大してください)、この微毛が動物の毛や人の衣服の繊維などに絡みついて、遠くまで運ばれていきます。

Aretinusubitohagi070916

※ 「アレチヌスビトハギ」の名前は、荒地に(も)生えるヌスビトハギ。 アレチヌスビトハギと同じDesmodium属のヌスビトハギは、昔から日本にある植物で、その豆果は2節からなり、盗人の足跡の形に似ているところからつけられた名前です。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

ブックマークアイコン

 このブログを「お気に入り」に登録(=ブックマーク)していただいている方は、いちど登録を削除し、再度ブックマークしなおしてみてください。
 条件にもよるのですが、たぶん、Soyokaze の「S」をアレンジした私のオリジナル・ブックマークアイコンが表示されると思います。
(「ヒマやな~」という声が聞こえてきそうですが・・・)

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2007年9月22日 (土)

アズチグモ

Azuchigumo070908

 アイマスクがかわいいアズチグモのメスです。 オスはもっと小さくカラフル。
 カニグモ科のクモで、待ち伏せ型の狩をします。 近づいてくる獲物を、前の2対の長い脚で捕らえます。

Azuchigumo070908_2

 正面から撮ると、こんなにペチャンコ!

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月21日 (金)

ツルマメ、トキリマメ、ノササゲ

 8月31日にノアズキを紹介しましたが、この時期、葉が3小葉からなるツル性のマメ科植物をよく見かけます。 今日はそのうちの3種を紹介しましょう。

【ツルマメ】

Turumame070901_1

 ツルマメの花は淡紅紫色。 じつはこのツルマメは、畑などで育てる大豆の原種だと言われています。 ダイズはそんなにツル植物のような感じはしませんが、品種改良の過程でツル性が抑えられたのでしょう。

Turumame070901_2

 ツルマメに似た種類としては、写真は出しませんが、花がもう少し細長く旗弁が紫色のヤブマメがあります。

【トキリマメ】

Tokirimame0917

 トキリマメの花は黄色。 そして秋が深まると、マメのサヤは赤く色づき、裂けて中から黒い光沢のある種子が出てきます。

Tokirimamme1203

 トキリマメに似た種類として、写真は出しませんが、葉が厚いなどの違いがあるタンキリマメがあります。

【ノササゲ】

Nosasage

 トキリマメと同じ黄色の花ですが、他のマメ科ではガクの先端に5個の歯があるのに対し、ノササゲのガクには歯がありません。 マメのサヤは紫っぽい色をしています。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月20日 (木)

クルマバッタ

Kurumabatta070908_1

 クルマバッタには緑色型と褐色型がいます。 上の写真は褐色型。 背中が盛り上がっているのが特徴のひとつです。
 名前の「クルマ」は、後翅の中央部に黒い帯状の模様があり、飛ぶと、これが黒い半円に見える(こちら)ためにつけられた名前です。
 上の写真の複眼はツヤツヤしていますが、拡大してみると、やはり小さい個眼が集まっているのが分かります(下の写真をクリックして拡大してください)。 下の写真では、単眼もきれいに写っています。

Kurumabatta070908_2

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月19日 (水)

ルリシジミの幼虫

Rurisijimi070916

 クズの花にルリシジミの幼虫がいました。 ツボミにくっついて、ツボミそっくりな色をして花びらを食べる・・・ 花にあちこち穴があいているのは、この幼虫がかじったせいでしょう。
 アミメアリが数匹。 幼虫は体から蜜を出し、代わりにアリにボディガードの役をしてもらっているようです。
 すぐ近くの別の花では、幼虫はヒメアリの仲間をボディガードとしていました。
※ シジミチョウの幼虫はどれもよく似ていて、ウラナミシジミの幼虫もクズの花を食べるようですが、写真はたぶんルリシジミの幼虫だと思います。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月18日 (火)

