タマツノホコリの担子体
タマツノホコリは原生粘菌類に属します。 とは言っても、「原生粘菌類って何?」という人も多いのではないでしょうか?
原生粘菌類は、ムラサキホコリなどの真正粘菌(=変形菌)に近い仲間です。 その一生を簡単に説明しますと、胞子から粘菌アメーバが生まれます。 粘菌アメーバ(=単細胞)は、性の異なる相性のいい粘菌アメーバに出会うと合体します。 その後は細胞の核は分裂しますが、細胞質は分裂せず、次第に大きな変形体に育っていきます。 通常何10cmという大きさでゆっくり動き回り、細菌や菌類を餌として十分に成長して成熟した変形体は、胞子を作る体制に入ります。 それがこの担子体です。
原生粘菌類や真正粘菌類の変形体は湿ったところで生活していますが、胞子を風に乗せて散布するには風通しのよい場所のほうがいいので、これからの季節、倒木の上などでこの担子体を目にすることが多くなります。
写真は'07年6月16日に、家から歩いて20分ほどの陶器山の斜面で撮ったものです。 そしてここにも小さな小さな甲虫が来ていました。 タマツノホコリの担子体を食べに来ているのだと思います。 ひょっとしたら、種子植物が果実を食べてもらって糞といっしょに種子を散布してもらうように、タマツノホコリにも胞子を食べてもらって運んでもらうという戦略があるのかもしれません。
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コメント
ハイハイ・・・
古い材木にも白い泡のようなモノがくっついてるのを見かけたことがあります。
同じようなものでしょうか?
投稿: わんちゃん 質問コーナー | 2007年6月20日 (水) 14時30分
何とも言えませんが、その可能性もありますね。
ツノホコリの仲間だけでもいろいろあって、色は白くても形は少しずつ違います。
投稿: そよかぜ | 2007年6月21日 (木) 00時01分