ヘクソカズラ
かわいそうな名前を付けられていますが、臭いさえ気にしなければ、なかなか繊細で美しい花です。
花の断面を拡大すれば、もっと繊細。 この花のつくりを受粉という視点から考えてみました。
まず花冠の内側には腺毛がびっしり。 これは飛翔能力のあまり無い、つまり花粉を遠くに運んでもらえない小さすぎる虫が花の奥にまで侵入することを拒否しているのではないでしょうか。
オシベは、花冠の内側のいろんな高さのところについています。 そして、付け根近くから二股に分かれた長い花柱には突起がいっぱい。 どこででも受粉できそうです。 これは、この花冠の中に入って中を移動する虫に受粉を託すしくみだと思われます。
この日、私の見ているヘクソカズラでは、ツマグロキンバエが花に潜り込み、しばらくしてから出てきて、また傍の花に潜り込んでいきました。 ちょうどヘクソカズラの花のサイズにピッタリの大きさの昆虫のように感じました。
※ ヘクソカズラの果実については、こちらで記事にしています。
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コメント
おはようございます♪
へクソカズラのふわふわの花にも
そんな秘密が・・・
鼻にくっつけて天狗の鼻と遊んでる
場合じゃなかった
そよかぜさんの説明を読んでると
花のサイズに虫が体の大きさを合わせたか?
と考えててしまいます・・ネ
それにしても花の内側の見えない奥まで
紅色鮮やか
投稿: エフ | 2007年8月21日 (火) 11時01分
花と昆虫、どちらがどちらにあわせたではなく、「共進化」、つまり互いに影響されつつ進化してきたとする考え方が大切です。しかし、この場合は、多くの植物があり、もぐりこみタイプの花のサイズもいろいろ、一方昆虫にもいろんなサイズの昆虫がいて、サイズのよくあったもの同士が利用しあっていると考えたほうがいいと思います。
記事では、ツマグロキンバエのサイズ「も」ヘクソカズラの花のサイズにピッタリだということで、両者を1:1の関係で強く意識する必要は無いと思います。
投稿: そよかぜ | 2007年8月21日 (火) 23時56分
ヘクソカズラの花の中、美しいですね、意外でした。
ツマグロキンバエがヘクソカズラの花に潜ったりしていたということなので、受粉に一役買ってはいるのですね。ツマグロキンバエは他にもいろいろな花で見ますが、複眼の縞模様がいつも気になります。
投稿: タロ | 2007年8月23日 (木) 00時04分
時として残酷な名前を付けるんですね、
私は先に花を知り、友人が名前を教えてくれて、知らない方が良かったと・・・
光を上手く取り入れてヘッキー(ヘクソ・)
の一番いい色を引き出してはります・・・ね
やわらかい光は朝日だったの?それとも夕日だったのでしょうか?
この写真、なんぼ見てても飽きないですわ。
投稿: わんちゃん | 2007年8月23日 (木) 00時33分
タロさんへ
個眼の何の違いが縞模様に見えているのか、私も不思議に思っています。偏光に関する情報を得ているのかなという気もしますが・・・
わんちゃんへ
「ヘッキー」、いいですね。
この写真を撮ったのは、9時26分です。
たしかにヘッキーは、その美しさを引き出してやりにくい花ですね。
投稿: そよかぜ | 2007年8月23日 (木) 01時01分