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2007年7月21日 (土)

ヤドリバエの仲間(1)

Gonia_sp_070707

 マサキの花に来ていた、ヤドリバエ科Gonia属(オオズハリバエ属)のハエです。 7月7日の撮影で、マサキの花に来ていました。 一番下にいるメスに、オス2頭が近づこうとしているところだと思っています。 3頭とも、翅は動かしていますので、写っていません。
 ヤドリバエの仲間は、その幼虫が他の昆虫の幼虫やサナギに寄生して育つハエの仲間です。 ここに載せるのが遅くなったのは、名前を調べていたからですが、アノニモミイアさんに、ヤドリバエ科の系統分類学の専門家である舘卓司博士にお尋ねしていただいても,Gonia属であることを確認していただけたところまでで、写真からだけでは種名までは分からないということでした。
 一般に発売されてる昆虫の図鑑の中で、最も載ってる種類が多いのは、北隆館の原色昆虫大圖鑑(全3巻で、現在2巻まで改定済みですが、旧版は\21,000×3)でしょうが、この中に載っているヤドリバエ科のハエは18種です。 ところが、九州大学農学部昆虫学教室・日本野生生物研究センター共同編集による日本産昆虫総目録(略して「九大目録」)には、ヤドリバエ科のハエが407種載っています。 さらに、埼玉県昆虫誌には、九大目録以外のハエが100種余り載せられています。
 北隆館に載っていないヤドリバエは珍しいのかといえば、そうでもないようです。 ここで紹介しているヤドリバエも、マサキの花にたくさん来ていました。 ですからこんな写真も撮れたのですが、私たちが手にすることのできる図鑑でいくら熱心に調べようとしても、500種以上もあるヤドリバエを、18種しか載っていない図鑑で調べるのは無理だということですね。

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昆虫06 ハエ・アブ」カテゴリの記事

コメント

こんばんは♪
ハエ?と思いましたが
手をすりすりしてますね
3匹のこぶたじゃないけど3匹いると
なぜか可愛いです
絵本になりそうです
それにしてもすごい写真ですネ
嬉しくなりました 

ヤドリバエだけで500種以上、
たらーん~眩暈が・・・
そよかぜさんなら調べられるかも

投稿: エフ | 2007年7月21日 (土) 20時25分

これで翅が撮れているとほんとにいい写真なんですけれどね・・・

投稿: そよかぜ | 2007年7月21日 (土) 23時16分

春、日本産のヒメバチが1300種以上いるというのを知ってビックリしましたが、ヤドリバエも500種以上いるのですか。

昔は日本産の昆虫など殆ど記載され終わっているものだと思っていましたが、小さなハチやハエはまだまだなんですね。寄生生活を送る昆虫は特にそんな気がします。

奥が深いですね。深すぎてもう見えません(笑)。

投稿: タロ | 2007年7月22日 (日) 13時18分

そんなに珍しくもない昆虫にまだ和名がつけられていないのはほんとに驚きですね。でも、キノコもそうなんですよ。特に小さいキノコは名前のつけられていないものがウジャウジャ・・・

投稿: そよかぜ | 2007年7月22日 (日) 19時39分

たかがハエされどハエ
聞けば聞くほど気が遠くなるような・・・・

昆虫の世界も奥が深いのですね・・・

三匹のハエちゃんたち一生懸命さがひしひしと伝わってきます。
翅の動きが猛スピードなんですね
写ってない方が臨場感があるみたい・・です

投稿: わんちゃん | 2007年7月22日 (日) 23時05分

写真って、短い「時間」を切り取るのですが、“切り取り効果”って、ファインダーを通しては確認できないもの。それが写真の難しさでもあるし、面白さでもあるんでしょうね。

投稿: そよかぜ | 2007年7月23日 (月) 07時02分

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