カラスウリ

Karasuuri070917_1

 闇夜の中、カラスウリがその繊細な花を咲かせていました。(H19.9.17. 20:30頃 堺市南区逆瀬川で撮影)
 花弁の繊細さにも、そのガク筒()の長さにも驚かされます。 これが一夜だけの花というのは、なんとも惜しい気がしますが、これだけ繊細な花が長持ちするわけもありません。
 進化の過程で、どうしてこんな花が作られてきたのでしょうか?
※ 花弁と共に、その外側にあるガクもいっしょに伸びてきています。 写真をクリックして拡大し、ガクの先端を確認してみてください。

 花は有性生殖のために存在します。 きれいな花は、虫などを呼び寄せ、花粉を同じ種類の花のメシベに運んでもらうために生まれました。 でも、花粉を別の種類の花に運ばれては、なんにもなりません。 つまり植物にとっては、特定の昆虫に、自分たちの花だけを訪れてもらう方がいいわけです。
昆虫にとっても、特定の花を訪れると必ず蜜などにありつけるのはうれしいことです。
 このようにして、特定の花と特定の昆虫が結びつきを深め、互いが互いに依存しあい、花は他の昆虫を排除する方向へ、そして昆虫はその花をより利用しやすい形態に進化します。 このような現象を「共進化」と呼んでいます。
 もちろんこれとはまったく違った“発想”の花もあります。 できるだけ“安上がり”の花をたくさん用意して、たくさんの虫を呼び寄せ、“誰かが花粉を目的の場所に運んでくれるだろう”式の戦略もあります。 でも、カラスウリは、特定の昆虫にだけ花粉を運んでもらおうとしました。
 その特定の昆虫は、この長~いガク筒の底にたっぷり用意された蜜を吸うために、長~い口を持たなければなりません。 夜活動する長~い口を持った昆虫、スズメガの仲間です。 スズメガなら飛翔力があります。 カラスウリは雌雄異株ですが、雄花から少々離れた所に咲いている雌花にも、花粉を運んでくれるでしょう。
 写真の花は雄花なのですが、ガク筒の入り口は団子状のオシベがブロックしていて、ガク筒にもぐりこんで蜜を吸おうとする昆虫の侵入を阻んでいます。 でも、スズメガの細いストロー状の口なら、その隙間(下の写真)から差し込むことができます。 そしてカラスウリはその口の周囲に花粉をつけることができるのです。

Karasuuri070917_2

 スズメガの仲間は、ホバリング、つまり空中に停止することができます。 つまり花弁にとまらなくても蜜を吸うことができるのです。
 暗闇で咲く花は白く大きく目立たせ、でも花弁にとまろうとする昆虫にはとまりにくくする・・・ こう考えると、この繊細な花弁は決して人に美しく見せようとしているのではなく、花粉媒介の高等な戦略の結果なのかもしれません。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2007年9月17日 (月)

ヒメエグリバ

Himeeguriba070916_1

 草むらの途中に、クシャクシャになりかけた枯葉が一枚、引っかかっています。 ・・・と思いきや、この枯葉、よ~く見れば足が出ています。
 これがヒメエグリバの成虫、ヤガ科に分類されるガです。
 それにしても、見事な擬態です。 色といい、形といい、枯葉にそっくり。 葉脈までちゃんとついていますし、翅の模様で影まで描いています。

 ヒメエグリバの成虫は、ブドウ、モモ、ナシなどの果実を吸汁し、商品価値を下げるので、嫌われ者です。 幼虫の食草はアオツヅラフジです。
 下の写真は、顔にピントを合わせていますので、ガであることははっきり分かっていただけるでしょう。

Himeeguriba070916_2

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月16日 (日)

キンエノコロ

Kinenokoro070901

 エノコログサより少し遅れて花の咲くキンエノコロ。 小穂(アキノエノコログサのところで解説しています)の下から出る赤い剛毛がきれいです。
 下は穂の拡大。 メシベの柱頭は赤く、二股に分かれて、それぞれが細い突起をたくさん出して、風に乗って飛んでくる花粉を受け止めやすくなっています。
 護頴(ごえい)の背に細かい横しわが見られるのも、キンエノコロの特徴のひとつです。

