オオマツヨイグサ
今日は、ほとんど毎日のようにこのブログの記事にコメントをいただいているわんちゃんの、木津川近くのオオマツヨイグサについての調査結果を紹介します。 なお、この記事に至る経緯は、すべて「そよかぜBBS」に記録されています。
一番最初のいきさつは省略しますが、わんちゃんから下のような写真を送っていただきました。 花だけではマツヨイグサの仲間は名前を知るのが難しいので、葉と茎の毛の様子も写真で送っていただき、オオマツヨイグサであることを確認しました。
オオマツヨイグサの花は、4という数を基本に作られています。 つまり4個のガクに、花弁が4枚、オシベは8本(4本×2)、メシベの先は4裂しています。 通常、めしべの構造は子房の様子を反映していますが、オオマツヨイグサの子房は4つの部屋に分かれています。
ところが、たまたま送っていただいた上の写真のオオマツヨイグサは、メシベの先が6裂しています。 そのことを伝え、わんちゃんにこの植物の他の花のメシベの先端の様子を調べていただいたところ、結果は下のようになっていました(6月21日の調査)。
4裂 77個 62%
5裂 25個 20%
6裂 14個 11%
7裂 5個 4%
8裂 4個 3%
4裂が最も多いのですが、125の花のうち、4つの花は、下の写真のように、なんと8裂です! 下の写真は、黄色い花弁の中の黄色いオシベ・メシベですので、分かりやすいように画像処理をしましたので、少し色が不自然です。
マツヨイグサの仲間の花粉は虫にくっつきやすいようになっているのですが、この写真は、その花粉どうしがくっついて、糸状になっているのもよく分かります。
先ほども書いたように、通常、めしべの構造は子房の様子を反映しています。 では、この5~8裂している花の子房は何室になっているのでしょうか?
これもわんちゃんに調べていただきました。 結果は・・・
メシベの先が5~8裂している花の子房も、全て4室でした。 子房の異常も見つかりましたが、メシベの先端とは関係ありませんでした。
花は大切な子孫を残すための器官で、そう簡単に構造を変えることはできません。 特に種子を作る子房の部分はなかなか変化しないということでしょう。 でも、メシベの先と子房との組織的な繋がりはどのようになっているのでしょうか? また、他の場所でのオオマツヨイグサでも、この調査結果と同じような結果になるのでしょうか?
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コメント
オオマツヨイグサ
調査結果としてまとめて下さってありがとさんです。
この花が「月見草」と勘違いされるようになった理由は?なんでも太宰治さんが・・・
のようですね。
ホントの月見草もネットで見ました
翌朝にしぼんで赤くなるというのは
酔芙蓉と逆バージョンなんですね・・・
ホンモノの月見草見たくなりました。
又、違う場所で咲いているオオマツヨイグサもちょっと気になります・・・・
投稿: わんちゃん 質問コーナー | 2007年6月28日 (木) 23時26分
ツキミソウとスイフヨウ、昼と夜という意味では逆バージョンですが、花が白から赤くなるという意味では同じですよね。
下のページは花の色の変化についてまとめたものです。
http://www.geocities.jp/sakky_jp/hanairo/hanairo.html
投稿: そよかぜ | 2007年6月29日 (金) 00時08分
「花の色の変化」覗いてきました。
植物とハチ(ムシちゃん)の関係、誰が教えたというワケでもないでしょうに、よう出来てますなぁ・・・・
酔芙蓉は小説「風の盆恋歌」で知り、
どんな花なのかいっぺん見たかった、
見れたんですよ、ウチの近所で高い塀の上からひょこっと花が見えましてね、聞けば酔芙蓉
まだちょっと暑い夏が残っている頃、見れますよね。
投稿: わんちゃん | 2007年6月29日 (金) 15時24分
植物と虫ちゃんの関係、時間が教えたんですよ。
両者の関係は長~~い時間をかけて作られ、互いに良好な関係ができたものが栄え、今目立っている、ということなんでしょうね。
小説ではないですが、石川さゆりの「風の盆恋歌」は私の大好きな歌の1つです。
蚊帳の中から花を見る
咲いてはかない酔芙蓉・・・
いいですね~・・・
投稿: そよかぜ | 2007年6月29日 (金) 23時51分