ヒゲナガカメムシ
6月12日の記事で、クリの木に来ていたヒゲナガカメムシを紹介しました。 しかし、その時にも書きましたが、普通はエノコログサなどのイネ科やスゲ類の穂の汁を吸っていることが多いカメムシです。 ここ(堺市南区岩室)でも、たくさんのヒゲナガカメムシがエノコログサに集まっていました。
カメムシの仲間は、幼虫も成虫と同じように動きますし、幼虫と成虫がいっしょに生活する場合も多くあります。 上の写真でも、一回り小さい、翅の短い個体は幼虫です。
下の写真は、広い範囲を写したものですが、たくさんいることが分かっていただけると思います(写真をクリックすると拡大します)。 さて、写真には何頭のヒゲナガカメムシが写っているでしょうか? (答は・・・ 私にも分かりません。 だって、ず~っと遠くにもいるんですから・・・)
(以下、8月4日に追加)
コメントで、エノコログサにヒゲナガカメムシの吸えるような汁があるのか、という質問をいただきました。 この場所の方が皆さんにも読んでもらいやすいと思い、記事を追加する形にします。
同じイネ科のお米でもいっしょですので、イメージを持ってもらいやすいお米で説明することにしましょう。
籾殻の中での変化なので、見る機会はあまり無いのですが、私たちの食べているお米は胚乳、つまり「胚(=まだ赤ちゃんとも呼べない発生初期の状態)の栄養分」なのですが、この部分は、まだ実が完成していない頃は、ジュース状なのです。 栄養分が水に溶けてどんどん運ばれてきて、次第に水分がなくなって、私たちのよく知っているお米になるわけです。
ちなみに、野生のイネが栽培種になるときに、大きな変化が起こっています。 それは、実が完成しても落ちないということで、だから収穫が容易になるわけです。
エノコログサのような野生のイネ科では、ダラダラと花が咲き、完成した実から地面に落ちていきます。 つまり、穂に残っている実がまだ柔かい状態である確率は高くなるわけです。
ヒゲナガカメムシは、ストロー状の口を、私たちの知っているお米のようなかたい実に突き刺しているのではありません。そうなる前のジュース状のものを飲んでいるのでしょう。
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コメント
正式名はエノコログサだったんですね、
ミーコと遊ぶのに喜ぶからネコジャラシと勝手によんでました。
穂の汁を吸って・・・とありますが
ドライフラワーのようで、汁気があるなんて思わなかったです。
でも、ヒゲナガカメムシが吸うくらいには
汁気があるんですね。。。。
投稿: わんちゃん | 2007年8月 2日 (木) 23時40分
ヒゲナガカメムシが随分いますね。
エノコログサの沢山生えているところに多いんですね、やっぱり。
他でも見ますけど、こんなにいっぺんには見たことないですよ。
前々から疑問に思っていたのですが、ヒゲナガカメムシの前脚って、何の用途に使うためにあれほど太いんでしょうね?まだ満足のいく解答が得られていないのです。
投稿: タロ | 2007年8月 3日 (金) 00時19分
わんちゃんへ
汁があるのか、本文に追加する形で記事にしますね。
タロさんへ
ヒゲナガカメムシの前脚が、なぜあんなに太いのか、私も不思議に思っています。
イネ科などのノギや剛毛などに防御された穂の中に潜り込んでいくのに前脚の力を使うのか、交尾の時に役立つのか、ライオンのたてがみのようにシンボルとして使われているのか、それとも過去の祖先が必要とした機能が不要になった今でも、形態として残っているのか、いろいろ考えられるのでしょうが・・・
投稿: そよかぜ | 2007年8月 4日 (土) 00時30分