Kinenokoro070915

 

※ 植物の形態や色は、生育条件などで変化します。 キンエノコロの名前は、剛毛が金色であるところから付けられたものですが、このページのキンエノコロの剛毛は、色が濃く(だから美しく、被写体として選んだのですが)、“アカエノコロ”とでも言いたくなるような色をしています。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年9月15日 (土)

オオセイボウ

Ooseibou070908_1

 シナガワハギの花にオオセイボウが来ていました(9月8日撮影)。
 オオセイボウは漢字で書くと大青蜂。 セイボウの仲間は暑い日中に飛ぶハチですので、この金属光沢も光をはね返して体温上昇を防ぐのに役立っているのでしょうか?
 セイボウの仲間はハチに寄生するハチとして知られていますが、このオオセイボウもスズバチ(スズメバチじゃありません)などに寄生します。
 成虫は捕らえられると非常に強い臭いを出すということなのですが、網など持ち歩かない私には、小さなシナガワハギの花を次々と移動するオオセイボウをカメラでこの程度に捉えることが精一杯 (^^;)

Ooseibou070908_4

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月14日 (金)

ニラ

Nira070901

 ニラは、レバニラ炒め、餃子の具、汁の実やおひたしなど、葉がスタミナ野菜としてよく知られていますが、花は虫たちによく知られています。 写真の花にもたくさんの虫たちが集まっていました。
 ニラは古代から栽培されていましたので、野に生えていても、本来の野生植物であるのか、栽培していたものがエスケープして野生化したのか分かりません。
 学名は Allium tuberosum。 ノビル、アサツキ、ネギなども、同じ Allium属です。

 たくさんの花が咲いていると何が何だか分かりません。 下は8月下旬の、まだ咲きかけの頃の様子です。
 並んでいる2つの花のうち、左の花は、花粉が出かけていますが、メシベの柱頭はまだ伸びていません。 そして右の花は、花粉はそろそろ終わりで、メシベの柱頭は長く伸び、先端は花粉がついているらしく、少し黄色みを帯びています。 ニラの花も、もうこのブログではおなじみの、雄性先熟の花なのです。

Nira070825

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月13日 (木)

フウセンカズラに来たアワダチソウグンバイ

Awadachisougunbai070909_1

 6月21日に紹介したアワダチソウグンバイが、庭のフウセンカズラに来ていました。
 アワダチソウグンバイは、セイタカアワダチソウ、キク、ヒマワリなどのキク科の植物以外にも、ナス(ナス科)やサツマイモ(ヒルガオ科)などにも付く害虫として知られていますので、けっこういろんな植物の汁を吸うようです。 フウセンカズラでも熱心に吸汁していました。
 今回は庭で見つけたアワダチソウグンバイです。 さっそく室内に持ち込んで、いろんな方向から、ゆっくり撮影させていただきました。 体長約3mm、幅約1mmの造形美を再度お楽しみください。

Awadachisougunbai070909_2

 横や正面から撮って、“トサカ”がこんなに盛りあがっていることに、はじめて気づきました。 この“トサカ”、どんな役に立っているのでしょうか?

Awadachisougunbai070909_4

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月12日 (水)

フウセンカズラの花

Fuusenkazura070909_1

 フウセンカズラは北アメリカ南部原産の、ムクロジ科の一年草です。 普通は涼しげにぶら下がる“フウセン”や、かわいいハートマークのついた種子が注目され、ちっぽけな花はあまり注目されていません。 HPやブログを検索してみましたが、花のつくりについて書かれてあるページを見つけることはできませんでした。 そればかりか、花のつくりについて書いてある本も、あまり無いようです。 でも、拡大してみると、なかなか趣のある花です。
 今回は、フウセンカズラの“フウセン”や種子は他のHPやブログに任せ、花を中心に取り上げてみました。

