キノコを“食べる”キノコ -ヤグラタケ-
上は、少し分かりにくい写真ですが、黒っぽいキノコの上に白いキノコが乗っているように見えます。 黒っぽいキノコを盆踊りの時などに組む櫓(やぐら)に見立て、その上に乗っている白いキノコをヤグラタケと言います。
キノコは光合成できません。 つまり、生きていくためには、有機物を取り込まなくてはなりません。 多くのキノコは、落ち葉を分解して得られる有機物や、マツタケなどのように生きている木などから有機物を分けてもらったりしています。 ところが、このヤグラタケ、写真のように、他のキノコに寄生して、そのキノコの体を作っている有機物を“食べて”成長します。
写真の黒っぽい“食べられている”キノコは、クロハツモドキです。
新鮮なクロハツモドキ
ヤグラタケの白い菌糸がクロハツモドキの組織を侵しはじめ、キノコの形成も始まった
ヤグラタケの胞子散布の方法も変わっています。 通常、胞子はきのこの傘の下面に形成されますが、ヤグラタケでは傘の上面に形成されます。 下の写真の薄茶色の部分かそれで、写真は雨上がりのためによく分かりませんが、粉塊状になっています。
秋、クロハツに寄生したヤグラタケは、こちらで紹介しています。
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コメント
こんばんは♪
新鮮なクロハツモドキ・・
なんて紹介されると食べられるのかと
つい食欲が湧いてきそうです
キノコを食べるキノコ
すばらしい連鎖です
なんでしたか・・
えーっとヤグラタケでしたね
虫に限らずって他にどんなのが?
犬や猫?!まさか・・・
投稿: エフ | 2007年7月11日 (水) 22時28分
毒キノコもあるというのに、私たちはどうして「キノコ」と聞くと、「食べる」という発想になるのでしょうね。美しいキノコ、かわいいキノコもいっぱいあるんですけれど・・・
“まさか・・・”って何でしょう? 当たっていたりして・・・
投稿: そよかぜ | 2007年7月12日 (木) 23時56分
こんばんわ~
一枚目の写真で単純に「シメジ」を連想してました。
スゴイきのこですね・・・・
黒いきのこが犠牲になって白いきのこが生き延びる
ここで、その白いきのこ、バター炒めにはできませんかね?
投稿: わんちゃん | 2008年4月29日 (火) 23時08分
ヤグラタケは、仮に毒が無いとしても(調べていません)、ニオイもイマイチですし、胞子が多いので、たぶんパサパサしていておいしくないと思います。
投稿: そよかぜ | 2008年4月30日 (水) 07時00分