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2007年7月28日 (土)

ヒメクロオトシブミの揺籃

(「落とし文」については、こちらの私のHPで紹介しています)
 7月24日の記事で、7月21日の観察を基に、4月下旬頃に作られた揺籃から生まれたと思われるヒメクロオトシブミが見られる時期になったこと、モチツツジの葉を食べていたが、モチツツジの葉のネバネバ度は雨で減少しているのではないか、という内容を書きましたが、いろいろ気になることがあって、再度見に行ってきました。
 ヒメクロオトシブミは、あいかわらずそこにいました。 ここ数日雨はありませんでしたが、モチツツジの葉のネバネバ度は、指で挟むと、少し粘つく程度。 ヒメクロオトシブミも、少し歩きにくそうにはしていましたが、葉の上も茎の上も歩くことができていました。
 モチツツジのネバネバ度の雨や季節などとの関係は、時間ができたら調べてみたい気がします。

 面白い新たな発見がありました。 新たに生まれたヒメクロオトシブミたちが、次の揺籃を作っていましたが、その揺籃のことです。
 ヒメクロオトシブミの揺籃は、葉の真ん中にぶら下がっているのが普通で、たまに葉から切り離される場合がある、と、思っていました。 ところが、ここで作られている揺籃は、全て切り離されていました。 切り離された揺籃は、モチツツジの葉のネバネバにくっついて、葉の上にありました。
 下の写真には、葉にくっついた揺籃が4つ写っています。 写真の右上隅と、中央の上やや左寄りには、中央から先が揺籃作りに使われた葉が写っています。 そして写真の中央やや右には、ヒメクロオトシブミが茎の上を歩いています。(写真はクリックすると拡大できます)
 揺籃を切り離すのかぶら下げておくのかは、何で決まるのでしょうか? 周囲の状況、つまり環境によるのでしょうか、それともそれぞれの個体の遺伝的な性質によるのでしょうか。
 私は今のところ、遺伝的な要因が強いと思っています。 というのは、ここにいる個体は、全部同じ親から生まれた個体だと思います。 そして彼女らが全部揺籃を切り離しているわけです。
 モチツツジだから切り離しているのではありません。 同日、別の場所で見たモチツツジの葉で作られた揺籃は、全てぶら下がっていました。

Otosibumi

 モチツツジの葉で作られた揺籃を1ついただいてきて、断面を作ってみました。 中央に卵が産み付けられています。

Youran

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コメント

もう・・・そよかぜさんはなんでもかんでも
お持ち帰りで・・・・

その知りたがり精神がいろんなことを解明していくのですね。

葉っぱを巻き巻きして卵を産み付ける安全な場所を作る、知恵ってスゴイです・・・

投稿: わんちゃん | 2007年7月29日 (日) 00時11分

昆虫の中でも小さいほうであるだけに、そんなにたくさんの卵を体の中で作ることもできず、卵一つひとつを大切に産むんでしょうね。

投稿: そよかぜ | 2007年7月29日 (日) 22時49分

おはようございます♪
葉の巻物を作るのは雌なんですね
モチツツジの茎でパトロール?
をしてるのも彼女ら・・
ということは雄はどこに?

揺籃の中に入り込めたら入ってみたい
緑色のテントの中にいる感じでしょうか

投稿: エフ | 2007年7月30日 (月) 08時29分

パトロールではなくて、次の揺籃を作る葉に移動中だと思います。
オスは気まぐれ。4月28日の記事とも関係しますが、すぐどこかに行ってしまいます。

投稿: そよかぜ | 2007年7月30日 (月) 23時17分

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