Fuusenkazura070909_2

 このフウセンカズラを含め、ムクロジ科の花は左右相称の傾向があります。
 もう少し丁寧にフウセンカズラの花のつくりを見ていきます。 まず、ガクは4枚ですが、左右の2枚は小さく、上下の2枚は大きくて花弁のようです。 花弁は4枚、花弁とオシベ・メシベの間には、発達して花弁状になった花盤があり、メシベとオシベを保護しています。 黄色い部分は蜜を出しているのだと思います。
 下の写真は、花盤の下半分と、メシベの様子が分かるように(結果としてあまりよく分かりませんが (^^;) )手前のオシベを2本取り除いたものです。 オシベは8本が、メシベの周囲でくっつきあっています。

Fuusenkazura070909_3

 ところで、ホオズキは、発達したガクが果実を袋状に取り囲んだものですが、フウセンカズラの“フウセン”は、いったい何でしょうか?
 下の写真は、“フウセン”の付け根を拡大したものです。

Fuusenkazura070909_4

 まだガクが残っています。 そしてクシャクシャになった花盤も!
 ということは、フウセンカズラの“フウセン”はメシベの子房そのものが膨らんだもの、つまり果実そのものです。
 こんなにみごとに空気で膨らんだ果実なんて、あまりありません。 でも、中身が空気だからこそ、あんなに急激に果実が大きくなれるのでしょうね。
 果実は種子散布のための工夫です。 フウセンカズラの果実は、種子を入れたまま、風に吹かれて地面を転げ、種子を遠くに運ぶのでしょう。

※ ムクロジ科のムクロジについては、こちらの私のHPで取り上げています。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月11日 (火)

シュレーゲルアオガエル

Schlegel070908_1

 日陰でウトウトしているうちに太陽が動いて日当たりに・・・だったら面白いのですが、それはウソ。 撮影にジャマな葉をそっと横に押しやったところ、陽があたりました。
 でも、寝ていたようなのは本当で、傍でガサガサやるもので、起き上がりました。 まだ寝ぼけ眼のようですが・・・(下の写真)

Schlegel070908_2

 名前の「シュレーゲル」は、オランダのライデン王立自然史博物館館長だったヘルマン・シュレーゲル氏に由来します。
 アマガエルとよく間違われますが、ニホンアマガエル(下の写真)とは、鼻から鼓膜周辺にかけての黒い斑紋がないことで区別できます。 また、モリアオガエルとは、眼の虹彩の色が、モリアオガエルが赤色であるのに対し、シュレーゲルアオガエルは金色であることで区別できます。

Amagaeru060423

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月10日 (月)

ゴンズイの種子散布

Gonzui070908_1

 ゴンズイの実(袋果)が開いて、黒い種子が顔を出していました。 赤と黒の美しい対比です。
 植物はそれぞれに種子散布の方法を工夫しています。 ゴンズイはどのようにして種子を散布しようとしているのでしょうか?
 この質問に対しては、だれもが鳥に食べられて種子が運ばれることを想像するのではないでしょうか。
 昆虫は赤い色が見えないのですが、私たちと同じ脊椎動物である鳥の色覚は私たちに似ています。 最初に「美しい」と書きましたが、私たちが美しさを感じる裏には、好印象、つまり「おいしそう」という意識があるからではないでしょうか。 赤い色は熟れた色、そして光沢のある黒い色もジューシーな果実を想像させます。
 ところが光沢のある黒いものは果実ではなく、種子。 ジューシーどろこか、カチンカチンです。 そしてツルンツルンです。 鳥がこれをついばんで「アレッ?」と思う間もなく、種子はツルリと喉を通って腹の中へ、と、そんなことが予想されます。 もちろん種子は消化されてしまうことの無いよう、表面はたいへん硬くなっています。
 下はこの種子の断面ですが、ジューシーな部分の無いこと、厚い種皮を持っていることを確認してください。
 この断面を作る時、どんなに硬かったか! もし皆さんがこのことを自分で確認しようとする時は、くれぐれも怪我にご注意を!
 おいしそうでおいしい部分が無く、鳥は結果として種子散布を手伝わされるだけ・・・ ゴンズイの果実は「擬態果実」なのです。

