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2007年8月26日 (日)

ツノホコリ

Tunohokori070825_1

 8月22日夜から23日朝にかけて、大雨警報が出る雷を伴った激しい雨。 そして25日、ツノホコリが倒木の上で、変形体から担子体へと、その姿を変えていました。
 ツノホコリは原生粘菌類に属します。 原生粘菌類については、6月18日のタマツノホコリのところで書きました。 このツノホコリもタマツノホコリに近い仲間です。
 タマツノホコリのところでも書きましたが、原生粘菌類の変形体は、普段は湿ったところで生活していますが、胞子を散布するためには、風通しのいい場所に移動する必要があります。 でも、この移動途中に乾燥してしまっては子孫を残せません。 ですから、このように雨の後に倒木の上などに移動し、胞子を生産するわけです。

 下の写真は、上の一部の拡大ですが、チューブのようなものの表面が、白い粉のようなものに覆われています。 写真をクリックして拡大してよく見ていただくと、この白い粉のようなものには柄があります。 このチューブのようなものを「担子体」といい、小さな「子実体」が多数集まってできています。 担子体の表面の白い粉のようなもの一つひとつが子実体の「子のう」で、この中には1~2個の胞子が入っています。
 担子体の内部は粘液で満たされていて、表面の子のうが完成していない部分では透明感があります。

 このような写真に美しさを感じるのか、気持ち悪さを感じるのか、人それぞれなんでしょうね。 でも、気持ち悪さも、得体の知れないものに対する恐怖感みたいなものに発するのでしょうから、これも自然の懐の深さだと思うのですが、いかがでしょうか?

Tunohokori070825_2

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菌類・変形菌等」カテゴリの記事

コメント

わぁ~~キレイ!!
と思ったのもほんの一瞬、ちょっと気持ち悪さも半分・・・・

移動する瞬間見てみたい、
なんだかSF映画のワンシーンを想像します。

ピチャっと足にでもくっついたら・・・
でも、足も湿ってなかったらピチャっとはこないでしょうね。

投稿: わんちゃん | 2007年8月26日 (日) 23時36分

こんばんは♪
海の中で蠢いている生物みたいです
アップにすると粉砂糖をふりかけたみたいで
おいしそうでもあります
しっかーし朽木にびっちり密生してると
ゾクゾク粟立ってきます

原生粘菌類が移動するところは
まさか見えないんですよね
わんちゃんさんそんな~~
見えないと言って!


投稿: エフ | 2007年8月27日 (月) 22時08分

「ピチャッ」じゃなくて、「ニュルッ」でしょうね。
変形体は、普段は落ち葉の下などで生活していますし、大きなものですから、探せば見ることはできます。でも移動速度はほんとにゆっくりしたものですから、じっと見ていても移動しているのは分からないでしょうね。
それと、担子体1本1本は1mmちょっとの大きさですから、それを頭において見てくださいね。子のうなどは、どんなに目のいい人でも肉眼では絶対に見えませんからね。

投稿: そよかぜ | 2007年8月28日 (火) 12時36分

私の場合も美しさを感じているのか否か、自身のことながら不明です。
見るぶんには美しい、かといって触りまくったりはしたくない・・・・・というような気持ちです(笑)。
私は、世間で気持ち悪いとされている虫も相当いろいろ撮りますが、案外触らないです。それは湿っぽかったり、匂いがついたり、かぶれたりするのが嫌だったりというのもありますが、単純に気持ち悪くて触らないのもいます。でも怖いもの見たさ、撮りたさ、というか何というか・・・・。人間の心理、好奇心って一体、どんな仕組みなんでしょうね?

投稿: タロ | 2007年8月29日 (水) 22時45分

その「知りたい」という心が自然科学を発達させてきたんでしょうけれどね。
でも、怖さを逃れるために理解する、というのもあるんでしょうね。

投稿: そよかぜ | 2007年8月30日 (木) 00時14分

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