Gonzui070908_2

※ ゴンズイの花はこちらに載せています。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月 9日 (日)

オンブバッタ(両眼視)

 8月28日のショウリョウバッタの記事のコメントで、エフさんから、ショウリョウバッタのように目が顔の両脇についている昆虫では、右目は右側だけを、左目は左側だけを見てるのかという質問をいただきました。
 8月28日のショウリョウバッタの写真を見ると、そのような印象を持たれるのも無理はありません。 でも、左右の眼の視野は、狭いですが重なりがあります。 エフさんには、その証拠写真(=両眼で見つめられている写真)を提供することを約束しました。
 それが下の写真です(9月8日に撮りました)。 ショウリョウバッタよりは少し顔の短いオンブバッタですが、ショウリョウバッタの場合も似たようなものです。

Onbubatta070908

 写してみると、「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男のようでもあり、なかなか面白い写真になりましたので、写真展にでも投稿しようかなと思っていますが、写真のタイトルは、感性のすばらしいエフさん、お願いしますよ。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月 8日 (土)

カエデドコロ

Kaededokoro070901_1

 カエデドコロの花暖簾です。
 カエデドコロは単子葉類のヤマノイモ科に分類され、雌雄異株。 上の写真は、種子ができているので、もちろん雌株。 下はその花の拡大です。

Kaededokoro070901_2

 下は雄株の雄花。 小さな花を穂状または総状に咲かせるヤマノイモ科にあって、カエデドコロの花は色もあでやかで、にぎやかな感じがします。

Kaededokoro070817

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2007年9月 7日 (金)

キオビツチバチ

Kiobitutibachi070901

 キオビツチバチのメスがいました。 地中にいるコガネムシの幼虫を探知し、土を掘り、その幼虫に針を刺して麻痺させ、卵を産みつけるという寄生蜂です。
 キオビツチバチの学名は Scolia oculata 。 oculus は「目を持った」という意味ですが、下の写真のように、腹部の黄色の模様は、たしかに目玉模様です。
 では、キオビ(=黄帯)は?
 じつはオスではこの目玉模様が真ん中でつながって帯状になる傾向があります。 オスは触角が長く、前翅長の3分の2くらいもあるのも、メスとの違いです。 またいい写真が撮れたら、オスも紹介したいと思います。

Kiobitutibachi070901_2

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年9月 6日 (木)

ミゾカクシ(アゼムシロ)

Mizokakusi070924

 ミゾカクシ、別名アゼムシロ。 名前は、溝を隠すほどビッシリと、または畦に筵(むしろ)を敷いたようにびっしりと生える、いずれにしても旺盛な繁殖力を示しています。 でも、生えているところでは旺盛な繁殖力を示していても、そんなにどこでも見ることのできる植物でもありません。 湿地の植物ですので、湿地が少なくなったということなのでしょうね。
 堺市南区逆瀬川で、他の田に比べて、畦が低く、しかもたいへん緩やかな勾配にしてある田がありました。 この“帯状の湿地”に、ミゾカクシが写真のような可憐な花を咲かせていました。

Mizokakusi070901

 1cmにも満たないような小さな花ですが、なかなかおもしろいつくりをしています。 花冠は5裂し、オシベなどはその上にあります。 おしべ(5本)は葯の部分でくっつきあって、先はひとつになり、そこから数本のひげが出ています。 このひげに触れると花粉が出てくるしくみです。
 ミゾカクシも雄性先熟の花です。 じつは上の写真は雄性期のもので、メシベは表面からは見えていません。
 そして下が雌性期。 花粉を出し尽くした葯の間から、メシベの柱頭が伸びだしてきています。

Mizokakusi070729

 ミゾカクシの学名は Loberia chinensis。 同じ Loberia属に分類される、山の湿地に生える多年草のサワギキョウや、ロベリアとして園芸的に販売されている植物も、基本的な花のつくりは同じです。
 こちらの多摩NTの住人さんのブログでは、サワギキョウの花ですが、くっつきあったオシベの真ん中にあったメシベがはみ出していて、オシベとめしべの関係がよく分かります。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月 5日 (水)

ヌマガエル

Numagaeru070901

 イネが花盛り。 その田んぼにたくさんのヌマガエルがいました。 オタマジャクシはこの田んぼで育ったのでしょうか。
 ヌマガエルは、高温に対する耐性が高く、西日本の水田でよく見られる南方系のカエルです。 地方によっては、背中に1本、白い線が入る個体が多い所があるようですが、ここ堺市南区逆瀬川では、写真のような個体ばかりでした。
 よく似たカエルにツチガエルがいますが、いちばんよく分かる違いはツチガエルの腹が褐色のまだら模様であるのに対し、ヌマガエルのお腹はまっ白です。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月 4日 (火)

ジュズダマの花

 ジュズダマの花が咲いていました(H19.9.1. 堺市南区岩室)。
 ジュズダマはイネ科の植物です。 でも、ジュズダマはイネ科の中では、とても変わった花のつくりをしています。
 ジュズダマを含めてイネ科の植物の多くは風媒花、つまり花粉を風に運んでもらう花。 虫を呼ぶ必要はありませんから花は目立ちませんが、そのつくりは複雑です。 おまけにイネ科の花に対しては、特異な用語を使います。 初期の形態学の頃は、何が普通の花の何に相当するのか分からなかったのでしょうね。
 ジュズダマの花(の集団)の解説に必要な用語を理解していただくついでに、まずは一般的なイネ科の花について説明しておきます。 ややこしい話になりますが、しばらくご辛抱を。
 まず、他の植物の1つの花に相当するものに、それを保護する「護頴」と「内頴」を加えたものを「小花」といいます。 この小花の集団に、この集団を保護する2枚の「包頴」がついたものを「小穂(しょうすい)」といい、小穂の集まりが「花序」。 これがイネ科の基本的な“穂”のつくりです。  このあたりの話は、いつか機会を見て、分かりやすいイネ科の植物で、あらためてお話しすることにします。

 さて、ジュズダマです。 ジュズダマは雌花と雄花に分かれています。 このように雌花と雄花に分かれているのは、イネ科のなかではたいへん珍しいことです。
 雌花(雌小穂)は、その基部にある包葉(の鞘)が包み込み、つぼ型になります。 下の写真では、つぼ型になった包葉鞘の先端から、長いひも状の雌花の柱頭が伸びています。 包葉鞘の先端からは2つの退化した小穂なども少しだけ顔を覗かせていますが、これに触れだすとさらに話がややこしくなるので、今回は略します。
 包葉鞘の先端の穴からは雄の小穂も出ていますが、雄花はまだ咲いてはいないようです。

Juzudama070901_1

 下の写真、今度は雄の小穂は花盛り。 そして雌花の柱頭は既に枯れています。 このように、ジュズダマは雌性先熟の花です。

Juzudama070901_2

 今までに8月4日のアキノタムラソウ、8月16日のヤブガラシ、8月18日のクサギなど、雄性先熟の花を紹介してきました。 一般的に、虫媒花には雄性先熟の花が多く、風媒花には雌性先熟の花が多い傾向があります。 虫媒花は、まず花粉を昆虫の体につけ、それをメシベに運んでもらおうとするのに対し、風媒花はまず花粉を受け取る用意をし、風に乗って運ばれてくる花粉を待つ、ということでしょうか。

 今日は、雌性先熟が分かりやすい花として、ジュズダマを取り上げてみました。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月 3日 (月)

ツチイナゴの若齢幼虫

 暑いことで有名な大阪でも、少しは秋の気配を感じることができるようになってきました。 夜、屋外に出ると、いろんな虫の声が聞こえてきます。
 コオロギの仲間、キリギリスの仲間、それにあまり鳴かないバッタの仲間などをまとめて「直翅類」とよんでいますが、初秋は直翅類の声も姿も目立つ季節です。 もちろん鳴くのは成虫。 鳴かないバッタの仲間でも、成虫の姿が目立ちます。

 そんななか、直翅類の幼虫に出会いました(下の写真)。 まだ若齢で、翅は全くと言っていいほど目立ちません。 複眼から口の方向に伸びる黒い線状の模様が大きな特徴。 成虫とはその他の体の模様は全く違いますが、ツチイナゴの若齢幼虫です。

Tuchiinagojakurei070825

 ツチイナゴの成虫は、10月ごろからやっと現れはじめます。 そして、ほとんどのバッタの仲間が卵で越冬するなか、ツチイナゴは枯れ草の下などで成虫のまま越冬します。 下は昨年の12月16日に近くの槇塚公園で撮ったツチイナゴの成虫です。

Tutiinago061216

 そして春、暖かくなると再び活動しはじめ、成虫の姿は6月頃まで見ることができます。 下は5月6日に撮った写真です。

Tutiinago060506

 イソップ寓話の「アリとキリギリス」。 キリギリスを直翅類の代表だとすると、「ツチイナゴ君がいますよ!」と言いたくなります。 もっともこの話は、元は「アリとセミ」だったものが、ギリシアからアルプス以北に伝えられる翻訳過程で改編されたということです。 ヨーロッパでは地中海沿岸を除いてセミは少なく、イギリスではヤマチッチゼミの仲間が1種のみ、ドイツやフランス北部ではセミはほとんどいないようです。
 話が全く違う方向に行ってしまいました・・・ m(_ _;)m

※ 今回も、どの写真もクリックすると拡大できます。 ツチイナゴは全身に細かい毛が生えていますが、写真を拡大し、よ~く見ていただくと、どの写真でも毛を確認していただけると思います。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2007年9月 2日 (日)

イソノキ

Isonoki070825_1

 イソノキの実が緑から赤へ、そして黒く熟しはじめてきました(8月25日撮影)。 実の中には普通3個の種子があります。
 イソノキはクロウメモドキ科に分類され、ふつう湿ったところにポツンポツンとみられる木ですが、ここ堺市南区岩室には尾根筋に1本だけ生えているところがあります。 イソノキにとっていい環境とはいえないためか、少し弱り気味で、虫たちにたかられる傾向があるようです。 じつは7月16日のアオバハゴロモの幼虫とアミガサハゴロモは、このイソノキで撮影したものです。 そして7月19日のミカドトックリバチも、この木の葉の上です。
 クロウメモドキ科の花は全般的に小さいのですが、このイソノキの花も小さく(イソノキがあまり知られていないのは、このことも原因でしょう)、次々と咲いては次々と実になっていきます。 下の写真は7月16日に撮影したもので、たくさんのツボミも残っています。 花はガク片が5、花弁はありません。

Isonoki070716

 イソノキの目立たないけれどおもしろい、もうひとつの特徴、それは葉序(葉のつきかた)です。 今年よく伸びた枝を観察すると、葉が右右左左右右・・・と、左右に2枚ずつついています(下の写真)。 このような葉序を「コクサギ型葉序」といい、クロウメモドキ科のケンポナシ、ネコノチチなどや、ミカン科のコクサギなどで見られるほか、サルスベリやヤブニッケイなどでも枝の伸び方によってはそのようなつき方をすることがありますが、そんなに多くあるパターンではありません。

Isonoki070825_2

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年9月 1日 (土)

アカハネナガウンカ

Akahanenagaunka070901

 アカハネナガウンカは、半翅目ハネナガウンカ科に分類されます。 ススキなどのイネ科の汁を吸い、写真もジュズダマに来ていた個体です。
 愛嬌のある顔です。 きれいに撮ってやろうと思うのに、すぐ葉の日陰側に回ってしまいます。
 飛翔力はありますが、近づくとすぐ飛び去るような失礼なことはしません。



| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »